この記事では、映画『パージ』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『パージ』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『パージ』 作品情報
- 製作年:2013年
- 上映時間:85分
- ジャンル:サスペンス、ホラー
- 監督:ジェームズ・デモナコ
- キャスト:イーサン・ホーク、レナ・ヘディ、アデレイド・ケイン、マックス・バークホルダー etc
映画『パージ』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
映画『パージ』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『パージ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『パージ』 あらすじ【起・承】
2022年、犯罪率が1%以下になったアメリカ。
それを可能にしたのが「パージ」だった。
年に一晩だけ全ての犯罪が合法となり、安全を求める住民はセキュリティシステムを完備した自宅に籠もる。
1時間後にパージを控えたその日、セキュリティシステム会社に勤めるジェームズ・サンディンは売り上げ1位の記録達成に喜んでいた。
妻メアリーは、近所の主婦グレースから自宅増築の嫌味を言われ、娘ゾーイは交際を反対されている年上の彼氏ヘンリーに夢中。
弟チャーリーは、暗視カメラを搭載させた改造おもちゃティミーでふざけていたが、パージに疑問を抱いている様子。
やがてパージの夜が始まる。
ゾーイの部屋に忍び込んでいたヘンリーは、2人の仲を認めさせるためにジェームズを殺そうとする。
監視カメラを覗き見ていたチャーリーは、家の外で助けを求めていた黒人男性を発見し、家に引き入れてしまう。
ジェームズとヘンリーは撃ち合いになってヘンリーは死んでしまい、その隙に黒人男性は姿を消す。
そしてサンディン家には、逃げ込んだ黒人男性を引き渡さないと、一家全員をパージすると脅す集団がやってきた。
家族の安全を守ろうとするジェームズとメアリーは黒人男性を探すが、チャーリーはティミーを使って、黒人男性を自分の秘密の場所に匿っていた。
しかし、ヘンリーの行動と死にショックを受け、チャーリーの部屋に隠れようとしたゾーイが黒人男性の人質になってしまう。

映画『パージ』 結末・ラスト(ネタバレ)
サンディン一家を道連れにしようとする黒人男性と、黒人男性を追い出して、家族を守ろうとするジェームズ。
黒人男性を拘束したジェームズだったが、メアリーは自分たちの行動にショックを受け、チャーリーはその場から逃げ出し、ゾーイは自分たちは家族には戻れないとジェームズを拒絶。
そんなジェームズを見かねた黒人男性は、自分から出て行くと言い出す。
ジェームズは家族と共に、セキュリティを突破して家に侵入してきた集団と、徹底的に戦うことを決意する。
しかし、ジェームズは隙をつかれて刺されてしまい、その男はゾーイに撃たれて命を落とす。
侵入者に捕まって殺されそうになったメアリーは、武器を持って現れた近所に住むハルヴァーソン夫妻に救われる。
ジェームズを失ったものの、家族の絆を確認しあうメアリー、ゾーイ、チャーリーの前に、グレースたち近隣住民が集まってきた。
感謝するメアリーに向かい、ずっと憎んでいたからパージすると告げる近隣住民たち。
絶体絶命のメアリーたちを救ったのは、匿っていた黒人男性だった。
メアリーはグレースたちをパージする事なく、おとなしく一晩過ごすことを強要する。
そしてパージの夜が明けた。
映画『パージ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『パージ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
密室状態をうまく使ったスリラー作品
近未来のアメリカで、1年に一晩だけどんな違法行為も合法化され、警察、消防、医療サービスはストップするというパージの日に、危険にさらされる人々を描いたシリーズ1作目。
本作では、警備システム会社に勤める父ジェームズを中心としたサンディン家が、ホームレスを匿ったことから、恐怖の一夜を過ごすことになるというストーリー。
家という密室空間が舞台なので、息の詰まる閉塞感やその中で起こる出来事も濃密。
逃げ込んだホームレスを追い探す分には良かったが、自分たちが徹底抗戦すると決めてからの一家の緊張感の描き方やハラハラドキドキ感は素晴らしい。
息子チャーリーが作った暗視モード付カメラを搭載したリモコンで動くオモチャの映像で、まったく別の視点から撮影される映像は斬新だが、画面が暗すぎてよく見えないという欠点もある。
