この記事では、映画『麻雀放浪記』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『麻雀放浪記』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『麻雀放浪記』の作品情報
上映時間:109分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:和田誠
キャスト:真田広之、大竹しのぶ、加賀まりこ、内藤陳 etc
映画『麻雀放浪記』の登場人物(キャスト)
- 哲(真田広之)
- 17歳の年齢で、高校には行かずに麻雀で生計を立てようとする。最初は麻雀のルールもよく分からず負けてばかりだったが、出目徳と手を組んで麻雀技術を磨く。博奕の世界に身を投じ、人生の悲喜交々を経験して成長する。
- ドサ健(鹿賀丈史)
- 根っからの博奕打ち。同棲中の彼女であるまゆみの家の権利証を賭けて勝負をしたり、まゆみを担保にして博奕の金を用意したりする。博奕となると身勝手になるが、まゆみを深く愛している。
- 上州虎(名古屋章)
- かつて鉄工所で哲に博奕を教えた博奕打ち。偶然出会った哲を賭博場に連れていくが、金を摺ったので哲に金をせびる。
- 出目徳(高品格)
- 麻雀のイカサマ技に秀でている博奕打ち。一流の技術を哲に伝授し、彼と組んで荒稼ぎする。ヒロポン中毒に犯されており、ドサ健との勝負の時にはボロボロの身体となっていた。
- 八代ゆき(加賀まりこ)
- クラブのママ。哲と組んで、米兵相手に麻雀をして店の経営を助ける。米兵相手の麻雀で1人勝ちしたことを逆恨みされ、米兵に脅されて勝ち金を奪われる。
- まゆみ(大竹しのぶ)
- ドサ健の同棲相手。ドサ健に振り回されながらも、一途な気持ちで彼に寄り添う。ドサ健のためなら、自分が売られてしまいそうになる現実も受け止めようとする。
映画『麻雀放浪記』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『麻雀放浪記』のあらすじ【起】
敗戦後の日本。哲はかつて鉄工所で博奕を教えてくれた虎に偶然再会する。哲は虎に賭場を紹介してもらい、二人はチンチロリンで勝負する。虎は早々に無一文となり、順調に金を稼ぐ哲に金の無心をする。その場にいたドサ健と呼ばれる男は、虎の行為を咎めて彼を賭場から追い出す。その後、ドサ健は賭け方について哲に指南する。
博奕で生計を立てたいという哲に、ドサ健は新しい賭場を紹介する。一見普通のクラブだったが、奥の部屋では米兵が麻雀卓を囲んでいた。クラブのママのゆきに案内され、哲とドサ健はそれぞれ別の卓に座る。ドサ健は勝ってその場を去ったが、ルールもよく知らない哲は、負け続けて金が足らなくなり、米兵に叩きのめされる。
博奕の厳しい現実を知った哲は落ち込んでいたが、ゆきは彼を慰める。哲は初めて女性を経験する。ゆきは哲に麻雀で手を組まないかと誘い、哲に麻雀のいろはを教える。2人は店の麻雀で結託し、上手に稼いでいった。しかし、順調な時期はいつまでも続かなかった。

映画『麻雀放浪記』のあらすじ【承】
ある夜、ゆきは米兵3人を相手に麻雀をして、1人勝ちをする。彼女を逆恨みした米兵の1人が、彼女を脅して勝ち金を全て奪う。泣いて怒る彼女の姿を見て、哲は彼女のために麻雀の技術を磨けないか考えていた。
哲は立ち寄った麻雀店で、出目徳と出会う。出目徳は哲の才能を見込んで、究極の上がり手を作るイカサマ技を教える。哲は出目徳と組んで、荒稼ぎをした。
しばらく出目徳のもとで技術を磨いていた哲は、ある日ゆきを訪ねる。哲は麻雀の技術を磨いたことや、彼女への熱い想いを伝える。しかし、ゆきは自分より若すぎる彼の気持ちに応えることはなかった。
いつものように、哲と出目徳は麻雀を打ちに行く。相手はドサ健と達だ。達は人身売買を生業とし、彼も生っ粋の博奕打ちである。ドサ健らは哲と出目徳が組んでいるとは知らず、その術中にはまる。哲と出目徳は立て続けにイカサマ技を決め、ドサ健は徐々に調子を狂わせる。
ドサ健は無一文となってもまだ勝負を辞めず、同棲相手であるまゆみの家の権利証を持ち出してまで最後の勝負に出る。しかし、ツキに見放されたドサ健は、それすらも出目徳に奪われる。ドサ健は宿無しの無一文となったが、まゆみは彼に心底惚れていたので、彼にどこまでもついていくことを決める。
