映画『バンクーバーの朝日』のネタバレあらすじ結末と感想 | MIHOシネマ

「バンクーバーの朝日」のネタバレあらすじ結末と感想

バンクーバーの朝日の概要:戦前、カナダのバンクーバーに実在した野球チームを題材にした作品。キャスト陣は実際に野球経験のあるメンバーで固められている。フジテレビ開局55周年記念として作成された。

バンクーバーの朝日の作品情報

バンクーバーの朝日

製作年:2014年
上映時間:133分
ジャンル:ヒューマンドラマ
監督:石井裕也
キャスト:妻夫木聡、亀梨和也、勝地涼、上地雄輔 etc

バンクーバーの朝日の登場人物(キャスト)

レジー笠原(妻夫木聡)
バンクーバー朝日の新キャプテンに任命された人物。彼のとある発想が、万年最下位だったチームを大きく変えることとなる。
ロイ永西(亀梨和也)
バンクーバー朝日のピッチャー。普段は漁師をしている。普段は冷静な男だが、人一番負けん気が強く、チームの勝利に貢献する。
笠原清二(佐藤浩市)
レジー笠原の父親。見栄っ張りで、海外で生活していると思われたいがために、稼いだ数少ない金を日本に殆ど送金してしまう。現状に不満を抱えており、酒浸りの日々を送る。

バンクーバーの朝日のネタバレあらすじ

映画『バンクーバーの朝日』のあらすじを結末まで解説しています。この先、ネタバレ含んでいるためご注意ください。

バンクーバーの朝日のあらすじ【起】

1900年代初頭。長年続いていた鎖国が終わり、日本に海外の文化が流れてきていた。そして、日本人の中には、新天地を夢見て海外に渡る者も多数現れた。パウエル街という日本人が生活をする街ができるほどまでに、海外に住む日本人の数は多くなった。

しかし、異国民である彼らを待っていたのは厳しい現実だった。日本人は常に差別の対象となり、仕事も汚く厳しい、そして、危険という、いわゆる3Kの仕事しか与えられなかったのだ。勿論賃金も安く、一攫千金など夢のまた夢といった状況だった。しかし、それでも一度海を渡ってしまった彼らが日本に戻ることは金銭的にも難しい。彼らは、どれだけ辛い環境にも、歯を食いしばりながら何とか耐えてきたのである。

そして、時間は流れ、彼らに子供ができた。俗に言う、日系二世の誕生である。しかし、彼らの時代になっても日本人に対する厳しい現実には変わりはなかった。毎日厳しい仕事漬けの彼らにとって、唯一の楽しみが当時大流行していた野球だった。

バンクーバーの朝日のあらすじ【承】

レジー笠原、ロイ永西、ケイ北本、トム三宅といった日系二世のメンバーは、バンクーバー朝日というチームを結成する。選手達は野球に熱中し、プレイヤーでない日本人達も試合の際には必ず試合を見に来るなど、日本人にとってバンクーバー朝日は唯一の救いとなっていたのだ。

しかし、日本人はアメリカ人より体が小さく力も弱く、どうしても体格上不利であった。彼らがどれだけ必死に戦っても外国人チームには敵わず、バンクーバー朝日は常にリーグ最下位の座に甘んじていた。そもそも、バンクーバー朝日には練習道具を揃える金銭的余裕すらないのである。そんな環境で勝てるわけがない、と誰もが諦めていた。

そんな中、バンクーバー朝日のキャプテンが変わることになった。渋々キャプテンの座を引き受けることになるレジー笠原だったが、そんな彼がある日、とあることに気がついた。敵チームの三塁手が、大柄であるがゆえに動きが鈍かったのだ。そこを敵チームの弱点だと捉えた彼らは、セーフティバントを駆使し、敢えて三塁手の方へと玉を転がしたのだ。

バンクーバーの朝日のあらすじ【転】

その作戦は、バンクーバー朝日にとって初めての得点をもたらした。それからというもの、彼らはいかにして白人チームから勝利を奪うか、相手を徹底的に調べ上げ戦略を立てた。そして、とうとうある日、彼らは念願の初勝利を手にするのだった。

