映画『ザ・リング リバース』の概要:日本のホラー映画『リング』のリメイク版第3作目。2作目から2年後、呪いのビデオテープを入手した大学教授が、実験と称して学生にコピーした呪いの動画を見せる。ヒロインは恋人を救うべく動画を目にし、呪いを解くために調査へと向かうのであった。
映画『ザ・リング リバース』の作品情報
上映時間:102分
ジャンル:ホラー
監督:F・ハビエル・グティエレス
キャスト:マチルダ・ルッツ、アレックス・ロー、ジョニー・ガレッキ、ヴィンセント・ドノフリオ etc
映画『ザ・リング リバース』の登場人物(キャスト)
- ジュリア(マティルダ・ラッツ)
- ホルトと恋人関係にあり、彼を助けるために呪いのビデオを見る。感受性が高くサマラと通じ合いビジョンを見せられる。サマラに選ばれた存在であり、呪いを受けても殺されない。
- ホルト(アレックス・ロー)
- ジュリアの恋人で大学生。一途な性質で恋人を深く愛している。ジュリアと共にサマラの出生の秘密と呪いを解く調査へと向かう。ジュリアのお陰で呪いから逃れ生き延びる。
- ガブリエル(ジョニー・ガレッキ)
- 大学教授。呪いのビデオとサマラについて研究している。ビデオのコピーを学生に見せ、自身は7日の猶予から逃れる。実験と称してビデオ画像をPC端末に落とし、動画を学生に散布。連鎖を作り上げる。ジュリアの存在に希望を見出し、呪いを解くように頼む。
- バーク(ヴィンセント・ドノフリオ)
- サクラメントバレーの墓地を監視している。実は元司祭であり、サマラの遺体を引き取った人物。少女を誘拐し監禁した後、妊娠させる。サマラの実の父親。
- サマラ(ボニー・モーガン)
- 邪悪の根源で呪いのビデオを作り、人間を呪い殺している。孤児だったが、養父母に引き取られ育てられる。だが、邪悪さを隠し切れず養父母から井戸に突き落とされ7日もの間、生き延びた。遺体は町の墓地に埋葬される。黒髪の長髪。
映画『ザ・リング リバース』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『ザ・リング リバース』のあらすじ【起】
アンティーク市場。2年前に墜落事故にて死亡した青年が持っていたというビデオデッキを発見した大学教授のガブリエルは、デッキの中に入っていたビデオテープを再生し映像を観てしまう。見終わるとスマホに着信があり、少女の声であと7日だと告げられる。
州外の大学に通う恋人ホルトと遠距離恋愛をするジュリアは毎晩、スカイプで会話することで恋人との逢瀬を続けていた。その夜もホルトと連絡を取っていたが、彼の仲間に邪魔をされ特別課題に参加するからと通話を途中で切られてしまう。以降、ホルトと連絡が取れなくなってしまったジュリア。
翌早朝、恋人を心配したジュリアは彼が通う大学へ。寮に行ってみたが、やはり彼の姿はなく充電が切れる寸前のスマホのみを発見する。
時間割にて特別課題を開いた教授ガブリエルの授業へ潜入し、接触を図った。彼はホルトのことを知らないと話し去って行く。その態度に違和感を覚えたジュリアは、ガブリエルを尾行し一般の生徒が入れない研究室へと入り込んだ。
奥の席でガブリエルと女性が口論となっている。どうやらガブリエルは、例のビデオテープを学生に見せ実験を行っているらしい。怒り狂って帰路に就いた女性の後を追い、声をかけたジュリアだったが、女性は協力する代わりにある物を見て欲しいと自宅へ。
女性の自宅にて彼女が準備をする間、女性のスマホにホルトから連絡が入っているのを発見。返事をすると、ホルトは危険を察知しジュリアに映像を観るなと忠告する。彼女は女性を問い詰めたが、家のバスルームに閉じ込められてしまう。直後、時計のアラームが鳴り、女性はテレビから出現した長い髪の女サマラに呪い殺されてしまうのだった。
