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映画『白河夜船』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『白河夜船』の概要:寺子は妻がいる岩永と不倫関係にあった。岩永の妻は自動車事故を起こし、植物状態になって入院していた。寺子は不倫を続ける苦しみや寂しさを、親友のしおりに打ち明けていた。そのしおりが、ある日突然自殺してしまう。

映画『白河夜船』の作品情報

白河夜船

製作年:2015年
上映時間:91分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:若木信吾
キャスト:安藤サクラ、谷村美月、井浦新、高橋義明 etc

映画『白河夜船』の登場人物(キャスト)

寺子(安藤サクラ)
岩永と不倫関係にある。日中はほぼ自宅で眠っており、岩永の着信で目を覚ます。現在は働いておらず、岩永の援助で生活している。
しおり(谷村美月)
寺子の親友。いつも笑顔で、落ち着いた雰囲気の女性。「添い寝屋」の仕事をしていた。自殺をしてしまう。
岩永(井浦新)
妻は自動車事故を起こし、植物状態になる。妻の見舞い、親類との関係、寺子との関係などで悩み、心が疲弊している。

映画『白河夜船』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『白河夜船』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『白河夜船』のあらすじ【起】

寺子の親友のしおりが自殺した。大学生の頃は二人で一緒に暮らしていた。その頃は、とても楽しくて、嫌なことがあってもしおりに話せば発散することができた。大学卒業後、しおりは豪華な部屋に一人で暮らし、特殊な仕事をしていた。しおりは睡眠薬を大量に飲み、その部屋のベッドの上で息を引き取った。

寺子は道でしおりの元恋人と偶然再会する。元恋人はいつも笑顔だったしおりの自殺に衝撃を受けていた。仕事が理由だったのか聞かれるが、寺子にもしおりが自殺した理由は分からなかった。元恋人は話を変え、まだ不倫関係を続けているのか尋ねた。実は、寺子と恋人の岩永は不倫関係にあった。元恋人は真面目に恋するよう忠告し、寺子と別れた。

寺子は毎日家で眠り続け、岩永からの電話を待っていた。不倫をしている不安と寂しさが、寺子の胸に渦巻いていた。生前、しおりは住んでいた部屋の隣で、「添い寝屋」の仕事をしていた。客との体の関係はなく、ただ添い寝をするだけだった。仕事の間、しおりは途中で目を覚ました客が寂しく思わないように、自分は眠ることができないのだと話していた。

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映画『白河夜船』のあらすじ【承】

寺子は岩永に誘われ、晩御飯を一緒に食べに出かけた。岩永は妻の親類と会う予定があり、長く一緒にいることはできなかった。寺子は寂しく思いながらも、不満を口にしなかった。しかし、どうしても親族のことが気にかかってしょうがなかった。岩永の妻は自分が運転していた車で事故を起こし、植物状態となって入院していた。

食事の後、岩永は寺子を送っていこうとするが、寺子は断り歩いて帰ることにした。岩永は妻のことも寺子のこともどうしたら良いか分からず、疲れ果てていた。寺子は岩永の求むまま働かず彼の援助で生活し、彼といつでも会えるようにしていた。

しおりの部屋にはハンモックがあった。仕事の間ベッドの上で起きているため、ベッドで眠ることができなくなってしまったのだ。しおりの部屋はとても静かで、違和感を覚えるほどだった。音に煩い客が多いことが、生活に影響を与えていた。

しおりはどこか落ち込んでいる寺子を見て、岩永と何かあったのではないかと心配した。しおりは寺子と岩永の関係が上手くいけば良いと思っていた。寺子はそんなしおりに、別れるつもりがないことを笑顔で伝えた。寺子はしおりと話している間に、自然と元気を取り戻していた。

映画『白河夜船』のあらすじ【転】

寺子は眠っていても岩永の着信があれば必ず目を覚ましていた。そんなある日、岩永の着信に気づかずに、ずっと眠り続けてしまう。岩永は電話に出ない寺子を心配し、本当に部屋にいるのか不安を抱いていた。寺子は岩永の着信で目を覚まさなかったことにショックを受ける。

寺子は岩永の隣で横になりながら、しおりのことを思い出していた。しおりは客の寝息に合わせていくと、その人の心の暗闇を吸い取ってしまうかもしれないと不安に思う気持ちを話していたことがあった。最近、寺子はしおりが言っていた言葉に共感できるようになった。

目を覚ました寺子は、しおりを呼んだ。寺子は夢で岩永と並んでベッドに横になり、しおりのことを話していた。その夢はとても幸せな夢だった。しおりは寺子の話に微笑んだ後、花が上手に生けられないのだと助けを求めた。寺子は別の花瓶を渡した。しおりは花を生け、満足そうに微笑んだ。寺子はいつも笑っているしおりを羨ましそうに見ていた。

映画『白河夜船』の結末・ラスト(ネタバレ)

夜中、寺子は目を覚ました。岩永は様子がおかしい寺子に気づき、花火大会に行く約束をして縋った。次の日、寺子が目を覚ますと、既に岩永の姿がなかった。メモが置いてあり、よく寝ていたから起こさなかったと書いてあった。

自宅にいる寺子は、必死に眠さと戦っていた。しかし、頑張って起きようとしても、いつの間にか眠ってしまうのだった。寺子は自宅を出て、公園のベンチに座り込んだ。その時、寺子の体調を心配した少女が声をかけてくる。寺子はこの公園に友達(しおり)とよく来ていたことを話すが、また眠りそうになってしまう。少女は今すぐ体を動かす仕事をするよう諭した。少女は心が疲弊している寺子のことを心配しており、そうなったのは自分のせいだと謝罪した。寺子は目の前にいるのが岩永の妻だと気づくが、いつの間にか少女は消えていた。

寺子は朝目を覚まし、街角に立ってアンケートを聞く仕事を始めた。家に帰ると、受け取った給料を嬉しそうに眺めた。その時、岩永から電話がかかってくる。寺子は働き始めたことを話した。その後、寺子と岩永は花火大会に出かけた。人が大勢おり、岩永は寺子を連れて花火が見える場所を探した。寺子は岩永に寄り添いながら、花火を見つめた。

映画『白河夜船』の感想・評価・レビュー

物語として何か大きな出来事があるわけではなく、一人の女性の日常を垣間見ているかのようだった。吉本ばなな原作の小説を元に制作されているだけあり、映画を見ているというよりは小説を読んでいるかのような雰囲気がある。淡々とした物語のため、好き嫌いは分かれる作品だと思う。個人的に言えば、とても好きな作品だった。寺子を演じた安藤サクラと岩永を演じた井浦新の力が入っていない自然体の演技が素晴らしくて、彼らの他の作品も見たくなった。(MIHOシネマ編集部)


知らぬ間に自分が寺子になったような気持ちで鑑賞していました。正直、寺子の生き方には共感できません。不倫という関係がそもそも嫌なのですが、そこに依存して寝るか、男と居るかのどちらかしか無い生活なんて退屈すぎます。
しかし、全てに共感できないとしても所々で自分にもこういう部分あるかも…と思わせてくるんです。それが物凄く上手いなと感じました。ダメだとわかっていてもズルズル関係を続けてしまったり、優しく聞いてくれる人にはなんでも話してしまったり…。
自分のために好きなように生きるのも大事ですが、周りにいてくれる人のことも考えられるようになりたいなと感じました。(女性 30代)

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