映画『失われた時間 被偷走的那五年』の概要:交通事故により昏睡状態だった女性が目を覚ますと5年間の記憶が抜け落ちていた。新婚旅行が最後の記憶となっている彼女は、実は離婚している事実を受け止めきれず”元夫”と一緒に記憶をたどり始める。
映画『失われた時間 被偷走的那五年』の作品情報
上映時間:111分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:バーバラ・ウォン
キャスト:バイ・バイホー、ジョセフ・チャン、ケン・リン、アンバー・アン etc
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映画『失われた時間 被偷走的那五年』の登場人物(キャスト)
- マン・へ(バイ・バイホー)
- 物語の主人公。昏睡状態から目覚め、夫を心配したがすでに二人は離婚していた。楽しかった新婚旅行の記憶を最後に、夫婦間の出来事を忘れてしまっているため懸命に記憶を拾い集めようとする。
- ユー・シー(ジョセフ・チャン)
- マンの元夫。出世し仕事優先になってしまった妻と関係を保てず離婚したが、記憶を失った妻が戻ってきたことで楽しかった頃を思い返してしまう。一緒に記憶を取り戻す手助けをする。
- ル・シャオアン(ファン・ウェイチー)
- マンの高校時代からの親友。プロポーズの時もサプライズに協力し、離婚するまでを見守っていた。ある一件でマンとは疎遠になっていたものの、記憶を失ったマンと再会し友情を取り戻す。
- ダニー(阿Ken)
- 結婚前からの二人の友人。レストランを経営している。二人の結婚記念日はダニーの店で過ごすことがお決まりで、5年間の結婚生活を見守っていた存在。
- リリー(アンバー・アン)
- マンと離婚後に付き合い始めたユーの彼女。マンが戻ったことで、ユーの心が戻ってしまうのではないかと、必死に嫌がらせを重ねる。
映画『失われた時間 被偷走的那五年』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『失われた時間 被偷走的那五年』のあらすじ【起】
新婚旅行の朝、「トニー・レインのようにスパイ風に撮って」とふざけて言う夫・ユーのわがままに付き合う妻・マン。飛行機の搭乗時間ギリギリになってしまうハプニングすらも幸せの1ページである二人の時間。些細なことも撮影し、満たされた時間を記録していた二人だったが、バイクの運転中に甘えたマンのわがままは大きな事故を起こしてしまった。
病院のベッドで目を覚ましたマン。すぐにユーを心配するマンだったが、二人はすでに離婚していると言われてしまった。マンは1か月昏睡状態だった間に5年間の記憶を失ってしまった。マンの最後の記憶は新婚旅行で止まってしまっていた。心配する姉とは暮らさず、離婚後に引っ越した家に住み始めたマンだったが、引き出しの奥から結婚指輪を見つけ、ユーを訪ねてみることにした。
ユーには新たな恋人・リリーがいた。しかし困惑する元妻を前に手を差し伸べることにしたユー。しばらくは自宅に泊め、記憶を取り戻す手伝いをするのだった。
映画『失われた時間 被偷走的那五年』のあらすじ【承】
新婚の頃で記憶が止まっているマンは、食事を作ってユーの帰りを待っていた。リリーが嫉妬するのはわかっていたが、健気なマンの振る舞いに当時を思い返していたユーは、これまで一緒に行った場所に連れていく約束をした。早速、翌日の夜は友人のダニーの店に連れていったユー。毎年結婚記念日には、この店で食事をしていたというのだ。記憶を失くしたマンは、下品映画や牛肉、遅刻など嫌っていた物にも寛大になっていた。新鮮に感じたユーは、リリーからの電話を無視してマンとの食事に夢中になっていた。しかし帰宅すると、リリーは二人を待ち構えていた。当てつけのようなリリーの言動にも屈しないマン。堂々と邪魔をするのだった。
