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映画『特捜部Q Pからのメッセージ』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』の概要:未解決事件を扱う特捜部Qに、新たな事件が舞い込んできた。退役軍人の男が浜辺で瓶を見つけ、警察に届けた。その瓶の中には、何者かに誘拐されて助けを求める手紙が入っていた。特捜部Qは事件の捜査を開始した。

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映画『特捜部Q Pからのメッセージ』の作品情報

特捜部Q Pからのメッセージ

製作年:2016年
上映時間:112分
ジャンル:ミステリー
監督:ハンス・ペテル・モランド
キャスト:ニコライ・リー・コス、ファレス・ファレス、ポール・スヴェーレ・ハーゲン、ヤコブ・ウルリク・ローマン etc

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』の登場人物(キャスト)

カール・マーク(ニコライ・リー・コス)
特捜部Qに所属している刑事。無骨な性格で、人と接するのが苦手。神を全く信じていない。
アサド(ファレス・ファレス)
特捜部Qに所属している刑事。人当たりが良い性格。神を信仰している。ある事件で心に傷を負ったカールを心配している。
ヨハネス(ポール・スヴェーレ・ハーゲン)
本名はトマス。狂信的な母親に育てられる。レベッカという名の姉がいる。レベッカは母親に薬品を掛けられ、失明している。ミア・ハンスンと付き合っている。
イーリアス(ヤコブ・ウルリク・ローマン)
「神の弟子」の信者。妻のラーケルと、2人の子供(マウダリーナとセームエル姉弟)と一緒に暮らしている。

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』のあらすじ【起】

未解決事件を扱う特捜部Qに、新たな事件が舞い込んできた。退役軍人の男が浜辺で瓶を見つけ、警察に届けた。その瓶の中には紙が入っており、血のような物で何かメッセージが書かれていた。特捜部Qのアサドはその紙を研究所に送り、解析することにした。その頃、アサドの上司であるカールは、ある事件が原因で心を病んでいた。疲れ果てた様子で何もせず歩き回るだけだったため、課長に休職を命じられていた。アサドはそんなカールを心配し、自宅まで様子を見に行った。

瓶は長い間海の中にあり、藻が付着して6~7年経過していた。文字は船のタールで書かれており、紙には大量の血液が付着していた。差出人はPから始まる人物で、解読できる文章から子供が書いたものであることが分かった。アサドは手紙を読み解き、男性に誘拐され、エホバが救ってくれると書かれているのではないかと予想した。つまり、子供は「エホバの証人」である可能性が高かった。しかし、過去10年の間に、国内で誘拐された子供の名前にPの付く者はおらず、「エホバの証人」でもなかった。

アサドはカールを連れ、研究所を訪れた。そこで、手紙には「ここに他の子供達もいた」と書かれていたことが分かった。2人は学校を訪れ、「エホバの証人」で虐待された子がいなかったか尋ねた。教師からはトレクヴェの名前が挙がった。トレクヴェは両親の意向で中退していた。しかも、両親は宗教活動のために、子供達はオーストラリアへ行ったと証言していた。カールは教師が「子供達」と言った言葉が気にかかった。教師はトレクヴェにはポウロ・ホルトという名の兄がいたことを話した。

ポウロ兄弟の両親は睡眠薬を大量に飲み亡くなっていた。宗教儀式の一環だったと見られているが、カールはそれに異を唱えた。「エホバの証人」は薬を使って儀式をすることはなかった。アサドはいつもの調子を取り戻しつつあるカールの様子を嬉しそうに眺めた。

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映画『特捜部Q Pからのメッセージ』のあらすじ【承】

トレクヴェに会いに行くが、若い男女と劣悪な環境で暮らしていた。話を聞こうとするが、トレクヴェはカール達のことを拒んだ。ただ、ポウロは出て行ったと証言した。カール達は外で待ってみることにした。しばらくするとトレクヴェが現れ、手紙を見せて欲しいと頼んできた。

トレクヴェは腐った海草と海水の臭いがする場所に、兄と一緒に監禁されていたことをカール達に話した。その時、連続的な金属音を聞いていた。トレクヴェは誘拐犯がポールをハサミで殺す場面を見せられていた。親に話せばエホバに罰せられると脅されており、誰にも言うことができなかったのだ。

瓶が投げ入れられた場所を予想して捜査を行おうにも、範囲が広すぎた。そんな時、特捜部Qにビヴォー署からスカルス付近で子供の誘拐事件が起こったと連絡が入る。そこは「神の弟子」の教区だった。アサドは自分達で捜査がしたいと訴えるが、課長は認めてくれなかった。そこで、カールは親戚に会うための休職の延長を頼んだ。課長は嘘だと分かっていながら許可した。

カール達は連絡をくれたビヴォー署のリーサ刑事と共に、子供達がいる家庭に聞き込みを行った。子供が誘拐されたにも関わらず、未だに捜索願は出ていなかった。マウダリーナとセームエル姉弟の親であるイーリアスに話を聞きに行った。すると、子供達は留守にしておりスウェーデンの叔母のところに行っていると言われる。しかも、異教徒のアサドが家の中に入ることを強く拒んだ。家の中ではイーリアスの妻のラーケルが、子供達が誘拐されたことを嘆いていた。

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』のあらすじ【転】

カールは子供達が宗教の祝日に誘拐されていることに気づく。秘書のローセに連絡を入れると、2008年12月に「キリストの家」の信者である2人の娘が、行方不明になった事件のことを教えられる。夜に親は通報を撤回し、末娘以外の家族は全員タイへ移住していた。

