映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の概要:奥田民生のような男になることを目指す編集者の主人公はある日、取材先で魅力的な女性と出会い、彼女と付き合うことになる。仕事と恋で奔走する主人公だったが、実は彼女は魔性の女だった。全編に奥田民生の楽曲を使用し、狂わせガールを水原希子が演じている。
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の作品情報
上映時間:99分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー
監督:大根仁
キャスト:妻夫木聡、水原希子、新井浩文、安藤サクラ etc
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の登場人物(キャスト)
- コーロキ(妻夫木聡)
- 奥田民生のような男になるという夢を掲げる雑誌編集者。常にラフな衣服をまとい活動的。明るく真っすぐな性格。
- 天海あかり(水原希子)
- ファッションプレスとして有能。可愛らしくスタイルも抜群。誰からも好かれる性質。実は相手の理想を反映する鏡のような人物で、それが素であるため、始末に負えない。あらゆる方面に伝手がある。
- 吉住(新井浩文)
- ライフスタイル雑誌『マレ』の有能な編集者でコーロキの先輩。あかりと付き合っていたが、コーロキに寝取られる。あかりを諦めきれず、間男でも良いと言うほど魅了されている。
- 美上ゆう(安藤サクラ)
- 人気コラムの女性作家。面白いコラムを書く有能な作家ではあるものの、締め切り前に必ずトラブルが発生する。猫を多数飼っており、味のあるイラストも描く。コーロキと長い付き合いを続けることになる。
- 木下(松尾スズキ)
- ライフスタイル雑誌『マレ』の編集長。雑誌の立ち上げから、信念を持って作り上げてきた人物で独身。編集者としての心意気をコーロキに教えるも、あかりから手玉に取られ執着するあまり、正気を失ってしまう。
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』のあらすじ【起】
中学生の頃、音楽番組にて奥田民生を目にしたコーロキ少年は、ラフな生き方とその音楽に魅了され信奉するようになる。その後、ロック雑誌を漁るように見ているうち、雑誌編集者へ。コーロキは信奉する奥田民生の生き方に憧れを抱き、彼のような男になることを目指していた。
しかし、雑誌編集者になったはいいものの、家電雑誌からなぜかライフスタイル雑誌『マレ』の編集部へと異動になってしまう。歓迎会は編集長木下の自宅で行われたが、どうにも馴染めずタジタジとするコーロキ。だが、木下はそんなコーロキを快く受け入れ、仲間として歓迎してくれるのだった。
ある日、先輩の吉住と掲載記事の打ち合わせへ向かったコーロキだったが、ファッションプレスの天海あかりと出会い、彼女に一目惚れ。彼はあかりに良いところを見せるために、つい仕事を安請け合いしてしまう。吉住はコーロキの発言に頭を捻っていたが、コーロキは短いエッセイを書いてもらうライターを探すことに。
しかしその後、別の仕事でフリーライターを訪れた際、その人物がファッションのエッセイも書くと言い出したため、勢いに飲まれたコーロキは仕事を依頼する形になってしまうのだった。
そのせいで、話が違うとあかりを怒らせてしまい、更にライターをも怒らせてしまう。
翌日、怒ったライターがネット上で『マレ』編集部を叩いたため、サイトが炎上するという事態へと発展。焦ったコーロキだったが、どうやらサイトを炎上させたライターは業界でも曰く付きの厄介者だったらしく、木下と謝罪に向かうことで事なきを得た。
この件がきっかけとなり、コーロキはあかりと夕食を共にして急接近。彼女がDV持ちの彼氏に悩まされていると言うため、正義感に燃えたコーロキはあかりに告白。勢いで彼女とベッドを共にし、彼氏の座をもれなくゲットするのであった。
以降、時間が空く度にあかりとの濃厚な時間を過ごすコーロキ。
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』のあらすじ【承】
2週間後、海外出張から戻った吉住にあかりと交際することになったと報告したが、そのことで吉住の態度が一変。実はあかりの前の彼氏が吉住であったことが判明する。
しかもその夜、あかりに連絡を入れるも一切、返信はなく電話にも出ない。吉住とよりを戻しているのではないかなど、妄想は膨らむばかりで眠れない夜を明かす。
翌朝、あかりの会社に電話をかけ彼女に詰め寄ったが、逆に怒らせてしまう。フォローの連絡を入れたけれど、以降も返信はない。仕方ないのであかりの仕事上がりを狙って、会社の前で待ち伏せをした。そこでようやく彼女を捕まえることに成功。仲直りした2人は、更に燃えるような夜を過ごすのであった。
翌日、編集部でのミーティングにて吉住がしばらく休みを取ることが木下から告げられる。吉住の仕事はコーロキが引き継ぐことになったが、その中でも人気コラム作家、美上ゆうに関してはとにかく締め切りを守らないことで知られており、編集者泣かせと言われていた。吉住は彼女の担当であったが、上手く付き合い締め切りを守らせていたらしい。
