映画『プロメテウス』の概要:リドリー・スコット監督が自身の作品『エイリアン』の原点として製作した、2012年製作のSF作品。宇宙の果てでプロメテウス号の探査チームが出会った、思いもよらない危機と、人類誕生の真実とは。
映画『プロメテウス』の作品情報
上映時間:124分
ジャンル:SF、ミステリー、アドベンチャー
監督:リドリー・スコット
キャスト:ノオミ・ラパス、マイケル・ファスベンダー、シャーリーズ・セロン、イドリス・エルバ etc
映画『プロメテウス』の登場人物(キャスト)
- エリザベス・ショウ(ノオミ・ラパス)
- プロメテウス号に乗り込んだ考古学者。人類の創造主“エンジニア”が地球外にいると考え、研究を続けてきた。強い精神の持ち主で、エイリアンを妊娠してしまうという状況に陥っても、冷静に対処する。
- デヴィッド(マイケル・ファスペンダー)
- プロメテウス号に乗っているアンドロイド。異星の言語を解し、道の宇宙船の操縦法などもすぐに習得してしまう能力の持ち主。
- メレディス・ヴィッカーズ(シャーリーズ・セロン)
- プロメテウス号を派遣したウェイランド社社長の娘。ウェイランド社代表としてプロメテウス号に乗り込んだ。冷徹で、クルーよりも自分の命を重んじている。
- ヤネック(イドリス・エルバ)
- プロメテウス号の船長。ばらばらのクルーをまとめ上げる縁の下の力持ち。最後には、“エンジニア”から地球を守るため、自らの命を賭して阻止する。
- ピーター・ウェイランド(ガイ・ピアース)
- プロメテウス号を派遣したウェイランド社の老社長。今回の探索を企画した張本人。しかしその真の目的は、自分が死を逃れる方法を知ることにあった。クルーに内緒で、プロメテウス号に乗り込んでいる。
- チャーリー・ホロウェイ(ローガン・マーシャル=グリーン)
- プロメテウスに乗り込んだ考古学者。人類の創造主を“エンジニア”と呼び、ずっとショウと2人でその存在を探し続けていた。デヴィッドによってエイリアンの種子を体内に埋め込まれ、謎の病気に感染してしまう。
- ファイフィールド(ショーン・ハリス)
- プロメテウス号に乗り込んだ地質学者。任務に非協力的で、エンジニアの宇宙船を探索中に道に迷ってしまう。黒い物質に感染し、帰還後クルーを殺し始める。
- ミルバーン(レイフ・スポール)
- プロメテウスに乗り込んだ生物学者。エンジニアの宇宙船を探索中に、ファイフィールドと一緒に道に迷ってしまう。謎の生物に襲われ死亡する。
映画『プロメテウス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『プロメテウス』のあらすじ【起】
太古の地球に似たとある惑星。人に似た形の宇宙人が、黒い物体を飲み、川に落ちてDNAに分解された。そのDNAは再構築され、惑星に生命が誕生する。
時は経ち、2093年。ウェイランド社の派遣した宇宙探査船プロメテウス号が、目的地に接近した。アンドロイドのデヴィッドが、冷凍睡眠からクルーを目覚めさせる。プロメテウス号には、各分野の科学者たちが集められ、考古学者のエリザベス・ショウ、チャーリー・ホロウェイもそのうちの1人だ。他に、ウェイランド社長令嬢で役員のメレディス・ヴィッカーズ、地質学者のファイフィールドと生物学者のミルバーン、ヤネック船長以下操縦担当者が乗り込んでいた。一同は今回の探索の立案者であるピーター・ウェイランド社長から、ホログラムによって調査についての説明を受ける。ショウとホロウェイは古代の壁画から“エンジニア”と呼ぶ異星人が人類を創ったという説を打ち立て、その壁画が示す星まで解明していた。
プロメテウス号は目的の星に着陸した。人工のものらしき建造物を見つけ調査チームが向かうこととなった。
映画『プロメテウス』のあらすじ【承】
建造物の中は星の大気とは違い無害だった。デヴィッドが壁を押すと、記録ホログラムが作動した。そこにはエンジニアとみられる2足歩行の異星人が走っていく映像が映っていた。そのあとを追ってドアに辿り着いた調査チームは、死後2000年のエンジニアを発見した。ホロウェイたちはドアを開けるが、ファイフィールドとミルバーンは調査に嫌気がさし2人で船に戻ることにする。
部屋の内部には無数のカプセルが並べられ、その中にはどろりとした黒色の有機物が入っている。外が嵐となり、調査隊は異星人の頭部を持って船に帰らなければならなくなった。デヴィッドは皆に内緒でカプセルの1つを持ち帰る。
持ち帰った頭部のDNAは人間のものと一致した。デヴィッドは別室でカプセルを調べ、そこから採取した黒い物体を酒に混ぜ、ホロウェイに飲ませる。その夜、ショウとホロウェイは一夜を共にする。
一方、ファイフィールドとミルバーンは道に迷い、まだ建造物の中にいた。生命反応を受信した2人はカプセルの群れに辿り着くが、先ほどとは違い、黒い液体がカプセルから流れ出ていた。突如液体の中から蛇のような生物が飛び出し、ミルバーンに巻き付いた。その生物は、彼の口から体内に入り込んだ。ファイフィールドは体液でヘルメットを溶かされ、黒い液体の中に倒れてしまう。
映画『プロメテウス』のあらすじ【転】