粗削りだが不気味なストーリー
ストーリーの詰めの甘さが残る作品で、ゾーイの彼氏ヘンリーが勝手に忍び込めるセキュリティを、万全というにはどうかという疑問が残る。
また、チャーリーがホームレス男性を招き入れて匿ったのも、意味が分からない。
パージ開始前のシーンでは、反対ではないが疑問を持っているという少年が、危険を承知で他人を匿う真似をするほどの心境の変化くらいは表現してもよかったと思われる。
家の増築によって近所から嫌われているという伏線はあるものの、侵入者たちとの抗戦でハラハラドキドキしてしまい、助けに現れたと思った隣人たちがサンディン一家をパージしようとする展開には驚かされる。
終盤でメアリーが、パージをあきらめないグレースを叩くシーンは、痛そうだと思うと同時に爽快感も感じてしまう。
仮面を付けた集団の行動や言動がとにかく不気味で、本編が終わっても後味の悪さが残る。
パージシリーズ一作目の作品。ひとつの家族を中心に描かれており、2作目、3作目に比べてあまりパッとしない印象。一作目ということもあり仕方ない部分もあるのだろう。
どんな犯罪も許されてしまう日、そんな響きだけでも恐ろしすぎる一日にもかかわらず、セキュリティー、そして家族の意識が甘すぎる気がしてならない。
パッケージの不気味さとは裏腹に、比較的観やすい作品になっていると思う。シリーズものと言っても、物語が続いているわけではないので、気軽に観たい方にはオススメ。(女性 20代)
想像以上にリアルな怖さがありました。ホラーというよりサスペンスに近い感覚で、家族がどんどん追い詰められていく描写が本当に怖い。特に終盤の「助けるか、見捨てるか」の選択にハラハラしました。善悪の境界が曖昧になる世界で、人間の本性がむき出しになる。観終わったあと、深く考えさせられる一本でした。(20代 女性)
低予算ながらアイデア一本勝負で勝ち切った傑作だと思います。パージ法という設定だけでこんなにも引っ張れるのかと驚きました。倫理と暴力が共存する世界で、自分だったらどうするか?と問われ続けるような構成が秀逸。ラストの展開も予想外で、最後まで緊張感が途切れませんでした。(40代 男性)
家族愛と暴力が絶妙に入り混じる構成で、単なるホラーでは終わらない作品でした。特に印象的だったのは、父親が最初は冷静だったのに徐々に人間的な弱さを見せていくところ。結局、守ろうとするものがある人ほど、残酷な選択を迫られるのがこの映画の残酷さ。エンタメ性と社会的メッセージのバランスが見事です。(30代 女性)
パージのルールが本当に存在したら…という恐怖がずっと頭から離れなかった。夜が来るのがこれほど怖いとは思わなかったし、街が静かすぎて逆に不気味。隣人や知人が一夜だけ「殺人者」になりうるという現実が怖すぎる。家族を守るというテーマに真っ向から向き合った作品で、続編にも期待が持てます。(20代 男性)
思ったよりもアクション要素が強くてテンポもよく、飽きずに最後まで観られました。怖さよりも「次に何が起きるのか?」という緊張感で引っ張るタイプの映画。娘の恋人の行動から一気にカオスになる展開は心臓バクバク。ルールが崩れた社会で本当に必要なのは何か?という問いがずっと心に残っています。(40代 女性)
家族が籠城するスタイルなので、舞台は狭いけどその分緊張感がすごい。家の中で繰り広げられるサバイバルがリアルで、何度も「逃げて!」と心の中で叫んでました。貧富の格差が命に直結する構造も風刺が効いていて、娯楽作品のフリをしながらちゃんと問題提起しているのが良かったです。(20代 男性)
高校生の息子と一緒に観ました。スリルがあるのにちゃんと「考えさせる」映画で、親子で感想を言い合いながら観られるのが良いです。登場人物の中にも善悪のグラデーションがあって、「誰が正しい」と言えない展開が印象的でした。暴力の是非と人間の良心を描いた社会派サスペンスとしておすすめです。(50代 女性)
すごく面白い設定なのに、ラストにかけては人間ドラマが強くてちょっと泣けたのが意外でした。途中までは「正義 VS 悪」みたいに見えるけど、実は全員が“恐怖”に支配されているだけなんだなと気づいたときにゾッとしました。家族の選択とその結末は、人によって見方が全然違いそう。後味が苦くて深い作品です。(30代 男性)
最初はただのスリラーだと思って観始めたけど、内容はずっと深かった。特に印象的だったのは、主人公家族が「正しいことをしても報われない」状況に直面する場面。理性と狂気のバランスが常に揺らいでいて、観ているこっちまで不安になる。シリーズ化も納得の完成度。現代の寓話として観る価値アリです。(20代 女性)
映画『パージ』を見た人におすすめの映画5選
ホステル
この映画を一言で表すと?
