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映画『パラドクス』あらすじネタバレ結末と感想。無料視聴できる動画配信は?

映画『パラドクス』の概要:突然無限ループし始める世界の謎を描いた、メキシコ発のスリラー映画。原題は「THE INCIDENT」。シッチェス・カタロニア国際映画祭や、カンヌ国際映画祭などで高い評価を得ている。

映画『パラドクス』 作品情報

パラドクス

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:100分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス
  • 監督:イサーク・エスバン
  • キャスト:ラウル・メンデス、ナイレア・ノルビンド、エルナン・メンドーサ、ウンベルト・ブスト etc

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映画『パラドクス』 評価

  • 点数:90点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★★
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★★☆
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★★

[miho21]

映画『パラドクス』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『パラドクス』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『パラドクス』 あらすじ【起・承】

オリバーは、刑事マルコに脅されて罪を自白させられる。
しかし、帰宅した兄カルロスは不当だと言い張り、兄弟は慌てて逃げ出す。
逃走を防ごうとしたマルコに足を撃たれたカルロスを連れ、パトカーに乗って署に向かうはずが、大きな爆発音のあとアパートから出られなくなってしまう。
携帯電話もつながらず、1階の次は最上階につながり、どの扉も開かない謎の空間に閉じ込められた。
やがて兄は撃たれた傷が原因で命を落とす。
自動販売機の水や食料は次々と新しいものに変わり、不可解な状況でオリバーとマルコは生活を始めるしかなかった。

母サンドラと義父ロベルトと暮らす、ダニエルと妹カミーラ。
ダニエルはロベルトを嫌っていた。
父が経営するホテルに遊びに行くことになり、一家はロベルトが運転する車に乗り込む。
途中でガソリンスタンドに寄るが、ぜんそく持ちのカミーラにアレルギー症状が出るジュースを飲ませ、吸入器も壊すロベルト。
症状が悪化していくカミーラのために家に戻ろうとするが、大きな爆発音の後、道路から出られなくなってしまう。
ループしている道路の中で、カミーラはぜんそくの発作が原因で命を落とした。

映画『パラドクス』 結末・ラスト(ネタバレ)

マルコとオリバーが閉じ込められてから35年。
オリバーは老人になったマルコと助け合って生きていた。

サンドラ、ロベルト、ダニエルが道路に閉じ込められてから35年。
サンドラとロベルトは車で生活を続けていたが、ついにサンドラも命を落とす。
成長したダニエルは一人で生活していた。
ダニエルの顔は、カルロスを殺してしまった時の、刑事マルコのものだった。

道路で死にかけていたロベルトは、自分の本当の名前はルーベンだとダニエルに語る。
名前を忘れるな、パトカーには乗るなと忠告する。
ルーベンは子供のころ、遠足の指導員といかだの上で35年間過ごし、いかだに乗る前の指導員は列車の中で35年過ごしたのだという。
しかし忠告を無視し、ダニエルたちと閉じられた世界で35年生き、本名を思い出したルーベンは息を引き取った。

マンションの階段では死期が迫るマルコが、自分の名前はダニエルだと語る。
そしてエレベーターに乗るなと忠告して、かつて路上で聞かされた話を語り、息を引き取った。
ダニエルは忠告を無視し、パトカーに乗り込むと、刑事マルコになった。

オリバーもまた、エレベーターに乗り込む。
オリバーはホテル従業員の制服とカールという名前を手に入れ、新婚の夫婦と再び閉じられた世界へ入り込んだ。

映画『パラドクス』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『パラドクス』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

ひねりの効いたストーリー

刑事のマルコと犯罪者オリバーが、突然ループし始めたアパートの階段で35年生活して、その理由や原因があきらかになるパート。
それから少年ダニエルが義父のロベルトと、ループする1本の道で35年生活して、つながりが明らかになるパートがうまく絡み合っていて、よくできたストーリー。
ロベルトが見つけて捨てた、車の中に落ちていた竹の破片や、マルコが体についているのを見つけて捨てた毛玉は、意味がないようで実はルーベンやダニエルだった頃の一部、という細部までの演出が素晴らしい。

また、時系列はルーベンとダニエルの35年間、そしてダニエルが刑事マルコとしてオリバーと過ごした35年間となっているのだが、路上で35年過ごしたダニエルの顔が映るまでわからないように作られている。
矛盾を意味する「パラドクス」というタイトル通り、無限ループする世界から脱出するためにはパトカー、エレベータに乗らなければならないが、それが次の無限ループの35年間への入り口になっているのも巧妙だ。

汚い部分はあるが何度も見たくなる作品

アパートの階段に閉じ込められたマルコとオリバーの場合、ペットボトルをトイレ変わりに使うシーンまで映して、避けられない汚い部分までもしっかり描いている。
路上でのロベルトとダニエル、そしてサンドラの場合も、老いたロベルトとサンドラが性行為をするなど、目を覆いたくなるような部分も見せている。
生活感や汚い部分はあるが、そこで生きていると思わせるうまい演出だ。

途中からアパートのダニエル老人(マルコ)と、路上のロベルト老人(ルーベン)の告白が、うまい具合にシンクロしていくのも面白味がある。
ループしなかった世界の自分の幸せを捻出するために、35年間が必要だったという不気味さも、斬新な設定だ。

映画『パラドクス』 まとめ

CUBE」や「ソウ」のような、ソリッドシチュエーションものと思わせておいて、その斜め上を行くような終わることのない無限ループ世界を丁寧に描いた作品。

DVDパッケージになっているサンドラの姿が、映画本編と全く合わないというのが残念な部分。
また、一見無意味なように序盤で登場するウェディングドレス姿の老婆は、ラストで新しいループ世界に巻き込まれた花嫁の姿で、見終わってから「そうだったのか」と思わせる。

ほかにも手の込んだストーリーや演出になっており、1度見ただけでは納得しずらいものがある。
何度見ても新しい発見があるので、何度も見て自分なりの解釈を見つけるのも面白い作品。

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