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映画『スウィートホーム』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『スウィートホーム』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『スウィートホーム』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『スウィートホーム』の結末までのストーリー
  • 『スウィートホーム』を見た感想・レビュー
  • 『スウィートホーム』を見た人におすすめの映画5選

映画『スウィートホーム』の作品情報

スウィートホーム

製作年:1989年
上映時間:102分
ジャンル:ホラー、サスペンス、ミステリー
監督:黒沢清
キャスト:宮本信子、山城新伍、NOKKO、黒田福美 etc

映画『スウィートホーム』の登場人物(キャスト)

早川秋子(宮本信子)
テレビ番組のディレクター。和夫とは恋人関係にある。間宮邸での取材中に起きた怪奇現象にいち早く気づき、仲間を救う為に果敢に立ち向かう。真面目で意志が固く、しっかりとした性格。
星野和夫(山城新伍)
番組プロデューサー。秋子の恋人。妻を亡くし、一人娘のエミを男手一つで育てている。秋子とは正反対の性格。お調子者で明るい。娘のエミが間宮夫人に捕まると、娘を救う為に勇敢に立ち向かう。
星野エミ(NOKKO)
和夫の娘で、間宮邸の撮影に参加。早くに母を亡くした為、秋子に母親になってもらいたいと思っている。その気持ちが子供を亡くした間宮夫人の霊と引き合う原因になってしまう。
間宮夫人(渡辺まち子)
フラスコ画家の間宮一郎の妻。最愛の子供を亡くした後、精神に異常をきたして次々に近所の子供達を殺害する。亡霊となって母が欲しいと思っているエミを襲う。

映画『スウィートホーム』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『スウィートホーム』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『スウィートホーム』のあらすじ【起】

テレビ局のスタッフが間宮邸を取材したいと役場の職員に頼んでいる。フレスコ画家である間宮一郎の特集を予定していて、遺作がそこに残されていると言うのだ。

役場の職員は鍵をスタッフに渡し、撮影の許可を出す。しかし、間宮邸には長らく良い噂が無く、役場の人間もこれを機に観光名所になればという目論見があったのだ。

取材班5名が間宮邸を訪問する。ディレクターである秋子が指示を出し、レポーターのアスカが中へ入ろうとするもドアが開かない。カメラマンの田口が他の部屋の扉を破壊し、どうにか中へ入る事に成功した一同。そして、いよいよ撮影が始まるのだった。

撮影中に妙な音が聞こえたり、柱が倒れたりと怪奇現象が次々に起こる。そんな中、どうにか目的のフレスコ画を発見するのだった。

撮影に必要なライトのために発電機室を訪れる田口。途中、そこへ入るために供養塔を破壊しどうにか電源を手に入れる。

アスカはフレスコ画の修復を専門にしており、一人でそのフレスコ画の修正作業を行う。

映画『スウィートホーム』のあらすじ【承】

フレスコ画の修復作業中、壁一面が絵になっていることに気づく一同。そこには人間や炎など、意味深な絵が残されていた。プロデューサーの和夫はこの謎を番組にふさわしいと言うが、アスカはそれを解せないでいる。

取材班の一人として同行していた和夫の娘であるエミは、早くに母を亡くしていた。エミは秋子に母親になって欲しと思っていて、なんとなく秋子にそれを伝えようとするのだった。

近くのガソリンスタンドを訪れた秋子。そこでは山村という男が働いていた。秋子から間宮邸で撮影をしている事を聞いた山村は、驚いた表情を見せる。

撮影中、アスカが霊に取り憑かれてしまう。どうにか落ち着きを取り戻したアスカ。秋子はこの状況を少しおかしいと感じていた。しかし、和夫はそれを笑って茶化すのだった。

田口が建物内で影に襲われる。田口の下半身が急に発炎し、影の魔の手は次第にアスカのもとにも届く。すると、下半身を焼き尽くされた田口がアスカにしがみつく。アスカはそれを振り払うも、立て掛けてあった斧を自ら倒して死んでしまう。

映画『スウィートホーム』のあらすじ【転】

中々戻ってこない田口達を心配していた秋子達のもとに山村が現れ、供養塔を壊したのは誰だと迫る。山村の注意を無視し、秋子達は田口達を探しに向かう。

建物の中で田口とアスカの無残な死体を目撃する一同。今度はエミが何かに取り憑かれて行方不明になってしまう。

山村が過去の話を始める。間宮邸に待望の子供が生まれたが、夫人が誤って死なせてしまう。それが原因で精神に異常をきたし、大量の子供達を焼却炉に投げ入れて殺す殺人鬼になってしまったのだった。その霊が、田口が供養塔を破壊したことによって蘇ってしまったのだ。山村によると、娘を失った夫人の霊と母を求めるエミの気持ちが引き合ってしまったのだと言う。

