この記事では、映画『パッセンジャーズ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パッセンジャーズ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『パッセンジャーズ』 作品情報
- 製作年:2008年
- 上映時間:93分
- ジャンル:ヒューマンドラマ、サスペンス
- 監督:ロドリゴ・ガルシア
- キャスト:アン・ハサウェイ、パトリック・ウィルソン、デヴィッド・モース、アンドレ・ブラウアー etc
映画『パッセンジャーズ』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『パッセンジャーズ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『パッセンジャーズ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『パッセンジャーズ』 あらすじ【起・承】
ある日、多数の死傷者を出した飛行機事故が起こる。奇跡的に生存者が数人おり、セラピストのクレア・サマーズは彼らのカウンセリングを恩師のペリーから依頼される。
生存者5人の内の1人、エリックはグループカウンセリングを拒否したため、彼だけ個人で話を聞くことになった。精神的ショックが大きいはずなのにエリックの気分は「良すぎる」ほどで、患者として話をするどころかクレアを口説き始める。そして、彼はクレアが教えてもいない姉妹の存在を知っていたり、コーヒーに何を入れるのが好きか知っていたり、謎の多い存在だった。
エリックに、姉がバス事故で死ぬかもしれないから今の内に電話をしろと言われ、喧嘩をしてから音信不通だった姉のエマに連絡を取ろうと考える。
その頃クレアの同じマンションに住むトニという女性が異様にプライベートに踏み込んでくるようになる。
グループカウンセリングでは、患者それぞれの事故当時の記憶が食い違っており、クレアは事故の背景に何かあると感じ始める。
カウンセリング中に外から覗く男がおり、患者の1人はその男に尾行されているという。
やがて患者は1人、また1人とカウンセリングに来なくなり、クレアは事故が機長のミスなどではなく機体の欠陥であり、航空会社がそれを隠蔽しようと患者を狙っていると疑う。

映画『パッセンジャーズ』 結末・ラスト(ネタバレ)
エリックの個人カウンセリングは続いていた。エリックは寝ている間事故の夢にうなされ、また家の周辺に現れる大きな犬の存在におびえているようだった。
クレアは何度もアタックしてくるエリックに次第に惹かれ、とうとうセラピストと患者としての一線を越えて関係を持ってしまう。
クレアは事故の真相を探るべく航空会社を訪ね、代表のアーキンに話を聞こうとするが、彼は何かを隠しているようだった。セラピストとしての仕事以上に踏み込もうとするクレアを邪見にする。
クレアは仕事の合間にエマを訪ねるが、何度訪ねても姉はいないようだった。帰ろうとするクレアの前に、患者の1人を付け回していた男が現れ、自分も事故の生存者であると言う。
リストにない生存者の存在に、クレアの航空会社への疑いは深まる。
ペリーにこれを相談するが、陰謀説を笑って否定する。この様子から、ペリーも航空会社に抱き込まれているのだと感じる。
真相を解き明かそうとするクレアに、アーキンは「あの事故での生存者はいない。すべて自分のせいだ」と告げ、資料を置いて立ち去る。クレアが事故に関わる資料を確認すると、死亡者リストに自分の名前があるのに驚く。
あの事故で全ての乗客乗員が亡くなっていた。クレアが依頼を受けて会った人たちは皆死者だったのだ。患者が消えていったのは、自分の死に気付き、受け入れていったからだった。ある者には亡くなった両親が、エリックには亡くなった祖父と飼い犬が死を知らせに来ていた。そしてクレアには、恩師ペリーと叔母のトニが。
真相に気付いたクレアは、事故当時の記憶を思い出す。飛行機で隣に乗り合わせたエリックと話が弾み、これから親密になれそうな時エンジンが爆発したのだ。
クレアはエリックに会いに行き、お互い記憶を取り戻したことを確認すると、死を受け入れるのだった。
映画『パッセンジャーズ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『パッセンジャーズ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
人間の心理描写がうまい
だいたいのストーリーを知らないまま鑑賞したので、始めは心理サスペンスなのかと思った。次々と事故をめぐる疑惑が浮き彫りになり、クレアの周辺には怪しい人物が増える。特に、プライベートに異様に干渉してくるトニ夫人は恐ろしい。
しかし、それらの要素は全て、クレアが突然の死をどう受け入れていくか、というところに集約していく。
