映画『SWEET SIXTEEN』の概要:スコットランドの貧しい家庭で暮らす少年が収監された母のために生活環境を変えようと奮闘する姿を追った青春映画。社会派のケン・ローチ監督が英国社会の抱える問題を鋭く切り取って見せた秀作。
映画『SWEET SIXTEEN』の作品情報
上映時間:106分
ジャンル:ヒューマンドラマ、青春
監督:ケン・ローチ
キャスト:マーティン・コムストン、ミッシェル・クルター、アンマリー・フルトン、ウィリアム・ルアン etc
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映画『SWEET SIXTEEN』の登場人物(キャスト)
- リアム(マーティン・コムストン)
- 学校に行かずに、たばこなどを売り歩いて生計を立てている15歳の少年。母親は刑務所に収監されており、母親の恋人と祖父と暮らしている。
- ピンボール(ウィリアム・ルアン)
- リアムの親友。リアムと同じく、貧しく厳しい環境で育ち、麻薬の取り扱いに慣れている。深く考えず衝動的に行動することがあり、リアムを困らせる。
- スタン(ゲイリー・マコーマック)
- リアムの母親の恋人で、麻薬取引をしている。暴力を奮うなどリアムに厳しく接する。
映画『SWEET SIXTEEN』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『SWEET SIXTEEN』のあらすじ【起】
リアムとピンボールは夜中に子供達からお金をもらい、望遠鏡で土星を見せてあげる。2人はパブで客にたばこを売ろうとするが、店主に追い出されてしまう。リアムは祖父とスタンと共に刑務所に母に面会に行く。スタンは麻薬をリアムの口の中に隠させ、母に渡すように指示する。スタンに命じられ母は刑務所内で麻薬を売っていたのだ。リアムは母の刑期が延びるのを嫌がって麻薬を渡すのを拒む。刑務所を出ると、スタンはリアムを殴って懲らしめる。
リアムが歩いて家に帰ると、リアムの所持品が壊され庭にばらまかれていた。祖父は2度と家に帰ってくるなと命じる。リアムはピンボールと荷物をまとめて、姉の家に向かう。姉はリアムの怪我を手当しながら、リアムに生活を改めるように懇願する。リアムが姉の子供と一緒にボールで遊んでいるところにピンボールが盗難車に乗って現れる。皆でドライブに出掛け、売りに出されているトレーラーハウスのところまで行く。リアムはトレーラーハウスを買って母と暮らすことを夢見る。
映画『SWEET SIXTEEN』のあらすじ【承】
リアムは友人達と母へのメッセージをテープに録音する。リアムはピンボールと双眼鏡で街を眺めていて、スタンと祖父が犬小屋のところで何かしているのを目撃する。リアムはスタンから麻薬を盗んで売ることを思い付く。リアムとピンボールは夜中に犬小屋に近付き、麻薬を盗む。そして、ピンボールが麻薬を小分けにして包む。
リアムとピンボールは街に繰り出し、若者に声を掛けて麻薬を売り出す。リアムは母に近況を報告するテープを録音する。母はリアムの16際の誕生日の前日に出所する予定だった。リアムは麻薬を売って稼いだ金でトレーラーハウスの手付金を払う。そして、母に面会に行き、トレーラーハウスの写真を見せて契約書にサインをしてもらう。
リアムは麻薬を売っている家を双眼鏡で監視し、その客を横取りすることをピンボールに持ち掛ける。ピンボールは危険だと反対するが、リアムはトレーラーハウスを手に入れるために一人で決行する。リアムは3人組に麻薬を売ろうとして襲われ、逆に麻薬を奪われてしまう。しかし、リアムはしつこく相手に襲いかかり、麻薬を取り戻す。
映画『SWEET SIXTEEN』のあらすじ【転】