今まで自分達の脅威になり得るはずのなかったバンクーバー朝日の勝利を、白人達は当初否定する。しかし、そんな声を嘲笑うかのように、その後もバンクーバー朝日は勝利を重ねていくのである。今まで見たこともないようなトリッキーなプレイに、日本人だけでなく地元の人々達も大熱狂。彼らは一躍時の人となるのだった。

そんな中、バンクーバー朝日の勝利が気にくわないとあるチームが、ある日信じ難いプレイを行なった。なんと、敢えてレジーの頭をめがけ投球をしたのだ。あからさまなデッドボールに、バンクーバー朝日のメンバーは怒り乱闘となる。そして、なんとバンクーバー朝日は出場停止処分をくらってしまうのだった。

バンクーバーの朝日のあらすじ【結】

その事件以降、すっかり彼らはやる気を失ってしまう。しかし、観客はバンクーバー朝日の復活を願っていた。なんと、日本人のみならず現地の人間からもそんな声は上がり、その声に後押しされた結果、バンクーバー朝日は再びマウンドに立つことができたのだ。

そんな彼らをとうとう白人チームも認め、バンクーバー朝日を『頭脳野球』、『サムライ野球』と呼ぶようになる。そして、バンクーバー朝日が認められると共に、地元における日本人の地位も徐々にあがっていく。最終的に、バンクーバー朝日はなんと、シーズンの優勝決定戦にまで進出するのだった。

しかし、ようやく物事が順調に動き出した頃、全てを壊す出来事が起こる。真珠湾攻撃をきっかけに太平洋戦争が勃発したのである。再び日本人と地元の人間の間には深い溝ができてしまい、チームは解散となってしまう。しかし、時間を要したものの、当時のバンクーバー朝日は現代において再び評価されるようになるのだった。

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    ①作りこまれたセットは圧巻

    ここしばらくの邦画の中では間違いなくナンバーワンと断言しても過言ではないほどに、作りこまれたセットのおかげでただならぬ映像的な説得性を確保している。美術スタッフの健闘は言うまでもないが、そのセットの向こうにきちんとまだ世界が広がっているように観客に思わせるカメラワークも素晴らしい。撮影は気鋭のカメラマン、近藤龍人であり、さすがとしか言いようがない。

    また、役者陣も野球経験者を中心に集めたということで、吹き替えキャストを用意すること無く、実際に役者自身が野球シーンを演じているというのも良い。きちんと映画の中のキャラクターにみえるし、そのキャラクターが自分で悩み考えてこの世界の中で息をしているようにみえる。

    ②細かい描写については文句あり

    以上のことからも分かる通り、映像としての面構えの良さは最近の邦画の中でも突出している。しかしながら、ところどころノイズになる描写があり、余計なことを考えてしまうのも事実なのだ。例えば、バンクーバー朝日軍のメンバーが労働しているシーン。終始一貫して木材の積み下ろしをするだけなのだ。もちろん、史実としてそういった単純労働に従事していたのかもしれないが、本作はドキュメンタリーではないのだから、ある程度の脚色が必要である。同じ木材を運ぶにしても、もっと重そうなものを運ぶとか、やりようはいくらでもあるはずである。

    さらに言えば、バンクーバー朝日が知恵を使って試合に次々と勝利していくシークエンスがあるが、これにも少し注文を付けたい。彼らは送りバントを効果的に使い、勝利していくのだが、最初から最後までひたすらバントするのみで勝ち進んでいくのだ。実際がどうであれ、映画としてこれを見せられれば、途中で飽きてしまう。

  2. 匿名 より:

    監督は「舟を編む」などで高い評価を得る石井裕也監督であり、撮影にも近藤龍人を起用するなど、若手の中でもトップクラスの布陣で挑んだ意欲作であることは間違いない。細田守作品などで知られる奥寺佐渡子を脚本に起用しているのも正解だと思う。細かい部分で気になるところはあるものの、これからの日本映画界を背負って行くであろう人たちがここまでの実力を持ち合わせているというのは素直に誇らしいし、これからどのような作品を見せてくれるのかが非常に楽しみである。

    蛇足だが、映画ファンの中ではお世辞にも評判がいいとは言えないフジテレビという存在であるが、最近の制作作品はいずれも実力のある監督陣に担当させていることからも今後の展開が気になるところである。