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映画『好きにならずにいられない』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『好きにならずにいられない』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『好きにならずにいられない』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『好きにならずにいられない』の結末までのストーリー
  • 『好きにならずにいられない』を見た感想・レビュー
  • 『好きにならずにいられない』を見た人におすすめの映画5選

映画『好きにならずにいられない』の作品情報

好きにならずにいられない

製作年:2015年
上映時間:94分
ジャンル:ラブストーリー
監督:ダーグル・カウリ
キャスト:グンナル・ヨンソン、リムル・クリスチャンスドウティル、シグリオン・キャルタンソン etc

映画『好きにならずにいられない』の登場人物(キャスト)

フーシ(グンナル・ヨンソン)
43歳で独身を貫き、母親と同居している大男。ジオラマ作成やラジコン遊びが趣味。無口で伏し目がちなため職場では同僚達からいじめられている。母とその彼氏に勧められ渋々ダンススクールへと通い、シェヴンと出会う。
シェヴン(リムル・クリスチャンスドウティル)
フーシが通いはじめたダンススクールにいた女性。笑顔が可愛らしいが実は躁うつ病で、フーシへの好意にも起伏がある。猫を1匹飼っていて花が好き。
モンドゥル(シグリオン・キャルタンソン)
フーシの友人。妻帯者。2人の息子がいる。フーシとは頻繁にジオラマやラジコンで遊んでおり、シェヴンとの初めての恋を応援してくれている。
ヘラ(フランチスカ・ウナ・ダグス)
フーシと同じアパートに住んでいる女の子。ままごとが好き。友達がおらず、心優しいフーシと遊びたがるが父親が彼を変質者扱いするため表だっては遊べない。

映画『好きにならずにいられない』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『好きにならずにいられない』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『好きにならずにいられない』のあらすじ【起】

空港内で乗客たちの荷物を運搬する仕事に従事している43歳のフーシは、生まれてこの方恋愛をしたことがなかった。フーシという男は、だらしなく太った身体に禿げ上がった後頭部、無表情で無口な上、ジオラマ作成やラジコン遊びが趣味だった。ある時フーシがラジコンを買って帰宅した際、同じアパートに住んでいるヘラという少女から息子か親戚の子供へプレゼントするのかと聞かれ口籠ってしまうこともあった。

母フィヨラとその恋人ロルフは、フーシがジオラマの世界とばかり向き合っている現状に不安を抱えていた。ロルフはフーシに、インターネットで女性と出会い人生の旨味を味わえとアドバイスするが、彼の心には響かない。そこで母とロルフは、フーシの誕生日プレゼントにハットとダンススクールのレッスン券を渡した。

職場には、同僚のエルヴァルを筆頭にフーシをからかう輩達がいた。フーシが言い返さないことをいいことに、同僚達はフーシが童貞であることをからかうのだった。フーシは、上司から呼び出されいじめの有無を問い質されるが、軽くからかわれているだけだと返してしまい真実は打ち明けなかった。

フーシが仕事から帰ると、階段の途中でヘラが座り込んでいた。鍵を無くし家に入れずにいるヘラを心配したフーシは、彼女を自宅へと招き入れ一緒に遊んでやる。そうしている内にヘラの父親が帰宅したようだったのでフーシが彼女を送り届けると、父親は訝しげにフーシを一瞥し礼も言わずに部屋の中へ消えていった。

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映画『好きにならずにいられない』のあらすじ【承】

ダンスレッスンの夜、フーシは嫌々ながらも母とロルフに背中を押されダンススクールへと向かった。教室の中を覗いてみたものの、自分の場違いさに怖気づき結局は駐車場の車に戻って時間を潰した。いつも聞いているラジオのDJに、お気に入りのメタルバンドの曲をリクエストしながら時が過ぎるのを待つ。次第に外はひどい吹雪になっていった。そこへ、レッスンを終えたシェヴンという女性が家まで乗せてくれないかと声を掛けてきた。非常に悪天候のため、フーシは初対面の彼女を心配して家まで送っていく。去り際にシェヴンから「また来週」と言われたフーシは、ダンススクールへ通うことを決めたのだった。

