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映画『ヴィレッジ』あらすじネタバレ結末と感想

2004年公開のアメリカ映画。森に住む怪物「語ってはいけない物」を恐れる村に暮らす盲目の少女アイヴィー。彼女が愛する男性が怪我を負い、薬を手に入れるため森の中に入るというサスペンス作品。

映画『ヴィレッジ』 作品情報

ヴィレッジ

  • 製作年:2004年
  • 上映時間:108分
  • ジャンル:サスペンス、ホラー、ヒューマンドラマ
  • 監督:M・ナイト・シャマラン
  • キャスト:ブライス・ダラス・ハワード、ホアキン・フェニックス、エイドリアン・ブロディ、ウィリアム・ハート etc

映画『ヴィレッジ』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

映画『ヴィレッジ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ヴィレッジ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ヴィレッジ』 あらすじ【起・承】

自給自足、中世のような昔のスタイルの人々。
ここは穏やかで平和を絵に描いたような小さな村。
しかしこの村人たちは、村の周囲にある深い森の中に住む怪物「語ってはいけない物」を恐れながら暮らしていた。
村と森とは平和協定が保たれ、村人を襲うことはしないという約束が成されている。
そのため今は安全であった。

村には幾つかの掟がある。
森に入らないこと、赤い色を消すこと、警告を知らせる鐘を聞くこと。
村には見張り小屋があり、何かあると番が鐘を鳴らすことになっていた。

ある日、村に皮を剥がされた家畜の死体が見つかる。
その後も不気味なことが続き、ついに村に鐘の音が響く。
赤いマントを着た化け物が村にやって来たのだ。

この村に暮らすアイヴィー・ウォーカーは盲目である。
活発で賢いアイヴィーは家族からも頼られている。
彼女には愛する人がいた、彼の名はルシアン。
寡黙で言葉が足りない男だったが、村人のために森を通り街に薬をもらいに行きたいと年長者に申し出るほど勇敢だった。
そして、彼も彼女を愛していた。
化け物がアイヴィーの家に入ろうとした時、ルシアンは玄関で彼を待っていたアイヴィーの手を取り家の地下に避難した。

ある日、2人の仲が村の噂になった。
アイヴィーを好きなノアという精神的に不安定で障害を持つ男性がこの噂を聞きつけ、ルシアンの自宅を訪れる。
対応するルシアンはノアにナイフで刺されてしまった。
両手を血に染めたノアが、家の前のポーチに座っているのを発見した両親。
しかしノアはそれが誰の血なのか言わない。
村人達は周囲の人の安否を気にした。
アイヴィーは急いでルシアンの家に行くと、彼が倒れているのを発見する。

ルシアンは重傷を負っていた。
ノアは村の中にある小部屋に閉じ込められる。
薬が無い村で、医者は感染を止めることが出来れば助かるかもしれないと言った。
アイヴィーの父親で村のリーダー格のエドワード・ウォーカーは、街まで薬をもらいに行く覚悟を決めようとしていた。
しかし年長者は掟破りだと言い、頷かない。

そこでアイヴィーが名乗り出た。
自分が薬をもらいに街まで行くと言うのだ。
これを聞いたエドワードは、アイヴィーに秘密を教えることにする。
彼女を村の外れの納屋に連れて行き、中に入れる。
部屋を進むアイヴィーの手に触れた物。
赤いマントで長い爪、顔は豚のような「語ってはいけないもの」の姿がそこにあった。
実は怪物は村の年長者たちの嘘で、この格好をしては村を襲う振りをしていたのだった。
全ては森を通らせないため。
街に行かせないためだった。

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映画『ヴィレッジ』 結末・ラスト(ネタバレ)

全てを知った上でアイヴィーは、森の中に入る。
最初お供で付いてきた若者二人は、恐怖のあまり村に戻ってしまう。
勿論本当のことを知っているのはアイヴィーだけだからだ。
一人になってしまったが怪物は作り物と知っているため、どんどん進む。
しかし奇妙なことが起こる。
何と、あの作り物のはずの赤い怪物が目の前に立っているのだ。
色を感じ取ることが出来るアイヴィーは、恐くなり逃げ出した。
作り話の筈なのに、今その怪物に追っかけられているのである。

彼女は来る途中自分も落ちてしまった穴の場所まで怪物を引きつけ、身をひるがえした。
すると怪物は穴に落ちて死んでしまう。
仮面の下の顔はノアだった。
小部屋の地下にある衣装を見つけたノアは、それを着てアイヴィーを追ったのだった。
しかし声を出さずに死んだ怪物を彼女はノアだとは知らないままである。

森を進むとついに突き当たりである。
そこは壁のような物でふさがれ、中々出ることが出来ない。
アイヴィーはよじ登り、壁の向こう側にたどり着いた。
そこにたまたま居合わせた男性がいた。
彼の乗っている車には「【ウォーカー】国立保護区」と書いてある。
彼はそこを見回っている警備員なのだ。

アイヴィーは書いてあるメモを彼に渡し、薬をくれと頼んだ。
どこから来たのか不思議に思い、アイヴィーに尋ねるが「森から来たのだ」としか言わない彼女を不審に思う。
しかし警備員は事務所まで戻り、動物に噛まれた時のためにストックしてある薬を持ち出してきてくれた。
そして梯子も運び、彼女をまた壁の中に帰す。

警備員が巡回中に出会った女性のことを報告すると、上司はこういった。
「我々がこの土地の所有者の年金で給料をもらっていることなど、余計なことは話すなよ」と。
「政治家に賄賂を渡して保護区の上空は飛行も禁止になったのだから」とも。