焼却炉へと向かう一同。山村の助けでどうにかエミを救い出す。しかし、山村の体は徐々に焼き尽くされていく。山村は秋子達に、影が襲ってくるから早く逃げろと伝え死んでしまうのだった。

秋子達はどうにかその場から逃げ出し、出口へと辿り着く。しかし、ドアは閉まっており、どうにか叩き壊すもエミが再び捕らわれるのだった。そして、エミを救い出す為に和夫が一人で建物の中へと入って行く。

映画『スウィートホーム』の結末・ラスト(ネタバレ)

一人残された秋子は、子を思う母の気持ちになりきる為に間宮夫人の形見だった衣装を身に纏い、間宮夫人の子供の遺体が入った棺を持って焼却炉へと向かう。

激しく燃え盛る焼却炉の中にエミを発見した秋子。山村から聞いた心の力を思いながら、炎は幻覚だと自分に言い聞かせて突入し、どうにかそこからエミを救い出す。するとそこに間宮夫人の霊がついに正体を現す。悲鳴のような叫び声をあげる間宮夫人は暴れまわり、再びエミ連れ去ろうとする。それに必死に抵抗する秋子とエミ。最悪の状況に追い込まれる中、エミは秋子が持ってきた棺を発見する。エミは棺を開け、間宮夫人の子供の遺体を取り出してそれを間宮夫人に差し出す。すると、間宮夫人は暴れるのを止め、無事供養されるのだった。

外へ出た秋子とエミの前に和夫が姿を現す。山村からもらったお守りのおかげで助かったのだった。再会を喜んだ傷だらけの三人は、肩を抱き寄せながら間宮邸を去るのだった。

映画『スウィートホーム』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

サスペンス系映画で有名な黒沢清監督のデビュー作、1989年に公開されたホラー作品であり、同タイトルのファミコンソフトも販売されている。過去に自らの子供を死なせてしまった事が原因で、悪霊となってしまった間宮夫人が、撮影陣に襲い掛かるといった内容。この時代ならではの衝撃的な映像演出もさる事ながら、執拗に迫る間宮夫人の恐怖や、様々な怪奇現象はなかなかに鳥肌ものである。ストーリー展開や結末などを含め、本作品をヒントにしたホラー作品も多々あるのではないだろうか。ホラー映画好きなら、押さえておくべき作品である。(男性 30代)


Jホラーブーム以前の邦画の代表的なホラー映画。残忍でむき身のホラー演出が多く恐怖の正体がわかりやすいのが特徴でどちらかといえばアメリカ映画のホラーの感覚に近い。セリフの間の取り方が独特で黒沢監督のらしさを感じられるが、慣れない人には気になるだろう。映画の出来はけして悪くなくいい映画だと思うが、多分に当時の流行が取り入れられており、現在の視聴に向いた作品とはいえないかもしれない。とかく流行に乗りすぎて余計に時代に取り残された映画がこの時代には多い。(男性 30代)


小学生のころ、友達と映画館の一番前の席で鑑賞。おそらく初めて観たホラー映画だったのもあり、インパクトが凄かったです。古舘伊知郎と黒田福美、伊丹十三が演じる人物が死んでいくときのシーンは衝撃で未だに忘れられません。
うろ覚えですが後半は疾走感のあるカメラワークで、怖くて目を細めながら観た記憶があります。
いま観たら全然怖くないかもしれないけど、ストーリーも分かりやすくて、洋館が舞台だからファンタジー感もあって面白かったと思います。
怖がりなのにホラーが気になって仕方ないのはきっとこの映画のせい。もう一度観たいけど勇気がいるような、忘れられない作品です。(女性 40代)


日本のホラー映画にありがちな、じめっとした雰囲気が無く、舞台となる洋館やホラー要素の独特な描き方など海外のホラー映画に近い気がします。駄作だと思って鑑賞したのでものすごく楽しめました。
黒沢清監督が、このようなファンタジーっぽいホラー映画を撮っているとは知らずあまり期待していなかったのですが、観客を楽しませようとする心意気がひしひしと伝わってきました。
ホラー映画としては珍しい、大人も子供も一緒に楽しめるような作品だと思います。(女性 30代)


80年代邦画ホラーの中でも異彩を放つ一本。廃墟となった洋館で起こる超常現象の描写が、とにかく怖い。特に、幽霊の正体が「死んだ我が子に執着する母親の霊」という設定にゾッとしました。特殊メイクやアナログVFXも迫力があり、ラストにかけての怒涛の展開は見応え十分。映画と同時進行で作られたゲームとのリンクも興味深く、伝説的な存在です。(20代 男性)


昔ながらの実写特撮とホラー演出が融合した、貴重な和製スプラッター映画。派手な血しぶきや身体が崩壊していく描写が多い一方で、「母性」という根源的なテーマが軸になっているのが印象的でした。ラスト、霊を鎮める方法が“母親の心を癒すこと”だったのが意外で、人間ドラマとしても良くできています。ホラー好きにはぜひ観てほしい名作です。(30代 女性)