映画『ザ・リング リバース』のあらすじ【承】
隣室から悲鳴が聞こえ恐怖を募らせるジュリア。バスルームの鍵が開いたため、真っ先に逃げ出そうとしたが、家のドアは内鍵によって施錠されていた。部屋のイスに座り込み、変死体となった女性から鍵を探し外へ出ようとしたところへ、ホルトが駆け付けるのだった。
彼から事情を聞いたジュリアは、ガブリエルが呪いのビデオを学生に見せていることを知る。ビデオを観てからは7日間の猶予があり、その間に動画のコピーを誰かに見せれば助かるらしい。ホルトも実験に参加していたため、猶予はほとんど残されていないと言う。
ジュリアは彼が寝入った後、恋人を助けたいあまりに呪いの動画を観てしまうのだった。
映像によるサマラの呪いは非常に強力で、動画を見た直後から本人を殺そうとしてくる。2人は急いで教授ガブリエルの元へ向かった。ホルト曰く画像を見た後、身体のどこかに痣が出現するが、彼の場合は5日後だった。だが、ジュリアの痣は見た直後に出現している。どうやら呪いの質が変化しているらしい。早くコピーを誰かに見せなければ、ジュリアの命も危ない。
早速、コピーを作成しようとしたが、動画に新たなシーンが加えられておりコピーができない。これは今までに無かったことだ。恐らく、ジュリアは今までの学生達とは何かが違うのだろう。
ガブリエルは元のビデオ動画に何らかの手がかりがあるとみて、ジュリアにコピー前の動画を見せることにした。すると、コピーとは全く違う内容を彼女に見せるのである。そこへ、ガブリエルの元に警察から連絡が入り、事情聴取へ向かうことになってしまう。彼はサマラとビデオ動画についての研究結果をジュリアに渡し、呪いを解く方法を探すよう頼むのだった。
映画『ザ・リング リバース』のあらすじ【転】
サマラが産まれた町サクラメントバレーへ。移動中、ガブリエルの研究結果に目を通した。サマラは生まれた場所も両親も不明の捨て子だった。孤児院から養父母の元へ引き取られた彼女はすくすくと成長するも、養父母はサマラの異様な邪悪さに気付き彼女を井戸へ突き落して殺害しようとする。しかし、彼女は井戸の底で7日もの間、生き延びるのだ。井戸から引き上げられたサマラの遺体は、なぜか町へ埋葬されていた。
町の小さなホテルへ宿を取った2人。ジュリアはフロントに飾られている古い写真を目にし、写っている少女の1人と会ったと話す。だが、ホテルの女主人曰く、少女は30年前に忽然と姿を消し行方不明だということだった。
動画に映っていた町の教会へ向かったが、教会は13年前に発生した洪水により閉鎖され、現在は断酒会の会場として使用されていた。そこで、ジュリアは動画との共通点を見出し、教会の墓地へ。サマラの墓を探すことにする。
一方、事情聴取から戻ったガブリエルは、自宅壁に貼っていた研究資料を回収し紙に残された画鋲跡から、ジュリアに出現した痣が点字だと気付く。彼はホルトへ伝言を送り自分もサクラメントバレーへ向かうことにした。
同じ頃、墓地にてサマラの墓を発見したジュリアは、ホルトと協力して中を暴くことにする。しかし、墓の中に遺体はなく、壁にはジュリアに向けたメッセージが刻まれているだけだった。そこを墓守に発見され、墓地の監視を行っているバークの元へ案内される。彼からサマラの遺体がなぜ町に埋葬されたのかを聞いた。だが、そのせいで町を洪水が襲ったため、遺体を町の北にある共同墓地へ移したと言う。バークはジュリアがサマラに選ばれた者であることを知っていたが、墓を暴くのはやめた方が良いと忠告するのであった。