村人の年長者たちは、以前街にくらしていた。
しかし兄弟が殺されたりして、様々な悲しみを抱えたものが集まりこの保護区に移住して村を作り暮らしていたのだった。
これが真実であったのだ。

アイヴィーは無事に薬を村に持ち帰るのだった。

映画『ヴィレッジ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ヴィレッジ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

設定の魅力

この映画の魅力は絶対的に脚本である。
ドラマの設定が斬新であり、不気味であり楽しめる。
最初はありきたりな感じがするのだが、見ているうちにこの村には何かあるぞという直感が早めに真実に変わるのも良い。
あまりに引っ張られると飽きるが、意外にもすぐにネタばらしがされる。

またこの真実が知らされた後、嘘だとばらしておいて化け物を登場させたのもまた良い。
観客に嘘なのだと植え付けておいた上での効果は、覿面である。
さらにそう見ると不気味な化け物のヴィジュアルも気持ち悪くて恐怖である。

そしてラストシーン。
実は保護区内に住んでいたというオチ。
傷ついた大人達が寄り添い村を作り上げたというのが、意外でもありありきたりでもあり、何とも言えない感想である。
しかしシャマランらしく不気味さと、人間の悲しさを上手く融合した作品に仕上がっているように思う。

女優の演技が素晴らしい

アイヴィー役の女優が上手である。
盲目の役柄もだが、中世を思わせるような出で立ちが完全に時代を騙される。
そして無垢というテーマにぴったりの雰囲気で、気が強い癖に人に優しいという女性らしい雰囲気を上手に見せてくれた。

また劇中で安全な色として黄色のマントを被るシーンがあるが、彼女の顔とこの黄色のフードがマッチしていてものすごいインパクトがある。
もちろんこのシーンがパッケージとなっている。

シャマラン監督のカメオ出演に注目

彼はいたずらのようにカメオ出演をする。
今回は最後の保護区の事務所内にいる上司役。
直接顔出しはしないが、ガラス扉に映るのが彼である。
彼の作品の楽しみの1つだ。


本作は、恋人の命を守ろうと薬を手に入れるため、村の奇妙な掟を破り森の外へ出た盲目の少女アイヴィーを描いたサスペンスホラー作品。
おとぎ話のような世界観、村で不吉とされる色「赤」の使い方や、「何か」が村を徘徊する緊張感の張り詰めている雰囲気、二転三転する展開が非常に興味深かった。
また、「語ってはいけないもの」の正体は村に年長者たちで、住んでいた村が保護区だったという結末も予想しないもので意表を突かれて面白かった。(女性 20代)


M・ナイト・シャマラン監督作品の楽しみといえば「大オチ」ですよね。それが当たりと感じるかハズレと感じるかは見る人によって異なると思いますが、今作はかなり当たりのオチだったのでは無いでしょうか。
村に言い伝えられる「語ってはいけないもの」幼い頃からそんな風習があれば、それに従い、それを恐れるのが当たり前のことだと思います。しかし、もしそれが全て年長者の嘘だとしたら…。
現代にもありそうな洗脳だったり、先入観をとても上手く描いていて最後の最後まで楽しんで見られました。(女性 30代)


『シックス・センス』に続き、シャマラン監督目当てで鑑賞しました。ガラス越しでしたが監督が出演していたので思わずニヤリとしてしまいます。
豪華な俳優陣と不気味な村の風景描写が秀逸です。前半は少しゆったり進み、後半は怒涛の謎解きになります。シガニー・ウィーバーの抑え気味の演技、エイドリアン・ブロディの狂気が素晴らしいです。ヒロインは目が見えない設定ですがあまり存在感がない気がします。全体を通して不気味でシリアスですが、世界観がはっきりしています。(女性 30代)

映画『ヴィレッジ』 まとめ

話も斬新、色味もアートで綺麗。
シックス・センスの時の監督の作品とはテイストが違うため、あの恐怖をもう1度と思って鑑賞すると期待外れかもしれない。
しかしこの作品は全く別の物として魅力的であり、霊的なものではなく人間の心の問題をテーマに最後を上手くまとめているのも見所である。

物語の構成力、脚本力、脚色力、全体的にクオリティーが高くバランスが良い。
全ての年齢層にうける作りとなっているのではないだろうか?
映画を見終わった後に多少の細かい疑問は残る物の、相対的には楽しめる作品である。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 酷いね より:

    本当の盲人を家族に持つ人は解ると思うが、盲人はあんなに素早くぬかんだ土と葉っぱと枝で満ちた森の中を動けないし直線に走るなど不可能、必ず何度ももコケる上に全力疾走したら立ち木に思いっきりぶつかって頭を打って気絶する。「その人の色が見える」とかも嘘っぱち。盲人だから2000年代や文明の利器が解らないという琴似したいがための無理矢理な設定なのでずっと萎えまくり。

  2. kfy より:

    わかりやすいレビューありがとうございます

  3. 影山みほ 影山 美穂 より:

    再度作品のほうを鑑賞して、記事を執筆し直してみました。
    いろいろとご指摘ありがとうございました。
    改めて作品を観直すきっかけにもなり、感謝しております。

  4. 悠子 より:

    すみません、

    アイヴィーは父親に嘘を告白されて、激怒はしていません。
    少しは怒りもあったとは思いますが、アイヴィーが感じたのは年長者達への哀れみです。
    また、ノアが閉じ込められたのは地下ではなく、小屋です。
    そして、町に向かったとはいっても、車に乗った保護区の警備員と接触しただけで、デパートなどは出てきません。

    他にもちょっとずつ違いますので、もう一度ご鑑賞されてはどうでしょうか?