その後、美上へと挨拶へ向かったコーロキ。美上は多数の猫と暮らす一風変わった女性だった。
その日の夜、あかりと共にセレブ御用達の高級スーパーを訪れていたコーロキだったが、価値観の違いからあかりを怒らせてしまう。そこへ通りすがった木下に声をかけられ、一杯飲みに行くことに。恋愛談議に花を咲かせた後、『マレ』でも猫特集をやろうという話になる。そこへ、機嫌を直したあかりから連絡が入ったため、木下に見送られつつ彼女の元へ走った。
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』のあらすじ【転】
翌朝、週末に京都へ出張すると言うあかりに誘われ、京都で過ごすことを約束したコーロキ。仕事は順調に進んでおり、美上の筆の進みも好調。週末を無事に京都で過ごせそうだと喜んでいた。
しかし、翌朝になって美上にトラブルが発生。飼い猫が行方不明になってしまい、猫が見つかるまで原稿が書けないと言われてしまう。パターン的に週末は潰れると先輩編集者に言われてしまったコーロキは、焦ってあかりに電話。すると、このことで彼女も機嫌を悪くしてしまう。
時間は無情にも過ぎ、金曜の夜になっても美上からの原稿は届かない。苛立ちを募らせたコーロキだったが、作家が締め切りに間に合わせるのではなく、どんな手を使ってでも編集者が締め切りを守らせるのだと木下から喝を入れられる。目が覚める思いを味わったコーロキは、美上の元へ向かい猫の捜索に付き合った。
傷だらけになりつつ、猫の捕獲に成功した後は原稿の制作を行う。土曜の夜遅くまでかかり、最高のコラムを作り上げたコーロキと美上。急いで編集部へ戻り校了を済ませようとしたが、長期休暇に入っていた吉住が現れ美上の原稿に目を通して帰って行く。その際、イラストについて指摘。よく見るとイラストにミスがあった。コーロキは仕事とあかりを天秤にかけ、仕事を取ることに。結果、最終の新幹線に乗ることができず、あかりからは別れを告げられてしまうのであった。
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の結末・ラスト(ネタバレ)
その後、吉住も復帰しコーロキが担当する猫特集も人気を得て『マレ』の売上も向上。だが、コーロキはあかりとの破局でやつれ果てていた。恋敵でもあった吉住からは、嘲笑と共に励まされ内心は穏やかではない。
あかりへの連絡には既読がつくものの、返信はなく。苛立ちを紛らわせるためにトークアプリをいじっていたコーロキは、別端末からのログインを許可する設定に変更されているのを発見する。
以前、編集部にスマホを忘れた際、何者かがアプリの設定を変更したのだ。恐らく、吉住が設定の変更をしたと思われる。
コーロキはトークアプリを盗み見られていることを考慮し、罠を張って全てを明らかにすることにした。
勝負は翌日の夜。あかりの会社が開催する10周年パーティーだ。
パーティー会場にて。業界の編集者や関係者が多数、参加するパーティーには当然、吉住も参加。そして、なぜかそこへパリに出張しているはずの木下も登場。
パーティー会場の屋外広場にて、あかりを中心に3人の男達が集まった。
茫然とするコーロキだったが、木下が種明かしをする。コーロキのスマホからトークを盗み見ていたのは木下で、吉住を呼んだのも木下だった。彼はあかりと結婚の約束をしており、これまでの関係を清算しようとしたらしい。だが、あかりは3人の男達の誰のものでもないと断言。彼女は男達が望む姿をただ反映し、態度や発言、行動を取っていただけだと言う。相手が望む姿を自然に取ることができるあかりはある意味、魔性の女である。故に、彼女は誰からも好印象を得るのだ。
あかりの言動に納得がいかない吉住は彼女へと詰め寄ったが、それを木下が制しナイフで殺傷。あかりは木下とも関係を持っており、猫特集もコーロキに担当を任せるのも口添えしたと言う。木下は正気を失い彼女を傷つけようとするも、コーロキが阻止し本当のあかりはどこにいるのかと問いかけた。すると、彼女は相手が見る自分が本当の自分だと事も無げに言い、コーロキへと濃厚な口付けを残し去って行くのであった。
その後、編集長木下は逮捕され吉住は会社を退社。コーロキは正当防衛が認められたが、事件のことが大々的に報道されたため、『マレ』は翌月号をもって廃刊が決定した。このことはネットでも話題になり吉住やコーロキの名前も晒されたが、あかりのことは一切、書かれることはなく、そもそも天海あかりという存在すら抹消されていたのであった。
3年後、コーロキは名前を変え、有名人気出版プロデューサーとして成功を手にしていた。結局、奥田民生のような男になれるはずもなく事件以来、あかりのやり方を踏襲し現在の地位を無理なく得た。ただ、昔を思い時々、虚しくなって泣きたくなることもある。
その夜、彼は次の仕事への移動時、街角で渋い外国人と連れ立って歩くあかりの姿を目撃。コーロキは2人の姿を横目にタクシーへと乗り込むであった。
映画『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』の感想・評価・レビュー
