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映画『私のボクサー』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『私のボクサー』の概要:パンチドランクの影響でボクサーとして栄光を掴むという夢を諦めていた青年。前向きで悔いのないように生きる女性と出会い、再び夢に向かう姿を追う一作。韓国の伝統民族とボクシングを掛け合わせたラブコメディ。

映画『私のボクサー』の作品情報

私のボクサー

製作年:2019年
上映時間:115分
ジャンル:コメディ、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:チョン・ヒョッキ
キャスト:オム・テグ、イ・ヘリ、キム・ヒウォン、チェ・ジュニョン etc

映画『私のボクサー』の登場人物(キャスト)

イ・ビョング(オム・テグ)
プロライセンスをはく奪されてしまったボクサー。現役時代のパンチドランクが影響で痴ほう症のような病状を抱えている。ジムの雑用を担っていたが、ミンジと出会い再び夢を描き始める。
ミンジ(ヘリ)
ビョングが働くボクシングジムの新入会員。ダイエット目的で入会し、ビョングを「コーチ」と呼び慕っている。とても前向きで健気な女性。
パク・チョンファン(キム・ヒウォン)
ビョングが働く火の鳥ボクシングジムの館長。元はビョングのトレーナーであったが、ある一件を機にビョングを雑用係として扱うようになる。ジムの経営に頭を抱えている。
ナム・ギョファン(チェ・ジュニョン)
ビョングが働くボクシングジムの練習生。重い病を抱える祖母と暮らしている。祖母のためにも試合でいいところを見せたいと願っているが、ジムの方針に納得ができずにいた。

映画『私のボクサー』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『私のボクサー』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『私のボクサー』のあらすじ【起】

満29歳のビョング。ボクシングを再開したいと火の鳥ボクシングジム館長・チョンファンに相談を持ち掛ける。通称ヒョイことチョンファンは、「チラシを配ってきたら」「柔軟剤を買ってきたら」と雑用ばかり任せ、ビョングにボクシングを教えるやる気は感じられない。

途方に暮れるビョングは、その夜チラシを持って訪ねてきた入会希望者のミンジの対応をすることになる。当日からでもレッスンを受けてみたいというミンジに、優しくボクシングの基礎を教えるビョング。女性は苦手だったが、熱心に対応した。

翌日、チョンファンは可愛らしいミンジを前に、突如意欲を見せ始める。試合が組まれず不満を募らせる練習生のギョファンの相手をするようにビョングに指示をする。そしてこっそりと職業案内所のチラシを手渡した。

実は現役時代のパンチドランクが影響で痴ほう症のような病状を抱えているビョング。過去は韓国の伝統民族芸能・パンソリの名唱の女性・ジヨンと共に大きな夢に向かっていたのだった。

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映画『私のボクサー』のあらすじ【承】

ジヨンが太鼓でかき鳴らす民族固有の拍子に合わせて拳を振り下ろすのが、ビョングが作り出した「パンソリ・ボクシング」だった。

過去を振り返ると、時折衝動を抑えきれなくなってしまうビョング。発作的に修理工の男性に勝負を仕掛けてしまったビョングをミンジは優しく制止した。そして散歩へと連れ出すのだった。

ボクシングを再開するには、チョンファンの許しが必要だと悩むビョング。ミンジはやりたいなら迷う必要はないと背中を押した。

早速実行してみるビョング。しかしチョンファンはことごとくビョングの邪魔をする。それでも諦めないビョングは、チョンファンの目を盗んでギョンファンと並んでトレーニングに励む。一方で、試合を待ち望みながら鍛錬に励むギョンファンは、病気を患う祖母を抱えながらトレーニングの合間には運送会社で働いていた。

ある日、ミンジと一緒にトレーニングに出たビョングは犬を拾った。二人は一緒にフォアマンと名付けた犬を可愛がり、時にはジムのチラシも一緒に作る。ビョングは、徐々に明るさを取り戻していった。

映画『私のボクサー』のあらすじ【転】

同僚に「三流」と罵られるチョンファンはジムの経営に頭を抱えている。実はタイトルマッチを控えていたビョングは、膝の故障をチョンファンに隠し試合に挑もうとした過去がある。その時ドーピング疑惑をかけられプロライセンスをはく奪されてしまい、ジムも評判を落としてしまったのだ。

ギョンファンの試合が決まったと知り喜ぶビョングだが、ある日ギョンファンは姿を消した。荷物を取りにこっそりとジムに来たギョンファンと遭遇し、ビョングは過去の過ちを責め立てられる。試合を見せられないまま、祖母が亡くなったことでギョンファンは意気消沈していた。

ギョンファンへの償いのため何かできないかと、ビョングはチョンファンに相談する。チョンファンはジム存続に最後の望みをかけ、ビョングに試合をさせることにした。

トレーニングに励むビョングは、現役時代に近いコンディションを取り戻していく。誤って「ジヨン」と声をかけたことで一度ミンジを怒らせてしまったビョング。誠意をもって謝罪し気持ちを伝えたことで、二人はついに付き合うことになった。

映画『私のボクサー』の結末・ラスト(ネタバレ)

チョンファンの計らいで、プロライセンスを取り戻し試合ができることになったビョング。
しかしビョングの病状は予想よりも進行していた。ジヨンが亡くなっていることも記憶になく、試合に招待するために家を訪ねていた。

誰も妊娠には気づかずにいたフォアマンが、6つ子の出産を原因に命を落としてしまう。ビョングは再び俯きがちになってしまった。さらに控えていた新人戦の相手がギョンファンに決まる。軽量も通過したが、ビョングのコンディションは最悪の状態であった。

試合当日、ビョングはギョンファンに一方的な攻撃を食らう。誰もがビョングの負けを確信したとき、ミンジはジヨンのようにパンソリをかき鳴らし声援を送る。何とか再起し乱れ打ちをしたビョングだが、限界が来て倒れてしまった。

ギョンファンとの勝負には敗れたが、新人戦を機にパンソリ・ボクシングは話題の的となった。ジムの入会者は増え、ビョングはミンジとフォアマンの生んだ子犬たちと穏やかな日々を送るのだった。

映画『私のボクサー』の感想・評価・レビュー

シュールだが、熱く訴えかけるもののある一作であった。パンソリという民族芸になじみのない中の鑑賞となったが、当作の主題は「夢と愛」である。わかりやすく挫折も描かれているからこそ、感情移入がしやすい。登場人物それぞれの葛藤もきっちりと伝わるため、見る者の目線次第で見え方は変わるだろう。主人公はプロボクサー選手同様のトレーニングをこなしたとのことだが、もう少し勇ましい姿を見たかったという残念さが残る。(MIHOシネマ編集部)

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