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映画『麻雀放浪記』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『麻雀放浪記』の概要:敗戦後の荒れ果てた東京で、麻雀で生計を立てようとする哲が、様々な博徒と出会う中で成長していく。哲はドサ健に博徒としての厳しい現実を突きつけられる。博徒の道を諦めようとした哲だったが、麻雀に卓越した出目徳と手を組んで、その技術を磨いていく。

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映画『麻雀放浪記』の作品情報

麻雀放浪記

製作年:1984年
上映時間:109分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:和田誠
キャスト:真田広之、大竹しのぶ、加賀まりこ、内藤陳 etc

映画『麻雀放浪記』の登場人物(キャスト)

哲(真田広之)
17歳の年齢で、高校には行かずに麻雀で生計を立てようとする。最初は麻雀のルールもよく分からず負けてばかりだったが、出目徳と手を組んで麻雀技術を磨く。博奕の世界に身を投じ、人生の悲喜交々を経験して成長する。
ドサ健(鹿賀丈史)
根っからの博奕打ち。同棲中の彼女であるまゆみの家の権利証を賭けて勝負をしたり、まゆみを担保にして博奕の金を用意したりする。博奕となると身勝手になるが、まゆみを深く愛している。
上州虎(名古屋章)
かつて鉄工所で哲に博奕を教えた博奕打ち。偶然出会った哲を賭博場に連れていくが、金を摺ったので哲に金をせびる。
出目徳(高品格)
麻雀のイカサマ技に秀でている博奕打ち。一流の技術を哲に伝授し、彼と組んで荒稼ぎする。ヒロポン中毒に犯されており、ドサ健との勝負の時にはボロボロの身体となっていた。
八代ゆき(加賀まりこ)
クラブのママ。哲と組んで、米兵相手に麻雀をして店の経営を助ける。米兵相手の麻雀で1人勝ちしたことを逆恨みされ、米兵に脅されて勝ち金を奪われる。
まゆみ(大竹しのぶ)
ドサ健の同棲相手。ドサ健に振り回されながらも、一途な気持ちで彼に寄り添う。ドサ健のためなら、自分が売られてしまいそうになる現実も受け止めようとする。

映画『麻雀放浪記』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『麻雀放浪記』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『麻雀放浪記』のあらすじ【起】

敗戦後の日本。哲はかつて鉄工所で博奕を教えてくれた虎に偶然再会する。哲は虎に賭場を紹介してもらい、二人はチンチロリンで勝負する。虎は早々に無一文となり、順調に金を稼ぐ哲に金の無心をする。その場にいたドサ健と呼ばれる男は、虎の行為を咎めて彼を賭場から追い出す。その後、ドサ健は賭け方について哲に指南する。

博奕で生計を立てたいという哲に、ドサ健は新しい賭場を紹介する。一見普通のクラブだったが、奥の部屋では米兵が麻雀卓を囲んでいた。クラブのママのゆきに案内され、哲とドサ健はそれぞれ別の卓に座る。ドサ健は勝ってその場を去ったが、ルールもよく知らない哲は、負け続けて金が足らなくなり、米兵に叩きのめされる。

博奕の厳しい現実を知った哲は落ち込んでいたが、ゆきは彼を慰める。哲は初めて女性を経験する。ゆきは哲に麻雀で手を組まないかと誘い、哲に麻雀のいろはを教える。2人は店の麻雀で結託し、上手に稼いでいった。しかし、順調な時期はいつまでも続かなかった。

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映画『麻雀放浪記』のあらすじ【承】

ある夜、ゆきは米兵3人を相手に麻雀をして、1人勝ちをする。彼女を逆恨みした米兵の1人が、彼女を脅して勝ち金を全て奪う。泣いて怒る彼女の姿を見て、哲は彼女のために麻雀の技術を磨けないか考えていた。

哲は立ち寄った麻雀店で、出目徳と出会う。出目徳は哲の才能を見込んで、究極の上がり手を作るイカサマ技を教える。哲は出目徳と組んで、荒稼ぎをした。

しばらく出目徳のもとで技術を磨いていた哲は、ある日ゆきを訪ねる。哲は麻雀の技術を磨いたことや、彼女への熱い想いを伝える。しかし、ゆきは自分より若すぎる彼の気持ちに応えることはなかった。

