映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の概要:有名なフォークアート画家であるモード・ルイスの生涯と、夫エベレットとの愛を描いた伝記ドラマ。主演のサリー・ホーキンスとイーサン・ホークの見事な演技がモードの優しい人柄とエベレットの不器用な優しさを体現している。
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の作品情報
上映時間:116分
ジャンル:伝記、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:アシュリング・ウォルシュ
キャスト:サリー・ホーキンス、イーサン・ホーク、カリ・マチェット、ガブリエル・ローズ etc
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の登場人物(キャスト)
- モード・ルイス(サリー・ホーキンス)
- カナダ人の有名な画家。リウマチを患っており家族からは厄介者扱いをされている。エベレットの元で家政婦を始めたことで人生が変わる。
- エベレット・ルイス(イーサン・ホーク)
- 孤児院で育ち、魚売りをしている。家事手伝いを求めて家政婦の求人を出す。モードへの文句を言いながら不器用な優しさを見せる。
- サンドラ(カリ・マチェット)
- ニューヨークから休暇でカナダを訪れ、モードと出会う。モードの絵に初めて注目し、モードの作品を買い始める。
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』のあらすじ【起】
カナダの田舎町で、おばさんの家に暮らすモードの元に兄がやって来て実家を売り払ったことを告げる。モードはそのことに動揺してしまう。モードは雑貨屋に買い物に行き、エベレットが家政婦を募集しているのを聞きつけ、エベレットが掲示板に貼りつけた求人の貼り紙を取ってくる。モードはエベレットの家までやって来て働きたいと申し出るが、エベレットは追い返してしまう。しかし、知人から希望者を雇うように助言されたエベレットはモードを迎えに来る。モードは掃除や料理をしたりするが、エベレットはモードの働き振りが気に入らず怒鳴り散らす。
翌日、モードは朝から頑張って掃除して鶏肉のシチューを作る。片付けをしていてペンキを見つけたモードは家具を塗り直す。モードはエベレットのベッドで雑魚寝しながら暮らすようになる。町では2人の関係について変な噂が流れるようになる。ある日、エベレットはモードのお喋りが気に入らず殴ってしまう。動揺したモードは壁にペンキで絵を描いて気を落ち着かせる。モードはエベレットに給与を要求し、ペンキを買い揃えて壁に絵を描くようになる。
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』のあらすじ【承】
ニューヨークから休暇で来ていたサンドラがエベレットに注文した魚が届けられていないことについて文句を言いに来る。その際にサンドラはモードが自宅に描いた鶏を目にし、モードの絵を気に入る。モードはエベレットに収支を記録にすることを提案する。ある晩、エベレットがモードに迫ってきたので、モードはちゃんと結婚するように求める。そして以前に障害を抱えた女の子を死産したことがあり、自分が眠っているうちに家族によって埋葬されてしまったことを打ち明ける。
エベレットとモードはサンドラの元に魚を届けに来る。そして絵が描かれた明細のカードを渡す。サンドラはもっとカードを欲しがり、エベレットは金銭を要求する。モードはエベレットと一緒に魚を売り歩きながら、絵を描き続ける。モードの絵は、雑貨屋でも売られるようになる。サンドラが自宅にやって来てもっと大きな絵を買いたいと申し出る。エベレットはモードが板に描いた作品を渡すが、モードは未完成のものを渡すのを嫌がる。そこでサンドラは新しい絵を注文する。
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』のあらすじ【転】
エベレットはモードが絵に集中できるように自ら掃除をするなど優しい一面を見せる。モードは長く一緒に暮らしているのになぜ結婚しないのかとエベレットを質問攻めにする。そして、2人は簡素な結婚式を挙げることになる。式の夜、2人は2階で抱き合って踊り、モードは幸せを実感する。
2人は自宅に看板を掲げて、モードの絵を売り始める。モードのことは新聞やテレビでも取り上げられるようになる。モードが有名になったので兄が訪ねて来る。そしてお金の管理を申し出るが、モードはきっぱりと断る。モードは兄に絵を売って別れを告げる。ニクソン副大統領もモードの絵に興味を持つ。モードが網戸を欲しがると、エベレットは嫌がりながらも取り付けてくれる。
町でエベレットとすれ違ったおばさんはモードに会いに来てほしいとの伝言を頼む。モードは絵を携えて会いに行く。おばさんはモードの娘は健康に生まれ、裕福な家庭に売られたことを告白する。モードはそのことを知り、ショックを受ける。おばさんの家からの帰り道にモードはエベレットと口論となり、モードはサンドラの家に身を寄せる。
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の結末・ラスト(ネタバレ)
エベレットとモードは互いに一人で寝る寂しさを感じる。エベレットはモードの元を訪ねて仲直りし、再び共に生活を始める。ある日、エベレットはモードを民家の前に連れて来る。そこは成人したモードの娘の家だった。モードは遠巻きに娘の姿を見届けるが、声を掛けることを躊躇してしまう。それでも奇麗な娘の姿を確認できたことを満足する。
モードの体調は悪化し、遠出ができなくなる。医者の診察を受け、モードは筆を持つのも辛いので鎮痛剤を欲しいと頼む。医者が帰った後に、2人は一杯のお茶を分け合うようにして飲む。ある夜、モードが発作を起こし、エベレットは病院に連れて行く。病室でエベレットはモードに最高の妻だったと告げてベッドで寄り添う。沈痛な面持ちのエベレットが病院から出てきて、車で自宅に帰る。エベレットは、モードが家の至る所に書いた絵を見つめ、空き缶の中にエベレットが出した求人の貼り紙を見付ける。モードはずっと大切に取って置いていたのだ。エベレットは絵を売っているという看板を片付け、家の扉を閉じる。
映画『しあわせの絵の具 愛を描く人 モード・ルイス』の感想・評価・レビュー
映画作品としてはそつなくまとまっているという印象で、決してクオリティーが高いという訳ではない。それでも見入ってしまうのは、ひとえに題材の勝利と言えるだろう。モードとエベレットの不器用な愛にただただ心を打たれてしまう。エベレットの手押し車に乗って笑顔を見せるモードの姿が愛おしく、家族からの冷たい仕打ちを耐えた末につつましくて幸せな生活を見出したモードの人生を応援したくなる。主演2人の演技も光っている。(MIHOシネマ編集部)
本作は、実在するカナダの女性画家モード・ルイスとその夫エヴェレットの半生を描いたヒューマンラブストーリー作品。
モードはエヴェレットの貧しくし小さな家に家政婦として住み込み、仕事の合間を縫っては家の壁や棚や窓、廃材に絵を描いている姿がとてもキラキラしていて素敵だった。
そんな彼女のポストカードや作品が売れた時の高揚感や感動にはとても共感した。
不器用な2人が手を取り合う姿に夫婦のあり方を考えさせられ、周囲が何と言おうと絵を描き続けるモードの力に心豊かになれる作品。(女性 20代)
芸術的な作品に全く興味が無い人でも、モードのカラフルで可愛らしい作品には思わず目を奪われてしまうのでは無いでしょうか。彼女の作品が温かくて優しさに溢れている理由が分かった気がしました。
画家などの才能のある人はあまり人とかかわり合いを持たず、とても繊細な心を持っているイメージがありますが、モードは優しくて女性らしくて朗らかな太陽のような人でした。エベレットと出会い、お互いが良い方向に変わっていく姿は思わず笑みがこぼれてしまうほど、心が癒されていきました。
エベレットを演じたイーサン・ホークの演技が素晴らしく、エベレットの不器用さと男らしさをありのままに表現していました。(女性 30代)
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