映画『遠い夜明け』のネタバレあらすじ結末 | MIHOシネマ

「遠い夜明け」のネタバレあらすじ結末と感想

遠い夜明けの概要:1970年代後半の南アフリカ共和国で、アパルトヘイトに抵抗しつつ、黒人自身の自立を訴え続けた黒人活動家のスティーヴ・ビコ。そのビコの友人で白人ジャーナリストのドナルド・ウッズが出版した伝記小説『ビコ』を原作とした社会派のヒューマンドラマ。ウッズ夫妻は、本作の製作顧問も務めている。

遠い夜明けの作品情報

遠い夜明け

製作年:1987年
上映時間:158分
ジャンル:ヒューマンドラマ、伝記
監督:リチャード・アッテンボロー
キャスト:ケヴィン・クライン、デンゼル・ワシントン、ペネロープ・ウィルトン、ジョゼッテ・シモン etc

遠い夜明けの登場人物(キャスト)

ドナルド・ウッズ(ケヴィン・クライン)
南アフリカ在住のジャーナリスト。新聞社の編集長を務めている裕福なリベラル派の白人。会う前はビコのことを過激な白人差別主義者だと誤解していたが、実際に交流を始めてからは彼の友人となり、ビコの活動を支持する。
スティーヴ・ビコ(デンゼル・ワシントン)
南アフリカのアパルトヘイト抵抗運動活動家。単に白人の差別を憎むのではなく、黒人自身が劣等感から脱却する努力をして、黒人であることに誇りを持つべきだと考えている。妻と幼い2人の子供がいるが、警察の拷問によって31歳の若さで死亡する。
ウェンディ・ウッズ(ペネロープ・ウィルトン)
ウッズの妻。ウッズとの間に5人の子供がいる。南アフリカ生まれの白人だが、黒人のメイドに対しても非常に優しく、子供たちもメイドに懐いている。家族を大切にしている。
クルーガー警視総監(ジョン・ソー)
南アフリカの警視総監。黒人に対しても理解を示すリベラル派を装っているが、実は極端な差別主義者で、黒人の活動家を次々と不当逮捕する。
マペトラ(ジョン・マッシキッザ)
ビコの友人の活動家。ウッズの紹介で、新聞社の報道部に就職する。警察に不当逮捕され、拘留中に命を落とす。
テンジー(ワーバイ・サイヨール)
ビコの友人の女性活動家。マペトラと同じく報道部に就職し、警察に不当逮捕される。
カニ神父(ゼイクス・モカエ)
ウッズの亡命を助けてくれる黒人神父。聡明で行動力もある。

遠い夜明けのネタバレあらすじ

映画『遠い夜明け』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

遠い夜明けのあらすじ【起】

南アフリカのケープタウン郊外にある黒人居住区。1975年11月24日の未明、警察は何台ものトラックを連ねてこの居住区に突入し、逃げ惑う人々に襲いかかる。警察側は公衆衛生上の見地から不法居住区に実力行使を仕掛け、労働許可証を持たぬ住民は自ら出頭したと発表していたが、実際は無抵抗な人々を撲殺し、彼らの生きる場所を奪っていた。これが、アパルトヘイト(人種隔離政策)を推し進める南アフリカの現実だった。

アパルトヘイト抵抗運動活動家のスティーヴン・ビコは、人種憎悪を先導する危険分子として、警察の拘束身分になっていた。ビコは拘束地域から出ることを許されず、24時間体制で警察に監視されていた。

新聞社の編集長をしている白人のドナルド・ウッズも、ビコは白人差別主義者だという記事を書く。この記事を読んだビコの友人の黒人女性医師は、新聞社までやってきて、記事の訂正を求める。「彼に直接会えばわかる」という女性医師の言葉に好奇心をそそられたウッズは、彼女の案内でビコとの面会に出かける。

ビコは教会の裏庭にある離れで、ウッズをにこやかに迎えてくれる。ビコは若いのに落ち着いており、過激な活動家のイメージからはかけ離れた人物だった。ビコは黒人が運営する黒人のための病院をウッズに見せ、黒人にとって問題なのは白人の差別よりも自分たちへの劣等意識だと説明する。ビコはできるだけ黒人が誇りを持って働ける場所を作り、黒人側の意識を変えていきたいと思っていた。

