映画『熟れた本能』の概要:専業主婦のスザンヌは、15年ぶりに理学療法士として仕事を再開することを決める。家を増改築してカウンセリングルームを作ることになり、作業員のイバンと出会う。2人は強く惹かれ合っていった。
映画『熟れた本能』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:カトリーヌ・コルシニ
キャスト:クリスティン・スコット・トーマス、セルジ・ロペス、イヴァン・アタル etc
映画『熟れた本能』の登場人物(キャスト)
- スザンヌ(クリスティン・スコット・トーマス)
- 子供を育てるため専業主婦だったが、15年ぶりに仕事復帰を目指す。家族のことを深く愛していたが、イバンと出会い恋に落ちてしまう。
- イバン(セルジ・ロペス)
- 工事現場の作業員。服役していたことがあり、妻とは離婚している。前妻との間に娘が1人いる。
- サミュエル(イヴァン・アタル)
- 医師。スザンヌの夫。不貞を働いたスザンヌに激しい怒りを覚える。
映画『熟れた本能』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『熟れた本能』のあらすじ【起】
専業主婦のスザンヌは、15年ぶりに理学療法士の仕事を再開することを決める。カウンセリングルームを作るため、家の増築工事をすることになった。工事の担当になったのは、イバンという名の男だった。スザンヌの夫のサミュエルが値切り過ぎたため、家財の処分品を運ぶ人手が足りなかった。スザンヌはイバンと協力して、トラックの荷台に処分品を運んだ。
サミュエルはスザンヌが片付けを手伝ったことを知り、イバンに悪態を吐いた。スザンヌはイバンに謝罪した。イバンは自分が色男だから仕方がないと朗らかに笑った。工事は順調に進んでいた。カウンセリングルームにはライトが置かれた。それは壊れて処分する予定だった品で、イバンが修理した物だった。
スザンヌはイバンに給料を渡すため、坂の上に車を止めて声をかけた。だが、きちんとブレーキがかかっていなかったせいで、車が勝手に動き坂を滑り落ちていってしまう。イバンは車を止めようとして、くるぶしを骨折する怪我を負う。医師であるサミュエルの診断では、2~3日安静にしていなければならなかった。しかし、イバンは娘に会う予定があるため、すぐにでも病院を出て行こうとした。スザンヌは怪我を負わせた負い目があるため、イバンに付き添うことを決める。
イバンは服役しており、娘のベルタと会うのは1年ぶりだった。スザンヌが尋ねてもイバンは何の罪で服役したかは話さなかった。イバンは病院に戻らず、娘の元に泊まるつもりでいた。イバンの怪我の具合を心配したスザンヌは、近くのホテルに泊まることにした。
映画『熟れた本能』のあらすじ【承】
夜、スザンヌはイバンに誘われ食事に出かけた。イバンはベルタと会えたことを嬉しそうに話した。帰り道、イバンはスザンヌにキスをした。驚いたスザンヌは何も言わずそのまま立ち去った。次の日、スザンヌは帰ると、息子ダヴィッドのテニスの試合を家族と共に観戦した。そこにはサミュエルもいたが、イバンにキスされたことは言わなかった。
スザンヌは賠償金を持ってイバンの家を訪ねた。しかし、イバンが不在だったため、メッセージを書いて玄関の隙間から部屋の中に封筒を入れておいた。その後、理学療法士になるための研修中にイバンから電話が入る。スザンヌは研修を抜け出し、電話を取ってイバンと会う約束をした。
スザンヌはイバンに会いに行き、ベッドを共にしてしまう。研修を休んでイバンに会いに行くこともあった。家に帰りたくないと思うほど、スザンヌはイバンに思いを寄せていた。しかし、スザンヌは家族を前にしたとき、嘘を吐いていることに耐えられなくなる。スザンヌはサミュエルに、イバンとベッドを共にしたことを正直に打ち明けた。サミュエルが激しい怒りをみせたため、スザンヌはイバンと会わないことを約束した。
