この記事では、映画『ザ・クラフト レガシー』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ザ・クラフト レガシー』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ザ・クラフト レガシー』の作品情報
上映時間:95分
ジャンル:ホラー、青春
監督:ゾーイ・リスター=ジョーンズ
キャスト:ケイリー・スピーニー、ギデオン・アドロン、ラヴィー・シモーン、ゾーイ・ルナ etc
映画『ザ・クラフト レガシー』の登場人物(キャスト)
- リリー・シェクナー(ケイリー・スピーニー)
- 念力など不思議な力を持つ女子高校生。母の再婚相手のアダム一家と同居。転校初日にティミーにいじめられて落ち込んでいたところを、魔女3人組に助けられて仲良しに。父親は誰だか分からないが、不思議な力は実母の遺伝であることが分かる。
- フランキー(ギデオン・アドロン)
- 魔女3人組のひとり。魔術の儀式では東を担当。小柄で一番よくしゃべる。
- タビー(ラヴィー・シモーン)
- 魔女3人組のひとり。アフリカ系アメリカ人で、儀式では南を担当。指先から炎を出せる。
- ルーデス(ゾーイ・ルナ)
- 魔女3人組のひとり。儀式では北を担当。彼女たちの中で一番大柄なタイプ。
- ティミー(ニコラス・ガリツィン)
- リリーのクラスメート。誰に対しても攻撃的な問題児だったが、魔法で善良な人に変わる。男らしい見た目とは違い、本当は男も女も好きなバイセクシャル。
- ヘレン・シェクナー(ミシェル・モナハン)
- リリーの母。職業はセラピスト。恋人のアダムと結婚を控え同居する。リリーは実の娘ではなく、患者の娘であることを隠している。
- アダム・ハリソン(デヴィッド・ドゥカヴニー)
- ヘレンの再婚相手。アイザイア、ジェイコブ、エイブという3人の息子がいる。父権主義を唱える本「神聖なる男性らしさ」を出版し、全国に支持者がいる。その本性は謎に包まれている。
- ナンシー・ダウンズ(フェアルザ・バルク)
- リリーの実の母。「ザ・クラフト」で魔術に溺れて精神が破綻し、精神病院に入院している。
映画『ザ・クラフト レガシー』のネタバレあらすじ(起承転結)
映画『ザ・クラフト レガシー』のあらすじ【起】
魔術にハマっている高校生3人組のフランキー、タビー、ルーデス。魔女の力を得るため儀式を行うが、四方位の「西」が足りないため、失敗を繰り返していた。
秘められた力を持つ少女リリー・シェクナーは、母のヘレンの再婚相手であるアダム・ハリソン一家との同居を始めたばかり。転校初日、授業中に急に生理になってしまい、いじめっ子のティミーに大声でからかわれて大恥をかく。トイレで大泣きしているところをフランキーたちが助けられた。彼女たちはリリーが魔女のネックレスをしているのを見て、彼女が4人目の魔女だと見抜く。
義父のアダムは父権主義者で、「神聖なる男性らしさ」という自己啓発本を出版して支持者も多かった。リリーは生理の血が付いたジーンズを洗ったのがアダムだと知り、妙な違和感を覚える。
翌日、リリーはしつこく絡んでくるティミーを、念力で突き飛ばした。罰として居残りをさせられるが、彼女だけに聞こえる声に導かれて教室を退出する。3人はテレパシーが届いたことに大喜び。自分たちは魔女だと明かし、4人目になってくれと勧誘するのだった。

映画『ザ・クラフト レガシー』のあらすじ【承】
リリーが加わったことで東西南北が揃い、彼女たちは儀式を行った。「風・火・水・土、戻れ、戻れ」と呪文を唱えると、周りの景色がピタッと静止。魔術を手に入れて喜ぶ彼女たちはティミーの家へ。使用済みコンドームを魔術アイテムに入れて、「隠された良心を目覚めさせよ」と呪文を唱えた。その後も彼女たちは、空中浮遊や炎を操ったり、生徒たちを一時停止したりするなど、あらゆる魔法を楽しむのだった。
リリーはティミーに暴力を振るったことでアダムに叱られる。母が味方にならず落ち込むリリー。末っ子のエイブから、父が怒ったのは愛があるからだと励まされた。
翌日、性教育の授業でふざける男子に対し、ティミーは皆を不快にして不適切だと非難する。まるで別人のような変わり様に、クラス全員が驚くのだった。
リリーたちは変身の術でおめかしをして、ティミーの家のパーティーへ。ティミーはリリーに謝罪し、彼女たちが好きなプリンセス・ノキアの曲を流してフレンドリーに接した。さらに彼は、ウィジャボードで亡き母と交信したことも告白。ティミーと彼女たちは、学校でもつるむほどの仲良しになった。
映画『ザ・クラフト レガシー』のあらすじ【転】
ティミーはリリー宅を訪問。リリーの義兄のジェイコブと宿題をするためと言いながら、リリーたちと遊ぶことを優先した。「1つが嘘」という告白ゲームで、ティミーはジェイコブの兄弟のアイザイアと関係を持ったことを告白する。さらに、彼に無視されて辛いことや、男も女も好きだという複雑な胸の内を明かした。