「自由」な国で合法的に行われる恐怖の人体拷問ショー。
どんな話?
ヨーロッパを旅行中の若者たちが、快楽と金で人を殺すための秘密組織に囚われ、逃げ場のない拷問の世界へと引きずり込まれる。観光地の裏に潜む闇を描いたバイオレンスホラー。
ここがおすすめ!
『パージ』と同様、“人間の本性”と“合法的な暴力”というテーマを深く掘り下げた問題作。過激な描写の中に、倫理や社会格差の残酷さが浮かび上がるサバイバルホラーの代表格です。
キャビン
この映画を一言で表すと?
ホラー映画の定番をぶち壊す、斬新すぎるメタホラー!
どんな話?
人里離れたキャビンを訪れた若者5人が、次々と異常な出来事に巻き込まれる――が、全ての恐怖は“ある組織”によって演出されていた。観客の予想を裏切る展開の連続が魅力。
ここがおすすめ!
『パージ』と同じく“管理された恐怖”をテーマにした本作は、暴力とサスペンスの裏側にある意図を問う点でも共通。ホラー×社会風刺という組み合わせが刺さる人にはドンピシャの一本です。
サバイバル・オブ・ザ・デッド
この映画を一言で表すと?
人間こそが一番怖い――ゾンビより怖い“思想の対立”。
どんな話?
ゾンビが溢れる世界で、安全な島に逃れた人々。しかし、そこには「ゾンビを殺す派」と「生かす派」に分かれた人間同士の対立が待っていた。生存をかけた“思想の戦争”が勃発する。
ここがおすすめ!
暴力を許すか否か、という『パージ』のテーマと重なる深い哲学が魅力。ゾンビ映画の形式を借りながら、人間の愚かさと選択の重さを描くロメロ作品は、観たあとに重い余韻を残します。
ジャッジ・ドレッド(2012)
この映画を一言で表すと?
一人の“裁判官”が街を裁く、超管理社会のハードアクション。
どんな話?
犯罪が蔓延した近未来。警察・裁判・処刑を一手に担う“ジャッジ”の一人、ドレッドが、支配された高層都市で凶悪犯と壮絶な戦いを繰り広げる。
ここがおすすめ!
『パージ』のような“暴力の制度化”に魅力を感じた方にぴったり。法による統治と暴力の是非というテーマにアクションが融合し、エンタメと社会風刺が両立した傑作SFアクションです。
エリジウム
この映画を一言で表すと?
格差社会の“極限の未来”を描いた近未来SFサスペンス。
どんな話?
富裕層は宇宙の理想郷エリジウムで暮らし、貧困層は荒廃した地球で生きる。地球側の男が重病の命を救うため、エリジウムに潜入し社会を揺るがす行動に出る。
ここがおすすめ!
『パージ』の描いた“格差による命の選別”という問題を、さらにスケールアップして描いたのがこの作品。アクションあり、メッセージ性ありで、重厚な世界観に引き込まれます。
みんなの感想・レビュー
私もすきな作品です。
侵入者のリーダー不気味でプロっぽくなく、すき
ヘンリーはセキュリティーセット前に忍び込んだとゾーイに言っていたような気がします。
近所の奥様殺さない妻の判断最高!
そして朝7時まではらはら!
娘に理解されたイーサンには、生きていてほしかったです。
パージの日に、自分ならどうするか、かんがえちゃいますね!