映画『熟れた本能』のあらすじ【転】
スザンヌはイバンと連絡が取れなかったため、仕事場まで足を運んでしまう。イバンは2人の関係をサミュエルに打ち明けたことを知り、会わない方が良いと思っていたのだ。スザンヌはサミュエルとの約束を破り、イバンとベッドを共にしてしまう。スザンヌはイバンと一緒にいれることに幸せを感じていた。
スザンヌはサミュエルの両親と食事を共にするが、気もそぞろで会話もまともに成立しなかった。食事の席を立つと、イバンと電話で話をした。サミュエルはそのことに気づき、スザンヌを部屋に閉じ込めた。スザンヌは窓から抜け出すと、イバンの元に向かった。次の日、スザンヌは家に戻るが、サミュエルと激しい口論になる。スザンヌは家を出ることにした。
スザンヌはイバンと共に幸せな日々を過ごした。しかし、サミュエルの邪魔が入り、理学療法士として働けなくなり、積立預金は凍結され口座の残高が無くなってしまう。さらに、サミュエルが市長に頼み、イバンは職場をクビになってしまう。スザンヌはサミュエルに会いに行くが、離婚には応じてくれなかった。
映画『熟れた本能』の結末・ラスト(ネタバレ)
娘のマリオンは家を出て行ったスザンヌに反発した。しかし、ダヴィッドは母の味方であった。家からこっそり荷物を持ちだすと、スザンヌに渡した。イバンは安い給料だが仕事が決まる。
イバン、スザンヌ、ダヴィッド、ベルタは車に乗って一緒に出かけた。途中でガソリンを給油しようとするが、クレジットカードが使えなかった。所持金も無く、スザンヌは時計を買い取ってもらう人を探すことにした。色んな人に必死に声を掛け、何とか120ユーロで買い取ってもらうことになった。イバンはそんなスザンヌ姿を見て心を痛める。
イバンは現在の状況に行き詰まりを感じた。働いても娘の養育費で消え、スザンヌとの生活もままならなかった。スザンヌの離婚が成立したとしても、慰謝料が貰えるとは思えなかった。イバンはスザンヌに家に戻ることを勧めるが、スザンヌはイバンの元を離れるのを嫌がった。
スザンヌはサミュエルが外に出ている間を狙い、絵画や宝石などを持ち出すことにした。イバンは反対するが、スザンヌの意思は固かった。イバンは仕方なくスザンヌに協力することにした。イバンは知り合いのツテを頼り手に入れた絵画などを売ろうとするが、警察に捕まってしまう。サミュエルの差し金だった。スザンヌはイバンを助けるために家に戻ることになるが、ショックのあまり気絶してしまう。
スザンヌはサミュエルに体を求められるが、辛い気持ちになるだけだった。スザンヌは銃を持ちだすと、サミュエルを撃った。そして、家を飛び出すとイバンに会いに行った。スザンヌはイバンに抱き締められ泣きじゃくった。
映画『熟れた本能』の感想・評価・レビュー
今作で描かれるのはよく言えば、「狂うほどの愛」。本能で愛し、相手を求めてしまった女性を私には理解できませんが、フランス映画らしく、ものすごく繊細に描いていました。
一見幸せそうに見えた女性も育児や家事など「我慢」している部分が沢山あって、それが爆発してしまうとこうなってしまうのかな?と感じました。
ちゃんと愛してくれる旦那さんがいるのに、なんでこんな男のことが良くなるんだろうと疑問に思いましたが「無い物ねだり」という事なのでしょうか。旦那さんが不憫に思えて仕方なかったです。(女性 30代)
序盤で妻は夫に不倫を打ち明け、堂々と恋に狂います。コソコソしておらず潔いです。不倫相手は元犯罪者で粗雑な雰囲気なのに、なぜ妻がそこまで執着するのか謎でした。しかし愛欲に溺れ、転落していく有様が非常に派手なため、不覚にも大興奮しました。ラストの、妻が一切躊躇せず夫を撃つシーンはフランス映画らしい、芸術的な表現を見たようで清々しかったです。クリスティン・スコット・トーマスが魅せる、表情の移ろいが見事でした。(女性 30代)
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