この記事では、映画『ちはやふる 上の句』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『ちはやふる 上の句』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。
映画『ちはやふる 上の句』 作品情報
- 製作年:2016年
- 上映時間:111分
- ジャンル:青春、ラブストーリー
- 監督:小泉徳宏
- キャスト:広瀬すず、野村周平、真剣佑、上白石萌音 etc
映画『ちはやふる 上の句』 評価
- 点数:70点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★☆☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ちはやふる 上の句』 あらすじネタバレ(起承転結)
映画『ちはやふる 上の句』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ちはやふる 上の句』 あらすじ【起・承】
人気モデルの妹で、高校でも入学早々美人としてもてはやされ有名な綾瀬千早。だが誰もが振り返るきれいな外見とは異なり、行動はガサツでかるたバカ。
高校入学を機に、かるたの仲間を作るためにかるた部を作ろうと奔走する。
新しい部を設立するためには最低5人の部員が必要なのだが、全く人が集まらず困っていたところで見つけたのが、幼馴染の真島太一だった。
太一とは小学生の頃からの幼馴染で、福井から転校してきていた綿谷新と三人で競技かるたのチームを組んでいた。
だが、三人は小学校卒業と同時に、新は福井へ、太一は私立の進学校へ、ばらばらになってしまっていた。
太一は千早が進学すると聞いて都立瑞沢高校に進学したのだ。当然千早は太一を勧誘するが、太一は断る。しかし「今度の大会でA級になったらかるた部に入って」と言われ、結果千早はA級に昇進し、熱意に負けて入部することになった。
その後、かるた経験者の「肉まんくん」こと西田優征や、日本の伝統文化、特に和歌を愛する大江奏、勉強ばかりで机にかじりつき孤立していた「机くん」こと駒野勉の三人が新たに入部し、かるた部は正式に部として認められた。
未経験者が二人いることもあり、また団体戦はチームワークが勝利の鍵となるので、夏の高校選手権に向けて千早や太一が入っているかるた会の白波会にも協力してもらい、激しい練習が続く。

映画『ちはやふる 上の句』 結末・ラスト(ネタバレ)
ついに迎えた高校選手権東京都予選大会。
瑞沢かるた部は順調に勝ち進んでいた。勝つため、強い選手と弱い選手を当て、チームの主力三人を弱い選手に当たらせることは作戦の一つなのだが、ここまで一度も勝てていない机くんは「自分は所詮人数合わせ」と感じ、試合を放棄しようとする。
そんな彼を一番気にかけていたのは太一だった。太一は千早のように本気でかるたが好きというわけでもなく、「千早を好き」という思いからかるたを続けていた。
昔小学校のかるた大会で強い新に勝とうと、目が悪い新の眼鏡を隠してずるをしてしまった。千早にかっこわるいところを見せたくないという思いからだったが、今でもその時のことを恥じ、「あの時かるたの神様に見放された」と思い、ここぞという時に運が悪く、苦しい思いもしてきたがかるたを続けているのだ。
それは、「青春ぜんぶ懸けたって新より強くはなれない」と卑屈になっていた太一に、かるたの師である原田先生が言った「(青春を)懸けてから言いなさい」という言葉があったから。
机くんは心を閉ざし、決勝戦も戦うことなく座っていた。ところが、千早が払った札が机くんの頬をたたく。これまで5人の仲間で努力してきたことを思い出し、気持ちを切り替える。
ようやくチームが一丸となり、負けそうになっていたのを巻き返し始める。
ところが、太一が勝てば優勝するというところで運命戦に。運命戦とは自陣と敵陣に一枚ずつ札が残っていること。自陣は詠まれたら押さえるだけなので圧倒的に有利だが、太一は今まで運命戦で勝ったことが一度もない。