派手な特殊効果と人間模様が絶妙にミックスされた作品。家族やチームの絆が試される中、次々と襲いかかる超常現象。特に、キャラクターが一人ずつ恐怖に飲まれていく中盤から終盤は、息を飲む展開が続きました。やや演技に昭和感はありますが、それも含めて味がある。『バイオハザード』の原点とも言われるだけあって、空気感が素晴らしいです。(40代 男性)


ホラー演出の中にしっかりと「情」があるのが良かった。母親の亡霊が暴れるだけの話かと思いきや、実は我が子を失った悲しみに囚われていたという展開に胸が痛みました。恐怖を通して、人の思いや未練を描く構成が秀逸。VFXも年代を考えるとかなり頑張っていて、特に終盤の炎のシーンは圧巻。思いのほか感動するホラーです。(30代 男性)


子どもの頃に観てトラウマ級だった作品を大人になって再見。やはり怖い!今見ても薄暗い廃墟や突然現れる亡霊の演出は緊張感があり、最後までダレることがない。何よりも、母親の怨念というテーマがリアルで、生々しく感じられました。登場人物のバランスも良く、適度なコメディ要素が入っているのも好印象。80年代邦画ホラーの隠れた名作です。(20代 女性)


映画全体に流れる陰鬱な雰囲気と、“失われた母子の愛情”というテーマが見事に融合した作品でした。ホラーとしての怖さはもちろん、映像や音楽も素晴らしく、気味の悪い洋館の空気が画面越しに伝わってきます。ゲームとのメディアミックス展開も当時としては画期的で、『バイオハザード』誕生に繋がる土台が確かにここにありました。(40代 女性)

映画『スウィートホーム』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『スウィートホーム』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

バイオハザード(2002)

この映画を一言で表すと?

ウイルスと化け物と恐怖が支配する、閉鎖空間サバイバル!

どんな話?

謎の研究施設「ハイブ」で発生した生物兵器ウイルスが拡散。閉鎖された地下施設に潜入した特殊部隊が、ゾンビやクリーチャーと戦いながら脱出を図る。サバイバル・アクション・ホラーの先駆け的作品。

ここがおすすめ!

『スウィートホーム』の精神的後継作とも言える作品。密室、怪奇現象、アクション要素が融合していて、緊張感は常に最高潮。ゲーム的演出や探索要素が好きな人にはたまらない一本です。

仄暗い水の底から

この映画を一言で表すと?

水音と静寂が恐怖を呼ぶ、心霊×母娘の和製ホラーの傑作。

どんな話?

離婚後に娘とともに新しいマンションで暮らし始めた母親が、謎の水漏れや赤いバッグ、そして少女の霊に悩まされていく。過去の悲劇と母性が交錯する、静かに沁みるホラー映画。

ここがおすすめ!

『スウィートホーム』と同じく「母と子の絆」と「哀しみの霊」がテーマ。恐怖の中に切なさがにじむストーリーで、ホラーが苦手な人でも感動できる日本独自の幽霊描写が魅力です。

死霊のはらわた(1981)

この映画を一言で表すと?

恐怖も笑いも極限へ!伝説のホラー・スプラッターカルト。

どんな話?

森の奥にある小屋に泊まりに来た若者たちが、「死者の書」を読み上げたことで、次々と悪霊に取り憑かれ地獄と化す。過激なスプラッターとブラックユーモアが混在する伝説的ホラー映画。

ここがおすすめ!

『スウィートホーム』に通じる「屋敷」「怨霊」「アナログ特殊効果」の三拍子が揃った作品。VFXも演出も独創的で、ホラーなのに笑えてしまうという点も魅力。ジャンルを超えた傑作です。

回路(2001)

この映画を一言で表すと?

“死”がネットを通じて感染する、新時代の恐怖体験。

どんな話?

人々が次々と謎の死を遂げ、都市がゴーストタウンになっていく。原因はインターネットを介して広がる“死者の世界”。死と孤独、そして存在の意味を静かに問いかける異色ホラー。

ここがおすすめ!

『スウィートホーム』のように、得体の知れない恐怖がじわじわと侵食していくタイプのホラーが好きな人に刺さります。押井守や黒沢清好きなら必見。静寂と不安の演出が秀逸です。

輪廻(2005)

この映画を一言で表すと?

過去と現在が交錯する、怨念と記憶が支配するミステリーホラー。

どんな話?

30年前に起きた大量殺人事件をモチーフに映画が制作される中、主演女優が不可解な夢と幻覚に苦しめられる。やがて彼女は事件そのものに巻き込まれていく…。

ここがおすすめ!

『スウィートホーム』同様、過去の悲劇が現在に影響を及ぼす構成が共通。怨霊、記憶の輪廻、建物の呪いなど、ホラーファンにはたまらない要素が詰まったジャパニーズホラーの隠れた良作です。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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