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映画『高津川』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

斎藤学は一級河川「高津川」のある地域で、牧場を経営していた。ある日、学の母校である小学校の閉校やリゾート開発など、様々な問題が起きる。学は小学校の同級生と集まり、何をするべきか話し合った。

映画『高津川』の作品情報

高津川

タイトル
高津川
原題
なし
製作年
2019年
日本公開日
2022年2月11日(金)
上映時間
113分
ジャンル
ヒューマンドラマ
監督
錦織良成
脚本
錦織良成
製作
安川唯史
製作総指揮
不明
キャスト
甲本雅裕
戸田菜穂
大野いと
田口浩正
高橋長英
奈良岡朋子
緒形幹太
春木みさよ
製作国
日本
配給
ギグリーボックス

映画『高津川』の作品概要

トップバイプレイヤー・甲本雅裕の映画初主演作品。島根県を流れる一級河川・高津川を舞台に、「人口減少」や「伝統の存続の危機」など様々な問題を抱える地方の様子が描かれている。映画『たたら侍』(17)や映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転手になった男の物語』(10)などの話題作を手掛けている錦織良成が、原作・脚本・監督を担当している。戸田菜穂、大野いと、田口浩正、高橋長英など超一流俳優が脇を固めた。

映画『高津川』の予告動画

映画『高津川』の登場人物(キャスト)

斉藤学(甲本雅裕)
一級河川「高津川」のある地域で牧場を経営している。妻は既に他界している。母の絹江、娘の七海、息子の竜也の四人暮らし。石見神楽の社中に所属している。
大畑陽子(戸田菜穂)
学の小学校の同級生。母親を介護している。老舗の和菓子屋の跡を継いだ。
斉藤七海(大野いと)
学の娘。大阪で暮らしていたが、最近実家に戻ってくる。
斉藤竜也(石川雷蔵)
学の息子。七海の弟。今度のお祭りで「神楽」の舞手を務める予定だが、練習をサボっている。何か悩みがある様子。
大庭誠(田口浩正)
学の小学校の同級生。現在は東京で暮らし、弁護士として活躍している。

映画『高津川』のあらすじ(ネタバレなし)

斎藤学は一級河川「高津川」のある地域で、牧場を経営していた。「高津川」は一級河川の中で唯一ダムが存在しない川として有名だった。学は妻に先立たれ、母の絹江、娘の七海、息子の竜也の四人で暮らしていた。竜也は今度のお祭りで舞台に立ち、地元の誇りである「石見神楽」の舞手を務める予定だった。しかし、練習に身が入っておらず、サボってばかりいた。竜也は踊りたい気持ちはあったが、何かに悩んでいる様子だった。

その一方で、リゾート開発のため、「高津川」の上流の土地に売却話が持ち上がる。さらに、学の母校である小学校が閉校の危機に陥る。新入生が入ってこないことが原因だった。学は同級生と集まり、何をすべきか相談し合った。学達は最後の運動会で人を集めるため、同窓会をすることを思いつく。

映画『高津川』の感想・評価

トップバイプレイヤー・甲本雅裕の映画初主演作品

甲本雅裕はアパレル会社を退職した後、劇団「東京サンシャインボーイズ」に入団して活動してきた。劇団が活動休止した後は活躍の場を移し、テレビ&映画業界で一流のバイプレイヤーとしての地位を確立する。

テレビ作品ではフジテレビ系列で放送された『踊る大捜査線』シリーズに出演し、主人公の青島に憧れて刑事になった緒方薫を演じた。その他に、上川隆也が主演を務めたドラマ『遺留捜査』シリーズや北大路欣也が主演を務めたドラマ『三匹のおっさん〜正義の味方、見参!!〜』シリーズなど、数々の人気作に出演している。

映画でもたくさんの話題作に出演している。映画『ザ・マジックアワー』(08)や映画『RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語』(10)などに出演しており、脇役ながらも高い演技力で強い存在感を放っている。今回満を持して、映画初主演を務めることになった。

島根県を流れる高津川

物語の舞台になっているのは、島根県の西部を流れる一級河川の高津川。一級河川とは、「国土保全上又は国民経済上」重要だと国土交通大臣が指定した水系のことである。ちなみに二級河川は、都道府県知事が一級河川以外で重要だと思われる箇所に指定した水系のことである。

一級河川でダムが存在しないのは、高津川のみである。昔から鮎の名産として知られ、周囲には鮎を扱う飲食店や旅館が数多く存在している。そして、鵜を使って鮎を獲る漁、「鵜飼い」が盛んに行われていた。その中でも高津川の「鵜飼い」は特殊で、鵜に手綱をつけない「放し鵜飼い」の方法が用いられていた。「放し鵜飼い」が見られるのは、日本で唯一高津川だけだった。しかし、「放し鵜飼い」ができる鵜匠が亡くなったことで、見ることができなくなってしまった。

