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映画『真夜中のカーボーイ』のネタバレあらすじ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『真夜中のカーボーイ』の概要:恵まれない人生を送ってきた2人の若者が大都会のニューヨークで出会い、孤独を癒し合う。アメリカン・ニューシネマの代表作とも言える作品で、退廃的な都会の空気と血の通った若者の生き様が絶妙なバランスで描かれている。ラストシーンのジョン・ヴォイトとダスティン・ホフマンのツーショットは、何とも言えない余韻を残す。

映画『真夜中のカーボーイ』の作品情報

真夜中のカーボーイ

製作年:1969年
上映時間:113分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ジョン・シュレシンジャー
キャスト:ジョン・ヴォイト、ダスティン・ホフマン、シルヴィア・マイルズ、ジョン・マッギーヴァー etc

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映画『真夜中のカーボーイ』の登場人物(キャスト)

ジョー(ジョン・ヴォイト)
テキサス出身の青年。乗馬やロデオはできないが、カウボーイスタイルに身を包んでいる。金持ちの熟女相手に男娼をして稼ごうと思い立ち、ニューヨークへ出てくるが、何をやってもうまくいかない。性格は単純で、気持ちの優しい男。
ラッツォ(ダスティン・ホフマン)
ニューヨークで、スリや詐欺行為をして生きている青年。片足が不自由で、足を引きずって歩く。一文無しになったジョーに同情し、自分の住まい(廃墟の一室)で同居させる。悪い病気を患っており、冬が来る前にマイアミへ移りたいと思っている。本名はリコ。

映画『真夜中のカーボーイ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『真夜中のカーボーイ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『真夜中のカーボーイ』のあらすじ【起】

テキサスのレストランで皿洗いをしていたジョーは、一攫千金を夢見て、ニューヨークへ行くことにする。自分には男性的魅力があると自負しているジョーは、金持ちの女性に体を売って、楽に稼ぐつもりだった。

カウボーイスタイルに身を包み、スーツケースとラジオを持って、ジョーはニューヨーク行きのバスに乗り込む。長い道中、ジョーは自分を育ててくれた祖母のことや、初体験の相手の女性のことを思い出していた。

ニューヨークに到着したジョーは、安ホテルに荷物を置き、街を歩く。金持ちそうな中年女性を見つけ、勇気を出して声をかけてみるが、誰も田舎臭いジョーのことなど相手にしてくれない。

それでもジョーはめげずに声をかけ続け、ようやく1人の中年女性から部屋に誘われる。その女性は、街中のペントハウスの最上階で暮らしており、いかにも金持ちそうだった。ジョーは張り切って女性とベッドインし、事を済ませる。女性も満足したようだったが、ジョーが金を要求すると、突然怒って泣き出す。結局ジョーは、男と食事へ行くという女性にタクシー代として20ドルむしり取られ、部屋を出される。その女性は金持ちのパトロンを持つ高級娼婦で、ジョーを弄んだだけだった。

ジョーは釈然としないまま、バーで酒を飲む。隣に座っていた小柄な男は、ジョーの財布の中身を確認し、声をかける。彼は自分のことを「ブロンクスのリゾ」と名乗っていたが、仲間内ではラッツォ(ネズ公)と呼ばれていた。

ジョーの話を聞いたラッツォは、仲介料を払えば、オダニエルという売春組織のボスを紹介してやると言い出す。組織に客を紹介してもらえば、1日100ドルは楽に稼げると言われ、ジョーは前金としてラッツォに10ドル払う。ラッツォは、すぐにオダニエルへ電話してくれた。

映画『真夜中のカーボーイ』のあらすじ【承】

ラッツォとジョーは店を出て、指定されたホテルへ向かう。片足の不自由なラッツォは、足を引きずりながら歩いていた。部屋へ入る前、ジョーはさらに10ドルをラッツォに支払い、彼と別れる。

オダニエルはハゲ頭の中年男で、ジョーを気に入ってくれる。喜んだのも束の間、ジョーの客はオダニエル自身だった。しかも、彼は頭がおかしいらしく、わけのわからないことを言い出す。恐ろしくなったジョーは、部屋から逃げ出し、自分を騙したラッツォを探す。

しかし、ラッツォは見つからず、一文無しになったジョーは、ホテルを追い出される。今までの部屋代が払えないため、スーツケースまで没収される。ジョーはラジオだけを持ち、ニューヨークの街を徘徊する。追いつめられたジョーは、ゲイの青年に誘われて映画館に入り、彼の好きにさせる。ところが、その青年も一文無しで、ジョーの行為は徒労に終わる。

寝る場所もないまま、早朝の街をウロついていたジョーは、とあるカフェにいたラッツォを発見する。ジョーはラッツォに金を返すよう凄むが、ラッツォもわずかな小銭しか持っていなかった。薄汚れたジョーを見て、さすがにラッツォも申し訳なく思ったのか、「泊まる所がないならうちに来い」と彼を自宅に誘う。ジョーは腹立たしかったが、他に行き場もないので、ラッツォについて行く。

ラッツォは、廃墟と化したビルの一室に住みついていた。一応、粗末な日用品と寝床はあったが、部屋には電気もきていない。それでも、疲れていたジョーは寝床へ横になり、すぐに眠ってしまう。ラッツォは、体の調子が悪いらしく、ずっと咳をしていた。

映画『真夜中のカーボーイ』のあらすじ【転】

ジョーはそのままラッツォの家で暮らし始める。2人はコンビを組んで万引きをして、何とか食いつなぐ。ラッツォには、人間が生きるためには日光とココナッツミルクが必要だという持論があり、冬が来る前にフロリダへ移ると話していた。フロリダのマイアミビーチは、ラッツォにとって憧れの楽園で、そこに行けば何もかもうまくいくと信じていた。ラッツォは、できればジョーと一緒に、マイアミで暮らしたいと思っていた。

