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映画『マチルダ 禁断の恋』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『マチルダ 禁断の恋』の概要:実話に基づき最後のロシア皇帝ニコライ2世と伝説のバレリーナ、マチルダとの究極の恋を描いた作品。バレエ観劇にてマチルダに一目惚れしたニコライ2世。2人は恋人同士となるが、マチルダは次期皇后として相応しくないと言われ、結婚を反対されてしまう。

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映画『マチルダ 禁断の恋』の作品情報

マチルダ 禁断の恋

製作年:2017年
上映時間:108分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:アレクセイ・ウチーチェリ
キャスト:ラース・アイディンガー、ミハリーナ・オルシャニスカ、ダニーラ・コズロフスキー、ルイーゼ・ウォルフラム etc

映画『マチルダ 禁断の恋』の登場人物(キャスト)

ニコライ2世(ラース・アイディンガー)
ロシア皇帝。愛称はニキ。バレリーナのマチルダに一目惚れし、相思相愛の関係となる。皇帝の父が亡くなり皇帝の座を継ぐにあたり、マチルダの存在がネックとなり愛か国かで懊悩する。
マチルダ・クシェシンスカヤ(ミハリーナ・オルシャニスカ)
ロシアバレエ団の新星バレリーナ。誇り高く美しい女性。ポーランド国王の継承権と称号を持つと言うが、実は嘘。ニコライと相思相愛となり脅され命を狙われても尚、最後まで皇帝即位に抵抗する。
ヴォロンツォフ(ダニーラ・コズロフスキー)
軍の大尉でマチルダへと一方的に恋心を募らせ、嫉妬からニコライ2世に暴行を加えてしまう。拘束後は狂戦士とするべく研究所へ送られるが、博士を殺害し脱走。マチルダを追い求め、心中しようとする。
アリックス(ルイーゼ・ウォルフラム)
ドイツのヘッセン大公の息女。ニコライ2世の婚約者。夫になるニコライを深く愛し、マチルダに嫉妬の炎を燃やす。結婚後は5人の子供の母親となる。聡明で凛とした佇まいの美しい女性。
マリア・フョードロヴナ(インゲボルガ・ダプコナイテ)
ロシア皇后。ニコライ2世の母親。自らも夫と望まぬ結婚をしたが、それなりに幸せを感じている。マチルダを快く思わず排除しようとする。皇太子の懊悩を知り、夜逃げしようとしているのを発見するが、送り出してくれる。

映画『マチルダ 禁断の恋』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『マチルダ 禁断の恋』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『マチルダ 禁断の恋』のあらすじ【起】

1890年代後半、ロシアのサンクトペテルブルク。ロシアを誇るバレエ団マリインスキー・バレエの観劇にやって来たロシア皇太子のニコライ2世、愛称ニキはライバルのバレリーナから衣装にいたずらされ、片胸がはだけるというトラブルに見舞われても尚、バレエを踊る誇り高く美しいマチルダ・クシェシンスカヤに心を奪われる。ニキにはドイツ、ヘッセン大公の息女アリックスという婚約者がいたが、父である皇帝もマチルダの方が良いと認めるほどだった。

ところがある冬、王室の列車が大事故に遭い皇帝が家族を救出した後、列車の下敷きになって重体となってしまう。父の死期が迫る中、ニキは皇帝へと即位しなければならなくなり、皇太子としての悠々自適な暮らしとは別れを告げることになるのだった。

そんなある時、帝国旅団のための競技会でマチルダにネックレスを送ったニキ。彼女もまたニキに惹かれている様子だったが、逢瀬はこれまでと口にした皇太子にマチルダは自分との逢瀬を求めるようになると告げ、去って行こうとする。しかし、美しいマチルダに片思いをしていた大尉、ヴォロンツォフが皇太子との仲に嫉妬し、ニキへと暴行を働くという事件が発生。ヴォロンツォフは恋と嫉妬に狂って心を病んでしまい衛兵に拘束された後、拷問にかけられた。

