映画『天使にラブ・ソングを』の概要:デロリスはギャングの愛人。デロリスが殺人現場を目撃したために匿われたのは修道院だった。修道院で巻き起こすコメディで日本のゴスペルブームに火を点けた。1992年のアメリカ映画で6ヵ月を記録する大ヒットとなった。
映画『天使にラブ・ソングを』 作品情報
- 製作年:1992年
- 上映時間:100分
- ジャンル:ミュージカル、コメディ、ヒューマンドラマ
- 監督:エミール・アルドリーノ
- キャスト:ウーピー・ゴールドバーグ、マギー・スミス、キャシー・ナジミー、ハーヴェイ・カイテル etc
映画『天使にラブ・ソングを』 評価
- 点数:90点/100点
- オススメ度:★★★★★
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★★
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★☆☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『天使にラブ・ソングを』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『天使にラブ・ソングを』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『天使にラブ・ソングを』 あらすじ【起・承】
デロリスは、ネバダ州一帯を縄張りとするギャングのボス、ヴィンスの愛人でクラブシンガー。ヴィンスは妻がいながらデロリスと不倫関係にあったが、彼との関係にしびれを切らしたデロリスははっきりさせたいとヴィンスに会いにいく。
彼が殺人を犯している現場を目撃してしまったデロリスは慌てて警察に駆け込んだ。なぜならヴィンスは裏切り者は容赦なく始末するような人物であることは百も承知である。警察では、デロリスを保護するため、ヴィンスから手の届かないと思われる修道院にデロリスを匿うことにした。
デロリスを匿うことになった聖キャサリン修道院の院長はデロリスのことを受け入れるのに反対したが、神父の言葉を聞き入れ仕方なくデロリスを引き取るのだった。
修道女とはかけ離れた世界に生きてきたデロリスは、修道着を身に着け退屈な毎日を過ごすことになった。ある日のミサで聖キャサリン修道院聖歌隊の歌を初めて耳にする。お世辞にも上手いとは言えない聖歌隊だったが、ある出来事がきっかけで修道院長から聖歌隊の指揮者を任されることになってしまった。
聖歌隊はデロリスの的確なアドバイスでどんどん成長していく。しかし、修道院長はデロリスが楽曲を替え歌にしたり、派手なパフォーマンスを入れたりすることを快く思わなかった。ところがそれとは反して聖歌隊の人気は街中に広がっていった。
映画『天使にラブ・ソングを』 結末・ラスト(ネタバレ)
今まで閑散としていたミサには沢山の人が集い、寄付もドンドン集まるようになった。そして聖キャサリン修道院の聖歌隊の噂も人気もますます広がっていった。そんな時、修道院がテレビで取り上げられることになった。その聖歌隊の人気を聞きつけたローマ法王から、ぜひ、デロリスの聖歌隊の歌を聴きたいと申し出があった。修道院の聖歌隊仲間と歌うことに喜びを感じるデロリスだが、あまり目立つことをするとヴィンスに見つかってしまうぞという警部の忠告も空しく噂を聞きつけたヴィンスに見つかってしまった。
ヴィンスは早速、二人の部下を差し向ける。部下はデロリスと一緒にいたメアリーまでも捕らえ連れ去ろうとする。ここで巻き込むわけにいかないとデロリスは何とかメアリーを逃すことに成功する。修道女たちは捕らえられたデロリスのことを救いたいと全員でヴィンスのアジトに向かう。間一髪のところで警部に助けられ、皆無事に修道院に帰ることができた。そして、ローマ法王が見守る中、『アイ・ウィル・フォロー・ヒム』の歌声が響く。一転、ピアノがリズミカルに流れたかと思うとデロリス、メアリー等がゴスペル風アレンジ曲を披露。ローマ法王も大絶賛し幕を閉じる。
映画『天使にラブ・ソングを』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『天使にラブ・ソングを』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
ユニークなストーリー
ギャングのボス愛人が殺人現場に遭遇して逃げ出すとか、ボスがデロリスを探し出すのにギャングが出したちらしの文句はありえないだろうとクスッと笑える。また、聖キャサリン修道院の修道院長とデロリスの対立やそんな歌のひどい聖歌隊はないだろうという点なども設定がユニーク。ブルースブラザーズがちゃっかり出演しているのもおもしろい。
