日本が世界に代表する小説、『人間失格』。これまで数多くの俳優によって演じられてきた名作だが、本作では人気俳優、小栗旬が起用。これまでとはまた違う、人間失格を楽しもう。
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の作品情報
- タイトル
- 人間失格 太宰治と3人の女たち
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年9月13日(金)
- 上映時間
- 120分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
ラブストーリー - 監督
- 蜷川実花
- 脚本
- 早船歌江子
- 製作
- 不明
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 小栗旬
宮沢りえ
沢尻エリカ
二階堂ふみ
成田凌
千葉雄大
瀬戸康史
高良健吾 - 製作国
- 日本
- 配給
- 松竹、アスミック・エース
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の作品概要
誰もが知る名作、『人間失格』。あまりに有名な作品であるため、小説を読んだことがない人でも、その内容を知っているという人は多いのではないだろうか。しかし、そんな人間失格が誕生するまでの秘話は、これまでに明らかになっていない。これまで人間失格を題材とした作品は数多くあるが、実際の小説の内容ではなく太宰本人に焦点が当たったのは本作が初ではないだろうか。これまでとは全く違う『人間失格』を是非楽しもう。
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の予告動画
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の登場人物(キャスト)
- 太宰治(小栗旬)
- 日本を代表する作家。妻と子供に恵まれながらも2人愛人を抱えている。追い詰められた末、『人間失格』という名作を書き上げる。
- 美知子(宮沢りえ)
- 太宰の本妻。太宰が他の女性と関係を持っていることを知りながらも、太宰の才能を信じ続けた。
- 静子(沢尻エリカ)
- 太宰の愛人の一人。作家志望であり、太宰の弟子となる。太宰も惚れ込む、圧倒的な文才を持つ。
- 富永(二階堂ふみ)
- 太宰の愛人の一人。未亡人であり、晩年の太宰を支えた人物。太宰と入水自殺を果たしたことでも有名。
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』のあらすじ(ネタバレなし)
太宰治といえば、世に何本もの名作小説を送り出してきた天才作家。しかし、彼の生涯はとんでもなく破天荒だった。美智子という妻、さらに二人の子供に恵まれた太宰は一見幸せな生活を送っているように見えた。しかし、彼の周りには二人の女性の影があった。彼の弟子であり、文才に恵まれた静子、未亡人の富永という二人の愛人と関係性を深めていく太宰。その愛人らに子供が欲しいとせがまれ、一方、本妻からは叱責され泥沼にハマっていく。そんな太宰が書き始めたのは、人間に「失格」した男を主人公にした物語。破天荒すぎるが故に、世間から疎まれた天才作家。そんな天才作家が名作、『人間失格』を書き上げるまでの誕生秘話。
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の感想・評価
破天荒な人生
太宰治といえば『人間失格』のような数多くの名作小説だが、同じく有名であるのが彼の破天荒な生き方。太宰治の最期は、愛人と玉川上水に入水したという自殺。しかし、そこに至るまでにも、なんと太宰は4回もの自殺未遂を繰り返しているのだ。1回目は催眠剤を飲み、2回目は入水自殺、3回目は縊死、4回目は再び催眠剤を飲んだ。5回目に図った自殺でとうとう、太宰はこの世を去ることができたのである。まるで小説の中のような波乱万丈な人生を送ってきた太宰。そんな彼の生き方があったからこそ、人間失格という話題作を作り上げることができたのではないだろうか。太宰治の一生について知っておくと、最新作をより楽しむことができるかもしれない。
圧倒的、蜷川実花の世界観
蜷川実花は日本の写真家にして映画監督。その独特の世界観と色彩が持ち味で、数多くの視聴者を虜にしている。その高い芸術性が評価され、2020年の東京オリンピック・パラリンピックの組織委員会理事にも選出されている。そんな蜷川実花が、本作の監督を務めることが明らかになった。過去に、ヘルタースケルターやDiner ダイナーなどの作品を発表している蜷川実花だが、そのどれもが高く評価されている。そんな蜷川実花の魅力は、最新作のパンフレットから既に爆発。色濃い色彩に彩られた小栗旬の色気が、いつもの何倍にも何十倍にも押し上げられている。そんな色気が120分間ずっと楽しめるのだから、これ以上の幸せはない。耽美な世界観に酔いしれよう。
世界で最も売れた日本の小説
村上春樹や、宮部みゆきなど、日本が世界に誇る作家は数多くいる。しかし、世界で最も売れた日本の小説が、最新作の現代となっている太宰治の『人間失格』である、ということを知らない人は存外多いのではないだろうか。本作は、晩年の太宰治が1948年に執筆した中編小説。そして、なんと太宰治は本作を脱稿した翌月に入水自殺をしてこの世を去ったのである。そのため、人間失格は長年太宰治の遺作として扱われている。そういった背景があることも、本作が歴史に残る名作の一つとして取り扱われていることの一つの要因となっているかもしれない。世界の人々が知っている名作を、日本人が知らないということはあってはならない。是非、人間失格の内容を知らない人も本作では太宰治の世界観に触れてみよう。
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の公開前に見ておきたい映画