ヘラは、鍵を無くした日から頻繁にフーシの元を訊ねるようになっていた。ヘラには友達がおらず、フーシと友達になりたいようだ。ヘラは、奥さんや彼女がいないのは何故?人と付き合ったことある?などとストレートな質問をぶつけてくる。フーシが返答せずにいると、「パパが貴方を凄く変なヤツだって言ってたけど、私はそうは思わないわ」と告白された。フーシは複雑な表情でヘラとのままごと遊びに付き合った。

自主的にダンススクールへ通うようになったフーシは、シェヴンに惹かれはじめていた。教室の後に2人で食事へ行くことになったフーシは、馴染みの店へ彼女を招待する。シェヴンは嬉しそうにディナーを楽しみ、家に寄って行くようフーシを誘った。彼女の家でシェヴンは旅行が好きなこと、猫を飼っていること、カントリーミュージックが好きなこと、花が好きで花屋で働いていることを知ったフーシは、翌日から彼女のために旅行の計画を立てる。

映画『好きにならずにいられない』のあらすじ【転】

フーシは、友人のモンドゥルにシェヴンとの話を聞かせた。モンドゥルは、女を喜ばせるために毎回新しいことを考えるのは疲れるが、諦めずに頑張れとアドバイスしてくれた。フーシはシェヴンのためにエジプト旅行を計画し、彼女が働いている花屋へ花を買いに行った。ところが店にシェヴンの姿はなく、店主に彼女の次の出勤日を聞くと、もう辞めたと返された。不思議に思ったフーシが彼女の自宅を訪ねると、丁度シェヴンがゴミ処理場の日雇い仕事から帰宅したところだった。フーシはエジプト旅行の計画を話したが、放っておいて欲しいと突き放されてしまった。

フーシがアパートに戻ると、今日もヘラが寂しそうに1人で過ごしていた。ヘラはフーシが帰ってきたのを見てドライブに連れて行って欲しいと頼む。可哀そうに思ったフーシは、ヘラを車に乗せて短いドライブをした。アパートに戻って車を停めると、駐車場にはヘラの父親と警察官がおり、パトカーも停まっていた。ヘラの父親が、娘が誘拐されたと勘違いして警察に通報していたのだ。激昂した父親に責められるも何も言い返せないフーシ。事情聴取の末に疑いは晴れたが、気持ちは晴れないままだった。

フーシはシェヴンに会うため今週もダンススクールへと足を運ぶ。ところがシェヴンの姿が見当たらない。彼女の家へ行くと彼女は納屋に引き籠っていて、もう何日も食事を摂っていないようだった。フーシは溜まっていた有給を使い、彼女に寄り添うための長期休暇を取得した。

映画『好きにならずにいられない』の結末・ラスト(ネタバレ)

納屋から出てこないシェヴンの身の回りの世話を始めたフーシは、彼女の職場に掛け合って代わりに出勤することにした。日中はゴミ処理場で働き、仕事が終わるとシェヴンの家の掃除や食事作りをする日々。それでもフーシは満たされていた。ある日フーシが仕事帰りに大きな花束を買って帰ると、シェヴンがようやく納屋から出てきてくれた。そして、自分がうつ病であることを打ち明けてくれた。その日からシェヴンは少しずつ人間らしい暮らしを取り戻しはじめ、フーシと半同棲のような生活を送るようになった。さらに、自分の花屋を経営するという目標まで立てられる程に心が快復したのだった。

フーシに支えられながら生活するシェヴンは、フーシに同居を提案する。フーシは親元を離れ彼女と共に生きることを決め、ついにジオラマを解体し引っ越しを決意した。引っ越しの間際、フーシはヘラの父親に彼女がままごとで使っていた人形を渡す。ヘラの父親はフーシの優しさに気が付き、これまでの非礼を詫びたのだった。

モンドゥルに手伝って貰いながら、フーシの荷物はシェヴンの自宅に運び込まれた。全ての荷物を運び終わったと思ったタイミングで、シェヴンはまた不安定な精神状態になっていた。やっぱり一緒には住めないと同棲を拒否されてしまったフーシは、再び彼女と出会う前のような孤独な生活に戻ってしまう。それでも彼女を忘れられないフーシは、シェヴンが店を開きたいと言っていたテナントを買い取り改装。店の鍵を彼女の家のポストに入れ、2人で行くはずだった旅行へ1人で向かった。フーシは飛行機の小窓から見える滑走路を眺め、僅かに微笑みを浮かべた。