ゴスペル人気の火付け役
日本ではこの映画がヒットするまではまだ知られていなかったゴスペルだったが、この映画が火付け役になって日本のゴスペルブームがスタートしたといっても過言ではないだろう。このあたりから日本でもゴスペルのグループが結成されている。
修道女たち
聖歌隊にいるさまざまなキャラがコメディ感を増している。特に楽しいことが大好きちょっと太めで歌と踊りを愛するメアリーパトリック、デロリスのことを誰よりも心配するメアリーロバート。最初は弱々しい声しか出せなかった内向的な性格が、歌う喜びを知り最後はソロを任されるまでになる。そして、デロリスの破天荒さが気に入らない修道院長。厳格な性格でいつもデロリスと対立はするものの、最後にはデロリスを信頼し認めるようになる。これらの人々がデロリスを中心に織りなす日常と歌を通じて育む友情と年配のシスターが楽しく歌いメロディを奏でる様子は見ていて楽しくなってくる。
今回の作品では、2と違って歌がメインとなっていて、楽しめる作品になっているなと思いました。協会という厳粛な場に、破天荒な主人公が飛び込む事で、コミカルな世界観へと変わっていく、(いい意味で)そんな楽しい雰囲気のある映画です。協会のゆったりした讃美歌を聞き、物足りなさを感じた主人公が、実際に自分が勤めていたバーで披露していた歌声とアレンジをもって、老若のシスターたちを自分の世界観へとどんどんと引き込んでいき、最後には、自分の事を良く思っていないシスターや、ローマ法王までも、歌をもって共感を得ることに成功するストーリーです。(女性 20代)
讃美歌はいろんな場面で見ていましたが、ゴスペルを知ったのはこの映画が初めてだったのではないかと思います。ウーピー・ゴールドバーグ演じるクラブ歌手のデロリスのパワフルさで、これまで修道院で規律正しい生活を送っていた修道女たちが次第に彼女に影響を受け変わっていきます。特にチャーミングで歌声が素晴らしいメアリー・パトリックとメアリー・ロバートの2人の修道女とのやり取り。これまで無関心だった人々が修道院に関心を持っていく展開も楽しむことができます。
音楽の力を感じることができ、ハッピーな気持ちになれる作品です。(女性 40代)
公開から数十年経っても全く色褪せない名作の一つ。何度も見ているはずなのに、毎回笑えて楽しめる。それに元気をもらえる。常に明るく自由奔放なデロリスのキャラクターが素敵。子供の頃は修道院長の生真面目なところが怖くて苦手だったが、大人になってから見ると彼女の存在が良いアクセントになっていて好きだなと思えた。他のシスター達も皆個性的で、おもしろい。特にふくよかな体型のメアリーの愛嬌が良いところが好きだった。(女性 30代)
笑えて、歌に心を動かされて、最後はほっこりとした気持ちになれるとてもちょうど良いコメディの超名作。歌はもちろんのこと、登場人物たちの人間らしいところが多くの人をこの映画の世界に惹き付ける魅力の一つだろう。マギー・スミスがとても美しかった。音楽は私たちを楽しい気分にさせてくれる時もあれば、悲しい気持ちになったりもする。いっしょに聞く人や場所が違えば同じ歌も違うように感じたりする。音楽の力の凄さを改めて感じた。(女性 20代)
何度観ても面白いコメディ映画で、観ると元気になれます。キャラクターが全員個性的で、使用されている音楽も素晴らしいです。院長役のマギー・スミスが唯一お堅い役どころですがアクセントになっていて最高です。それから耳の遠いピアノを弾くシスターも。
基本的にストーリーはずっとハイテンションですが、緊迫感のあるシーンでもコメディ要素が入れてあり、シスターたちが脅迫するところやカジノに乗り込むところが面白いです。安心して観れるコメディです。(女性 30代)
映画『天使にラブ・ソングを』 まとめ
歌とアメリカジョークと女の園の修道院。カップリングしそうにないものを合わせコメディに仕立て上げた映画だが、確かに修道女と言っても人間。彼女たちの喜怒哀楽がデロリスによって引き出されていく。そして出鱈目ともいえる聖歌隊が手を加えられることによって素晴らしいメロディを奏でていく様は楽しい。また、歌やゴスペルの魅力に引き込まれていく作品。デロリス演じるウーピー・ゴールドバーグの魅力が最大限引き出されたのではないかと思う。ウーピー・ゴールドバーグはこの作品で女優として世界に知られ、女性初のアカデミー賞授賞式の司会を務めた。
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