一方、哲はイカサマをしてドサ健に勝ったことに空しさを感じ、出目徳と手を組むことを辞めた。
映画『麻雀放浪記』のあらすじ【転】
まゆみはドサ健のために飲み屋で健気に働く。しかし、ドサ健は大金を稼げるチャンスとなる勝負の話を聞いて、まゆみを担保として達から勝負に参加するための金を借りる。まゆみはドサ健のために女郎になる覚悟を決めていたが、達はギリギリまでドサ健が金を持ってまゆみを取り返しに来るのを待った。
しかし、ドサ健は来なかった。痺れを切らした達は、ドサ健のもとを訪ねる。ドサ健は勝負に負けたわけではなかったが、質入れしたまゆみを引き取ることを思いとどまっていた。ドサ健は哲と出目徳、達との麻雀勝負で勝って、まゆみを取り戻すことを決める。
一方、哲がゆきの家に行くと、そこは空き家になっていた。クラブに警察の捜査が入り、オーナーであるゆきの旦那は逮捕され、ゆきは姿を消していた。
哲はゆきを失った悲しみを、まゆみを邪険に扱うドサ健にぶつける。しかし、ドサ健は博奕を愛し、まゆみを愛していただけだった。
映画『麻雀放浪記』の結末・ラスト(ネタバレ)
哲、出目徳、ドサ健、達の真剣勝負が始まる。哲は出目徳とは組まず、それぞれが孤独な戦いに挑む。勝負は静かに進み、一進一退の攻防が続く。日が高い頃から始めた勝負だったが、いつの間にか夜が明ける。出目徳は大技を次々繰り出すが、ひとたび休憩に入ると、その腕に注射を打っていた。彼はヒロポン中毒になっており、彼の身体はもはやこと切れる寸前であった。
時が進み、ドサ健がリードをして、早速まゆみを達から取り戻した。哲も徐々にその腕を上げ、麻雀を教えてもらった出目徳からも勝ちを奪う。達は無一文になったが、家から金を持ってこいと伝えるよう、まゆみに頼む。その卓にいた全員が麻雀に全てを賭け、彼らの運と技術をぶつけ合っていた。
突然、出目徳の手が止まり、麻雀卓に突っ伏す。出目徳は死んでいた。ドサ健は出目徳の身ぐるみを全て剥がしにかかる。負けた奴は裸になるという博奕の決まりを、ただ実行しているだけだった。
哲、ドサ健、達は出目徳の遺体を自宅前まで運び、坂の上から遺体を転がす。遺体は水たまりに落ちた。3人は出目徳の死に様を博徒の最後として、感慨深く見つめた。3人は帰りの道で虎と出会う。また博奕を打つため、4人は帰路に着く。
映画『麻雀放浪記』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
ばくち打ちというアウトローで特殊な世界ではありますが、戦後の混乱した時代の様子がわかる作品でした。最後のシーンで「窓」と一言言って死んだ出目徳と、その遺体を投げ捨てた後の哲の「おっさん」のセリフが印象的でした。17歳で博徒になることを決めた哲は、その死に様に自分を重ねていたのかと思います。自分がそうなりたいとは思いませんが、命も賭けるような誰にも縛られない自由な生き方、ちょっとだけ憧れます。(女性 40代)
戦後の混沌とした時代に生きる博徒たちの生き様を描いたこの作品は、麻雀映画でありながら、実は人間ドラマとしての深みがすごかった。坊や哲の純粋な勝負師としての姿勢が印象的で、麻雀の腕前よりも「生き方」の問題として描いているのが面白い。ドサ健との因縁、そしてお雪との切ない関係にもぐっときました。(30代 男性)
麻雀を知らなくても十分楽しめたし、むしろ登場人物たちの生き様の方に引き込まれました。特に印象に残ったのは、坊や哲が勝負の世界に飲まれていく姿が、若者の純粋さと危うさを象徴していたこと。あの時代だからこその切実さが映し出されていて、戦後日本の裏社会をのぞくような感覚になりました。(40代 女性)
ドサ健というキャラクターがあまりに濃くて、彼が出てくるシーンは何とも言えない緊張感と滑稽さが同居していました。裏切りも騙し合いもある世界の中で、坊や哲がどこまで自分の信念を貫けるかを見守る物語として、すごく味わい深かったです。セリフ回しも粋で、昭和の香りがぷんぷんするのも好みでした。(50代 男性)
ギャンブル映画だと思って軽い気持ちで観たけど、思った以上に文学的で感情的な映画だった。坊や哲のキャラクターは「正直すぎるギャンブラー」として、時代の流れに取り残されていく姿が切ない。最後にまた放浪の旅に出る彼の後ろ姿が、とても美しく、孤独と自由を背負っているように見えた。(20代 女性)