夕食時、アダムは本来の自分を隠している男は辛い思いをしているのだと、まるで全てを知っているかのように語り始めた。リリーが部屋でティミーのスウェットに恋のおまじないをかけていると、そこに本人が現れる。彼は告白して気が楽になったと言いながら、彼女とキスをした。別れた後、「続きはまた」というメールに喜ぶリリー。真夜中、夢遊病のアイザイアが現れるという奇妙な経験をする。
翌日の教室で、ティミーが昨夜亡くなったことが報告された。フランキーたちが魔術のせいだと嘆いていると、リリーは恋の呪文をかけたことを告白。彼女たちは二重に呪文をかけたのが死んだ原因かも知れないと、リリーを責めるのだった。
アダムは支持者を招いてワークショップを開催。リリーは怪しさを感じながら覗き見をした。
映画『ザ・クラフト レガシー』の結末・ラスト(ネタバレ)
ハリソン家の紋章を見たリリーは悪夢にうなされた。アダムはヤバい人だと気付き、ヘレンに家を出ようと言う。自分が養女だと示す書類を発見し、ヘレンから事実だと知らされてショックを受ける。
ティミーのお葬式で、リリーは思わずヘレンを突き飛ばしてしまった。その様子を見たフランキーたちは、魔術の禁止を決意。4人の写真を封印した。
ヘレンはリリーに、あなたの個性は危険だから呪いを解かせて欲しいと言う。そして、「マノンの名において汝に我が力を授ける」という言葉を復唱させようとした。個性を否定するのはおかしいと気付いたリリーは、それがヘレンに変身したアダムだと見抜く。一方フランキーたちは、ウィジャボードに出たティミーのメッセージで、リリーのピンチを知る。
リリーが目覚めると森の中。アダムはお前の力が欲しいと言い、さらに、お前の実母も最初は抵抗したのだと嘲笑った。襲われかけた寸前、駆けつけたフランキーたちによってリリーは助けられる。しかし、アダムの魔力が勝り、彼女たちは四方八方に飛ばされてしまう。アダムはティミーを殺したのは秩序回復のためだと言い、リリーを火炙りにしようとした。4人はアダムを取り囲むように東西南北に立ち、火の精霊を呼び出してアダムを炎に包んだ。
その後、リリーは3人とお別れ。精神病院に立ち寄り、実母に私はあなたの娘だと告げるのだった。
映画『ザ・クラフト レガシー』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)
「ザ・クラフト」のリブート作品。リブートとは再起動という意味で、世界観は同じで連続性を切り捨てて作られる作品のこと。リリーは前作に出てきたナンシーの娘という設定ではあるが、ナンシーが出るのは最後のワンシーンにちょっと出るだけで、本編で絡みはなかった。ちなみにマノンとは、前作でナンシーが崇拝する悪魔のこと。
物語のテイストも賑やかだった前作とはうって変わり、全体的に落ち着いた雰囲気だった。LGBTのキャラクターが盛り込まれているのも今風。生理ネタがかなりリアルに描かれているので、一緒に見る相手によっては気まずくなるかも知れないのでご注意を。(MIHOシネマ編集部)
前作の雰囲気を継承しつつ、現代的なテーマを加えたのが『ザ・クラフト レガシー』の魅力。LGBTQやフェミニズム、個の尊重など、若い世代が共感しやすいモチーフが多くて良かったです。終盤でリリィが実はナンシーの娘だったと明かされる展開は、ファンとしても興奮しました。ただ、魔術の描写はやや薄く、もっと派手にしてほしかったという思いもありました。(20代 女性)
全体的に雰囲気は良かったけど、物足りなさも感じました。もっとホラーっぽさや魔女の危険さがあってもよかったかなと思います。後半でトランスフォビックな男を敵として設定するのは今っぽいですが、ちょっと説教くさいと感じてしまいました。リリィが母との絆を深めていく部分は感情的で良かったです。前作を知らない人向けな印象。(30代 男性)
現代の魔女映画としてはポジティブで優しいトーンが印象的でした。友情、自己肯定感、選択の自由など、今の10代に向けた強いメッセージがこもっていたと思います。特に、自分の正体を知っていくリリィの成長は母親目線でも心に響きました。終盤でナンシーが登場したときは鳥肌が立ちました!個人的には大満足です。(40代 女性)
昔の『ザ・クラフト』が好きだったのでちょっと期待しすぎたかも。リメイクというより続編という立ち位置だけど、前作のダークで中毒的な魅力が薄れてしまった印象。とはいえ、若い魔女たちが自分たちの力と責任を学んでいく過程はテーマとして共感できる部分も多かったです。魔術がもっと強調されていたら印象も変わったかもしれません。(30代 女性)
全体としてティーン向けのフェミニストファンタジーという印象。魔女たちが女性の連帯を象徴しているところが今風で面白い。ただ、悪役のカルが記号的すぎて、物語の緊張感が薄れてしまったのが惜しい。ラストでナンシーがリリィの母であると明かされるのはシリーズのファンにとって嬉しいサプライズ。メッセージ性は強いが、好みが分かれそう。(20代 男性)
