尾崎豊という、当時の日本を席巻していた人気ミュージシャンが亡くなってから30年以上が経過した2019年。彼の一生に迫るドキュメンタリー映画が誕生。尾崎豊ファンであれば見ないという選択肢はない豪華な一本。
映画『尾崎豊を探して』の作品情報
- タイトル
- 尾崎豊を探して
- 原題
- なし
- 製作年
- 2019年
- 日本公開日
- 2019年12月27日(金)
- 上映時間
- 95分
- ジャンル
- ドキュメンタリー
音楽 - 監督
- 佐藤輝
- 脚本
- 不明
- 製作
- 須藤晃
御領博 - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- 尾崎豊
- 製作国
- 日本
- 配給
- 東京テアトル、ライブ・ビューイング・ジャパン
映画『尾崎豊を探して』の作品概要
繊細な若者達の心を見事鷲掴みにし、ティーンエイジャーのカリスマと呼ばれた伝説の歌手、尾崎豊。彼は多くの人々の心を動かす名曲の数々を遺し、それらの楽曲をいまだに多くの歌手によって歌い継がれている。しかし、尾崎豊に関しては、それらの楽曲と彼の燃え上がるような激しい生き様ばかりがフューチャーされることが多い。心の奥では繊細であり、多くの葛藤を抱いていた彼の、非常に人間らしい一面も切り取った本作。26歳で惜しまれながらもこの世を去った彼の人生を、彼の死後30年以上が経過した今、改めて振り返る。
映画『尾崎豊を探して』の予告動画
映画『尾崎豊を探して』の登場人物(キャスト)
- 尾崎豊
- 『I LOVE YOU』や『卒業』といった名曲を発表した、実在した歌手。26歳という若さでこの世を去った。
映画『尾崎豊を探して』のあらすじ(ネタバレなし)
1965年、日本にとある男の子が生まれた。その人物とは、今後若者のカリスマとなる歌手、尾崎豊。人気絶頂の中、彼は26歳という若さで突如命を落とすことになる。彼が亡くなって既に30年という月日が経過しているが、その人気は未だ衰えることを知らない。生前彼が行なったライブや、日常の何気ない姿。そんな貴重な様子が数多く切り取られている本作。数々のヒット作を生み出した尾崎豊。矢沢永吉や美空ひばり、玉置浩二など数々のアーティストがカバーした『卒業』や『I LOVE YOU』、『15の夜』といった名曲を生み出した彼の一生に迫ったファン必見のドキュメンタリー作品。
映画『尾崎豊を探して』の感想・評価
破天荒な生き様
今の若者は、果たして尾崎豊という人物を知っているだろうか。楽曲があまりに有名であるため、名前だけは知っているものの、彼が一体どういった人であったかを知らないという人も多いのではないだろうが。26歳という、あまりに短すぎる人生ではあったが、その一生は非常に波乱万丈であった。方向性を見失い突如として活動を休止したり、単身海外に渡り半年で帰国したり、覚せい剤に手を出したり、とまさしく事件ばかりであった彼の人生。精神も身体も追い込み、最終的には死という選択を取ることになった尾崎豊。人生に一度でも迷ったことがある人であれば、そんな彼の苦悩が痛いほど理解できるかもしれない。そんな彼の、あまりにも激しい一生を、目を逸らすことなく見届けよう。
何故彼は若者から支持を受けたのか
幅広い世代から支持を受けていた尾崎豊であるが、特に彼を熱心にサポートしていたのが若い人達。そんな彼には、『ティーンエイジャーのカリスマ』、『若者の代弁者』といった別名が付いていたほど。果たして彼のどういったところに、若者達は惹かれていったのだろうか。本作の中でも着目されている、彼が遺した楽曲の歌詞を見てみると、その理由の一端が分かる。代表曲である『卒業』の中では、「信じられぬ大人との争いの中で」や、「本当の自分にたどりつけるだろう」といった歌詞が出てくる。そんな彼のストレートな言葉が、思春期で揺れ動く若者達の心に刺さったのではないだろうか。同じく葛藤を感じている現代の若者達も、映画を見た後必ず尾崎豊に傾倒すること間違いなし。
音楽史に名を残す名曲達
尾崎豊が歌手としての活動を始めたのは、まだ彼が高校生の頃。宇多田ヒカルやサザンオールスターズなど、学生時代からその才能を開花させ活動を開始した歌手は、長年に渡り第一線で活躍を見せている。尾崎豊もそのうちの一人で、今後も長きに渡って日本音楽シーンを彩るはずだった。しかし、26歳という若さで彼はこの世を去ってしまう。彼の死で、日本は大きな財産を失うことになったのだ。しかし、それまでに彼が遺した音楽は、今でも日本の音楽業界を支えている。彼の楽曲をこれまでにカバーしたアーティストは、宇多田ヒカルや玉置浩二、CHEMISTRYに斉藤和義など把握しきれないほどの数であり、そのどれもが名だたるビッグアーティストばかり。多くの同業者の心も動かした名曲の数々に是非酔いしれよう。
映画『尾崎豊を探して』の公開前に見ておきたい映画
ボヘミアン・ラプソディ
