この記事では、映画『ノア 約束の舟』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ノア 約束の舟』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ノア 約束の舟』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:138分
- ジャンル:ファンタジー、ヒューマンドラマ、ラブストーリー
- 監督:ダーレン・アロノフスキー、ラッセル・クロウ
- キャスト:ラッセル・クロウ、ジェニファー・コネリー、レイ・ウィンストン、エマ・ワトソン etc
映画『ノア 約束の舟』 評価
- 点数:55点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ノア 約束の舟』 あらすじ(ストーリー解説)
映画『ノア 約束の舟』のあらすじを紹介します。
エデンの園。誘惑が罪を生み、アダムとイブは楽園を追われた。その後、人類初の兄弟殺し~カインとアベルの諍いを経て、番人に救われたカインの子孫が荒涼とした大地に住んでいた。
この物語の主人公は、カインの末裔である父メトシュラの息子ノア(ラッセル・クロウ)。ノアには妻ナーマ(ジェニファー・コネリー)と3人の息子セム・ハム・ヤハェトがいた。また旅の途中で、負傷していた娘イラを養女にした。
ノアはある晩、大洪水の夢を見てうなされます。”神が世界を滅ぼす!”と予感し、山で隠遁生活を送る父メトシュラ(アンソニー・ホプキンス)を訪ねた。その際に貰ったベリーの実の種を大地に撒くと、水が噴き出し緑が生え、やがて森になった。
ノアは自分の家族と1つがいの動物達を助けるために、番人と巨大な船の建造を始めます。森には、白い鳩が現れ、動物達も続々と船にやってきます。
どこで船の噂を聞いたのか、ノアの宿敵トバル・カイン(レイ・ウィンストン)が、種族を連れてノアの元を訪れます。

映画『ノア 約束の舟』 結末・ラスト(ネタバレ)
舟を作り始めて数年後。ノアの息子セム(ダグラス・ブース)、ハム(ローガン・ラーマン)、ヤハェトに養女イラ(エマ・ワトソン)は大人へと成長していた。しかし、イラは幼い頃負った傷がもとで妊娠できない体である事を悩んでいた。
セムとイラは互いに相思相愛だったが、妊娠できない事が障害になっていた。恋に悩むのは、次男のハムも同じだった。あせって恋人を探そうとするが上手くゆかない。
父ノアに反抗して、森を彷徨ううちにトバル・カインの陣営に入ってしまう。そこで心優しい少女ナエルと出会う。2人で逃げようとするが、雨が降り始め、ノアの方舟の出航が迫った。少女ナエルは途中で罠にはまり、命を落としてしまう。
トバル・カインの種族も、ノアの方舟を目指してやってくるが、ノアと番人によって阻まれてしまう。しかし、ハムの手引きにより、トバルは秘かに船に乗り込んだ。
一方、ノアの家族と動物達は、方舟にのり無事だった。40日40夜に及ぶ雨と洪水が続き、地上の命は失われた。漂流して数か月後、イラはセムとの子を妊娠していることに気が付いた。
イラの妊娠を家族は喜ぶが、ノアは激怒した。神の意思に背く事だとして、”イラの子供が女の子であったなら、殺す!”と告げるのだった。イラとセムは悲しむが、子供が生まれる前に陸地を探し逃げようと考えます。
しかし、鳩を放ち、陸地を捜しても見つからないのだった。一方、ハムは初恋の少女を助けられなかったのは父ノアのせいだと思い、不満を募らせていた。そこで、トバルと共に父ノアを殺そうと計画します。
父を船の奥へおびきよせると、トバル・カインが現れた。2人が死闘を繰り広げる中、ハムはトバルを殺し、父ノアを助けてしまう。ついにイラが双子の女の子を出産した。
ノアはイラの子供を殺そうとするができなかった。”なぜ、私の子を殺せなかったの?”という問いに”愛が生まれたからだ”と答えるノア。
ようやく鳩が戻ってきた時、陸地が見つかった。新しい土地に立ったノアの一家はその地で根を下ろすが、ハムは1人、新天地を目指して旅立ってゆく。
映画『ノア 約束の舟』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ノア 約束の舟』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
人間としての葛藤に迫る!~信仰と家族の絆
神の意思を尊重するのか?それとも、人間としての意思を貫くのか?とても悩ましい問題です。旧約聖書に描かれているノアの方舟の物語は、人間よりも神の意思に沿うよう行動しています。
私はキリスト教信者ではないので、その点に疑問を感じます。なぜなら、人は自分の都合の良い時にだけ神を語るからです。それならば、神の言うように人類が滅びてもいいんじゃないかとさえ、思います。
家族以外の他人の命を犠牲にしてまで生きたいとは考えたくない。ノアは家族が助かっても、その後は人類が滅びると考えていたようです。どうして生きようとしないのだろう?