北の共同墓地へ向かっている途中、事故が発生したため、道路が封鎖されている。ジュリアは姿を消した少女の幻影に導かれ、橋の下に転落したガブリエルを発見する。彼は倒壊してきた電柱の下敷きとなり、感電して亡くなってしまうのだった。
映画『ザ・リング リバース』の結末・ラスト(ネタバレ)
ホテルへ戻って来たジュリアは、サマラの苦しみをより深く感じるようになる。彼女はスマホに保存した動画を新たに見直し、教会へ向かうことにした。その頃、ホルトは食事の調達へ向かい、ホテルの女主人から行方不明になった少女のことを聞くのだった。
教会へ侵入したジュリアは、気になっていた鐘の下に空間があることを察し、床材を剥がす。すると案の定、地下室を発見。中へ下りるとそこには、誰かが生活していた痕跡があった。恐らく、行方不明になった少女をこの場所に監禁していたと思われる。奥の部屋はベッドルームで、手かせと足かせがあり壁には日にちを刻んだ跡とサマラという名前が刻まれていた。少女は地下室に監禁され妊娠した後、サマラを産み落としたのだろう。
その頃、女主人から話を聞いていたホルトは、サマラの遺体を引き取った司祭が実は盲目となったバーグであることを知る。彼は急いでバーグの元へ向かった。
同じく、バーグの元を訪れたジュリアは、彼が少女を誘拐しサマラを生ませた父親であることを知るが、バーグは彼女を暴行し真実をもみ消そうとする。ジュリアは彼の言動に憤り、隙を突いて階段から突き落とした。
その後、ジュリアはサマラにビジョンを見せられ、埋め立てられた壁をぶち抜く。予想通り、そこにはサマラの遺骸があった。ジュリアはこれでサマラを苦しみから解放してあげられると思ったが、そこへ意識を取り戻したバーグが現れジュリアに襲い掛かる。
彼女の手から滑り落ちたスマホに井戸が映し出される。サマラはそこから大量の虫と共に現れ、ジュリアを殺そうとするバーグを呪い殺すのであった。
その後、辿り着いたホルトと共にサマラの遺骸を火葬。2人はこれで呪いが終息すると安堵し、帰路に就いた。
翌朝、シャワーを浴びたジュリアは、手の平の痣が完治し薄皮が向けているのを発見。直後、喉の奥から長い髪の毛を排出し、この後に起こる現象を予感し慄いた。
同じ頃、目覚めたホルトは自分のスマホにガブリエルからの伝言を見つけ、ジュリアの痣を点字翻訳。すると、そこにはリバースという言葉が現れ、PCが勝手に起動し呪いの動画が彼のアドレスを通じて、大量配信されてしまう。
サマラの最終的な目的は、ジュリアの身体を乗っ取って生まれ変わり、自らの呪いを世界へ散布することにあったのだった。
映画『ザ・リング リバース』の感想・評価・レビュー
日本を代表するホラー映画『リング』のリメイク版第3作目。原作者の鈴木光司にこれぞ原点回帰だと、太鼓判を押されるほどの作品である。1作目からの流れを汲み、ビデオテープから現代に合わせて映像が動画に進化している。
日本映画に比べさほど恐怖を感じなかったが、ミステリアス度はかなり高く呪いの強さがより進化し、恐怖感を煽る演出がされている。物語の終盤、サマラがジュリアを選んだ目的が明らかになり、全てはこれを狙った計画的なものであったことが分かる。(MIHOシネマ編集部)
日本の大人気ホラー映画『リング』のハリウッドリメイクシリーズ『ザ・リング』3作目となる今作は日本版の『リング』に登場する「呪いのビデオ」を感じさせる正統派な内容で、リメイク版に批判的な人も楽しめるのではないでしょうか。
ホラーというよりもミステリー的なストーリーなので怖さはそれほどありませんが、序盤で疑問に感じていた伏線がしっかりと回収されていく展開は物凄くすっきりさせてくれました。(女性 30代)
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