映画『ナインハーフ』の概要:3年間の結婚生活に終止符を打ったヒロイン。仕事へ復帰直後、怪しくも色気のある魅力的な男性と出会う。互いに惹かれ合い恋人関係を築いた2人だったが、その関係は次第に倒錯的なものとなっていく。男と女の関係が次第に変化し、破局するまでを描いた作品。
映画『ナインハーフ』の作品情報
上映時間:117分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:エイドリアン・ライン
キャスト:ミッキー・ローク、キム・ベイシンガー、マーガレット・ホイットン、ドワイト・ワイスト etc
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映画『ナインハーフ』の登場人物(キャスト)
- ジョン・グレイ(ミッキー・ローク)
- 売買の仲介でオフィスを構える男性。裕福で高級な部屋に住み、リズに対し高価なプレゼントを何度も送る。普段はスーツを着込みエリート然としているが、倒錯的。リズと付き合うことで彼女を本気で愛してしまう。
- エリザベス・マクグロウ(キム・ベイシンガー)
- 愛称リズ。画廊に務めている。金髪の美女で芸術を愛し、自らも絵を描いたりする。本来は穏やかな気質で朗らか。怪しい色気を振り撒き謎めいたジョンに惹かれていく。3年の結婚生活に終止符を打ったばかり。
- モリー(マーガレット・ホイットン)
- リズの親友で同じ画廊に務めている。黒髪の女性で少々毒舌。親友から了承を得て、代わりに未練を持つ元夫と会うことで恋人関係になる。
- ファンズワース(ドワイト・ワイスト)
- 老齢で素晴らしい作品を生み出すアーティスト。一瞬の生命感を描き出す。コミュニケーション能力が低く変人扱いされるが、自然体で穏やか。担当のリズを気にかけている様子。
映画『ナインハーフ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ナインハーフ』のあらすじ【起】
離婚したばかりのエリザベス・マクグロウ、愛称リズは画廊に務めている。彼女は社会復帰したお祝いのため、自宅で食事会を開くことにした。
料理の材料を中華街で購入したが、ある店でサラリーマン風の気になる男性と出会う。その時は会話をしなかったが後日、マーケット街で彼と再会。声をかけられ食事を共にすることになるのだった。
ジョン・グレイはスマートでとても女性慣れしたプレイボーイ。さり気なく女性を喜ばせる術に長けた男性だった。仕事は売買の仲介で裕福。怪しい色気を振り撒いている。リズは彼に惹かれるも、すぐに関係を持つことはせずに帰った。
その後、職場にバラの花束と共に次のデートの誘いがくる。1日を共に過ごし、急速に距離を縮める2人。その夜はリズの自宅で彼と関係を持った。
次のデートではジョンの自宅へ招かれ、時計をプレゼントされる。ジョンは夜の12時になったら、時計を見て自分との夜を思い出して欲しいと言うのだった。
次第にジョンの虜になっていくリズ。仕事場でも上の空になることが増える。彼女は現在、ファインズワースというアーティストを売り出し中で、手を抜くことはできないはずだったが、それでも頭の中はジョンのことばかりを考えてしまうのだった。
映画『ナインハーフ』のあらすじ【承】
その後もジョンと逢瀬を重ね、深い関係を築いていくリズ。そんなある日、元夫からの食事の誘いに行きたくないリズは、親友で同じ職場の同僚モリーへ代わりに行ったらいいと勧める。すると、モリーはリズの言う通りに元夫と食事をし、その場のノリで関係を持ってしまう。それでも、親友は誠実で正直に関係を持ったとリズに告白するのだった。
元夫とモリーの関係に軽いショックを受けたリズだったが、彼女には新たな恋人ジョンがいる。すでに離婚しているため、怒るのもおかしい話で思わず苦笑いするのだった。
その日もジョンの自宅へ行っていたリズ。急遽友人と会うことになったと言うジョンを見送り、暇を持て余してしまった。彼女は謎めいた彼の自宅を探り、ジョンの荷物を盗み見てしまう。
すると、その日の夜。帰宅していたリズにジョンから電話があり、荷物を盗み見たかと聞かれる。彼女が正直に見たと答えるとジョンは激怒。焦ったリズは彼の自宅へ向かい、お仕置きと称して乱暴に抱かれてしまうのだった。