イーリアスが年金積立や親の預金などを掻き集めていることが分かった。カール達は話を聞きに行った。最初はカール達を拒んだイーリアスだったが、ラーケルは子供達のためならとカール達を受け入れた。イーリアス夫妻は犯人の心当たりがあった。それは夫妻の知人で教団の伝道師と名乗るヨハネスという名の男だった。イーリアス夫妻は金を渡せば子供は返す、誰かに言えば殺すと言われていた。身代金の受け渡し場所である列車に、警察も同乗するとカールは伝えた。イーリアス夫妻が強く拒んだため、カールと口論になってしまう。アサドは仲裁すると、犯人を止めないと子供達が犠牲になると諭してイーリアスに選ばせた。苦渋の選択の末、イーリアス夫妻は警察に協力を求めることにした。

身代金の受け渡しの列車に警官も同乗した。そして、ヘリコプターが列車を追跡した。イーリアスはヨハネスに電話で、金が入ったバックを森の中に捨てるよう指示される。ヨハネスは金を受け取っても、子供を返すつもりはなかった。イーリアスは鞄を投げた後、自身もドアから飛び降りた。森の中だったため、ヘリコプターは追跡できなかった。車で列車と並走していたカールは、急いでイーリアスの元に向かった。

イーリアスはヨハネスに会い、ハサミで刺されてしまう。カールは必死に車で逃走したヨハネスを追い、銃を撃って怪我を負わすが逃げられてしまう。アサドはイーリアスに駆け寄った。現場で、カールは「ベッカ」と書かれた女性の写真を見つける。その後、イーリアスは病院に搬送された。ラーケルは夫に怪我を負わせ、子供を救えなかったカールを責めた。強く握り締めるカールの手は、昔負った怪我の後遺症で震えていた。

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』の結末・ラスト(ネタバレ)

カールはヨハネスから電話を受け、お前のせいで子供が死ぬと責められる。ショックを受けるカールだったが、電話から聞こえてきた音からヨハネスが病院内にいることに気づく。すぐに建物を封鎖するよう指示し、イーリアスの病室に向かった。一足遅く、イーリアスとラーケルは襲われてしまっていた。アサドは必死にイーリアスの言葉を聞き、ヨハネスが白衣を着ていたことを理解する。そのことをカールに伝えた。カールは駐車場で怪我を負ったパスゴー刑事を発見する。

アサドは連絡が取れないカールを探し、パスゴー刑事が運転している車を発見する。パスゴー刑事は手とハンドルを紐で結ばれ、無理矢理運転させられていた。しかも、彼の首からは血が噴き出していた。パスゴー刑事が乗った車は、運悪くやって来た車にぶつかってしまう。その頃、カールはヨハネスに誘拐されていた。

監視カメラを確認すると、不審な車が病院から1台出て行ったのが分かった。所有者はミア・ハンスン。アサドは急いでミアの家に向かった。しかし、ミアは殺されており、遺体があるだけだった。その時、アサドはローセから連絡をもらい、トレクヴェが聞いていた金属音が風力発電機の音だと教えてもらう。アサドはミアの家を確認し、「ベッカ」と書かれた絵を見つける。

アサドはレベッカ・ヘンレクスンに会いに行った。レベッカは目が見えなかったため、警察手帳を渡して刑事であることを教えた。レベッカの弟はトマスという名前だった。製薬会社のCEOで、レベッカの家もトマスが買った物だった。アサドは子供の誘拐事件のことを教え、トマスが犯人ではないかと尋ねた。レベッカの脳裏には、母に薬品を掛けられて目に怪我を負ったこと、そんな母にトマスが仕返ししたことが浮かんだ。レベッカから情報をもらい、北海の沿岸に船小屋を所有していることが分かった。

トマスはカールに、母を殺してから悪魔の子になったと語り出した。子供を攫っているのは、家族を苦しめ神への信頼を失わせるためだった。トマスはカールの信仰心を奪おうとしていたが、そもそもカールは神を信仰していなかった。トマスはセームエルを水に沈めて苦しめた。カールは必死にトマスに、殺すなら自分にしろと呼びかけた。しかし、トマスは止めず、セームエルは水に沈んでしまう。次にマウダリーナにハサミを握らせ自分を殺させようとするが、マウダリーナは動こうとしなかった。その時、ヘリコプターの音が聞こえてきた。

トマスが外に行った隙に、カールはマウダリーナに自分の拘束を外させた。自由になったカールは水に沈んでいたセームエルを救出し、必死に人工呼吸を行った。アサドはカールの無事を確認した後、トマスを探しに行った。海でトマスに襲われるが、必死に反撃して倒した。セームエルは無事に息を吹き返した。

カール達はトレクヴェと共に、ポウロの葬儀を行った。カールは讃美歌を歌おうとするが、涙が浮かんで歌うことができなかった。マウダリーナ姉弟は、無事だった母親と共にいた。カールはアサドに感謝の言葉を伝えた。

映画『特捜部Q Pからのメッセージ』の感想・評価・レビュー

信仰と共に家族の愛を考えさせられる作品だった。犯人になったトマスのように、行き過ぎた信仰は子供の心を歪ませてしまうのだと思う。難しいテーマだが、コメディ要素がほとんどない作品だからこそ、登場人物達の心情をじっくり考えながら見ることができるので良かった。ぶっきら棒なカールと彼を心配するアサドの関係も少しずつ距離が近づいており、上司から相棒と言える関係になっていると思う。次作も見たいと思えるほど、満足できる作品だった。(MIHOシネマ編集部)

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