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映画『乙女たちの秘めごと』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『乙女たちの秘めごと』の概要:ナポレオン統制下、共和派の弾圧により男達がレジスタンス活動に勤しみ、全員が強制連行されてしまう。山岳地帯の小さな田舎の村に残されたのは、女と幼い子供達のみ。残された若い女達は1人でも男が現れたら、村を存続させるために皆で共有しようと話し合う。

映画『乙女たちの秘めごと』の作品情報

乙女たちの秘めごと

製作年:2017年
上映時間:99分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:マリーヌ・フランセン
キャスト:ポリーヌ・ビュルレ、ジェラルディーヌ・ペラス、アルバン・ルノワール、イリアーナ・ザベート etc

映画『乙女たちの秘めごと』の登場人物(キャスト)

バイオレット(ポリーヌ・ビュルレ)
博識な父から文字の読み書きを教えられて育つ。美しく聡明で働き者。ジョンと恋仲になり、彼の子を妊娠、出産する。愛読書はユゴー。
ジョン(ジェラルディン・ペラス)
自称鍛冶師だが、実は生きるためにやむを得ず人殺しをし、国外へ逃走中だった。バイオレットに一目惚れし、村に滞在する。

映画『乙女たちの秘めごと』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『乙女たちの秘めごと』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『乙女たちの秘めごと』のあらすじ【起】

1851年12月、施政者のルイ・ナポレオンは第二共和政を解散し共和派を弾圧した。この影響により、山岳地帯の小さな村で男達がレジスタンス活動をしていたとして、全員が強制連行されてしまう。残されたのは女と幼い子供ばかりだった。

中でも結婚するはずだった男性を殺された女性は、塞ぎ込んでしまい花嫁衣裳を燃やしてしまう。他にもこの先の未来に不安を抱き、自ら首を吊って亡くなる人までいた。
そんな中、麦が収穫の時を迎える。広大な畑を男手もなく女性達は協力し合って刈り取りを行った。しかし、人手が全く足りず、子供まで動員してもまだ4分の1程度。おまけに重労働で若い女達は早くも音を上げている。バイオレットもその中の1人だった。

全くの孤立無援となってしまった小さな村。これまで牛飼いが1人も通らないことなどなかったが、今では全く人気がない。まるで時が止まってしまったかのようだ。若い女たちはバイオレットを含め、命を繋ぐためにたった1人でも男が現れたら、全員で共有しようと話し始める。相手が拒否したとしても、問答無用で全員と寝てもらおうと。この話には何人かが賛成するのだった。

やがて春がきて、畑に再び麦の穂が揺れる。女達は休まずに果樹園にて果物を採取していたが、そこへ鍛冶師だという男が現れる。その場にいた女達が警戒心を持ちつつも、目配せし合った。

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映画『乙女たちの秘めごと』のあらすじ【承】

自称鍛冶師のジョンは、近場にいたバイオレットに話しかけ一晩泊めて欲しいと言う。彼女は快く了承し彼を案内したが、内心落ち着きを取り戻すので一杯だった。
そこで、バイオレットは村に男手が全く無いことを白状。ジョン曰く、3カ月前にナポレオンが皇帝になったため、共和政は終わったらしい。加えて逮捕された囚人は処刑されたか、国外追放となった様子。そうなると、村の男達は全員が死んだか、国外へ追放され戻らないということだ。

このことで村の女達は早々に会議。今夜はそれぞれに鍵をしっかりかけ、敵か味方か見極めようと話し合う。そして、長老の指名によりバイオレットがジョンの世話役をすることになった。

翌日、ジョンに麦の収穫を手伝ってもらう。力もある彼は手際も良く昨年よりも早く終わりそうだ。女と子供しかいない村に年頃の男がたった1人。互いに戸惑いが大きく、ギクシャクとした雰囲気である。手が綺麗なことから、自称鍛冶師というのは恐らく口から出まかせに違いない。だが、彼女らの問題はそこではなく、彼にこのまま居続けてもらうことにあった。

田舎の小さな村では大概、文字の読み書きができない。だが、バイオレットは博識な父のお陰で村でも唯一、読み書きができた。ジョンが持つ本に興味を示したバイオレットは、彼から本を借りることにする。彼女は早速、読書に勤しんだ。

