この記事では、映画『リトル・マーメイド』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『リトル・マーメイド』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『リトル・マーメイド』の作品情報
上映時間:84分
ジャンル:ファンタジー、ラブストーリー、ミュージカル、アニメ
監督:ロン・クレメンツ、ジョン・マスカー
キャスト:ジョディ・ベンソン、サミュエル・E・ライト、バディ・ハケット、パット・キャロル etc
映画『リトル・マーメイド』の登場人物(キャスト)
- アリエル(ジョディ・ベンソン)
- 海にすむ人魚のプリンセス。トリトン王の末娘で、その美しい歌声は王国内でも随一。人間界に強い憧れを抱いており、偶然助けた人間の王子・エリックに恋をする。
- セバスチャン(サミュエル・E・ライト)
- アリエルのお世話係を務めるカニ。宮廷音楽家でもある。自由奔放なアリエルにいつも振り回されている。
- フランダー(ジェイソン・マリン)
- アリエルの友人の熱帯魚。少し気の弱いところがある。
- トリトン王(ケネス・マース)
- アリエルの父親で、海の王国を支配する王。海の生き物を殺す人間を危険視している。末娘のアリエルをとても愛しており、人間に興味を抱くアリエルを強く叱る。
- エリック(クリストファー・ダニエル・バーンズ)
- アリエルが恋した人間の王子。船が難破した際にアリエルに命を救われたが、覚えているのはその歌声とかすかな面影だけだった。
- アースラ / ヴァネッサ(パット・キャロル)
- アースラは海を乗っ取ろうとたくらむ悪い魔女。下半身がタコの姿をしている。人間になりたいアリエルにつけこみ、彼女に取引をさせる。
ヴァネッサはアースラがエリック王子を誘惑するため、人間に変身した姿。
映画『リトル・マーメイド』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『リトル・マーメイド』のあらすじ【起】
海を支配するトリトン王の娘、人魚姫のアリエルは、美しい声の持ち主。彼女は人間界に強い憧れを抱いていました。今日も誕生パーティーの練習を抜け出して、友人の熱帯魚フランダーと一緒に、人間界の物をコレクションしています。よく海面に上がって船や地上を眺めるアリエルを、父トリトン王は心配していました。人間は海の生物を殺す恐ろしい存在だからです。
ある日、アリエルは船で航海中の王子・エリックに恋をしてしまいました。しかし、彼の乗った船が嵐に襲われてしまいます。愛犬を助けようとしたエリックは、海で溺れてしまいます。アリエルはこれを傍観することができず、世話役のセバスチャンが止めるのも聞かず、エリックを救い出します。気を失っているエリックを、アリエルは浜辺でエリックを解放し、歌を歌います。エリックはもうろうとした意識の中で、その歌声とおぼろげな顔を記憶にとどめました。しかしエリックが目を覚まし始めたのに気づいたアリエルは、自分の正体がばれないよう逃げ出してしまいます。

映画『リトル・マーメイド』のあらすじ【承】
エリックに恋焦がれるアリエルでしたが、トリトン王はアリエルが人間に恋をしたと知り大激怒。アリエルのコレクションを、無敵の武器トライデントで破壊してしまいます。アリエルは悲しみにくれました。そこにつけいったのが、海の魔女アースラ。彼女は悪い魔女で、王国から追放されながら、海を乗っ取る機会をうかがっていたのです。アースラの手下にさそわれるまま、アリエルはアースラの住み家に入り込んでしまいます。
アースラは言葉巧みにアリエルを誘惑します。そして人間の脚を与える代わりに、取引をさせるのでした。それはアリエルの声を奪い、もし3日間以内にエリックとキスできなければ、アリエルはアースラのものとなってしまうというものでした。アースラはアリエルを人質にトリトン王の力を奪おうと考えていたのです。どうしても人間になりたいアリエルは、契約書にサインをしてしまいます。アリエルの声はアースラのネックレスに吸い込まれ、アリエルは人間の姿になり浜辺へ打ち上げられました。