ニキが皇帝に即位するまでには、まだ時間がある。彼はマチルダとの逢瀬を繰り返し、誕生日パーティーに招待。2人は次第に関係を深め、やがてマチルダはニキの愛人として噂されるようになる。
パーティーにてマチルダを伴って姿を現したニキ。皇帝は彼女を認め歓迎したものの、皇后マリア・フョードロヴナは快く思わず心無い言葉を投げつけるのだった。

皇帝は皇太子にロシアの統治をしろと言う。パーティーからすぐ後、皇帝が息を引き取ってしまい、ロシア全体の情勢を把握していないニキは、積み重なっている問題に対して明確な指示ができずに不安を募らせていた。

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映画『マチルダ 禁断の恋』のあらすじ【承】

そんな中、婚約者であるヘッセン大公女アリックスがとうとう宮殿へ。マリアはマチルダを追い出してアリックスとすぐにでも結婚式と戴冠式を行えと言うが、ニキは時間が欲しいと言うばかり。業を煮やした皇后はマチルダを追い出すべく、自らが動く決意を固めるのだった。

皇后の画策により、喪が明けてすぐにアリックスとの結婚記念公演がモスクワで行われることになった。ニキはすでにマチルダとの結婚を約束していたが、このことを聞いたマチルダはショックを受ける。しかも、公演での主役である花嫁役はマチルダのライバルが踊ることになり、腹を立てた彼女は自分が踊るのだと主張。条件付きではあったが、考え直してもらえるよう説得した。

ところが、そんなマチルダの前に皇后マリアの手先が現れる。男はニキからの手紙を預かり、アリックスとの結婚式にもニキの戴冠式にも参加するなと言う。命令に背けば暗に命はないと脅迫して去って行くのだった。

皇后を始め周囲の誰もがマチルダとニキの結婚に反対している。2人は逢瀬を続けながらも、逆風に耐えようと手を取り合う。以前、マチルダがポーランド国王の継承権と称号を持つと言っていたため、ニキは問題を解決するべく証拠を見つけ出そうと考える。
一方、婚約者という立場のアリックスはニキに愛人がいるという事実を知り、嫉妬の炎を燃え上がらせるのである。

映画『マチルダ 禁断の恋』のあらすじ【転】

マチルダが入浴中に部屋が荒らされるなど不穏な出来事が続く中、裏では王室に害を成す存在として彼女を消そうとする研究機関が秘密裏に動き始めていた。ヴォロンツォフを拘束し拷問を続けているのも、アリックスにマチルダの存在を知らせたのもその機関である。彼らはヴォロンツォフを利用してマチルダの命を奪おうと考えていた。ところが、ヴォロンツォフは拘束から逃れ、研究機関の博士を殺害し逃亡。恋に狂った男は求めてやまないマチルダを追って姿を消してしまう。

戴冠式のためにモスクワへ向かったニキ。皇帝即位に際して盛大な祝賀披露が準備され、平民を含めて10万人以上の人々がモスクワへ向かっていた。マチルダもニキを追って彼の友人である大公と共にモスクワへ。平民に交じってヴォロンツォフも向かっていた。

友人である大公の別荘へ秘密裏にニキが現れ、そこでも逢瀬を交わすマチルダ。ニキは帝位からも結婚からも逃れマチルダとの愛に生きたいと考えていたが、容易に許されるはずもない。彼女は彼に最後のチャンスとして決断を迫ったが、ニキは背負った重荷から逃れる勇気を出せず。マチルダはそんな彼に別れを告げ、友人の大公と結婚すると言って去って行くのだった。

マチルダに振られ、帝位からもアリックスとの結婚からも逃れられない。全てを捨ててマチルダの元へも行けない不甲斐なさに追い詰められるニキ。帝位を継いでアリックスと結婚すれば、誰もが不幸になることを分かっていながら、どうにもできないもどかしさに苦悩。皇后にそのことを吐露したものの、母マリアでさえ政略結婚の果てに今がある。王族は国のために自らの幸せすらも時に捨てなければならないのだ。