麻雀というゲームが、ただの娯楽ではなく「人間関係」と「心理戦」の象徴として描かれていたのが面白い。坊や哲とドサ健、二人の対比が絶妙で、勝負師としての美学がぶつかるラストの麻雀シーンは鳥肌モノ。戦後の混乱期という背景が、登場人物たちの行動や言葉にリアリティを与えていました。(30代 女性)
勝負に生きる人間の孤独と覚悟を描いた傑作。坊や哲の飄々としたキャラと裏腹に、胸の奥にある「生き方」への渇望がじわじわと伝わってくる。お雪との関係は儚くて、あの時代の女性の立場の切なさも感じさせられた。淡々としているのに心に刺さる、不思議な余韻のある映画です。(60代 男性)
昔の日本映画はちょっと…と思っていたけど、この作品はテンポも良くて全く古臭く感じなかった。セリフが粋でキャラクターも立っていて、麻雀を知らなくても人間ドラマとして楽しめるのが良い。哲とドサ健が再会して最後に勝負を挑むシーン、あれだけでこの映画のテーマが全部詰まってる気がする。(20代 男性)
画面の色味や昭和感が最高で、まるで小説を読んでいるような感覚に。麻雀という題材を通じて描かれるのは、実は「男の孤独」と「信念」なんだなと気づかされました。坊や哲のブレなさと、まっすぐさがとてもかっこよかった。現代の作品にはない、情緒と風格がある映画でした。(40代 女性)
坊や哲が生きる世界は決して美化されていないのに、なぜか美しさを感じてしまう。勝ち続けることが人生の目的ではなく、「勝負に挑み続ける」ことにこそ意味があるんだと気づかされた。哲の最期の選択には賛否あるかもしれないけど、あの背中にこそ人間の自由があると思う。(30代 男性)
映画『麻雀放浪記』を見た人におすすめの映画5選
仁義なき戦い
この映画を一言で表すと?
昭和の裏社会をリアルに描いた日本映画の金字塔。
どんな話?
戦後の広島を舞台に、混乱の中でのし上がっていくヤクザたちの抗争と血で血を洗う闘争を描いた実録風ドラマ。男たちの義理と裏切りが交差する群像劇で、日本映画史に残る迫力と重厚さを誇るシリーズの第一作。
ここがおすすめ!
『麻雀放浪記』と同じく、戦後の混沌とした時代背景が物語の核にあり、人間臭さ全開のキャラクターたちが魅力的です。セリフや演出も男臭く、孤独な勝負の世界に生きる者たちの姿に惹かれた方に強くおすすめです。
タクシードライバー
この映画を一言で表すと?
孤独と暴力の狭間で崩れていく男の内面世界。
どんな話?
戦争帰りの元兵士トラヴィスが、夜のニューヨークをタクシードライバーとして生きながら、自らの孤独と社会への怒りに囚われていく心理ドラマ。やがて彼は“正義”の名の下に銃を手にする。
ここがおすすめ!
坊や哲と同じく、社会から孤立しながらも自分の美学で生きる男の姿が描かれています。静かに狂気へと傾いていく演出と、社会の歪みを背景にした人間ドラマが、『麻雀放浪記』に通じる空気を持っています。
黄金の犬
この映画を一言で表すと?
男が一人、正義と復讐のために闇へと潜る。
どんな話?
元刑事が冤罪で刑務所に入れられ、出所後に自らを陥れた者たちへの復讐を果たすため裏社会に足を踏み入れる。暴力、義理、人情が交錯する70年代アクション映画の隠れた名作。
ここがおすすめ!
不器用に生きる男が、信念を曲げずに自分の道を突き進む姿は坊や哲とも重なります。社会の底辺で生きる者たちの誇りや葛藤が丁寧に描かれ、骨太なストーリーが好きな方に刺さる一作です。
カイジ 人生逆転ゲーム
この映画を一言で表すと?
極限のギャンブルが暴く、人間の本性と欲望。
どんな話?
借金を背負った青年カイジが、一発逆転をかけて乗り込んだ謎のクルーズ船で、命を賭けたギャンブルに挑んでいく。知略と運、そして心理戦が展開するスリリングな頭脳バトル。
ここがおすすめ!
ギャンブルを通して描かれるのは、勝つこと以上に「人間の弱さと強さ」。『麻雀放浪記』のように運命に翻弄されながらも賭けに生きる主人公の姿は、熱くて哀しいギャンブル映画の真骨頂です。
博奕打ち 総長賭博
この映画を一言で表すと?
命を賭けた勝負の中にこそ、男の誇りが宿る。
どんな話?
ヤクザ世界のしがらみと抗争の中で、一匹狼の博徒が仁義と意地を貫こうとする物語。鶴田浩二の硬派な演技と美学が際立つ東映任侠映画の代表作。
ここがおすすめ!
博打・義理・仁義といった価値観が時代背景の中に濃厚に息づいており、『麻雀放浪記』に通じる“男の美学”が随所に光ります。渋い世界観が好きな方にはたまらない一本です。
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