映画『リトル・マーメイド』のあらすじ【転】
アリエルは近くの城に住んでいたエリックに助けられますが、声を出すことができません。アリエルはエリックの城に住まわせてもらうことになりました。セバスチャンとフランダーは、トリトン王にはこのことを伏せたままアリエルの手助けをしようと誓います。
エリックは歌声を頼りに命の恩人の行方を捜していたため、それがアリエルだとは気付きません。それでもエリックはアリエルに惹かれていきます。いい雰囲気になった2人でしたが、アースラの手下が邪魔をして、なかなかキスをすることができずにいました。2人が惹かれあっているのを見て危機感を感じたアースラは、奥の手を使うことにします。
エリックの前に、記憶通りの歌声を持つ美女・ヴァネッサが現れます。彼女の正体はアリエルから奪った声を借りたアースラでした。しかしエリックは、歌声に込められたアースラの魔法にかけられてしまいます。エリックはすぐさまヴァネッサとの結婚を決めるのでした。アリエルは絶望し、悲嘆に暮れます。
映画『リトル・マーメイド』の結末・ラスト(ネタバレ)
船上での結婚式がとりおこなわれようとしていました。もうすぐ約束期限の日没です。アリエルはフランダー達の助けを借りて、ヴァネッサのネックレスを破壊します。するとアリエルは声を取り戻し、エリックにかけられた魔法も解けました。アリエルが命の恩人だったと気付いたエリック。2人はキスをしようとしますが、時すでに遅く、陽は沈んでしまいました。アリエルは人魚の姿に戻り、正体を現したアースラに捕まってしまいます。
事情を知ったトリトン王はアリエルを救いに来ましたが、アースラの契約書の効力に手も足も出ません。仕方なくトリトン王は、アリエルを救う代わりに自らの身柄を差し出す契約を交わします。王位と無敵の武器を手に入れたアースラは、トリトン王を下等生物に変えてしまいます。
巨大化したアースラに、エリックは船を操りたちむかいます。海や天候すらも操るアースラの力に、エリックは苦戦しますが、ついに船の先をアースラに突きたて、アースラを倒しました。王冠とトライデントを取り戻したトリトン王は元の姿に戻り、海に平和が訪れました。
人間と人魚、相容れないもの同士、エリックとアリエルは別れざるを得ない運命でした。しかし2人の様子を見たトリトン王は、寂しさをこらえ、アリエルを人間の姿に変えてやるのでした。
映画『リトル・マーメイド』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
何度も観賞していますが、本編を見る度に、数々の素晴らしい名曲を生み出している作品だな、と心から感じます。水の表現も素晴らしく、今のCGとはまた違った良さがあって、アリエル達の住む海はとても魅力的に映ります。
「アンダー・ザ・シー」が流れる場面では、大きな魚から小さな生物まで、皆が音楽を奏でており、見ているこっちまで楽しい気分になります。陸の人間の世界とは違い、海の世界はのんびり楽しそうで、アリエルとは逆に、海に住みたいと思いました。そう感じてしまう程、この作品では海の世界が魅力的に描かれています。(女性 20代)
アリエルという人魚の姫が人間の世界に興味を抱く所から始まる、童話人魚姫を元にしたディズニー映画である。愛らしく個性的な海の生物が多数登場する。歌う事が大好きで、かつ箱入り娘ともいえるアリエルが、人間であるエリックとひょんな所で出会い、結ばれる物語。ディズニーヴィランで有名なアースラも登場する。ちょっとしたミュージカルを見ているようなキラキラした海の世界を描いているが、本当にこんな世界があったらどんなに素晴らしいかと思わせてくれる。(男性 30代)
子供の頃に見た映画であり、大人になった今でも繰り返し観ている大好きな作品である。何度見ても懐かしさやきらきらした感情が思い出し、余韻に浸ってしまうほどである。人間の王子であるエリックに恋した、人魚のプリンセスであるアリエルの物語であり、海の中の愉快な仲間たちや、悪い魔女であるアースラの思惑など、一つ一つが新鮮であった。海の中での素晴らしい光景や、音楽に合わせて踊り出す楽しそうな場面が、本当にあるのではないかと想像したり、考えたりしていた子供時代を蘇らせてくれる作品でもある。(女性 20代)
