映画『天然コケッコー』の概要:小さな村に住む少女は、転校してきたイケメン男子に恋に落ちる。彼らの恋愛を中心に、周りの村人達とのほのぼのとした人間模様が描かれた一作。同名漫画を、山下敦弘監督が実写化。
映画『天然コケッコー』の作品情報
上映時間:121分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:山下敦弘
キャスト:夏帆、岡田将生、夏川結衣、佐藤浩市 etc
映画『天然コケッコー』の登場人物(キャスト)
- 右田そよ(夏帆)
- 田舎の学校に通う少女。転校生の大沢に一目惚れをする。天真爛漫で、頑固。その純粋さゆえに、気がつかないうちに人を傷つけることがある。美少女。
- 大沢広海(岡田将生)
- 東京から田舎の村に引っ越してきた少年。そよの同級生で、そよを好きになる。服などのセンスが良い。正確に裏表がなく、良くも悪くも物事をはっきりと言う。だんだんと田舎の生活が好きになっていく。
- 山辺篤子(藤村聖子)
- そよより一学年下の女の子で、そよの親友。大沢を王子様のように思っている。漫画を書いており、想像力が豊か。
- 右田浩太郎(森下翔悟)
- そよの弟。大沢のことを慕い、大沢のようにカッコよくなりたいと思っている。素直で良い子。
- 田浦早知子(宮澤砂耶)
- 村で最年少の少女。みんなの妹のような存在で、そよのことが大好き。おしっこに一人で行けず、いつもそよを頼っている。
- 右田一将(佐藤浩一)
- そよの父。大沢の母である美都子とは学生時代に恋人同士だった。二股されたこともあり、離婚して村に帰ってきた美都子と大沢に近づかないようにしている。亭主関白。
- 田浦美都子(大内まり)
- 大沢の母。東京で夫に浮気されてしまう。息子と一緒に生まれ故郷に帰ってくる。美容師の免許を持っており、地元で働き出す。一将とは過去に恋人関係にあり、避けられている。喘息持ち。
- 田浦重民(廣末哲万)
- 村の郵便局に勤める男。そよを気に入っている。大沢のことは嫌いで、嫌味を言ったりする。
映画『天然コケッコー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『天然コケッコー』のあらすじ【起】
そよの通う小中学校は、全校生徒6人という小さな学校だった。田舎にあるこの小中学校に、そよと同じ中学二年生の大沢という男が転校してくる。
東京から来た大沢はイケメンで、そよは内心ですごく喜んでいる。しかし、大沢は態度が悪く、どこか田舎をバカにしている感じがある。そんな大沢に、そよの気持ちは萎えてしまう。
そよは、学校のみんなで海へと向かう。大沢も誘った一同。しかし、途中で大沢が道を外れて一人で海に向かって歩き始める。大沢とはぐれたそよ達は、過去に飛び降り自殺のあった橋を渡る。走ってその場を逃げたそよは、途中で転んでしまう。そこで合流した大沢が、そよを抱きかかえて助ける。
海からの帰り道、大沢は一人で幽霊の出る道を行く。そよは大沢に誘われ、そちらの道を選ぶ。下級生の早知子は、おしっこに行きたいとそよに頼むが、さっき行ったから大丈夫だとそよがなだめる。
大沢とそよが二人きりになる。大沢はそよに、二人きりになりたかったと言う。橋の上を歩く二人。大沢は、自殺した人が母の友人だったのだとそよに告げる。二人はお祈りをして、その場を去る。
映画『天然コケッコー』のあらすじ【承】
翌日、大沢がそよをデートに誘う。それを受け入れるそよだったが、膀胱炎で休んだ早知子を心配してデートを断る。そよは、早知子の膀胱炎が自分の責任だと感じていた。
早知子の家にお見舞いに行ったそよ。早知子は喜び、そよに抱きつく。
そよの弟の浩太郎が、髪のセットに苦労している。そよが大沢に電話して、髪のセットの仕方を聞こうとする。しかし、そよの父親の一将が、大沢と関わるなとそよに強く言う。