少し大げさにしているところはあると思ったが、実際にこういう人たちいるよなと思わせるキャラクターが、多く登場したのでよりリアルに感じられて良かった。
水原希子さんがとてもおしゃれで、そのうえ申し分なく綺麗だったので、水原希子さんを観るだけでも、この映画の価値があると感じた。
普段主演やメインを張る妻夫木聡さんが地味で、皆が気持ち悪いと感じるような姿になりきることができるとは、妻夫木聡さんの演技力は本物だった。(女性 20代)
映画の広告パッケージに載る希子ちゃんの雰囲気から少し違和感を感じて、映画館では観ずにDVDで鑑賞しました。観始めて、女性から煙たがれるような典型的なぶりっ子ヒロインではないということにびっくりしました。男性の前では猫なで声ですり寄って、仕事で手柄を上げ、女性との飲み会ではバカ騒ぎ?このような新種タイプのぶりっ子人間が周りにいなく、少し感情移入しにくかったです。でも、希子ちゃんは可愛かったです!(女性 20代)
ハマる人にはとことんハマるし、ハマらない人にはとことんハマらない映画だと思う。「SCOOP!」にも同じような感想を抱いた。大根監督の作品は好きでよく見るのだが、たまにこういう風に伝わってこない作品に当たることがある。
インパクトのある題名なので、見る側も勝手にインパクトを期待してしまうところがある。ハードルが上がった分、何も残らなかったなという印象を受けてしまった。もう少し予告も題名も落ち着いたものにすれば、評価は変わっていたかもしれない。(男性 20代)
あまり考えずに映画を見られるという面では、良かったかなと思う。水原希子が演じるあかりの、器用で小悪魔な女性というキャラクターにわくわくさせられるが、それに対し、あかりに振り回される妻夫木聡演じる、ナヨナヨした男性のコーロキにはイライラした。
奥田民生の曲が流れるので、懐かしい気持ちになる。奥田民生のような、いい脱力感を持った大人の男性になりたいという気持ちはわかる。憧れが崇拝まで行き、少し痛いところがあるが、そこも笑えて面白かった。水原希子の可愛い演技を見るために見るのもいいかなと思う。(女性 20代)
天海あかりの魔性っぷりが凄くて、唖然とさせられた。彼女自身に悪気が全くないのが、一番恐ろしい。こういう女性に振り回されて破滅していく男性達は多いのだろうなと思った。コーロキは正当防衛が認められたが、一歩間違えれば木下のように逮捕されることもあったかもしれない。最後、あかりを追わずに立ち去ったコーロキの姿に、心の底から安堵した。その辺のサスペンス映画よりも、ある意味怖い物語だと思う。(女性 30代)
ストーリーを楽しむよりは、音楽やファッションを楽しむのに適した作品かなと感じました。予告やポスターのイメージから、笑えるラブコメを予想していたのですが、意外と人間の怖さのような部分もあり、気軽に観るには少し重かったです。
水原希子さんがもともと好きだったので、いろいろな衣装やころころ変化する表情を見られるのはおもしろかったし、非常にかわいかったです。
奥田民生さんの曲もたくさん流れるので、ファンの方はより深く楽しめるのかなと思いました。(女性 20代)
端的に言えば、『奥田民生になりたいボーイと出会う男すべて狂わせるガール』このタイトル通りの展開でした。
洋服が2010年、って感じで残念さがあったのが何故なんだろうな、と心残りですね。
キャストも適切じゃないかもしれない。でも、どの演者さんものびのびと演技されていてそれは良かったと思ったが。奥田民生さんがなんだかもったいなく使われてしまっているような気もしてしまった。原作は良いのでしょうか…マンガは苦手なのでわかりませんが、リメイクするなら良くしてほしかったです。(女性 20代)
奥田民生になりたいボーイが一人の女性に振り回されてしまう話だが、奥田民生を詳しく知らない者としては物語との関係性が分からず、タイトルにまで入れられている理由はよくわからなかった。しかしラブストーリーとしては個人的に好きな作品。水原希子は見た目も仕事も全てがキラキラしていて、まさに女性が憧れる女性を演じている。安藤サクラも変わり者の役ではあるものの、とても可愛らしい。浮気しているのは容易に想像がつくが、顔を切られるシーンはこれまでの雰囲気から全く想像できず、何度見ても衝撃を受けてしまう。(女性 20代)
みんなの感想・レビュー
奥田民生の楽曲は数曲かかるくらいで、ストーリーには殆ど関係ありませんでした。水原希子の人形のような可愛さに魅了されます。そして、全体の三分の一はキスシーンではないかと感じました。タイプの違う三人の男性が、一人の女性に恋をして狂う姿は迫力があります。ラストは、急激にホラー映画のような展開となり目を瞠りました。相手を喜ばせるために自分を演じるのも良いですが、本来の自分を見失わないよう気をつけねばなりません。
女が嫌う「ぶりっこ」な水原希子をイメージして鑑賞しましたが、想像を超える可愛さと愛らしさで、これは女でも好きになっちゃうなとかなり驚きました。
妻夫木聡が演じるのは冴えない雑誌編集者。水原希子演じるあかりに一目惚れしてしまう事で、空回りしつつも「仕事」と「彼女」両方に奮闘する姿はなんだか応援したくなりました。
あかりの「天性」の才能はとても羨ましいものでしたが、敵にはしたく無いなと感じます。