その日の夜、ニキが主催でロシア初の映画の上映会を行った。その際、大公と共にマチルダが姿を現す。彼女はこれまでやりとりしたニキとの手紙を彼に返し、その場を去って行く。逡巡したニキは彼女を追って行ったものの、会場でのサプライズに呼び戻されてしまう。彼は仕方なく会場へ戻り、マチルダはそのまま帰路へと就いた。ところが、会場から出た矢先、皇后の手先に捕まり再び脅迫されてしまう。

映画『マチルダ 禁断の恋』の結末・ラスト(ネタバレ)

結局、記念公演の主役の座も逃してしまったマチルダ。彼女はライバルを罠に嵌め、仮面を装着して出演をしようとしたが、それすらも許されず罠から逃れたライバルが先に舞台へと上がってしまう。幸い、ニキの側近が密かに彼女を助けてくれたため、マチルダは颯爽と舞台へ。花嫁が2人になるという事態になった挙句、マチルダは舞台上で転倒。彼女はそのまま、舞台から去ってしまう。

観劇していたニキも彼女を心配して舞台裏へ。そこでようやく、ニキは全てを捨てて彼女と生きることを決意。その日の内に荷物をまとめて宮殿を出た。待ち合わせ場所は昼間に逢瀬を交わした別荘だった。

しかし、別荘にて1人で待っていたマチルダの前にヴォロンツォフが現れる。奴は彼女をレースで拘束し、思いを遂げようとする。別荘へ渡るには車ごと渡れる渡し船に乗る必要があった。だが、皇后の手先によって渡し船には爆薬と油が撒かれ、マチルダを肩にかついだヴォロンツォフが乗り込む。皇后の手先が渡し船に火を放った。そこへ到着したニキと大公はマチルダを助けるために川へ入ったが、彼女は川へ転落し直後に渡し船が爆発。ヴォロンツォフは爆発に巻き込まれ死亡し、マチルダも死んだものと思われた。

だが、密かにマチルダは救出され、事故で死んだことにして戴冠式と結婚式には顔を出すなと厳命される。
同じ頃、マチルダの死に酷く悲しむニキをアリックスが慰め、彼はマチルダとの人生を諦めアリックスと結婚し帝位を継ぐことになるのだった。

ところが、戴冠式の最中に死んだはずのマチルダが姿を現したことで、ニキが王冠を被る前に卒倒してしまう。彼の心は彼女を求めていたが、意識を取り戻したニキは白昼夢だと思うことにして帝位を継ぐのであった。
即位にあたり平民へも祝いの品を渡していたが、その会場にて暴動が発生し多くの犠牲者が出てしまった。ニキは自らの資産から民へと支援金を送ることにした。

皇帝ニコライ2世と皇后アリックスは24年の幸福な結婚生活を送り、5人の子供を儲けた。しかし、1918年7月17日。ロシア革命により一家は射殺されてしまう。マチルダはニコライ2世のいとこにあたる大公と結婚し、女公爵の称号を受け99歳まで生きた。

映画『マチルダ 禁断の恋』の感想・評価・レビュー

ロシアでは「聖人」と神格化されている最後のロシア皇帝ニコライ2世の悲恋を描いている。実話に基づいて制作されており、皇帝の名誉を傷つけると賛否両論が飛び交ったと言う。当時の宮殿やバレエの舞台、衣装を忠実に再現しており、非常に美しく荘厳。

衣装や豪華な宮殿の様子を見るだけでもかなり満足ができる。加えて皇太子とバレリーナの恋を如実に描き、愛に生きるか国のために生きるかで皇太子が懊悩する。その様子がとても繊細に描かれており、引き込まれる。非常に見応えのある作品。(MIHOシネマ編集部)

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