パソコンに残されたビデオを見て記憶の鍵を探すマンは、高校からの親友・シャオアンの誕生日に撮った動画を見つけた。早速シャオアンに連絡したが、実は二人は長い間話をしていないと聞かされた。マンはシャオアンとユーの関係を疑ったことで大げんかしてしまっていたのだ。親友との心の溝に驚くマンだったが、シャオアンは二人がギクシャクし始めた頃の話を聞かせてくれた。実はマンはユーよりも先に出世してしまい、仕事優先のモンスターのようになっていったという。その頃、マンは精神科にかかっていたことも分かった。
一方、ユーは上司からマンを仕事に復帰させるよう交渉されていた。リハビリのためにも一度職場を見せることにしたユー。急遽会議に参加することになったマンは、記憶を取り戻すためにもユーのサポートを受けながら職場復帰することにした。
映画『失われた時間 被偷走的那五年』のあらすじ【転】
慣れない仕事に遅くまで職場にいたマンは、偶然リリーと過ごすユーの姿を見かけてしまった。急に孤独に追われたマンは一人泣きながら夜の町に出た。帰らないマンを心配したユーは迎えに行こうと電話を掛けると、マンは泣きながら元に戻りたいと懇願した。しかし、ユーには離婚前の苦い記憶が残っている。それは離婚調停後にマンが事故に遭ったことも含めて思い返したくない記憶となっていた。
マンはユーと向き合うためにも、事故前に通っていた精神科を訪ねた。カウンセリングの記録を聞き、ユーの浮気を疑い不安定になっていたことを知る。そして、担当の精神科医と深い関係になっていたことも知ってしまうのだった。帰宅したマンは、罪悪感からユーと会うことを拒んだ。しかしユーは全てを知ったマンとやり直す決心をする。
離婚前の関係に戻った二人。クリスマスには職場の同僚も招き盛大なホームパーティーを開くなど公私ともに順調に見えた。しかし、退院後の定期検診でマンのアルツハイマー病が発覚する。自分のことすらも忘れるかもしれない不安に襲われるマン。全ての記憶が無くなっても傍に居たいというユーに、身を委ねることしかできなかった。
映画『失われた時間 被偷走的那五年』の結末・ラスト(ネタバレ)
治療方法を探し、細かなこともメモに残して必死にサポートするユー。現実は厳しく、マンの病状は予想より早く進行していた。ある日、会議に行くといい出かけたマン。ユーは無理に引き留めず見守ることにしたが、ビルの中で見失ってしまった。必死に探し一度帰宅したユーは、誕生日祝いだとチーズケーキを作って待っていたマンに迎え入れられた。昔に戻ったようで言葉が出ないユーを見て、離婚したことを思い出してしまったマン。咄嗟にケーキとプレゼントを隠し、独りになろうとするのだった。
ダニーからアルツハイマーを治す手術があると教えてもらったユー。しかしその手術の成功率は20%とリスクが大きい。ユーは手術の提案をせずに、友人や家族、同僚と病院の人たちにも協力してもらいサプライズのプロポーズを実行した。もちろんマンの答えはYES。世界一幸せな女性だと実感するのだった。
ある日、マンの姉からユーへ連絡があった。実は、マンは手術のことを知っており、ユーに隠れて手術を受けていた。残念ながら手術は失敗。マンは首から下に麻痺が残ってしまった。ユーは懸命に介護するも、病状が悪化し植物状態になったマンは延命措置を拒んだ。愛する人を再び手放す恐怖と、マンの意思を尊重したいという気持ちの狭間で思い悩むユー。何日も考えたユーは、二つの決断をした。それは今後マン以外の女性を愛さないこと、そしてこれ以上マンを苦しめないこと。抜け落ちた5年間を取り戻すように、愛を伝えあった二人。ユーは静かにマンを楽にさせてあげるのだった。
映画『失われた時間 被偷走的那五年』の感想・評価・レビュー
心拍音が空しく響く瞬間、涙が止まらなかった。自分が意識を取り戻してしまったことで、愛する人の人生を奪っているという感覚を想像するだけでも地獄である。新婚旅行の記憶のまま時間が止まっていたら、もう一度ユーに会いに行かなかったら、そうなると物語は展開しないのだが、マンの気持ちに憑依したようにタラればを並べてしまう終盤であった。それは物語冒頭の愛らしい二人の姿がとても印象的で目に焼き付いているからであろう。決して美しい決断と称してはならないのだが、究極の愛情を見たように思える一作であった。(MIHOシネマ編集部)
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