私には、ノアと敵対していたトバル・カインの気持ちの方が共感できます。ノアの方舟に描かれている選民思想が危険な考えである事に気づいて欲しい。
この映画は、大迫力の洪水シーンやCGを多用した映像で壮大な物語に仕立てていますが、主人公の気持ちや行動に共感することはできませんでした。ただ、キリスト教徒の方がこの映画を観てどう思ったかは聞いてみたい。
唯一、素晴らしい点は俳優です!家族の物語として、実に生々しい葛藤や闘いを描いている点をご覧下さい。
若い才能がはじける!~エマ・ワトソンとローガン・ラーマンの魅力
この映画と「ウォールフラワー」で共演している2人。演技の相性がとてもいい。年齢も2歳差で、ローガンの方が年下です。2人の経歴も、それぞれが子役からキャリアをスタートさせ、若手俳優として期待されています。
エマ・ワトソンは知性と美、そのどちらも兼ね備えた行動的な女優。反対にローガンは繊細で、守ってあげたい感がいっぱい。青春映画もいいが、家族がテーマの映画だと余計に2人への親しみやすさを覚えます。
明と暗、動と静といった対立する感情を2人なら、上手く演じきれるのではないでしょうか。この映画で共演したラッセル・クロウが、2人に対して家族の様な気持ちで成長を見守っていたと語っていました。
キリスト教世界の難解な部分は分からないが、俳優陣の仲の良さや家族のように作品に取り組む姿に魅力と可能性を感じるのです!
「ノアの箱舟」という、聖書を読んだことがない人でも名前は知っている有名なエピソードを大胆に映画的にアレンジ。あまりにも原作を無視した作りで、聖書の関係者達は怒りを感じなかったのだろうかと疑問を感じる。
そもそも「ノアの箱舟」を、映画の主題に据える意味はあったのか。アレンジを加える意味はあったか。ネームバリューだけを目的に、原作にリスペクトを感じない作品は総じて駄作と言わざるを得ない。この作品はまさにそれ。完全オリジナルで作っても良かった。アレンジするなら、それ相応の理由付けがしっかりしていなければ。(男性 30代)
宗教的というより、心理劇として楽しめた一本。神の命令を盲目的に信じるノアが、次第に「本当にそれで良いのか」と自問し始める描写がとても人間的でした。善と悪の基準が曖昧になっていく中で、家族の絆が浮かび上がる構成がよかったです。映像も壮大で圧倒されました。(30代 女性)
ノアの狂信的な行動に恐怖すら感じました。アークの中での人間関係の崩壊、特に義理の娘と子どもに対して非情な決断をしようとするくだりは心を抉られました。それでもラストで許しと希望が提示されるところに、この作品が語ろうとしていた“人間性”を感じました。(40代 男性)
宗教的なバックボーンがありつつ、ヒューマンドラマとしてもしっかり成立していたのがすごい。ノアの信仰と葛藤、そしてそれを見つめる家族たちの視点が丁寧に描かれていて感情移入できました。ラッセル・クロウの演技力に脱帽です。人間とは何かを問われる映画でした。(20代 女性)
旧約聖書の「ノアの箱舟」には忠実な部分もありつつ、かなり大胆なアレンジも加えられていて新鮮でした。特に“堕天使”として登場する巨石の守護者たちは斬新で、ファンタジー的な要素が強調されていたのも興味深かったです。メッセージ性もあって、観応えありました。(30代 男性)
ビジュアルがとにかく圧巻。大洪水のシーンや動物たちの大移動など、神話を映画にしたらこうなるんだなと納得のクオリティでした。テーマとしては重く、ノアの苦悩に共感できるかどうかで評価が分かれる作品かもしれません。私はラストで泣いてしまいました。(40代 女性)
信仰と家族の板挟みで苦悩するノアの姿が非常に印象的でした。神の命令と人間の倫理が対立するというシチュエーションが現代にも通じるものがあって、単なる聖書の再現では終わらない深さがありました。アロノフスキー監督らしい問いかけが満載の一作です。(50代 男性)
個人的には、ファンタジー要素よりもノアの内面描写に惹かれました。最愛の家族ですら「滅びるべき」と断言するその信念に恐怖を感じつつ、それでも最後には“命を生かす選択”をする流れが感動的でした。神話としてではなく、人間ドラマとして観るのが正解かもしれません。(20代 女性)
前半は壮大な神話の世界、後半は緊迫の心理劇という二部構成のような作品。ノアが「正しいこと」をしようとするがゆえに狂気に走る姿は、信仰の怖さも感じさせました。ラスト、家族と向き合い“赦し”を選ぶ場面がとても印象的でした。映像と音楽も素晴らしかったです。(30代 男性)
予想以上にヘビーな内容で、観終わった後しばらく動けませんでした。神の意思に従ってすべてを失いかけたノアが、最後に人間らしさを取り戻すまでの過程が強烈でした。倫理、信仰、愛――すべての要素が重くのしかかる一方で、ラストには希望が残っていて救われました。(40代 男性)
映画『ノア 約束の舟』を見た人におすすめの映画5選
天地創造(The Bible: In the Beginning…)
この映画を一言で表すと?