映画『好きにならずにいられない』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

とても切なく、初心な物語だった。少年少女の初々しい恋愛ではなく、パッとしないオジサンとオバサンの恋愛というのがじれったい。

映画の尺の中でついにフーシとシェヴンは結ばれなかったが、シェヴンは決して悪女というわけではない。とフォローしたい。お互いに純粋で素直で、たまたま彼女の心が不安定だったというだけだ。きっとフーシは、彼女が快復する日を待つのだろう。歪だが純粋な大人の恋愛映画であった。(MIHOシネマ編集部)


本作は、40歳、独身、オタク、童貞、奥手で繊細な大男フーシと心に傷を負った女性との恋模様を描いた北欧ラブストーリー作品。
パッケージのデザインからコメディーだと思っていたが、真逆の内容だった。
彼の見返りを求めない優しさや、胸が張り裂けそうなほどの孤独や辛抱強さが心にジーンときた。
彼はきっとこれから先幸せに暮らしていけると思う。そっと背中を押してくれるような勇気が貰える、そして、きっとフーシを好きになる作品。(女性 20代)


フーシのシェヴンへの思いは、恋を通り越して愛だと思う。彼の包み込むような優しさに、見ていて癒された。躁うつ病を患うシェヴンは、見ているだけでも苦しそうだった。彼女自身も自分の感情に振り回されて、きっと大変だろうと思う。フーシと出会ったことで、すぐに快方しなかったところが、リアルだなと感じた。
小さな女の子・ヘラの言動が、とても印象的だった。ぐさっと心に響く言葉をたくさん話していた。父親に何を言われようとも、優しいフーシのことを見抜き、信頼を寄せている姿がなんともいじらしかった。(女性 30代)


おじさんの初恋とだけ聞くと身構えてしまいますが、本当に素敵な作品なので多くの人に見てもらいたいです。
外見より中身が大事とよく言いますが、第一印象が悪くては中身も見て貰えませんよね。主人公のフーシは心優しくて、思いやりのある人柄なのに外見や行動から「変人」のように見られてしまうのが本当に可哀想でした。
やっと出会った女性との恋もスムーズにはいかず、同棲間近の所で断られてしまったりととにかくもどかしい。最後もハッピーエンドとは言えませんが、フーシはずっと彼女のことを支えて待ち続けるのだろうなと思うと、心が温かくなりました。(女性 30代)


不器用で内向的な中年男性フーシが、少しずつ自分の殻を破っていく姿に心を打たれました。とくにアナとの出会いと別れを通して、彼が自分自身と向き合うようになる流れが自然で説得力がありました。アナの精神的な問題も繊細に描かれていて、彼女をただの「救い」ではなく、フーシにとっての試練として描かれていた点が印象的でした。最後にフーシが新しい一歩を踏み出すラストには、静かな感動がありました。(30代 女性)


これほど静かで、感情を丁寧に描いた作品に久々に出会いました。フーシの孤独と日常の閉塞感がよく伝わってきて、彼が誰かを好きになることで変わっていく様がとてもリアルでした。アナとの関係が思うようにいかず、心を痛める様子はとても切なかったですが、最後には前に進もうとする彼の姿に救われました。北欧映画ならではの静謐な演出も良かったです。(40代 男性)


一見地味な映画かと思いきや、じわじわと心に染みてくる良作でした。フーシの優しさや不器用さがとても愛おしく感じられ、アナとの恋が実らなかったとしても、彼の人生にとって意味ある経験だったと感じられました。とくに、ラストで子どもたちに模型戦争を教える場面には、希望のようなものが感じられて泣きそうになりました。(20代 女性)


フーシのキャラクターがとにかく良い。無口で大人しく、母親と暮らす生活の中で、自分を押し殺してきたような彼が、恋を通して少しずつ変わっていく様子に共感しました。アナの心の闇に直面したとき、フーシが取った行動も誠実で、映画全体を通して「人との関わり」が丁寧に描かれていたと思います。(50代 男性)