ここで太一は開き直り、敵陣を攻めに行くと決める。結果、太一の攻めの姿勢に焦った相手がお手つきをしてしまい、瑞沢が勝利する。
映画『ちはやふる 上の句』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ちはやふる 上の句』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
原作を読んでいなくても楽しめる
原作の『ちはやふる』は大人気コミックで、30巻以上続いている。
こういう原作ありきの映画は、たった二時間に原作通りのストーリーをおさめるのは難しく、改変されがちなのだが、この作品に関しては作品の改変というか、ストーリーの入れ替えが上手く機能していて分かりやすくなっていたと思う。
「競技かるた」という一般にはルールさえわからないものをテーマにしているので、とっつきにくいかもしれないが、漫画『ヒカルの碁』がそうだったように面白い作品はルールなんてわからなくても、百人一首を百首暗記していなくても面白い。その部分は原作と同様だった。
批判の多い少女漫画原作の実写映画化の中でも成功例
ここ数年の邦画は特に漫画原作の実写化作品が多く、特に中高生をターゲットにした少女漫画の実写化は酷評されてきた。海外の映画批評家には呆れてため息をつかせるほど最近の作品は酷い。
そんな中でヒットしたからといっても大差はないのかもしれないが、『ちはやふる』は成功したといっていいと思う。
主演の広瀬すずをはじめ、原作からのファンにはキャスティングが非難されたが、実際観た人の評判はいい。少女漫画とはいっても、スポーツとかわらない競技かるたをテーマとしているスポ根だし、恋愛要素は少ない。ストーリーは「かるたバカ」のちはやや新のような天才型と、才能はないけれど努力で上を目指す太一たちの比較により、才能には恵まれないけれど青春をかけて努力する太一らの成長にかなり焦点をあてた人間ドラマになっていて、いい意味で期待を裏切られた。
広瀬すず、野村周平、真剣佑が出演する今作。彼らの人気が出始めた頃の作品なので、彼らのイメージが定着しておらずそれが良い意味で作品のキャラクターに反映されて違和感のない世界観を見せてくれたのかなと思います。
競技かるたと言う、あまり馴染みのないジャンルをテーマにしていますが原作を読んでいなくても、知識が無くても全く問題ありません。むしろ、まっさらな心で入った方が作品の雰囲気に飲み込まれやすく、より楽しめるのではないかと思います。
上の句と下の句はセットで見るのがオススメです。(女性 30代)
広瀬すずさん演じる千早の熱量がスクリーンから飛び出してくるような作品でした。競技かるたという地味と思われがちな題材を、ここまで熱く青春ドラマに仕立てた演出に脱帽。特に太一と新の関係性が胸を打ちました。友情、恋愛、夢への情熱が交差する中で、千早がかるたを通して仲間と繋がっていく姿に感動しました。(20代 男性)
競技かるたの世界にまったく縁がなかった私でも、すぐに引き込まれるほどの熱い青春映画でした。部活の結成から仲間集め、練習、対戦、そして挫折と成長…すべてが丁寧に描かれていて、まるで自分がその一員になったような感覚でした。特に、太一の複雑な感情には共感しすぎて涙が出ました。(30代 女性)
原作ファンとして不安もありましたが、映像化された『上の句』は素晴らしかった!広瀬すずの千早はビジュアルも演技もイメージ通りで、他のキャストも絶妙。特に、かるたの試合シーンの緊迫感と音の使い方が秀逸で、スポーツ映画さながらの迫力がありました。何度もリピートしたくなる青春作品です。(10代 女性)
若いキャスト陣のエネルギーが素晴らしく、まさに“青春”という言葉がぴったりの映画でした。かるたという題材の奥深さと、それに懸ける若者たちの純粋な情熱に胸が熱くなります。なかでも、仲間との衝突や葛藤を経て成長していくプロセスが非常にリアルで、自分の学生時代を思い出しました。(40代 男性)
娘に誘われて観たのですが、想像以上に良かったです。競技かるたの奥深さと、それを通じて築かれる友情や絆の描写が心に残りました。スポーツものとしても青春映画としても質が高く、特に試合中の手の動きの描写などがとてもリアル。中年世代でも感動できる良作です。(50代 女性)
