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映画『オリバー・ツイスト(2005)』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『オリバー・ツイスト(2005)』の概要:チャールズ・ディケンズの原作を『戦場のピアニスト』『ゴーストライター』などの名匠ロマン・ポランスキーが映画化。主演のオリバー役は、オーディションで選ばれた当時12歳のバーニー・クラーク。ベン・キングズレーなど、多くの名優が脇を固め美しい世界観を彩る。

映画『オリバー・ツイスト』の作品情報

オリバー・ツイスト

製作年:2005年
上映時間:129分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:ロマン・ポランスキー
キャスト:バーニー・クラーク、ベン・キングズレー、ハリー・イーデン、ジェイミー・フォアマン etc

映画『オリバー・ツイスト』の登場人物(キャスト)

オリバー・ツイスト(バーニー・クラーク)
母が亡くなり、孤児となった心優しき少年。
フェイギン(ベン・キングズレー)
少年たち窃盗団を束ねる老人。何を考えているのか真意を掴めない人物。
ドジャー(ハリー・イーデン)
少年窃盗団の一人。餓死しかけていたオリバーを仲間に入れる。
ビル(ジェイミー・フォアマン)
フェイギンの仲間。気性が荒い。
ブラウンロー氏(エドワード・ハードウィック)
老紳士。オリバーを自宅に匿い面倒を見る。
ナンシー(リアン・ロウ)
ビルの世話役の少女。オリバーをかわいがる。

映画『オリバー・ツイスト』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『オリバー・ツイスト(2005)』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『オリバー・ツイスト』のあらすじ【起】

9歳の孤児オリバー・ツイストは孤児院に引き取られる。しかしそこは劣悪な環境で、日夜仕事をさせられては満足に食事も与えられない。ある日、仲間内のくじ引きでハズレを引いてしまったオリバーは、食事の際におかわりをねだる。その行為に腹を立てた職員たちは、オリバーを葬儀屋の主人のもとへ預ける。

葬儀屋で共に働く少年に死んだ母親の悪口を言われたオリバーは、少年を殴ってしまう。罰としてむち打ちを受けるオリバー。彼は嫌になり家を飛び出す。

行く宛も無いオリバーは、道中で親切な老婆に食事を恵んでもらいながら市場へと辿り着く。体力も金もなく朦朧としていると、ドジャーと名乗る少年に出会う。少年は盗みをしながら生活をしていると言い、窃盗団へオリバーを引き入れる。

少年窃盗団を束ねているのが悪党のフェイギン。子供たちには優しいが本心では何を考えているのか分からない謎の人物である。彼に気に入られたオリバーは、窃盗団として盗みを教わるようになる。

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映画『オリバー・ツイスト』のあらすじ【承】

初めて窃盗を試みようと市場へ出た日、ドジャーたちがしくじり、ターゲットの男性に気付かれてしまう。ただ見ていただけのオリバーだったが、勘違いされ警察へ引き渡されてしまう。

裁判所へ連れて行かれ無実を訴えるオリバーだったが、大人たちは耳を貸そうとしない。そこに事件の目撃者だと名乗る本屋の店主が現れ、ようやく彼の無実が証明され釈放される。彼を泥棒だと疑ったブラウンロー氏はお詫びとしてオリバーを家に招待する。

一方で、姿の無くなったオリバーの身を案じ、フェイギンと同僚のビルが話し合っていた。オリバーが何かを口走れば、自分たちの身が危ないと感じた彼らは、オリバーを始末することを企む。

ブラウンロー氏の家で暮らし始めたオリバー。ある日ブラウンロー氏にお遣いを頼まれたオリバーは家を出るが、待ち伏せていたビルに捕まり、ブラウンロー氏のもとを引き離されてしまう。

仕方なくまたフェイギンのもとで暮らし始めたオリバーだったが、ある時ビルに連れられ強盗に向かうと、そこはブラウンロー氏の家だった。

映画『オリバー・ツイスト』のあらすじ【転】

親切にしてくれたブラウンロー氏だけは裏切りたくないオリバーは、強盗を知らせようとブラウンロー氏の家へ駆けこむ。その際の騒動で、ビルが放った弾丸がオリバーの左腕を貫いた。

