映画『マイマイ新子と千年の魔法』の概要:小学3年生の青木新子は空想が大好きな女の子だった。ある日、新子のクラスに、東京から島津貴伊子という女の子が転校してきた。新子は貴伊子と一緒に“空想遊び”をするようになり、仲良くなっていった。
映画『マイマイ新子と千年の魔法』の作品情報
上映時間:93分
ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ、アニメ
監督:片渕須直
キャスト:福田麻由子、水沢奈子、森迫永依、松元環季 etc
映画『マイマイ新子と千年の魔法』の登場人物(キャスト)
- 青木新子(福田麻由子)
- 小学3年生。おでこにマイマイ(つむじ)がある。空想が大好き。おじいちゃんっ子。妹の光子とはよく喧嘩をするが、一緒に遊ぶこともあり、仲は良い。
- 島津貴伊子(水沢奈子)
- 東京からの転校生で、新子と同じクラス。父は医師。母は幼い頃に亡くなっており、記憶があまりない。最初は大人しかったが、新子達と仲良くなるにつれて、明るく活発な部分が出てきた。
- 諾子(森迫永依)
- 千年前の国衙にいたかもしれない少女。父は歌人。使用人が身の回りの世話をするほど、身分の高い人物。一緒に遊んでくれる友人を求めている。
- 鈴木タツヨシ(江上晶真)
- 新子達の兄貴分。寡黙で笑うことがあまりない。父は警察官。父の木刀をお守りのように大事にしている。
- ひづる先生(脇田美代)
- 新子の学校の保健の先生。結婚することになり、東京に行くことが決まる。
映画『マイマイ新子と千年の魔法』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『マイマイ新子と千年の魔法』のあらすじ【起】
青木新子が暮らす山口県防府市・国衙の辺りは、昔「周防の国」と呼ばれ、何千年も前から人々が生活を営んでいた。そんな興味深く面白い話を、新子は祖父の小太郎から教えてもらっていた。新子は想像力が逞しく、昔の人をまるで生きているかのように目の前に登場させ、眺めているのが好きだった。
青木新子のクラスに、東京から島津貴伊子という女の子が転校してきた。貴伊子は地元の女の子と違い香水をつけていたため、外国かぶれだと陰口を言われ、初日から浮いた存在だった。その日は担任が出産した奥さんに付き添っていたため、1時間目は自習となった。地図を色鉛筆で色塗りすることになり、貴伊子は26色もある綺麗な色鉛筆を使って地図を塗り始めた。すると、それに気づいたクラスメイト達が、興味津々に色鉛筆を眺めはじめた。皆そんなにたくさんの種類の色鉛筆を使ったことがなかったのだ。貴伊子は1人の男子クラスメイト(シゲル)から色鉛筆を貸してくれと頼まれ仕方なく承諾するが、シゲルが芯を折るたびにナイフで削るため、色鉛筆はどんどん小さくなってしまう。貴伊子はシゲルから無理矢理鉛筆を取り返そうとして揉み合いになり、突き飛ばされてしまう。それを遅れてやって来た担任が目撃し、シゲルは廊下で立たされることになった。
新子は2人の様子を見ていてシゲルに悪気がなかったことを知っていたため、シゲルが1人で廊下に立たされたことに納得がいかなかった。下校途中の貴伊子を追いかけ、そのことを伝えた。貴伊子は小さな声で謝罪をすると、とぼとぼと歩きながら帰って行った。新子は貴伊子のことが気になり、その後も貴伊子の後を追いかけた。すると、貴伊子は大きい犬を怖がるような、可愛らしい普通の女の子であることが分かった。
映画『マイマイ新子と千年の魔法』のあらすじ【承】
新子は貴伊子の家にお邪魔した後、自分の家にも招待した。貴伊子はお土産にチョコを持って行ったのだが、そのチョコの中にはウィスキーが入っていた。新子達はそれを知らずチョコを食べてしまい、酔っ払ってしまう。新子の母や祖父母は酔っ払った新子達を発見し心配するが、チョコの誘惑に勝てず、自分達もチョコを食べて味わった。
新子は千年前からあると言われている道に貴伊子を連れて行き、一緒に空想遊びを楽しんだ。始めは戸惑っていた貴伊子も、新子とはしゃいで回った。昔の建物や風景を想像しながら町の中を走っていると、遺跡を掘り起こしている人達を発見する。新子は昔の人形がどんな形をしていたのか気になったので出てこなかったか質問するが、そんな柔らかい物は土の中では残らないのだと言われてしまう。新子ががっかりしていると、作業員のおじさんから、君達ぐらいの女の子が住んでいたかもしれないと慰められる。
新子と貴伊子は千年前に暮らしていた少女に思いを馳せた。貴伊子は新子の真似をして少女の姿を思い浮かべようとするが、なかなか思い描くことができなかった。時は千年前に遡り、諾子という女の子が周防の国に暮らしていた。自分と同い年の女の子が待っていると言われて、逸る気持ちを抑えて周防の国にやって来たのだが、待てど暮らせどそんな女の子は訪ねて来なかった。奇しくも諾子が来る前に、その女の子は亡くなってしまったのだ。家来は何百年前も昔の祖先の話をして、諾子の気を紛らわした。
