映画『ブエノスアイレス恋愛事情』の概要:マルティンは元カノが置いていった愛犬のススと一緒に暮らしていた。一方、建築家のアリアーナは仕事がなく、ショーウィンドウの装飾の仕事を行っていた。2人は街中で何度もすれ違っていたが、お互いの存在に気づかなかった。
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:グスタボ・タレット
キャスト:ハビエル・ドロラス、ピラール・ロペス・デ・アジャラ、イネス・エフロン、アドリアン・ナバロ etc
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』の登場人物(キャスト)
- マルティン(ハビエル・ドロラス)
- ウェブ・デザイナー。40平米余りの部屋で、犬のススと一緒に暮らしている。回復恐怖症や外出恐怖症など、様々な恐怖症を患っている。
- マリアーナ(ピラール・ロペス・デ・アジャラ)
- 14歳の頃から『ウォーリーをさがせ!』が愛読書。閉所恐怖症と群衆恐怖症を患っている。建築家だが、仕事がない。現在はショーウィンドウの装飾の仕事を行っている。
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』のあらすじ【起】
マルティンは40平米余りの部屋に1人で暮らしていた。ウェブ・デザインの仕事は順調だった。最初に手掛けたのは恐怖症専門の精神科医のサイトで、マルティンも週に2回病院に通っていた。
マルティンは回復恐怖症や外出恐怖症など、様々な恐怖症を発症していた。精神科医は街や人への恐怖心を克服するため、写真を撮ることを勧めた。マルティンは写真を撮るようになってから、徐々に外出できるようになった。バスやタクシーを使うことができなかったため、外出はもっぱら徒歩だった。カメラや発作予防薬をリュックの中に詰め込み、外に出た。
アリアーナは建築家になって2年が経過していたが、仕事は上手くいっておらず何も造れていなかった。4年間付き合っていた彼氏とも別れ、私生活も順調とは言えなかった。アリアーナとマルティンがそれぞれ街中を歩いていると、犬がアパートから落ちてきた。さらに、近くの道路で男性が車に撥ねられ、女性が気絶して倒れた。辺りは騒然となった。現場には他にも人がいたため、アリアーナとマルティンはお互いのことを認識していなかった。
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』のあらすじ【承】
アリアーナの当面の仕事は、ショーウィンドウの装飾だった。自分の名前が出るわけではないため、落ち着いて仕事をすることができた。アリアーナは群衆恐怖症を患っていた。その原点とも言えるのは、14歳の頃から愛読している『ウォーリーをさがせ!』だった。ショッピングや空港のページではウォーリーを見つけることができるのに、街中のページでは見つけることができなかった。
マルティンは7年前に彼女に捨てられ、彼女が残していった犬のススを引き取った。ススは飼い主だった彼女が去ってから、落ち込んでも吠えず外にも出たがらなくなった。マルティンは他の犬や人と会えば変わるかと思い、インターネットでススの世話係を探した。見つけた世話係のアナは、他にも大勢の犬の世話をしていた。ススが他の犬を怖がったため、マルティンは散歩に付き添った。散歩の後、マルティンはアナとベッドを共にした。
アリアーナは仕事で知り合ったルーカスに食事に誘われる。ルーカスが予約していたレストランは20階にあった。閉所恐怖症のアリアーナはエレベーターに乗ることができず、事情を説明して階段で上がることにした。ルーカスはアリアーナに付き合い、一緒に階段を上ることにした。しかし、11階でギブアップしてしまう。ルーカスはエレベーターに乗り、先にレストランで待っていることにした。アリアーナはレストランに立ち寄らず、ルーカスに何も言わずに帰ってしまう。家に帰る途中、捨てられている椅子を見つけ持ち帰った。それは、マルティンが捨てた物だった。
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』のあらすじ【転】
アナはマルティンの部屋を訪れた。その時、アナは恋人らしき人物・マリエラとメールのやり取りをしていた。マルティンはそのことに気づかないまま、アナと一緒に食事を食べて会話を楽しんだ。アナは仕事の傍ら戯曲を書き、舞台に立っていた。アナは自分が考えたストーリーをマルティンに語って聞かせた。その後、アナとマルティンは上手くいかず、破局した。
マルティンはインターネットを通じて、精神科医のマルセラと知り合う。マルセラは多言語を話し、音楽、運動、政治など様々なことに興味を持っていた。マルティンはマルセラと実際に会い、写真の方が魅力的だと感じた。ベッドを共にするが、その後発展はしなかった。
マルティンはプールで泳いでいた。そこには、アリアーナの姿があった。アリアーナは精神科医のラファと出会い、デートに誘われる。アリアーナは承諾し、飲みに出かけた。2人はベッドを共にするが、上手くいかなかった。アリアーナはプールを訪れるが、ラファとは再会しなかった。
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』の結末・ラスト(ネタバレ)
「靴箱」と呼ばれるワンルームの圧迫感から抜け出すには、窓を作るしかなかった。明らかに都市計画法違反だが、窓を作ることで日の光が入り部屋を明るくすることができた。アリアーナは工事業者に頼み、窓を作った。時を同じくして、マルティンも工事業者に頼み部屋に窓を作っていた。
マルティンとアリアーナは、お互いの顔を知らないままチャットを通じて知り合う。アリアーナは初めてのチャットに戸惑いながらも、マルティンとの会話を楽しんだ。マルティンもアリアーナとの会話を楽しみ、明日も連絡を取り合うために起こして欲しいと頼んだ。アリアーナが承諾して電話番号を聞いたとき、停電が起きる。
マルティンとアリアーナはろうそくを買いに出かけ、小売店で顔を合わせる。しかし、チャット相手だとお互い気づかなかったため、会話が発展することはなかった。アリアーナ達が家に帰ると、電気が復旧した。
アリアーナは窓の外を眺め、ウォーリーと同じように赤いボーダーの服を着て犬を連れている男性を見つける。慌ててその男性の元まで走っていった。その男性はマルティンだった。アリアーナとマルティンは微笑み合い、会話をした。
映画『ブエノスアイレス恋愛事情』の感想・評価・レビュー
ありふれた男性と女性のごく普通の日常を描いた物語だった。修羅場が起きたり予想外の事件が起きたりするわけではないため、退屈に感じるところもあった。だが、淡々と進む物語が、逆に心地良い作品だった。日常生活に疲れたときに見るのがお勧めだと思う。アリアーナとマルティンはいつ出会うのだろうと期待していたのだが、最後の最後に出会って終わりというのが衝撃的だった。もう少し2人の付き合いが見たかったと思う。(MIHOシネマ編集部)
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