フェイギンのもとで手当てを受けるオリバー。そんな彼の姿を見て心を痛めた少女ナンシーは、主人であるビルの目を盗みブラウンロー氏に密会。オリバーの境遇と、彼はあなたを裏切ったわけではないと告げて去る。しかし様子を、フェイギンに命令され尾行していたドジャーに聞かれてしまう。

ブラウンロー氏が警察に駆け込み、警察によるフェイギンとビルの捜索が始まった。一方で、ナンシーに裏切られたことに腹を立てたビルは、力任せに彼女を殴り死なせてしまう。

ナンシーに親しみを抱いていたドジャーはビルの行為に激昂。外を捜索している警察に向かって「ここにビルがいる」と知らせる。警察に囲まれるフェイギンとビル。ビルはオリバーを人質に部屋を飛び出し逃亡を図るが、道中で事故を起こし死亡する。

映画『オリバー・ツイスト』の結末・ラスト(ネタバレ)

それから再びブラウンロー氏に身元を引き取られたオリバーは、何不自由ない生活を送っていた。そしてフェイギンが絞首刑を施行される日、オリバーは彼に会いに行く決意をする。

警察署に赴くオリバー。彼の独房へ赴くと、変わり果てたフェイギンの姿があった。うわ言のように何かを言い、まるで要領を得ない。「狂ってしまったのだ」と看守は言う。

そんな彼の姿に心を痛めたオリバーは、フェイギンの手をそっと握る。オリバーの顔を見て束の間フェイギンは正気を取り戻す。「わしの大切な財産をぜんぶお前に譲ろう」と言うフェイギン。
オリバーはそっと首を横に振り「僕と一緒に祈りましょう。一度でもいいからひざまずいて、神様に懺悔しましょう」と伝える。しかしその直後、再びフェイギンは錯乱し、オリバーは独房から出される。彼の願いはフェイギンに届かなかった。

ブラウンロー氏と共に車に乗り警察署を後にするオリバー。窓外には、間もなく施行される絞首刑のためにあくせくと梁にロープを結ぶ看守の姿が映っていた。

映画『オリバー・ツイスト』の感想・評価・レビュー

オリバー・ツイストの周辺が悪質な人間ばかりで、オリバーが報われずに余りにも可哀想で、観ていて辛くなるシーンも多かった。
だが、どんなことがあってもへこたれず、どんな人に対しても心優しく、感謝の気持ちを忘れない姿勢を持つオリバー。小さい体でしっかり生きる姿、その芯のある強さに心打たれた。
ラストで少し希望が見えたが、身寄りも伝手もない孤独な少年がたった一人で生き続けることがどれだけ大変なことか、現実の厳しさを感じた。(女性 20代)


窃盗はもちろん悪いことだが、しかしそうしなければ生きていけない。どうすればいいか簡単に答えが見つからない問題で、なんとももどかしい気持ちを感じた。オリバーの置かれた環境は酷いものだったが、ブラウンローやナンシーに出会えたことは幸運だと思う。そして、何より劣悪な環境に居ても優しさを忘れなかったことが良かったと思う。だが、ブラウンローに出会えなかったオリバー以外の少年達はその後どうなったのか、幸せな人生を送れたのか気になった。(女性 30代)


以前鑑賞した『オリバー!』と同じストーリーでありながらも、世界観は全く違い今作はとても暗く、重い印象の作品でした。
『オリバー!』は困難な環境に置かれながらも、子供たちが歌って踊るミュージカル映画で、なんとなく「明るい」気持ちになれましたが、今作はオリバーの悲しく辛い日々が淡々と描かれていて、こんなにも心優しい少年が「報われない」ストーリーは胸が苦しくなりました。
諦めずに、自分の人生を生き続けるオリバーは本当にかっこよかったです。(女性 30代)

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