千早の真っすぐな情熱と、それに巻き込まれていく仲間たちの姿に、久々に胸が熱くなりました。特に太一の立場や心の葛藤には強く共感しました。友情と恋、夢と現実の狭間で揺れる高校生たちのリアルな感情が丁寧に描かれていて、どの世代でも響くと思います。(30代 男性)
学生時代の部活熱がよみがえってくるような感覚でした。キャラの個性がしっかり描かれていて、特に机くんの努力家な一面が印象的。競技かるたの試合が意外にも白熱していて、画面から目が離せませんでした。続編を観たくなるラストの引きも見事です。(10代 男性)
競技かるたが舞台ということで地味かな?と思いきや、まったくそんなことはなく、テンポもよく映像も美しかったです。特に和歌の持つ意味や情緒を重んじつつ、現代的な青春要素をバランス良く融合させている点が見事。女性としては恋愛模様もキュンときました。(20代 女性)
とにかく広瀬すずの千早がハマり役。かるたという静の競技を、ここまで動的に映像化した監督の手腕も見事。仲間集めのシーンも王道ながら感情をしっかり乗せていて、泣き笑いのバランスがちょうどいい。太一、新との三角関係も青春ならではの切なさがありました。(40代 女性)
映画『ちはやふる 上の句』を見た人におすすめの映画5選
桐島、部活やめるってよ
この映画を一言で表すと?
高校生たちの揺れる青春が重層的に描かれる青春群像劇!
どんな話?
突然「桐島」が部活をやめたことで、校内のバランスが崩れ、さまざまな生徒たちの内面や関係性が浮き彫りになっていく。視点が多重に展開され、青春のリアルを捉える。
ここがおすすめ!
若者の心理の機微や社会の中での立ち位置への葛藤がリアル。『ちはやふる』同様に、部活を軸にした人間関係のドラマが魅力で、それぞれの視点に共感しながら観られる作品です。
君に届け
この映画を一言で表すと?
ピュアな恋と友情が交錯する、青春ラブストーリーの名作!
どんな話?
見た目が暗くて周囲から誤解されている爽子が、クラスメイトたちとの関わりの中で少しずつ心を開いていく。特に風早との恋模様は、じれったくも温かい展開。
ここがおすすめ!
「人とつながることの大切さ」を描いた心温まる物語。ちはやふるの中の恋愛や仲間との関係に感動した人なら、間違いなく心を打たれます。広瀬すずファンにもおすすめ。
青春100キロ
この映画を一言で表すと?
走りながら見つけていく、自分と仲間との絆の物語。
どんな話?
不良少年たちが更生プログラムとして参加する100キロマラソン。走る中で、過去の傷や人との関係性に向き合っていく。汗と涙の青春ロードムービー。
ここがおすすめ!
スポーツや目標を通じて人と繋がる感覚、『ちはやふる』の部活要素に共通。一人ひとりが成長していく姿がリアルに描かれていて、心を打たれます。観終わった後、何かに挑戦したくなります。
響 -HIBIKI-
この映画を一言で表すと?
天才女子高生作家の異端な生き様に惹きこまれる衝撃作。
どんな話?
文芸部に所属する高校生・響は、驚異的な文才を持ちながらも協調性ゼロ。しかし、彼女の書いた小説が文壇に衝撃を与え、周囲の人間関係も動き出す。
ここがおすすめ!
“好き”や“得意”をとことん突き詰める姿勢は、千早のかるたへの情熱と重なる。自分の信念を貫く姿に勇気をもらえる作品です。主演・平手友梨奈の圧巻の演技も必見。
リトル・フォレスト
この映画を一言で表すと?
自然の中での静かな時間が心を癒す、スローライフ映画。
どんな話?
都会の暮らしに疲れた女性が、故郷で自給自足の生活を送りながら、季節の移ろいの中で自分を見つめ直していく。料理と自然、心の再生がテーマ。
ここがおすすめ!
競技かるたの熱狂とは真逆だけれど、“自分と向き合う”という点では通じるものがあります。観終わった後の余韻が深く、自然と向き合う描写が美しくて癒されます。青春の別のかたちを体感できる映画です。
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