人間失格
言わずと知れた最新作の原作であり、『ヴィヨンの妻』や『走れメロス』、『斜陽』らと並ぶ、太宰治の代表作。そんな有名な人間失格は、これまでテレビアニメ化やラジオ化もされている。しかし、映画として映像化されたのは今年発表となる最新作と本作の2作のみ。最新作では主演を小栗旬が務めているが、本作では人気ジャニーズアイドル、生田斗真が担当。2009年に映画化された本作は、太宰治の生誕100周年を祝う目的で製作された。生田斗真が3人の美女達と濃厚な絡みに、ファンが黄色い声とともに悲鳴を上げたことが記憶に新しい。ストーリーは原作に忠実であり、一人の男が3人の女性に翻弄されていく姿を描いている。最新作とは違ったまた魅力があるため、それぞれの違いを楽しんでみよう。
詳細 人間失格
さくらん
キルト作家の母と超有名映画監督である蜷川幸雄の間に生まれたのが、本作の監督である蜷川実花。元々カメラマンとして活躍していた彼女だが、2007年より映画監督としてデビューした。その記念すべき初監督作品が本作。元々は安藤モヨコによる漫画作品である本作は、日本最大の遊郭街である吉原で育った少女、きよ葉が花魁になるまでを描いたストーリー。主演は、独特のスタイルで常に世間を賑わせている土屋アンナ。あの迫力のある顔と蜷川実花の世界観が組み合わさり、唯一無二の雰囲気を醸し出している。さらに、音楽の監督は椎名林檎という最強の布陣で固めた名作。これを見たら、花魁の世界に興味が湧くこと間違いなし。
詳細 さくらん
文豪ストレイドッグス DEAD APPLE
本作は、大人気アニメ『文豪ストレイドッグス』シリーズの初のアニメーション映画。そもそも文豪ストレイドッグスとは、中川中也や福沢諭吉、芥川龍之介といった日本を代表する文豪達がキャラクター化され、それぞれが代表作に関する異能力を使用するというアクション漫画。例えば、虎になってしまった男の数奇な人生を描いた『山月記』を執筆した中島敦は、作中で『月下獣』という自らが虎に変身し爆発的に身体能力が向上するという能力を使う。そして、作中には勿論太宰治も登場。しかも、使用する能力は最新作の原作である『人間失格』。自分が直接触れた他者の異能力を打ち消すという能力である。これまでとはまた違った方向から文豪、作品にアプローチをした作品。これまで名作小説と無縁だった人も、これを機に新たな扉を開けるかもしれない。
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』の評判・口コミ・レビュー
「人間失格 太宰治と3人の女たち」
太宰治と人間失格は名前だけは知ってたが本当にこんな男がいたってのは凄い。蜷川実花の世界観が爆発してるであろう演出はいい意味で変わってた。そして二階堂ふみ演じる山崎富栄。この女がヤバい。太宰最後の女ってだけある。映画観たら分かるが考え方がヤバい。 pic.twitter.com/tUgAAbgzyY— しんたろー (@amatoushintaro) 2019年9月14日
「人間失格 太宰治と3人の女たち」観てきました。
堕ちて、汚れて、壊して、書く。
畢生の名作『人間失格』を世に出し心中に至るまでの、太宰治の放浪と頽廃。実話に基づきながら、より大胆で壮絶な脚色と、官能的で幻惑的な演出を施した、無頼の果てを描く映画でした。#人間失格 pic.twitter.com/KPI4HtIFiH— 東京湾 (@7FppErf56RkGQxi) 2019年9月14日
『人間失格 太宰治と3人の女たち』感想。
良かった! 太宰のはた迷惑な生きざまを、美しく描きながら、絶望させ、断罪していた。それに、太宰と関係を持った3人の女性たちの半生や、それぞれの個性をしっかり丁寧に映し出していて、タイトル通り彼女たちのための映画だと思えたとこも、良かった。 pic.twitter.com/ws5Qalnckv
— たぬき👾 (@tada11110) 2019年9月14日
人間失格 太宰治と3人の女たち 演出良かったですが特に脚本が良かった。でも蜷川実花は簡単に褒めてはいけない人だと思いましたね。お父さんがそう言う人だったし。太宰を藤原竜也がやるのもありだと思ったし役者魂を強烈に引っ張り出す…酔いどれ天使の三船敏郎みたく、王道追っ掛けて欲しい。ぶらぼ pic.twitter.com/63OS1Mf4rg
— hiro C (@mikio696) 2019年9月14日
『人間失格 太宰治と3人の女たち』
溢れんばかりの色気とクズっぷり、ナルシスト気味な太宰治を演じた小栗旬、似合ってた。そんな彼に尽くした3人の女達、三者三様な生きざまが時代を物語ってました。蜷川実花さん独特な色彩や曼珠沙華、紫陽花他、綺麗な花もよき。藤原竜也は相変わらずのご登場で。 pic.twitter.com/9zTnwehXdR
— ナターシャ・ロマノフ (@Black_Widow1964) 2019年9月13日
人間失格
太宰治と3人の女たち映像美は相変わらず蜷川実花さんの魔法でした
賑やかさの静けさにせわしなく挟まれて観る側まで必死にしがみついてる様な、なにかに追いかけられる様な気持ちになれる、1秒たりとも目が離せない作品でした
女性陣強すぎ、色っぽすぎて息できない pic.twitter.com/YfbAHXoFYa— うふふ (@AY_hollow_world) 2019年9月13日
映画『人間失格 太宰治と3人の女たち』のまとめ
「恥の多い生涯を送ってきました」。これまで『人間失格』を読んだことがない人でも、この一文は聞いたことがあるのではないだろうか。それほどまでに日本、さらには世界で有名なのが本作の現代である人間失格。日本が誇る文豪、太宰治が最後にこの世に送り出した名作。日本人であるならば、是非その内容は知っておきたいところ。普段あまり小説を読まないという人も、映像化された作品ならば取り掛かりやすいのではないだろうか。既に人間失格を読んだことがある人、そうでない人のどちらにでもオススメな一本。
みんなの感想・レビュー