ビコに興味を抱いたウッズは、彼の案内で黒人居住区を訪れる。ウッズは41歳になるが、黒人居住区へ足を踏み入れるのは初めてだった。そこは想像以上に劣悪な場所で、ウッズは、ここで生まれてここで生きるしかない黒人の絶望感を肌で感じる。それでも、ビコは良くなることを諦めておらず、黒人たちの希望の光になっていた。

遠い夜明けのあらすじ【承】

ウッズはビコの考え方に賛同し、黒人のマペトラとテンジーを報道部で雇ってもらう。白人の社員たちは戸惑っていたが、ウッズはすぐに慣れると思っていた。

サッカー大会を装った不法集会で演説したビコは、拘束地域を出て人種憎悪を扇動した罪で、警察に逮捕される。しかし、ビコは警察の取り調べでも毅然とした態度を崩さず、自分を殴った警察署長を殴り返す。裁判でも、白人の判事と対等な議論を繰り広げ、暴力による反抗ではなく、黒人が努力して正当な地位を得ることが大事だと主張する。裁判を傍聴していたウッズの妻のウェンディも、ビコの人間性に感心する。

このビコの態度に腹を立てた警察署長は、覆面をした部下と共に夜の教会を襲撃し、教会内をめちゃくちゃに破壊する。目撃者の証言により、犯人が警察署長であると知ったウッズは、プレトリアまで出かけてクルーガー警視総監にこの事実を訴える。クルーガー警視総監はウッズの忠告に感謝し、徹底的な調査を約束してくれるが、それは真っ赤な嘘だった。

クルーガー警視総監の指示により、ウッズは警察から「目撃者の名前を明かさないと逮捕する」と脅される。警察はビコの自宅にも押しかけ、反政府書類を隠している容疑で家宅捜索をする。ウッズとビコは賢く対応し、裁判にも勝利するが、警察はさらに過激な方法で彼らを追い詰めていく。

報道部で働いていたマペトラとテンジーは不当逮捕され、マペトラは拘留中に命を落とす。警察はマペトラが独房で首をくくったと発表していたが、彼が殺されたことは明らかだった。大事な仲間を殺されたビコは、危険を承知で、ケープタウンで行われる黒人学生の集会へと向かう。

1977年8月18日、ビコの乗った車は警察に止められ、自分の正体を明かしたビコは逮捕される。同年9月11日、ビコは拷問により重度の脳障害を起こし、夜中に医者が呼ばれる。医者はすぐに近くの病院へ搬送するべきだと言うが、警察は1100キロ先にあるプレトリアの警察病院に搬送すると決め、危篤状態のビコを護送車に乗せる。日付が変わった9月12日未明、ビコの死亡が確認される。ビコはまだ31歳だった。

遠い夜明けのあらすじ【転】

クルーガー警視総監はテレビの取材に対し、ビコの死因はハンガーストライキによるものだと発表する。ウッズはビコの妻とカメラマンと共に遺体安置所へ行き、肉親は死者に会う権利があると主張して、ビコの遺体と対面する。ウッズは検視官の目を盗み、ビコの遺体写真を撮影させておく。ビコの遺体には、明らかな暴行の跡があった。

ビコの葬儀には2万人以上の黒人が集い、ビコが愛した『アフリカの歌』を合唱して彼の死を悼む。その中には、ウッズ夫妻と数名の白人の姿もあった。

ビコの死後、今度はウッズが危険分子として警察にマークされる。警察の嫌がらせは自宅にまで及び、ウッズの家族も危険にさらされる。ウッズはクルーガー警視総監の嘘を暴くため、アメリカでビコの死の真相を暴露することに決める。

1977年10月19日。渡米のために空港へ向かったウッズは、その場で保安警察に身柄を拘束される。警察は、今後5年間ウッズを拘束身分とすると告げ、細かい拘束事項を説明する。ウッズは、生前のビコと同様に24時間体制で警察に監視され、拘束地域を出ることや文章を書くことまで禁止される。カバンに入れていたビコの遺体写真も、警察に没収されてしまう。