クレアが真相に気付いた後は、気味が悪かったそれまでの出来事が全て温かいものに変わるのを感じる。ペリーやトニは亡くなって間もないクレアが起こったことを整理し、死を受け入れるのを見守ってくれていたのだ。
誰も死んだあとどうなるかなんてわからないが、もしかしたら自分の死を受け入れる過程とはこういうものなのかもしれない、と感じた。
後悔がないように
冒頭からの内容、特にエリックとのやりとりと姉のことは、事故発生から墜落死までの間にクレアの心にあった後悔の想いが作り出したものではないだろうか。
エリックとはお互い既に死んでいるので現実にはなかったことだが、もし生きていればこういう未来もあった、と思えて切ない。
姉・エマとの仲直りはできないまま終わってしまった。しかし、ラストでエマが亡くなったクレアの部屋を訪れ、彼女が残した「あなたがいない人生は寂しい」というメッセージを見る。姉と仲直りできなかったクレアの後悔、そして妹と仲直りできなかったエマの後悔、それぞれの想いがちゃんと描かれていてジーンとくるシーンだった。
航空会社の陰謀なのだと思っていたので、この結末は予想がつかなかった。最後の最後で本当に驚かされた。主人公もカウンセリングを受けていた人達も、みんな死者だった。好みが分かれる結末だと思うが、自分は嫌いではなかった。自分に何の構えもなく突然死んだら、彼女達のように死を自覚することはできないだろうなと思った。無理矢理死を分からせるのではなく、少しずつ自覚を促すところが良いなと思った。切ないけれども、死者に対する温かさを感じる作品だった。(女性 30代)
ずっと不穏な空気が流れているのはそういうことだったのかと納得。どんでん返しのストーリーは嫌いじゃないけれど、あっさりしすぎていて感情移入できずに終わりました。
ラストになれば理解できるのですが、エリックの馴れ馴れしさはちょっと不愉快だし、クレアがなぜ惹かれていくのか分かりません。見知らぬ人が現れ、生存者が消えていくのが唐突で、違和感が続きました。90分ではなく、もっと時間をかけて登場人物の感情や関係性が描かれていたら良かったのかなと、もったいなく思いました。(女性 40代)
舞台設定はSFだけど、むしろテーマは「人間のエゴと愛」だった。誰かを無理やり自分の世界に引きずり込むことの罪と、その結果生まれる愛の形…。とても挑戦的な映画だと思います。ジェニファー・ローレンスの演技が素晴らしく、葛藤と怒り、そして許しに至る感情の流れが丁寧に描かれていて、ぐっときました。(40代 男性)
ラブストーリーとして観れば感動的だけど、フェミニズムの視点からはかなり問題を感じた作品。彼女の人生を勝手に変えてしまうというのは、ロマンティックというよりも怖さがある。でも、最後には共に生きることを選ぶ彼女の決断に、人間の柔らかさや寛容さを感じて涙が出ました。(30代 女性)
孤独と愛の葛藤を描いたSFドラマとして、とてもユニークな一本でした。あの広大な宇宙空間でたった一人目覚めてしまったジムの絶望感、それでも誰かと共に生きたいという切実な欲望…リアルに描かれていたと思います。二人が生き抜いた証が船内に残る演出も美しかったです。(50代 男性)
彼氏と一緒に観たけど、見終わってからすごく語り合いたくなる映画でした。「自分だったらどうする?」という問いが何度も頭をよぎります。ロボットのアーサーとの会話も良いスパイスになっていて、ジムの孤独がよく伝わってきた。映像も音楽も美しくて、ちょっと切ない恋愛映画でした。(20代 女性)
まさか、最初から最後までほぼ2人しか出てこない映画でこんなに感情を揺さぶられるとは思わなかった。人間って、結局誰かと一緒じゃないと生きられない存在なんだなって思った。倫理的には複雑だけど、そこがこの作品の魅力でもあると思う。もっと語られていい映画だと思う。(30代 男性)
美しい映像と哲学的なテーマが印象的な作品でした。ジムの行動をどう捉えるかで、観た人の価値観が試されるような構造になっていて面白いです。個人的には、彼の孤独と愛への渇望に強く共感しました。オーロラが最後に「彼と生きる」ことを選んだのも、とても人間らしい結末だったと思います。(50代 女性)
冒頭の船内描写から一気に引き込まれました。近未来の豪華な宇宙船の中で起こる閉鎖的なドラマという構図が新鮮。ラストに向けてのスリリングな展開や、船を救うための共闘シーンは見応えありました。ただの恋愛ものではなく、人としての選択と責任が問われる骨太な作品です。(40代 男性)
若い頃に観て、最近また見直したけど、年齢を重ねると見え方が変わる映画だと思いました。ジムの孤独に対する行動は倫理的には間違ってるけど、100年の孤独を思うと完全に責められない部分もある。オーロラの変化も含めて、人生の意味や幸せの形を考えさせられる作品でした。(60代 女性)
映画『パッセンジャーズ』を見た人におすすめの映画5選
インターステラー
この映画を一言で表すと?