映画『乙女たちの秘めごと』のあらすじ【転】

翌日も収穫作業を続ける。ジョンはどうやらバイオレットに気がある様子で、周囲の女達はそんな彼の様子を逐一観察していた。彼女らはバイオレットとジョンに2人きりの時間を提供し、良い仲になるよう仕向ける。

ジョンにお気に入りの本を読み聞かせたバイオレット。やがて、ジョンは彼女へと欲情を示し、2人はその日の内に肌を重ねた。朝方、自宅へ戻った彼女に母親は何も聞かなかった。いつも通りの様子で弟を起こせと言うだけである。

その日のジョンとバイオレットの様子から、2人の関係が進展したと見た長老や女達は、しばらくの間、彼が村に滞在するだろうと予想。
ジョンとバイオレットは短い蜜月を過ごしたが、同年代の女達はジョンを共有する約束だったはずだと言う。嫉妬に駆られたバイオレットは友人達へと怒り狂った。だが、村の存続のためには致し方ない。彼女はジョンに事情を話した。すると、彼はバイオレットの話に憤りを示し、2人は喧嘩状態となる。

1人の男を共有するなど、まともな話ではない。バイオレットは彼が去ってしまうだろうと友人達に話した。
翌日も収穫作業を続けたが、ジョンはしばらく思い悩んだ後、村の意向を受け入れると言うのだった。

ジョンにとってもバイオレットにとっても、共有するという行為は苦痛の時間であったが、よく考えた結果でもある。2人は互いに触れ合いの時間を多く持つことでどうにか耐えた。親友はバイオレットがジョンに恋をしていると言う。故に、身体は共有するが、彼を諦めないで欲しいと告げるのであった。

映画『乙女たちの秘めごと』の結末・ラスト(ネタバレ)

そんなある日、バイオレットはジョンから生きるためにやむを得ず人を殺し、国外へ向けて逃走中なのだと明かされる。もしも居場所がばれて捕まれば、死罪である。彼はバイオレットがいなければ、村からすぐに立ち去ったと言った。やがて、バイオレットが妊娠していることが発覚。ジョンに打ち明けると一緒に逃げようと言ってくれるのだった。

バイオレットの子供は順調に育ち、腹部も膨れてきた頃、村の男が2人戻って来る。男の話では国外へ追放されたが、じきに他の者達も戻って来るはずだと言う。だが、残念ながらバイオレットの父は亡くなったという話だった。

このことから危機感を覚えたジョン。村の男達は彼に対して警戒心を顕わにしている。長老は、他の男達が戻って来るなら生活は一変するだろうと言う。そうなった時、バイオレットの腹の子供やジョンの存在が危うくなる。長老は彼を追い出せと言うが、バイオレットは彼と駆け落ちする覚悟を決めていた。

ところが、旅の準備を整えジョンの元へ向かうと、彼の姿がない。2階のベッドには1枚の置き手紙だけが残されていた。ジョンはバイオレットを置いて単身、村を去ってしまったのである。すぐに彼の後を追いかけたが、去って行くジョンの姿は見つけられなかった。
バイオレットは傷心しながらもジョンの子供を無事に出産し、母親になるのだった。

映画『乙女たちの秘めごと』の感想・評価・レビュー

主人公のヒロインは実在した人物がモデルとなっており、彼女の体験談が50年の時を経て子孫によって紐解かれたものらしい。監督のマリーヌ・フランセンは、この実話に魅入られ映画として制作したと言う。

画面のサイズを意図的にスタンダードに設定することで、美しい風景と情緒的な雰囲気が見事に醸し出されている。女と子供しかいない村にたった1人の男。好色な男性ならこの事態を喜んだのだろうが、女性達の視線がまるで獲物を狙うかのように突き刺さり、まともな状況ではないことを現している。村の存続のために女性達が苦肉の策を弄したという実話が元になった作品。(MIHOシネマ編集部)


「あなたの種を私にください」と言う過激なキャッチコピーに惹かれて鑑賞しました。
「男」が1人も居なくなった村で生活する女たち。彼女たちは、次にこの村に来た男を皆で「共有」し、「子孫繁栄」させようと企てます。
なんと今作は実話ベースだそう。主人公の女性にもモデルとなる人がいるのだとか。信じられないようなお話ですが、こんなことを計画し、実行しなければいけなかった世界はとても悲しく、生きづらかっただろうと胸が苦しくなりました。(女性 30代)

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