今までディズニー映画を何作も観てきましたが、今作は中でも特にとても感動する作品だと思いました。英語版も吹き替え版のどちらもアリエルの声がとても美しく、歌声を聴いていて心地良いです。ストーリーを脇で支えるセバスチャンが主人公に振り回される各シーンはクスっと笑えて終始飽きることなく観ることができます。シーンを彩るミュージックも素敵です。将来、子供ができたら必ずシェアしたいと思える作品でした。流石ディズニーです。(男性 20代)
人気のディズニー映画の一つであるリトル・マーメイド。人魚のアリエルが人間に恋をして、声と引き換えに人間になることに。魔女と契約を交わしてしまったアリエルは、人間になっても声がないことで、なかなか気づいてもらえない。魔女の策略に引っかかってしまったアリエルに、危機が近づいていく。それでもディズニー映画の結末は、ハッピーエンドと決まっている。わかっているから安心して見れる、という感覚もあることは否めないだろう。家族で何度も楽しめる作品だ。(女性 30代)
ディズニースタジオの創業者であるウォルト・ディズニーの死後、しばらく低迷期に入っていたディズニー映画を見事に復活させた傑作。
長年培われてきたアニメーション技術、ハワード・アッシュマンとアラン・メンケンという、後に多くのディズニーアニメの楽曲を手掛ける名コンビによる楽曲の数々が融合し、ディズニー映画に新しい風を吹き込んだ。
種族を超えた恋をする人魚のアリエルを娘に持ち、王である前に、良き父として苦悩するトリトン王の姿も見どころ。(男性 20代)
間違いなくディズニー名作アニメーションで、セル画でここまでの動きを作れる当時のスタッフの技術にビックリさせられる。当時のアニメの技術の集大成を見れるこの映画は歴史に残る作品だ。
それにミュージカル部分がどれも耳に残り、名曲ばかり。キャラクターも個性的で、とくにアースラはディズニー作品でも屈指の名悪役だ。「哀れな人々」の歌唱など彼女が登場するだけで不気味さと迫力が段違いで、この場面は子供には若干刺激が強すぎたようだ。(男性 30代)
幼い頃に観て以来、何度見ても色褪せない名作。アリエルの「人間の世界に憧れる気持ち」に、子どもながらにワクワクしたのを覚えています。今回は大人の視点で観たのですが、父親との関係や自己決断の重さなど、深いテーマに気づかされました。音楽も素晴らしく、「パート・オブ・ユア・ワールド」はやっぱり名曲。(30代 女性)
ディズニー映画の中でも、やはり『リトル・マーメイド』は特別な存在です。アリエルの自由を求める心と勇気に、何度見ても心を動かされます。ウルスラとの契約から始まる緊張感ある展開と、クライマックスの海上バトルも見ごたえあり。エリック王子との恋が成就するラストはハッピーエンド好きにはたまらない!(20代 女性)
正直、子どもの頃はただの人魚姫の話だと思っていましたが、大人になって見直してみると、アリエルの選択がいかに勇気あることかに気づきました。親の反対を押し切って、自分の夢のために未知の世界に飛び込む彼女の姿に心打たれます。アニメーションも今見ても色鮮やかで美しく、まさにディズニー・ルネサンスの原点。(40代 男性)
映画『リトル・マーメイド』を見た人におすすめの映画5選
美女と野獣(1991)
この映画を一言で表すと?
「本当の美しさは心の中にある」と教えてくれる、魔法と愛のディズニークラシック!
どんな話?
自由を夢見る読書好きの少女ベルが、魔法で野獣に姿を変えられた王子と出会い、次第に心を通わせていくファンタジーロマンス。愛と変化の物語が、名曲と共に綴られます。
ここがおすすめ!
『リトル・マーメイド』と同じく、「真実の愛」を描いた名作。名曲「美女と野獣」や、個性豊かなキャラクター、美しいアニメーションは必見。ロマンスと成長、魔法が絶妙に融合しています。
塔の上のラプンツェル(2010)
この映画を一言で表すと?
光を求める少女が、自分の世界を見つけに飛び出す、感動の冒険ファンタジー!