人類の未来を懸けた、時空を超える壮大な愛と希望の旅。
どんな話?
地球の環境が崩壊し始めた未来、人類存続の可能性を探るため、元宇宙飛行士の父親がワームホールを通って宇宙の彼方へ旅立つ。時空を超える科学と、家族への深い愛が交錯する感動のSFドラマ。
ここがおすすめ!
圧巻の映像美と科学的リアリズム、そして親子の絆が心に刺さる名作。『パッセンジャーズ』の宇宙を舞台にした孤独や選択のテーマが好きな方に、より深い感動をもたらしてくれます。
グラヴィティ
この映画を一言で表すと?
命を懸けた宇宙空間のサバイバル・スリラー。
どんな話?
スペースシャトルの事故により宇宙空間に取り残された医師とベテラン宇宙飛行士。無重力の中で地球へ生還するための過酷なサバイバルが始まる――美しくも過酷な宇宙のリアルを描く緊迫の90分。
ここがおすすめ!
リアルな宇宙描写と、手に汗握る展開は一見の価値あり。孤独感と極限状態の心理描写は『パッセンジャーズ』とも共通し、圧倒的な没入感を体験できます。
アド・アストラ
この映画を一言で表すと?
宇宙の果てで父を探す、静かなる内省の旅。
どんな話?
地球を脅かす異常現象の原因を突き止めるため、宇宙飛行士ロイは太陽系の果てへと旅立つ。失踪した父と再会するため、そして自らの内面と向き合うための旅路が始まる。
ここがおすすめ!
静かな映像美と心理描写が際立つ作品。『パッセンジャーズ』のように、孤独と愛、そして「なぜ生きるか」という問いに惹かれる方には、深く心に残る映画になるでしょう。
オデッセイ
この映画を一言で表すと?
火星に一人残された男の、希望とユーモアのサバイバル!
どんな話?
火星探査中の事故により、ひとり火星に取り残された宇宙飛行士・マーク。限られた資源と知恵を駆使して生き延びようとする中、地球との連携が奇跡を起こす。実話にインスパイアされた感動のSF。
ここがおすすめ!
孤独な状況でもユーモアを失わない主人公の姿が魅力。科学的なリアリティと感動の展開は、『パッセンジャーズ』のテーマとも響き合い、見終わった後に元気をもらえる一本です。
月に囚われた男(原題:Moon)
この映画を一言で表すと?
孤独な月面生活の先に待つ、衝撃の真実。
どんな話?
月で3年間働く契約を終えようとしていた男が、ある事故をきっかけに自分の存在に疑問を抱く。閉ざされた空間の中で展開される、哲学的かつサスペンスフルなSFドラマ。
ここがおすすめ!
少人数で描かれる緊張感と、観る者の予想を裏切る展開が魅力。『パッセンジャーズ』の孤独やアイデンティティの問いに惹かれた方なら、絶対に楽しめる傑作です。
みんなの感想・レビュー
アメリカ映画もすっかり子供っぽくなってきて、ロマンスからSFまでリアリティを全く欠いた陳腐さには苦笑すら出ない。
また社会派は社会派で勝手な理想主義と思い込みで反論に耳を貸さず縛ろうとする。
この作品などは前者の典型だが、ストーリーが安っぽい分まだ分かりやすい。
そう考えると観衆の退化ぶりの方が問題かもしれない。
ありきたりなオチだが答えに至るまでの流れから読めないのでなかなか驚いた。それをどう評価するか。それがこの映画の分水嶺といえる。よく世間ではオチが読めたから面白くない。とか言うが、それは大きな間違いでオチが読めるか読めないかはそれほど重要な事ではない。アクション映画で主人公が無残に悪役に殺されたとしてそのオチは読めないだろうが面白くない。オチには読めるか読めないかとは別に爽快であるか否かが必要だ。いろいろ言い訳のように書いたがこの映画のオチに爽快感は感じなかった。