地方の問題「人口減少」と「伝統の存続の危機」

本作品はただ高津川の付近に暮らす人々の様子を描いているわけではない。現代の日本の社会でも大きな問題となっている、「地方の人口減少問題」と「伝統の存続の危機」についてもスポットが当てられている。

新入生が集まらないことから、主人公・斉藤学の母校は閉校の危機に陥る。さらに、高津川の上流の土地が売却され、リゾート開発が行われるという話が持ち上がる。さらに、学の息子の竜也が地元の伝統である「石見神楽」の舞手を務める予定なのだが、練習に身が入っておらずサボってばかりいる。主人公を中心に、地元の人々は立ちはだかる様々な問題に対してどう対処していくのか。地方問題は他人事ではない話のため、改めて考えさせられる作品になっている。

映画『高津川』の公開前に見ておきたい映画

映画『高津川』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『高津川』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

たたら侍

錦織良成監督の代表作で、甲本雅裕も出演している。錦織良成は監督・脚本・原作を担当した。「LDH JAPAN」の会長であるHIROがエグゼクティブプロデューサーを務めており、戦国時代末期の日本が物語の舞台になっている。物語の根幹にあるのは、玉鋼を生み出す古代の製鉄技術「たたら吹き」。甲本雅裕は主人公・伍介の父である弥介を演じた。

出雲には錆びない鋼を造るとして、有名な村があった。伍介は鋼を造る家系に生まれ、跡取りとして技術を磨いていくことになった。しかし、村は鋼を我が物にしようとする大名達に狙われていた。伍介は村を守るために強くなりたいと思うようになり、侍になることを決めて村を抜け出してしまう。戦場を経験した伍介は、世の無常さを痛感する。

詳細 たたら侍

ザ・マジックアワー

甲本雅裕の代表作で、マフィアのボス・天塩幸之助の手下の太田垣直角を演じた。佐藤浩市、小日向文世、妻夫木聡、深津絵里、綾瀬はるか、西田敏行など、豪華なキャストが集結した。三谷幸喜が監督・脚本を務めており、マフィアのボスの愛人に手を出した備後登を中心に巻き起こる騒動が描かれている。

クラブ「赤い靴」の支配人である備後登は、マフィアのボスである天塩幸之助の愛人のマリを寝取ってしまう。怒った天塩に始末されそうになるが、「デラ富樫」を連れてくれば水に流すと言われる。「デラ富樫」は伝説の殺し屋だったが、その正体は誰も知らなかった。期日までに探すことができなかった備後は、売れない三流役者の村田大樹を「デラ富樫」に仕立て上げた。村田は映画の撮影だと思い込んでおり、演じることを楽しんでいた。

詳細 ザ・マジックアワー

返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す

戸田菜穂の代表作で、主人公である千葉一夫の妻の恵子を演じた。宮川徹志原作の著書『僕は沖縄を取り戻したい 異色の外交官・千葉一夫』を原案に、NHKで放送されたドラマを再編集した作品。沖縄返還のために戦い続けた実在の人物、外交官・千葉一夫の活躍と苦悩を描いた物語。主人公の千葉一夫を、実力派俳優の井浦新が演じた。

戦後、沖縄はアメリカの統治下に置かれていた。沖縄返還の合意について、日本とアメリカの間で大きな問題があった。それは、核廃棄とアメリカ軍基地についての問題だった。さらに、アメリカ軍基地から油が流れ、井戸の水が汚染されてしまっていた。外交官の千葉一夫は沖縄返還のために奮闘し、妻の恵子は必死に夫の活動を支えた。アメリカや日本本土の思惑などに翻弄されながら、「沖縄を取り戻す」ために一夫は必死に戦った。

詳細 返還交渉人 いつか、沖縄を取り戻す

映画『高津川』の評判・口コミ・レビュー

映画『高津川』のまとめ

「石見神楽」のシーンは特に拘りを持って撮影された。益田市の神和会の有志が撮影に協力しており、演目の1つである「大蛇(おろち)」は迫力のある出来栄えになっている。その他にも、地元のボランティアやエキストラが出演しており、全員で一丸となって地元を盛り上げている。高津川の美しさだけでなく、様々な問題を抱える地方の苦しさと侘しさ、地元を何とかしたいと奮闘する人々の力強さが感じられる作品になっている。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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