どんな話?
外の世界を知らずに塔で育ったラプンツェルが、自分の運命を変えるために旅に出る物語。元盗賊の青年フリンと共に冒険しながら、愛と自由を見つけていきます。
ここがおすすめ!
アリエル同様、自由を求めて未知の世界へ飛び込むヒロインの物語。映像の美しさ、音楽、アクション、そしてユーモアも満載で、ディズニーの新時代を象徴する傑作です。
モアナと伝説の海(2016)
この映画を一言で表すと?
大海原を舞台に描かれる、運命に導かれた少女の壮大な航海!
どんな話?
島の未来を救うため、少女モアナが一人で大海原へ旅立つ冒険ファンタジー。半神マウイとの出会いを通して、自分の使命と本当の強さを知っていきます。
ここがおすすめ!
海をテーマにした美しい映像とパワフルなヒロインの物語は、『リトル・マーメイド』ファンにぴったり。音楽も名曲揃いで、心が解き放たれるような爽快感が魅力です。
アナと雪の女王(2013)
この映画を一言で表すと?
“真実の愛”の形は恋だけじゃない。姉妹の絆が世界を救う!
どんな話?
氷の魔法を持つエルサと、明るく前向きなアナ。王国を凍らせてしまった姉を追って旅に出る妹の奮闘と、姉妹の愛が試される壮大な冒険が描かれます。
ここがおすすめ!
『リトル・マーメイド』のように、家族や自分自身との向き合い方がテーマに。「Let It Go」の大ヒットも記憶に新しい、映像も音楽も圧倒的な完成度を誇る名作です。
メリダとおそろしの森(2012)
この映画を一言で表すと?
運命に逆らい、自分の道を切り開く弓矢のプリンセス!
どんな話?
スコットランドを舞台に、結婚を強いられそうになった王女メリダが運命を変えるために魔法に頼ったことから始まる、母娘の絆と成長の物語。
ここがおすすめ!
自分の人生を自分で決めたいという強い意志を持つメリダの姿は、アリエルと共通する部分が多いです。プリンセス=恋愛ではない、新たな価値観を示す一作としても注目です。
みんなの感想・レビュー
本作制作前のディズニー映画はどれも一緒でした。ヒロインが王子様の登場を待ち、王子様がヒロインを助けて結ばれる。手垢がつきすぎてもう触りたくないような物語です。
本作からは毛色を変えました。ヒロインを自ら問題に立ち向かっていく強い女性にしたのです。これが大受けし、本作は大ヒットを記録。ヒロインのアリエルは特に人気の高いキャラクターとして、今でもグッズが製作されるほどの人気を得ました。
最近のディズニー・アニメのような洗練されたキャラクター像と物語があるわけではありませんが、記念すべき作品として覚えておいて間違いないです。ディズニーファンなら絶対に見なくてはいけない作品ですね。
本作の人気はとても高いんです。私の知り合いのディズニーファンはみんな本作が大好きでした。人気がありすぎて、ミュージカルとしてニューヨークでロングラン公演されたり、劇団四季がキャッツの後釜に採用したり、TVシリーズが放送されたりしました。
平凡な作品を連発していたディズニーが息を吹き返した記念すべき作品は、そのインパクトの強さから世界中で愛され過ぎているのでした。
正直言って、あんまり好きな映画ではないんです。私は本作をリアルタイムで見たわけではないので、ディズニーが息を吹き返した衝撃を感じられませんでした。物心ついた時にはダウンタウンは人気者だった、みたいな感じです。
今見ると、アリエルのキャラクターの完成度はそれほどではないと思います。ディズニーの名作はヴィラン(悪役)が素晴らしい働きをしている。本作のヴィラン・アースラはなかなかのワルでしたね。良いキャラクターだと思います。彼女の若いころを題材にしたスピンオフを見てみたいですね。彼女のような無性に興味が湧いてくるサブキャラクターは、映画には絶対に必要です。B級映画の帝王ロジャー・コーマンは「売れる映画には必ず素晴らしい悪役がいる」と述べていますけど、そのとおりですよ。今の邦画界にはいい悪役が少ないんですよね……。