映画『ナインハーフ』のあらすじ【転】
翌日からは特に甘やかしてくれるジョンだったが、逆にその態度に不審を抱くリズ。それでも彼との関係を切ることはできず、恋人して日々を過ごしていく。ジョンはとても甲斐甲斐しく情熱的で、恋人としては完璧な男性だった。
故に、不審さを拭いきれないリズ。ジョンは恋人として完璧すぎるのだ。一般的には時を重ねた恋人同士は親密度が増していくものだが、ジョンの場合はどこか一線を引いているように感じる。リズは密かに仕事へ向かうジョンの後を尾行した。
すると、ジョンはビジネス街のビルに広くて大きなオフィスを構えていることが分かる。リズは彼とランチを共にし、次のデートでは男装して夕食。その帰り、気が大きくなったリズはチンピラを挑発してしまい、裏道で乱闘騒ぎ。普段は味わえない境遇に2人は更に盛り上がってしまう。
その出来事をきっかけに、危険の味を占めてしまったリズ。彼女は更なる危険を求め、自由奔放になっていく。
しかし、そのせいで仕事の方を疎かにしてしまい、売り出し中のファインズワースと連絡が取れなくなってしまう。
映画『ナインハーフ』の結末・ラスト(ネタバレ)
展覧会まで3週間。作品が揃わないと開催できない。リズは悩んだ末にファインズワースの自宅を訪ねることにした。
自然溢れる山奥へ居住するファインズワースは高齢で、彼が生み出す作品には一瞬の生命感が溢れ出している。リズは彼に寄り添い、作品への思いを受け止めるのだった。
一方、ジョンとの倒錯的な関係は続き、ファインズワースとの一件から何かが違うと感じ始めるリズ。元夫とモリーの関係も目下、継続中のようで複雑な思いを抱える。
そんな時、古めかしいホテルへとジョンから呼び出される。リズはジョンの求めに応じて目隠しをするも、部屋に外国語を話す売春婦が入室して来る。目隠しを外すとジョンが売春婦を抱こうとしていたため、リズは怒り狂い彼の制止を振り払って逃げ出すのであった。
プレイの一環だったのだろう。ジョンは現実を忘れたかと聞いていた。泣きながら場末の怪しい店へ入り込んでしまったリズは、追って来たジョンへ見せつけるように、近くにいた男性とキスをするが、結局はジョンとの関係を切ることはできなかった。
リズの貢献もあってか、ファインズワースの展覧会が無事に開催。彼の作品は好評であったが、純粋な作品を生み出す彼に対し自分の醜悪さに気付いてしまうリズ。このままジョンとの関係を続けることは良くないと思い、彼に別れを告げ泣きながら家を出て行ってしまう。
間際になってジョンがリズに対し、本気の愛情を抱いていると告白するも、本当に彼女のことを思うならば、行き過ぎた行為を諫めるべきだったのだ。だが、彼はそうしなかった。破局の原因はそれであった。
映画『ナインハーフ』の感想・評価・レビュー
ミッキー・ロークが演じる完璧で不思議な色気を持つジョンに、自らの仕事を手薄にしてしまう程はまっていくリズの恋愛関係を中心に展開していく映画。ジョンが完璧すぎるが故に、どこか現実味の無い感覚に振り回されていくも、自身が手掛けている画家の純粋な絵を通じて、自分自身を戒めていく。結局、ジョンは本気でリズを想うあまりに、尽くしていった結果、リズと離れる事になってしまった。あえていうのであれば、愛情表現と、それに対するお互いの感覚の相違が生んだ結末なのだろう。不器用な男を描く映画はよくあるが、逆に器用すぎるが故にうまくいかないというのはなかなか新鮮であった。(男性 30代)
ジョン役を演じたミッキー・ロークがとにかく怪しげで色気が溢れまくっている。彼はヒロインへと本気になるが、尽くして甘やかしてしまったのが運の尽きとなる。完璧を装うのは悪いことではないが、女性は男性がたまに見せる隙に魅入られることが多い。それは恐らく男性側も同じだと思うが、今作のジョンはその隙さえない。倒錯的な関係へと進む2人の先には不安しか感じず、それ故に純粋な絵を描く画家とのやり取りが非常に引き立っている。このギャップがヒロインを正気に戻すきっかけとなるので、落とし穴から脱することができたのだろうと思う。倒錯的な関係と純粋さの対比が素晴らしい作品だった。(女性 40代)
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