大沢の着ているジャケットをかっこいいと思ったそよは、似たようなジャケットを探すためにデパートに向かう。しかし、結局見つけられないでいた。
大沢の家に遊びに行ったそよ。大沢は友達に電話をしていて、神社でチューをしたと話している。それを聞いてしまったそよは、誰とチューしたのかと大沢に聞く。大沢は、あれは予告チューだと言い訳する。
そよと大沢は二人で散歩に出る。そよは、大沢の家で見つけた通販雑誌にジャケットを発見する。しかし、それはすでに期限切れだった。買えると思ったそよは、ひどく落胆する。帰り道、そよは大沢の着ているジャケットが欲しいとねだる。チューする代わりにジャケットを無心するそよ。二人は神社でチューをする。
映画『天然コケッコー』のあらすじ【転】
そよの親友である篤子は、郵便局に勤める重民という男がそよを気に入っていることを知っていた。お祭りの日、篤子はそよと重民を二人きりなるよう仕向ける。しかし、そよは篤子に嫌われたと思って泣き出してしまう。
結局、みんなでトラックに乗った一同。そこで大沢は母の美都子に、そよのことを自分の彼女だと言う。重民はそれにショックを受ける。
美都子のところに髪を切りに行った浩太郎。一将はそれを知り、急いで浩太郎のもとに向かう。美都子に強く迫る浩太郎。二人はかつて恋人同志であり、一将は美都子に二股をかけられた過去を持っていた。
中学三年になったそよは、大沢と正式に交際していた。そして、大沢の住んでいた場所を見たいという願いから、修学旅行先が東京に決まる。
東京を歩き回るそよと大沢と先生達。大沢は、友人達と再会して喜んでいる。一方そよは、東京の騒々しさに疲れきってしまう。結局田舎のことばかり考えていたそよ。それでも、楽しんで修学旅行を終えたそよ達は田舎へと帰って行く。
映画『天然コケッコー』の結末・ラスト(ネタバレ)
中学三年のそよと大沢は、高校受験を控えていた。そよ達の町には二つの高校しかなく、本来ならばそのどちらかに進学するのが普通だった。そよも、当たり前のようにそこへ進学するつもりでいた。しかし、大沢は東京の高校へ進学するかもしれないと言い出す。
落ち込むそよ。大沢は、東京へ進学することを決めたかのようにそよと会話をする。一緒に登校したかったと、そよは静かに言う。
大沢は先生に、東京の高校を受験することを止めると伝える。そして、そよと二人で同じ高校を受験することに決める。
無事に二人とも受験に合格する。二人からの知らせを待っていた学校のみんなは、二人の合格を心から喜んで祝福する。
卒業を迎えたそよ達。教室を見回しながら、物思いに耽るそよ。教室には、そよと大沢の二人だけが残っていた。お祝いだと言って、そよは大沢にチューをする。しかし、愛が無いと言って大沢は教室を出ていってしまう。黒板に口づけをしたあと、そよは大沢を追いかけて教室を出ていく。
高校生になったそよは、校庭からかつての教室を眺めているのだった。
映画『天然コケッコー』の感想・評価・レビュー
何故か懐かしい気持ちになった。田舎ならではの小中学生の少なさや、年上の子が小さい子のお世話をしたり、近所付き合いなど、小さい町ならではの人と人との暖かさを感じた作品であった。東京から来た転校生の大沢と、町から出たことのないそよとの関係が深まるシーンも、嬉しい気持ちになった。初めて東京に行ったそよのわくわくする気持ちや、人や建物の多さに疲労を感じてしまう気持ちも共感した。最後の、ぼーっと教室を眺めるそよの姿が特に印象的であった。(女性 20代)
全校生徒が僅か6名の分校に、東京から転校してきた中学2年の広海と同年のそよの淡い恋物語。
田園風景や山、海といった大自然と田舎ならではの人付き合いに温かみを感じた。
思春期の青少年たちの控えめな感じにとてもリアリティーを感じ、俳優陣の自然な演技が素敵だと思った。
あまり大きな抑揚はなく、ただ淡々と日々を過ごす様子が描かれていて、それが心地よく感じた。10代の頃は、そんな何気ない毎日がキラキラしていたように思う。(女性 20代)
みんなの感想・レビュー