リアムとピンボールは街中で突然、男達に車に乗せられる。そして、スポーツジムに連れて行かされる、そこで待ち受けていたのは、マフィアのボスだった。ボスはリアムに部下となって麻薬をさばくように持ち掛ける。リアムはピザ配達をしている友人のバイクに乗って麻薬を売り回ることを思い付く。ピザが時間通りに届けられず友人に文句を言われるが、リアムはその分の支払いをして話を付ける。
リアムとピンボールはボスの部下から呼び出しを受けるが、リアムだけが車に乗せられてピンボールは除外されてしまう。リアムはバーまで連れて行かれ、男がトイレに行ったところを殺すように指示される。刃物を受け取ったリアムはびびってしまうが、勇気を振り絞ってトイレに入る。男の背後に近づいたところで、部下達に止められる。リアムの忠誠心を試すテストだったのだ。リアムは部下達に仲間として認められる。
リアムは姉達とピクニックに出掛ける。しかし、トレーラーハウスに着くと全てが焼失していた。その夜、リアムの元にボスの車を盗んだピンボールがやって来る。リアムが止めるのを聞かずにピンボールは走り去ってしまう。そして、車をスポーツジムに突入させて逃走する。
映画『SWEET SIXTEEN』の結末・ラスト(ネタバレ)
ボスがリアムに会いに来て、ピザ屋のバイクを増やして麻薬をもっと売るように指示する。更に、母と暮らすための家の手配もしてくれる。しかし、条件としてピンボールを始末するように命じる。リアムはピンボールに会いに行くが、ピンボールはリアムが刃物を持っているのを見付けて怒る。そして、自分がトレーラーハウスを燃やしたと言って挑発し、自ら刃物で顔を切って傷付けてしまう。
リアムは新しい家で一緒に住もうと姉を誘うが、母のことを許せずにいる姉は取り乱してしまう。リアムはめかし込んで出所する母を迎えに行く。そして、新しい家に連れて行き、出所パーティーを開く。姉も息子を連れて姿を見せ、母と対面する。
翌日、リアムが起きると母はいなくなっていた。リアムは姉が何か言ったのではないかと責める、母を探しに出たリアムは、母がスタンの家にいるのを見付ける。母は帰ることを拒み、スタンはリアムを追い返そうとする。怒ったリアムはスタンのことを刃物で刺してしまう。リアムは家を飛び出して、海岸にやって来る。そこに姉から電話が掛かってくる。姉は16歳の誕生日なのに悲し過ぎると嘆くが、リアムは電話を切ってしまう。
映画『SWEET SIXTEEN』の感想・評価・レビュー
イギリスの労働者階級の暮らしを描いてきたケン・ローチ監督による傑作。静かながらもヒリヒリするような青春映画で、リアムが直面する厳しい現実に胸が締め付けられる。生活を改善しようともがくのに、生まれ育った環境から逃れられない悲しい定めが説得力をもって描かれている。誕生日を迎えたリアムのこの先の身を案じずにはいられないラストシーンが秀逸だ。ローチの作品は悲劇的なエンディングのものが多いが、特に今作はそれが際立っている。(MIHOシネマ編集部)
あまりにも救いがない結末で、悲しい気持ちが心に残った。リアムの行動は無謀だし、危険だと思う。でも、母と一緒に暮らすために頑張る姿があまりにもいじらしくて、簡単に非難することはできないなと思った。もっと母の愛情が感じられる場所で育っていれば、素直な好青年になったのではないかと思う。
母と一緒に暮らすことができなかったリアムは、これからどんな人生を歩むことになるのか心配になる。幸せになって欲しいと、願わずにはいられない。(女性 30代)
母親と一緒に暮らしたいだけなのに、なんでこんなことに巻き込まれてしまうのか、こんなに悲しくて辛い思いをしなければならないのか、見ているのが苦しくなるような作品でした。
リアムが家族を思う気持ちは理解できますが、家を手に入れるための道のりが過酷すぎて、もういいんじゃない?と見ているこちらが諦めてしまいそうになります。
リアムは何を思い、これからをどう生きていくのか、明るいとは言えないラストに切なさと虚しさが残る作品です。(女性 30代)
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