映画『マイマイ新子と千年の魔法』のあらすじ【転】
貴伊子は次第にクラスメイトと話せるようになり、新子と一緒にシゲル達と遊ぶようになった。そこで、貴伊子はやっとこの間突き飛ばしたことを、シゲルに謝罪することができた。シゲルは気にしておらず、照れたように謝罪を受け入れた。新子はそんな貴伊子達の様子を嬉しそうに見ていた。
貴伊子達は用水路の水を使って、“ダム遊び”をしていた。すると、1匹の赤い金魚がどこからか紛れ込んでやって来た。貴伊子達はその金魚に、大好きな保健室のひづる先生と同じ、“ひづる”という名前を付けた。貴伊子は母を亡くしており、ひづる先生に母の面影を重ねていた。新子は悲しそうにそのことを話す貴伊子の手を握った。
新子達は千年前に暮らしていた女の子について、何か分からないかひづる先生に尋ねた。すると、清少納言について書かれている本に載っている、「諾子」という名前の女の子のことを教えてもらう。本によると、諾子は父と一緒に京都から国衙に来た可能性が高かった。新子達はその話を聞いてから、諾子と友達になりたいと思うようになっていた。千年前、諾子は使用人の子供達の手を借りて、馬車を飾り付けて楽しんでいた。だが、“友人”になりたいと思っている女の子は笑ってくれず、寂しい気持ちを抱えていた。
新子達が一緒に遊んでいると、新子の妹の光子が行方不明になってしまう。新子達はあちこち走り周り、必死に光子の行方を捜した。途中でひづる先生に出会ったため光子のことを尋ねるが、知らないと言われてしまう。夕方探し疲れて自宅に帰ると、警察官(タツヨシの父)が光子を保護してくれていた。新子はそのことに安堵し、光子を抱きしめて無事を喜んだ。すると、ひづる先生が訪ねて来た。ひづる先生も密かに光子のことを探してくれていたのだ。新子が光子を連れてひづる先生を送っていると、ひづる先生の左手に指輪が嵌められていることに気づく。ひづる先生は結婚するため、学校を辞めることを2人に打ち明けた。
映画『マイマイ新子と千年の魔法』の結末・ラスト(ネタバレ)
金魚のひづるが亡くなってしまう。新子は悲しんでいる友人達を励ますため、お葬式をあげることを提案した。だが、貴伊子の悲しみは特に深く、お葬式をあげた後、肩を落としながら帰ってしまう。新子が貴伊子の気持ちを思いしょげていると、シゲルから“ひづる”によく似た金魚を見つけたと教えられる。しかし、皆で探すが、金魚は見つからなかった。すると、皆の兄貴分であるタツヨシが声を上げ、父の木刀を掲げて、明日見つけようと落ち込む皆を鼓舞した。
その日の夕方、新子の家にタツヨシが訪ねて来た。タツヨシは落ち込んだ様子で、謝罪して帰って行った。新子はタツヨシの言葉がよく分からず戸惑っていると、祖母と母の会話からタツヨシの父が自殺したことが分かった。バーの女性に入れあげ、ヤクザに借金を作ってしまったのだ。新子は祖父が否定してくれることを期待したが、それは叶わなかった。
新子は貴伊子の家に手紙を届けた後、タツヨシと共に家出をした。手紙には今まで自分の空想で振り回したことについて、謝罪の言葉が綴られていた。貴伊子がその手紙を読んだ後ベッドに横になっていると、いつの間にか諾子の姿になっていた。貴伊子は諾子の姿で、友人になりたいと願っていた女の子に会いに行った。女の子は家族が病気で倒れたため、看病していた。諾子は持って来た人形でその女の子と遊び、その女の子の妹達を笑わして遊んだ。
一方の新子とタツヨシは、タツヨシの父が入れあげていたバーの女性に会いに行っていた。ヤクザに凄まれ追い返されそうになるが、新子は涙ながらにタツヨシの父が亡くなったことを話した。バーの女性は泣きじゃくって悲しんだ。タツヨシは女性を殴ろうとするが、どうしても殴ることができなかった。ただ、父を思い、涙を流して亡くなったことを悲しんだ。タツヨシは声を上げながら外へ出ると、新子に明日いなくなることを告げた。大阪にいる母の親戚の家に行くことが決まっていたのだ。タツヨシは将来自分の子供と向き合って遊ぶことを約束し、父の木刀を新子に託して笑顔で去って行った。
新子は“ひづる”によく似た金魚を発見し、貴伊子を呼びに行った。2人は夜の町を走り、金魚を見に行った。新子達は無事に金魚を発見する。新子が自分の空想上の人物について貴伊子と笑い合っていると、父が迎えに来た。新子は貴伊子と手を繋ぎながら家に帰った。
冬の終わりに新子の祖父が亡くなった。春、新子は父が勤める大学がある町に引っ越すことが決まった。新子は貴伊子達に見送られ、旅立って行った。
みんなの感想・レビュー
>匿名 より:
2020年10月29日 11:52
これはジブリ作品なのですか?
違います。
これはジブリ作品なのですか?
私も転勤族で転校先の子供の気持ちが小学生の女の子を通して事細かに表現されており、大人の世界にも首を入れながらも新天地への別れが描かれたいつもながらのジブリ作品とは一味違いながらも心に訴える作品であった。