ウッズの相談に乗ってきた黒人のカニ神父は、ビコについて書いた原稿を持って、海外へ亡命するようアドバイスする。この原稿にはイギリスの出版社が興味を示してくれていたが、出版された時にウッズが南アフリカにいると、反逆罪で逮捕されるのは明白だった。

ウッズはウェンディに、亡命してビコの本を出版したいと打ち明ける。ウッズが亡命するなら、ウェンディと5人の子供たちも一緒に行くしかない。ウェンディは、子供たちを犠牲にしてまで本を出版したいのかとウッズを責めるが、ビコの死を無駄にしたくないというウッズの気持ちは変わらない。ウェンディは迷っていたが、警察の卑劣な嫌がらせで幼い娘が怪我をした時、夫は本を出版すべきだと強く思う。

遠い夜明けのあらすじ【結】

ウェンディの賛同が得られたので、ウッズはカニ神父と信頼できるオーストラリア人記者に協力してもらい、亡命のための計画を練る。警察の監視の目がある中で、家族も一緒に亡命することは至難の技だったが、ウッズの決心は変わらなかった。

1977年の大晦日。カレン神父という人物の偽造パスポートを作ったウッズは、髪を黒く染め、メガネを外して、神父の姿に変装する。ウェンディは変装したウッズを車の後部座席に隠し、町へ行く振りをして自宅を出発する。警察も大晦日のお祝いをするため、自宅を監視しているのは黒人警官1人だった。家族とは、無事に隣国のレソトへ到着してから、レソトの空港で合流することになっていた。

ウッズはヒッチハイクを重ねてマルセまで移動し、そこで待っていたカニ神父の車で、国境のあるテレ川へ向かう。翌日の早朝にカニ神父と別れ、ウッズは徒歩で川を渡り始める。しかし、雨で川の水が増水していたため、近くの村の黒人のおじさんに助けを求める。おじさんはビコの支持者で、車でテレ橋まで送ってくれる。

橋の検問所で偽造パスポートを提示し、ウッズはカレン神父として出国を許される。橋の向こうまでは、親切な黒人の郵便配達員が車で送ってくれた。レソトへの亡命に成功したウッズは、オーストラリア人記者と合流して車を飛ばし、レソトの英国高等弁務府へ駆け込む。

一方、大晦日を自宅で過ごしたウェンディは、翌朝、海水浴へ行く振りをして子供たちと家を出て、両親のいる実家へ向かう。ウッズが亡命に成功したら、朝の10時にウェンディの実家へ電話をかける約束だった。ちょうど10時に実家へ到着したウェンディは、ウッズからの電話を受け取り、安堵の涙を流す。その後、両親にテレ橋の検問所まで送ってもらい、ウェンディと子供たちは徒歩で橋を渡る。ウェンディの両親は事情を察して、いつまでも娘と孫の姿を見送っていた。

ウッズはレソト政府の協力を得て、レソト空港に小型機をチャーターしてもらう。オーストラリア人記者は、ウッズと家族が合流したことを見届け、このスクープをオーストラリア通信社に送る。ウッズがレソトへ亡命したというニュースは、すぐに南アフリカでも報道される。

南アフリカ政府はレソト政府に対して、「南アフリカの上空を飛んだら強制着陸させる」と脅しを入れるが、レソトの首相は7名分の国連パスポートを用意し、政府の役人をウッズたちの飛行機に同乗させてくれる。この措置のおかげで、ウッズたちは南アフリカの上空を越えることに成功する。

1962年に南アフリカ政府が裁判を行わずに拘置措置を取れることを合法化してから、拘留中に不自然な死因で死亡したとされる活動家は多数いる。イギリスに亡命したウッズは、1978年に『ビコ』を出版し、南アフリカの現実を世界中の人に伝えた。

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みんなの感想・レビュー

  1. toikun より:

    こんにちは。

    おー、とおい昔にテレ教で見た覚えがあります。うろ覚え以前のどわすれですが。ワシントンて隠せないカリスマ性があってもろ主演男優ですよね。