ジョーの身なりが薄汚くなってしまったので、ラッツォは彼の服をコインランドリーで洗濯し、ブーツを磨き、髪を散髪してやる。その後、ラッツォはセレブが集まる女性専用ホテルの場所を調べ、清潔になったジョーをそこへ送り込む。意気揚々とホテルへ入って行くジョーを見て、ラッツォはマイアミでの楽しい日々を空想する。明るい太陽の下で、ラッツォとジョーはビーチで遊び、贅沢に暮らす。しかし、ホテルを追い出されたジョーを見て、ラッツォの楽しい空想は打ち砕かれる。

何をやってもうまくいかないまま、とうとう冬がやってくる。ニューヨークの冬は厳しく、暖房のないラッツォの部屋は、水道の水が凍ってしまうほど寒い。そんな中、ラッツォの病気はどんどん重くなっていく。ジョーはラッツォのために、ずっと大事にしてきたラジオを質に入れ、血液バンクに血を売り、わずかな金を稼ぐ。しかし、ラッツォの具合は悪くなる一方だった。

ラッツォはジョーを連れて、父親の墓参りに行く。ラッツォの父親は毎日14時間も靴磨きをして家族を養っていた。ラッツォもジョーも恵まれない環境で育ち、頼れる家族や親類もいない。ずっと孤独の中で生きてきたラッツォとジョーは、あまり多くを語らなくても、お互いのことが理解できた。

墓参りの後、2人はカフェで食事をする。その時、怪しげな男女が近づいてきて、ジョーの写真を撮る。彼らはジョーにパーティーのチラシを渡し、無言で去って行く。

映画『真夜中のカーボーイ』の結末・ラスト(ネタバレ)

ジョーは、調子の悪そうなラッツォも連れて、そのパーティーに行ってみる。それは、有名な芸術家が主催するパーティーだったようで、会場は怪しい人たちでいっぱいだった。食事も酒もタダなので、ラッツォは思う存分食べる。ジョーは、ショートカットの女性に誘惑され、いい雰囲気になる。ジョーは、女性に20ドルで買ってもらえることになり、女性の自宅へ移動する。ラッツォを1人にするのは心配だったが、彼のためにも、ジョーは稼ぎたいと思っていた。

ジョーの男性機能が役に立たず、1回目は失敗してしまうが、女性が優しくリードしてくれ、2回目はうまくいく。女性はすっかりジョーのことを気に入り、友達にもジョーを勧めてくれる。ジョーは、木曜日に次の仕事を貰い、女性と別れる。

ようやく仕事の目処が立ち、ジョーは上機嫌でラッツォの家に帰る。ジョーは稼いだ金で、ラッツォの薬と靴下を買っていた。しかし、ラッツォはまともに歩けないほど衰弱していた。ジョーは、医者を呼びに行こうとするが、ラッツォに止められる。ラッツォは、医者と警察だけはどうしても苦手だった。ラッツォは、「フロリダへ行きたい、バスに乗せてくれ」と言っており、ジョーは彼の希望を叶えてやろうと考える。

あの女性に金を借りようと思っていたが、女性が捕まらない。どうしようかとゲームセンターをウロついていたジョーは、真面目そうな中年男性に声をかけられる。男性に誘われ、ホテルの部屋へ入ったジョーは、心を鬼にして男性から金を奪う。心根の優しいジョーは、今まで暴力を振るって金を奪うようなことはしたことがなかった。しかし、ラッツォをマイアミに連れて行くためには、どうしても57ドル必要だった。

ジョーは、男性から奪った金でバスのチケットを買い、ラッツォを連れて、マイアミ行きのバスに乗り込む。マイアミまでは、33時間の長旅だった。ラッツォは、「向こうではラッツォと呼ばないで、リコと呼んでくれ」とジョーに頼む。彼はずっと、ラッツォと呼ばれてバカにされることが嫌だった。ジョーは、その願いを聞いてやる。

寝ている間に失禁してしまったラッツォは、朝起きて泣き出す。ジョーは、明るくそれを笑い飛ばし、ラッツォの気持ちを楽にしてやる。休憩時間、ジョーはラッツォと自分の新しい服を買い、薄汚れたカウボーイ服をゴミ箱に捨てる。ラフな格好に着替えたジョーは、ラッツォにもヤシの木柄の明るいシャツを着せてやる。さっぱりしたラッツォは、「ありがとな」とジョーに礼を言う。

すでにバスはフロリダに入っており、マイアミまではもう少しだった。ジョーは、マイアミに着いたら地道な仕事を探すつもりだとラッツォに話しかける。しかし、ラッツォは何も答えない。ラッツォは、ジョーの隣で息絶えていた。ジョーは運転手に助言され、ラッツォの瞼を閉じてやる。乗客たちの物珍しそうな視線の中、ジョーは黙ってラッツォの肩を抱く。ジョーは、たったひとりの親友を失った悲しみに打ちひしがれていた。

映画『真夜中のカーボーイ』の感想・評価・レビュー

大逃亡などというアウトロー的な映画の派手さもなく、あるのはニューヨークという都会の鬱と疲労の中でのささやかな抵抗と、彼らが夢みる明るい未来という名の妄想だけだったという切なさがある。

ジョーの過去が言葉でなく、断片的な回想シーンによってのみ語られることに何か底知れない闇のようなものを感じる。都会って本当に嫌だ。孤独を見事に体現したダスティン・ホフマンとジョン・ヴォイトは必見だ。(女性 20代)

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