壮大なスケールで描く“人類のはじまり”を辿る歴史的聖書映画!
どんな話?
旧約聖書「創世記」の天地創造からアブラハムの物語までを、圧倒的な映像美と信仰心で描いた一大叙事詩。神と人間の関係性を真摯に描いた、宗教映画の金字塔的作品です。
ここがおすすめ!
『ノア 約束の舟』と同じく、聖書の世界をベースにした重厚な物語とビジュアルが魅力。映画史に残る大作として、スピリチュアルな世界観に浸りたい人におすすめです。
プリンス・オブ・エジプト
この映画を一言で表すと?
アニメーションで蘇る、モーセの壮絶な旅と奇跡の物語!
どんな話?
エジプト王家に育てられたモーセが、自らの出自と使命に目覚め、民を導いて自由を求める冒険へと旅立つ。聖書「出エジプト記」に基づいたドラマチックなアニメ映画です。
ここがおすすめ!
美しい音楽とダイナミックな演出、深いテーマ性が融合した傑作アニメーション。『ノア』のように神の啓示と人間の葛藤が描かれ、全世代で楽しめるスピリチュアルな感動作です。
十戒(The Ten Commandments)
この映画を一言で表すと?
映画史に輝く、神と人間の壮大な叙事詩!
どんな話?
モーセが神から十の戒律を授かるまでの壮絶な人生を、壮麗なスケールで描いた不朽の名作。旧約聖書に基づく物語を、1950年代の最高峰の技術で映像化した宗教映画の決定版。
ここがおすすめ!
『ノア』に心を動かされた方には、聖書映画の原点とも言える本作も必見。神の声と向き合いながら民を導くモーセの姿に、強い信仰と人間ドラマを感じられます。
レクイエム・フォー・ドリーム
この映画を一言で表すと?
夢を追う者たちの破滅と再生を描いた、衝撃の心理ドラマ!
どんな話?
それぞれの夢を抱く4人の男女が、薬物と幻想にのまれていく壮絶な物語。『ノア』のダーレン・アロノフスキー監督が手がけた、精神と肉体の崩壊を鮮烈に描く問題作。
ここがおすすめ!
『ノア』と同じ監督による圧倒的な演出と、容赦ない映像表現が印象的。信仰と絶望、愛と破滅といった極限の人間性を描く点で、深いテーマ性を好む方におすすめです。
ツリー・オブ・ライフ(The Tree of Life)
この映画を一言で表すと?
宇宙の誕生と人間の心が交差する、哲学的映像詩!
どんな話?
1950年代のアメリカ南部を舞台にした家族の物語と、宇宙創造のビジュアルを重ねて描いた、壮大なスケールの人生賛歌。生命とは? 宇宙とは? 神とは? を問いかけるアート作品。
ここがおすすめ!
『ノア』と同じく“神の意思”や“人間の存在意義”に迫る作品。映像詩的な構成と瞑想的な語り口が、観る者に強烈な印象と余韻を残します。深く考えたい夜にぴったりの映画です。
みんなの感想・レビュー
ノアの方舟は新約聖書のお話。
つまり、ユダヤ教の聖書。
選ばれし者のみが生き残り、それが我々であるというユダヤ教の、ユダヤ人の選民思想だと思います。
その教えに疑問を持ったのがイエス。
イエス様なら、自分たちだけが助かろうとせず、洪水が起こるかもしれないから備えよと人びとに伝え、そして、そのイエス様の言うことを信じた人々が救われる。
いざ洪水になった時、慌てて方舟に乗り込もうとする人も受け入れ、方舟の中で争いが起こりそうになれば教え諭す。
そんな結末になりそうな気がします。