映画『マンデラの名もなき看守』の概要:実在した南アフリカの刑務官ジェイムズ・グレゴリーの手記『さようなら、バファナ』が原作。南アフリカ初の黒人大統領ネルソン・マンデラと交流する中で、抱いた疑念や人としてあるべき姿を取り戻していく様を追う。
映画『マンデラの名もなき看守』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史
監督:ビレ・アウグスト
キャスト:ジョセフ・ファインズ、デニス・ヘイスバート、ダイアン・クルーガー、パトリック・リスター etc
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映画『マンデラの名もなき看守』の登場人物(キャスト)
- ジェームズ・グレゴリー(ジョセフ・ファインズ)
- 南アフリカの刑務官。コーサ語を習得していたため、ロベン島でネルソン・マンデラの監視役に抜擢される。妻から昇進への期待を託されるが、人としての信念を貫く。
- グロリア・グレゴリー(ダイアン・クルーガー)
- ジェームズの妻。ロベン島の赴任後も美容師として仕事を続けていたが、ジェームズのある行動がきっかけで夫人たちのコミュニティから外されてしまう。
- ネルソン・マンデラ(デニス・ヘイスバート)
- 国家反逆罪で終身刑を受けた男性。博識で、誠実な人柄から多くの人に慕われている。囚人として刑に服している中、ジェームズと出会い彼の人生に大きな影響を与える。
映画『マンデラの名もなき看守』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『マンデラの名もなき看守』のあらすじ【起】
1968年、南アフリカではアパルトヘイトを推進。至る場面で差別が行われた。国家反逆罪で終身刑を受けたネルソン・マンデラは、ロベン島に収監された。
南アフリカで刑務官として働くジェームズ・グレゴリー、コーサ語を習得していることからロベン島に赴任することとなる。家族も一緒に移住するため、フェリーで移動をする。妻のグロリアは「黒人はテロリストだ」と子供たちに教えるのだった。
赴任早々、職務が明かされる前にジェームズは大士の自宅へ招待された。下士官としては異例の待遇だと知り、グロリアは胸を高鳴らせる。
上官の妻たちと交流を図るグロリア。意気揚々と帰宅した二人。ジェームズは子供たちが寝静まった後に、検閲部に配属が決まったことをグロリアに明かし、二人はささやかにこれからの生活へ希望を抱くのだった。
マンデラは死刑になるべきだと考えていたジェームズ。囚人たちにも厳しく接する。マンデラの妻が面会に来たときは、英語のみ使用を許諾し家族の話以外は禁止した。涙を流しながら話す二人だが、コーサ語でマンデラが今後の活動について指示したことにより、面会は早々に切り上げられた。
映画『マンデラの名もなき看守』のあらすじ【承】
半年に一度、囚人たちは手紙の受け取りを許されている。しかし、検閲された手紙は切り抜きが多く原型をとどめていることは少ない。マンデラには手紙がなかったが、夫人が逮捕された新聞記事の切り抜きがこっそりと独房の入り口に置かれていた。
祖母に会わせるため、ケープタウンへ向かったジェームズ一家。そこでもアパルトヘイトは推進されていた。ショッキングな画を目の当たりにした娘は、ジェームズに疑問をぶつける。ジェームズは不条理な原則に疑問を抱き始めた。
マンデラの息子・テンビが亡くなった。規則に準じ、2日間の特別休暇を与えると独断したジェームズ。自宅でも考え込むことが多くなり、グロリアは心配し始めるのだった。
ジェームズにはバファナという黒人の幼なじみがいた。彼のことを思い返し、ジェームズはマンデラにコーサ語でお悔やみを伝える。その日の会話から、少しずつマンデラへの意識が変わり始め、アフリカ民族会議の『自由憲章』の意義に興味を持ち始めた。
ジェームズの昇進を期待しているグロリアは、黒人に肩入れし始めているのではないかと心配が絶えなかった。心配をよそに、ジェームズは上官の名前を使い、禁止物として没収されていた自由憲章に目を通し始めた。
映画『マンデラの名もなき看守』のあらすじ【転】
こっそりと自由憲章の1ページを抜き取っていたジェームズ。マンデラに気になった章について問いかけるようになった。
ジェームズは准将へと昇進した。釈放間近の囚人宛の手紙からコーサ語の秘密指令を見つけ、責任感から大佐に報告する。その囚人が釈放後に戦士した報道を聞き、ジェームズは罪悪感を抱いた。
後日、ジェームズはマンデラの頼みを聞き入れ、夫人にクリスマスプレゼントのチョコレートを渡した。このことがきっかけで、ジェームズは職場で爪弾きに遭う。グロリアも夫人たちのコミュニティから迫害されてしまう。
転属願も却下され息が詰まる日々を送ったジェームズ。ある日、大佐が自宅を訪ねてきた。コーサ語を習得しているジェームズを手放したくない大佐は、ルーランド刑務所で検閲を行えるように手配したのだった。
島を出たジェームズ一家。ジェームズの息子は大学生になった。それはマンデラの言葉を受け、ジェームズが勧めたからである。世間では「マンデラに自由を」という運動も起こり始め、アパルトヘイト体制への批判も強くなった。
マンデラの移送が決まり、ジェームズもボルスムーア刑務所で再度任務に就くことになった。
映画『マンデラの名もなき看守』の結末・ラスト(ネタバレ)
指導者としてマンデラに期待する世間の声は次第に大きくなり、南アフリカ当局もマンデラへの待遇を変えざるを得なかった。しかし、未だアパルトヘイトの意識の強い者もいて、ジェームズの自宅へ脅迫電話が来ることもあった。
新居で気分を新たに、生活を始めたジェームズとグロリア。息子も刑務官となり安定した日々を送っていたが、息子の訃報は突如届く。これまで囚人たちにしてきたことへの報復だと自分を責め続けるジェームズ。マンデラからの慰めの手紙や、大佐からの連絡にも答えることはなかった。
マンデラの移送に伴い、ジェームズにも新たな環境へ移る提案がなされた。1988年、マンデラは移送先の刑務所内で、広い屋敷と自由な生活が与えられた。ジェームズは三度マンデラの監視役となる。
これまでの苦労が認められ、中佐となったジェームズ。27年ぶりのマンデラの釈放に立ち会う。バファナからもらったお守りをマンデラに託し、刑務所の塀を越えるマンデラを送り出すのだった。
映画『マンデラの名もなき看守』の感想・評価・レビュー
人の考えは人との出会いで簡単に変わるものだと、この作品でしみじみと感じた。アパルトヘイト体制が強い中、どこかマンデラに惹かれていくジェームズ役のジョセフ・ファインズの目線が印象深い。映画化にあたり、ネルソン・マンデラの承諾済であることが強調されていることから、未だ溝が埋まりきっていないようにも見えるが、当事者の証言はとても貴重であるのには間違いない。パス法を筆頭に当時の不条理も描かれている今作は、後世にもきちんと引き継がれて欲しい。(MIHOシネマ編集部)
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