アナが精神的に不安定になり、フーシの思いが届かなくなる場面は胸が痛くなりました。ただ、それを通してフーシが「恋をしてもすべてがうまくいくわけではない」ことを学び、それでも自分らしく生きようとする姿に成長を感じました。恋愛映画というより、人間ドラマとして深く心に残る作品です。(30代 女性)


思ったよりも感情の揺れが大きく、観終わった後にしばらく余韻が残りました。フーシのような人は現実にもたくさんいて、彼のような生き方に共感できる人も多いはず。アナの存在が、彼の人生にとっての転機になるのは間違いなく、その点がきちんと描かれていたのが良かった。ラストの爽やかさも印象に残ります。(40代 女性)

映画『好きにならずにいられない』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『好きにならずにいられない』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

エレナの惑い

この映画を一言で表すと?

静かに心を揺さぶる、孤独と再生のロシア発ヒューマンドラマ。

どんな話?

年の差夫婦のエレナとウラジーミルの間に横たわる静かな断絶と、家族のために下すエレナの決断を描いた物語。善悪の境界が曖昧な中で揺れる心理描写が見どころで、静かな緊張感が最後まで続く重厚な作品です。

ここがおすすめ!

物語全体に流れる抑制されたトーンが、『好きにならずにいられない』に通じる魅力。社会格差や家族愛、倫理のジレンマを丁寧に描き、観る者に問いを投げかけます。地味ながら非常に完成度の高い一本です。

グッド・ウィル・ハンティング/旅立ち

この映画を一言で表すと?

心に壁を作る青年と、彼を見守る大人たちの感動の成長物語。

どんな話?

天才的な数学の才能を持ちながらも、心に深い傷を抱え社会と距離を置いて生きる青年ウィル。心理カウンセラーとの出会いをきっかけに、自らの過去や未来と向き合っていく姿を描いた、心温まる人間ドラマです。

ここがおすすめ!

ウィルとフーシ、タイプは違えど「変わりたいけど怖い」と感じる人間の葛藤は共通。登場人物の温かさや、心の殻を破る過程の描写は、『好きにならずにいられない』が好きな人に深く刺さるはずです。

マージン・コール

この映画を一言で表すと?

静かで濃密な会話劇が光る、金融崩壊前夜の知的スリラー。

どんな話?

2008年のリーマン・ショック前夜、ウォール街の証券会社が破綻に直面する24時間を描いた群像劇。スリリングな状況にも関わらず、抑制された演出で緊張感を高めていく秀逸な脚本が魅力の作品です。

ここがおすすめ!

一見ジャンルは違いますが、内面の葛藤や「選択」の重さを描く点では『好きにならずにいられない』に通じる部分が。心を静かに揺さぶる映画が好きな方には、この密度あるドラマもおすすめです。

アバウト・シュミット

この映画を一言で表すと?

定年後に訪れる“空白”を描く、切なくもユーモアある人生ドラマ。

どんな話?

長年勤めた会社を退職した主人公シュミットは、妻の突然の死をきっかけに、自分の人生の意味を探す旅に出ます。人との出会いや再発見を通じて、孤独な老後に光が差し込むような温かい物語です。

ここがおすすめ!

フーシと同じように「何かを始めたいけれど、遅すぎるかもしれない」と感じている人間の不安が描かれます。控えめながら人生にそっと寄り添う映画で、観終わったあとに静かな感動が広がります。

クジラの島の少女

この映画を一言で表すと?

伝統と自立、少女の成長を美しい自然と共に描いた感動作。

どんな話?

ニュージーランドのマオリ族の村を舞台に、伝統を重んじる祖父と、自分の道を歩もうとする少女パイケアとの葛藤を描く物語。抑えた演出と壮大な自然が、少女の心の成長を鮮やかに彩ります。

ここがおすすめ!

自分を信じられなかった人物が、人との関わりを通して成長していく過程は、フーシの物語と重なります。力強さと優しさを併せ持った映像美とストーリーが、心を豊かにしてくれる映画です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 2106 より:

    観てください。
    本当にいい作品です。