とにかくビジュアルが可愛くておしゃれ!魔法シーンよりも女子4人の関係性や日常の描写にキュンとしました。現代版セーラームーンみたいな雰囲気もあって、ティーン女子にぴったり。終盤の展開は少し急ぎすぎてたけど、全体的にポジティブで優しい魔女像が描かれていて観ていて気持ち良かったです。もっとシリーズ化してほしい!(10代 女性)
物語としてはシンプルですが、「自己肯定」と「多様性」が強く描かれていて今の時代に合っていると感じました。魔法が派手すぎない分、登場人物たちの内面の変化に集中できるのも良かったです。過去作のナンシーを出すことで、作品に厚みが増したのは正解だと思います。ティーンの入門ファンタジーとしては優秀な一作です。(40代 男性)
若い世代向けの優しいホラーという印象でした。魔術による復讐や暴走ではなく、自分たちの力と向き合いながら共に成長する物語にシフトしたのが特徴的。ただ、前作のようなダークで危うい魅力を期待していた自分には少し物足りなかったかも。終盤のリリィと母親の絆の描写にはぐっときました。ナンシーとのつながりも良かったです。(50代 男性)
作品としてはコンパクトで観やすく、テンポも良かったです。前作のように暴走する展開ではなく、友情や信頼の中で魔法を使う流れは新鮮でした。カルの“有害な男性性”を象徴するキャラクター設定は賛否ありそうですが、メッセージとしては明確。エンディングでのナンシー登場は、旧作ファンとして本当に嬉しい瞬間でした。(30代 女性)
映画『ザ・クラフト レガシー』を見た人におすすめの映画5選
ザ・クラフト(1996)
この映画を一言で表すと?
闇と欲望に飲み込まれていく、少女たちの魔女青春ホラー!
どんな話?
転校してきた少女サラが、魔女の力を持つ3人の少女と出会い、4人で“サークル”を完成させる。最初は無邪気だった魔法の力がやがて暴走し、友情は崩壊、破滅へと向かっていく。90年代ティーンホラーの傑作。
ここがおすすめ!
『ザ・クラフト レガシー』の元となった前作。よりダークで刺激的な雰囲気があり、魔法に魅せられた少女たちの心理描写が濃密。特にフェルザ・バルク演じるナンシーの狂気は圧巻で、レガシーとセットで観るとより深く楽しめます。
ジェニファーズ・ボディ(2009)
この映画を一言で表すと?
親友が悪魔に取り憑かれた!? 美と暴力が交錯する女子ホラー!
どんな話?
高校の人気女子ジェニファーが悪魔に取り憑かれ、男子生徒たちを次々と襲うようになる。親友のニーディは、変わってしまったジェニファーを止めようと奔走するが…。友情と狂気が交錯するブラックユーモア系ホラー。
ここがおすすめ!
女子同士の関係性や抑圧、支配、欲望がテーマにあり、『レガシー』に共通する“女の力”の描き方が魅力的。メーガン・フォックスの妖艶な演技も話題に。サブカル好き・フェミニズム視点で映画を楽しみたい方にぴったり!
スリープオーバー(2020)
この映画を一言で表すと?
仲間と一緒なら、どんな夜も特別になる友情アドベンチャー!
どんな話?
ある晩、仲良し4人組の女子たちは、スリープオーバー(お泊まり会)中に母の秘密を知り、スパイ活動へと巻き込まれる。友情、家族、自己発見が交差するガールズ・アドベンチャーコメディ。
ここがおすすめ!
魔女ではないけれど、『ザ・クラフト レガシー』の“仲間と冒険する女子たち”という要素が共通。友情や成長、家庭の問題にも触れつつ、テンポよくポップに進行するので、ティーンムービーとしても楽しく観られます。
スージーQ(2022)
この映画を一言で表すと?
過去と向き合い、未来を変える、霊と少女の交流ファンタジー!
どんな話?
事故死した少女スージーの霊が現代に現れ、今を生きる女子高生と心を通わせていく。時代を越えた友情と心の癒しを描いたファンタジー・ドラマ。優しくも切ないストーリー展開が魅力。
ここがおすすめ!
『ザ・クラフト レガシー』同様、思春期の孤独や仲間とのつながり、自分らしさを模索する少女の姿が印象的。ファンタジー要素がありつつも感情に寄り添う物語が心に残ります。優しい余韻が好きな人におすすめ。
マティルダ(1996)
この映画を一言で表すと?
心優しい少女の“超能力”で世界を変える、夢と勇気の物語!
どんな話?
天才少女マティルダは、理解されない家庭で育つが、ある日、自分に超能力があることに気づく。やがて学校や周囲の大人たちの不正に立ち向かい、自分の居場所を見つけていく。
ここがおすすめ!
魔法や力を得た少女が、自分のためだけでなく周囲を救うという点で、『ザ・クラフト レガシー』と通じるものがある。ダークで不条理な大人社会に立ち向かうマティルダの姿は、観る人に勇気を与えてくれます。幅広い年代におすすめ!
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