いつものように、哲と出目徳は麻雀を打ちに行く。相手はドサ健と達だ。達は人身売買を生業とし、彼も生っ粋の博奕打ちである。ドサ健らは哲と出目徳が組んでいるとは知らず、その術中にはまる。哲と出目徳は立て続けにイカサマ技を決め、ドサ健は徐々に調子を狂わせる。

ドサ健は無一文となってもまだ勝負を辞めず、同棲相手であるまゆみの家の権利証を持ち出してまで最後の勝負に出る。しかし、ツキに見放されたドサ健は、それすらも出目徳に奪われる。ドサ健は宿無しの無一文となったが、まゆみは彼に心底惚れていたので、彼にどこまでもついていくことを決める。

一方、哲はイカサマをしてドサ健に勝ったことに空しさを感じ、出目徳と手を組むことを辞めた。

映画『麻雀放浪記』のあらすじ【転】

まゆみはドサ健のために飲み屋で健気に働く。しかし、ドサ健は大金を稼げるチャンスとなる勝負の話を聞いて、まゆみを担保として達から勝負に参加するための金を借りる。まゆみはドサ健のために女郎になる覚悟を決めていたが、達はギリギリまでドサ健が金を持ってまゆみを取り返しに来るのを待った。

しかし、ドサ健は来なかった。痺れを切らした達は、ドサ健のもとを訪ねる。ドサ健は勝負に負けたわけではなかったが、質入れしたまゆみを引き取ることを思いとどまっていた。ドサ健は哲と出目徳、達との麻雀勝負で勝って、まゆみを取り戻すことを決める。

一方、哲がゆきの家に行くと、そこは空き家になっていた。クラブに警察の捜査が入り、オーナーであるゆきの旦那は逮捕され、ゆきは姿を消していた。

哲はゆきを失った悲しみを、まゆみを邪険に扱うドサ健にぶつける。しかし、ドサ健は博奕を愛し、まゆみを愛していただけだった。

映画『麻雀放浪記』の結末・ラスト(ネタバレ)

哲、出目徳、ドサ健、達の真剣勝負が始まる。哲は出目徳とは組まず、それぞれが孤独な戦いに挑む。勝負は静かに進み、一進一退の攻防が続く。日が高い頃から始めた勝負だったが、いつの間にか夜が明ける。出目徳は大技を次々繰り出すが、ひとたび休憩に入ると、その腕に注射を打っていた。彼はヒロポン中毒になっており、彼の身体はもはやこと切れる寸前であった。

時が進み、ドサ健がリードをして、早速まゆみを達から取り戻した。哲も徐々にその腕を上げ、麻雀を教えてもらった出目徳からも勝ちを奪う。達は無一文になったが、家から金を持ってこいと伝えるよう、まゆみに頼む。その卓にいた全員が麻雀に全てを賭け、彼らの運と技術をぶつけ合っていた。

突然、出目徳の手が止まり、麻雀卓に突っ伏す。出目徳は死んでいた。ドサ健は出目徳の身ぐるみを全て剥がしにかかる。負けた奴は裸になるという博奕の決まりを、ただ実行しているだけだった。

哲、ドサ健、達は出目徳の遺体を自宅前まで運び、坂の上から遺体を転がす。遺体は水たまりに落ちた。3人は出目徳の死に様を博徒の最後として、感慨深く見つめた。3人は帰りの道で虎と出会う。また博奕を打つため、4人は帰路に着く。

映画『麻雀放浪記』の感想・評価・レビュー

ばくち打ちというアウトローで特殊な世界ではありますが、戦後の混乱した時代の様子がわかる作品でした。最後のシーンで「窓」と一言言って死んだ出目徳と、その遺体を投げ捨てた後の哲の「おっさん」のセリフが印象的でした。17歳で博徒になることを決めた哲は、その死に様に自分を重ねていたのかと思います。自分がそうなりたいとは思いませんが、命も賭けるような誰にも縛られない自由な生き方、ちょっとだけ憧れます。(女性 40代)

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