最新作の主役は、当時の日本の音楽シーンを席巻した尾崎豊。そして、こちらはイギリス、さらには世界中を魅了したロックバンド、『クイーン』のボーカルであるフレディ・マーキュリーを主役に描いている。どちらの主人公も、若くしてこの世を去っているという点も奇しくも共通している。ファルーク・バルサラは、厳格な家庭に生まれた青年。その頃、ファルークがファンであった『スマイル』というバンドのボーカルが脱退することが発表された。そして、ファルークは自身を売り込み、見事新ボーカルのポジションを手に入れるのだった。それこそが、将来世界的なバンドとなる『クイーン』の誕生の瞬間だった。たちまち、バンドは大成功を収めるが、彼らの前には大きな問題が次々と立ちはだかる。
詳細 ボヘミアン・ラプソディ
奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
人々に様々な影響を与えるミュージシャン達。実在するミュージシャンをテーマに据えた映画の洋画が前述した『ボヘミアン・ラプソディ』であるならば、邦画版で記憶に新しいものが本作。本作で大きなキーとなっているのは、タイトルからも分かるように奥田民生。元、ロックバンド『UNICORN』のボーカルであり、現在も第一線で活躍する人気歌手である。雑誌編集者として働く主人公、コーロキ・ユウジは筋金入りの奥田民生ファン。そんな彼は、新たに移動したライフスタイル雑誌編集部で、天海あかりという美女と出会う。彼女と釣り合う男になるべく必死になるコーロキだったが、あかりは出会う男達を狂わせるとんでもない女性だった!あかりに振り回されるコーロキを、思わず応援したくなる。
詳細 奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール
ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987
最新作の監督を務めている佐藤輝が2013年にメガホンを取った作品。佐藤輝は、現在71歳ながら精力的に活動している人物で、これまで多くのミュージシャン達と関わってきた経緯がある。なんと、尾崎豊の映像作品にも携わった経験があるのだ。本作は、1987年に開催されたロック・フェスティバルである『BEAT CHILD』を映像化したもの。BOØWYやHOUND DOG、佐野元春といった当時の日本音楽業界を牽引していたロックアーティスト達が勢揃いした、伝説的なコンサートである。そして、当公演には尾崎豊も出演していたのだ。TV放送やコンサートDVD映像化もされていないため、この公演を現在でも楽しむことができる唯一の手段となっている。
詳細 ベイビー大丈夫かっ BEATCHILD1987
映画『尾崎豊を探して』の評判・口コミ・レビュー
映画「尾崎豊を探して」の先行公開をTOHOシネマズ新宿で観てきました!!
ネタバレになるので感想は呟けないけど、まぁ、なかなか滅茶苦茶な映像作品でしたね😂 #尾崎豊を探して pic.twitter.com/YearkTYJbZ— トリコロ (@coloaru) 2019年12月27日
今日から先行上映している「尾崎豊を探して」を観た。ストーリーらしきものは無いので映画というよりは長いPVというかんじ。わざとなのかわからないけど、編集や演出が80年代っぽいというか古いというか美大の卒業制作っぽいというかそういうかんじでつらかった…なんだあれ…
— 941 (@941) 2019年12月27日
映画『尾崎豊を探して』鑑賞。
尾崎豊の曲は好きな曲いっぱいあるしギターでもよく弾き語りしてますが、よく考えたらコンサートの映像とかほとんど見たことがなかったので、コンサート風景等映像で見れて良かったなと🤗 pic.twitter.com/8QD7ylycwz— 植村 真太郎 (@s_uemura) 2019年12月28日
〜尾崎豊を探して〜先行上映を観てきた。とにかく編集がぶつ切りでストレスを感じる。尾崎豊の大ファンって訳じゃないけど、尾崎ファンの人も求めてたドキュメンタリーとか少し違うんじゃないかな。
シェリーとforget-me-notを映画館で聴けたのは泣ける。— 田中 智之@ビジョンドリブンな関西人 (@tmyk_tnk) 2019年12月28日
映画『尾崎豊を探して』のまとめ
『I LOVE YOU』、『15の夜』、『卒業』。いずれも20年以上前に発表された楽曲だが、現代人の殆どが知っているという、最早日本が誇る名曲となっている。そして、それらを全て歌っていたのが、歌手の尾崎豊なのである。現在は息子である尾崎裕哉が歌手活動を開始したことでも話題となった。まだ高校生の時にデビューを果たし、真っ直ぐな歌詞や衝撃的なライブから、主に若者を中心に圧倒的な支持を受けた彼。なぜ彼は伝説と呼ばれることになったのか、なぜ人々は尾崎豊を愛したのか。本作を見れば、その理由が理解できるはず。
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