ホロウェイの体に異変が生じ始めていた。嵐が止み捜索隊が組まれるが、ミルバーンの死体しか見つからなかった。デヴィッドはまた単独行動をし、ホログラムから宇宙船と冷凍睡眠されている1体のエンジニアの存在を発見する。ホロウェイの体調が悪化、捜索隊は船に戻るが、ヴィッカーズは感染の恐れがあるとしてハッチを開けようとしない。ホロウェイは焼き殺されてしまった。ショウはそれを見て気絶する。
目覚めたショウに、デヴィッドは彼女が妊娠3か月で、しかもその胎児が人間の姿ではないことを告げる。つい昨夜の性行から、すさまじい速さで胎児は成長していた。ショウは冷凍睡眠させようとするデヴィッドたちから逃げ、自動医療装置を使って胎児を体内から取り出した。その姿は、白く4つ足の軟体動物だった。ショウはその生物を医療装置に閉じ込めて、船内をさまよう。
ショウは船内にウェイランド社長がいることを知る。彼は地球で死んだと思われていたが、死から逃れる術をエンジニアに聞くため、プロメテウス号に乗り込んでいたのだ。一方、姿を醜く変化させたファイフィールドが船に帰還、クルーを殺し始める。ヤネック船長は彼を焼き殺した。ヤネック船長は、この星がエンジニアたちの軍事基地で、自分たちの創り出した生物兵器によって全滅したのではないかという仮説を立てていた。
建造物だと思われていたものはエンジニアの巨大な宇宙船だった。ウェイランド社長はデヴィッドに伴われ、宇宙船の操縦室へと向かう。デヴィッドを通訳に、ウェイランド社長は目覚めたエンジニアに不死の術を尋ねる。しかし、エンジニアはデヴィッドの頭部をもぎ取り、ウェイランド社長を殺してしまった。エンジニアは操縦席に座り、離陸しようとしていた。
映画『プロメテウス』の結末・ラスト(ネタバレ)
かろうじて機能を保っていたデヴィッドは、エンジニアが例の黒い物質を積んで地球へ向かおうとしていることをショウに伝えた。ショウはプロメテウス号に、地球に死をもたらすエンジニアの宇宙船を止めてほしいと頼んだ。ヴィッカーズは反対したが、ヤネック船長は自らの命を賭して船ごとエンジニアの宇宙船に突っ込んだ。ヴィッカーズだけは船から脱出するが、落下してきた宇宙船に押しつぶされてしまう。
唯一生き残ったショウは、プロメテウス号に入って酸素を得るが、そこには急激に成長したショウの胎児が、医療装置に閉じ込められていた。さらにエンジニアもショウの前に現れ襲いかかってくる。ショウは医療装置を開け、エンジニアと生物を戦わせる。エンジニアは生物に襲われ、倒れ込んだ。ショウはプロメテウス号から逃げ出す。
デヴィッドから、エンジニアの宇宙船がまだあり、この星から脱出できそうだという通信が入る。ショウは自分で動けないデヴィッドを助け、残された宇宙船に乗り込んだ。しかし、ショウは地球ではなく、エンジニアたちの母星へ向かうことを決意していた。なぜ人類を創り、滅ぼそうとしたのか答えを知りたかったのだ。ショウは「この星へは来ないように」という内容の信号を残し、この星を去った。
プロメテウス号。生物に寄生されたエンジニアの体内を突き破って、さらに進化した、とがった頭を持つ生物が生まれる。「エイリアン」の誕生だった。
映画『プロメテウス』の感想・評価・レビュー
あの有名SFモンスター映画、エイリアンの監督であるリドリー・スコット監督がエイリアンの誕生を描いた作品となっている。とはいえ、エイリアン自体がかなり未来の話である為、この時点でもテクノロジーは進んでいる様子。エイリアンという割に、登場するモンスターはフォルムからして、まったく別の生命体のように見える。最後の最後で、あのエイリアンのフォルムがようやく登場するが、前フリがとても長く、正直退屈に感じてしまった。(男性 30代)
『エイリアン』の監督リドリー・スコットが新たな続編として手がけた新章シリーズ。
それまでずっと謎にされてきたスペース・ジョッキーの正体だけじゃなく、人類の起源まで解き明かす作品である。
長年に渡って気になっていた部分をシリーズに埋め込んだ事で多くのファンから絶賛の声がありました。
どうしても「戦うヒロイン」というイメージは強いシリーズだが、本作ではアンドロイドの言動によって物語が動かされます。
そこには人間じゃないからこそ、合理的に行動するアンドロイドの強み、同時に怖さを描いている点でも面白い。
ただ、本作でも強い女性主人公が登場するも、お腹を手術した後であれだけ動く状態は些かやり過ぎだという印象を持った。(男性 30代)
関連作品
次作 エイリアン コヴェナント
前作 エイリアン4
みんなの感想・レビュー
あのエイリアンの前日譚だと聞いていたのですが、それらしきものが全く登場しなかったため、ラストを観るまでそのことをすっかり忘れていました。ショウ博士を襲ったエンジニアの体から孵化したものがエイリアンらしいフォルムだったのを見てやっとその事を思い出しました。
最初に白い人が飲む黒い液体とホロウェイ博士達が口にしたものは同一のものだったのかもしれません。一方はDNAまで破壊、もう一方はゾンビのように変化するという体に何らかの変化をもたらすものであることは間違いありません。色々突っ込みどころ満載で(容器の中の化け物って言っていましたが、私は誰がエンジニアたちを殺したのかが全く分かりませんでした)賛否両論ある映画ですが、こういう細かい所を見てみるとかなり楽しむことができる映画だと思います、早く続編が観てみたい。