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映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』あらすじネタバレ結末と感想

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』の概要:人間の身勝手な行為に怒る犬たちの反乱。出演は犬、ジョーフィア・プシュタ。第67回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門のグランプリとパルムドッグ賞を受賞。コーネル・ムンドルッツオ監督の2014年ハンガリー映画。

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 作品情報

ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲

  • 製作年:2014年
  • 上映時間:119分
  • ジャンル:ホラー、サスペンス、ヒューマンドラマ
  • 監督:コルネル・ムンドルッツォ
  • キャスト:ジョーフィア・プソッタ、シャンドール・ジョーテール、ラースロー・ガールフィ、リリ・ホルヴァート etc

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 評価

  • 点数:65点/100点
  • オススメ度:★★★☆☆
  • ストーリー:★★★☆☆
  • キャスト起用:★★★★☆
  • 映像技術:★★★★★
  • 演出:★★★★☆
  • 設定:★★★★☆

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映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 あらすじ【起・承】

ハンガリーの首都ブタベスト。13才の少女リリ(ジョーフイア・プショタ)は、両親の離婚と大好きなトランペットが思うように吹けないことに悩んでいた。

そんな少女の唯一の支えは、飼っている犬のハーゲン。久しぶりに父ダニエル(シャーンドル・ジョテール)と会うが、父は犬のハーゲンを快く思わなかった。

町では、雑種犬の飼い主に対して重い税をかける法律が施行され、父のところにも、雑種犬税の取り立てがやってきた。

父親に反抗するリリの様子を見て、父は怒り、高架下に犬のハーゲンを捨ててしまう。
リリは悲痛な想いでハーゲンと別れるが、必ず迎えにゆく!と涙ながらに誓うのだった。
それから、リリはハーゲンの行方を必死になって探したが見つけることができない。
その頃、犬のハーゲンは、野犬狩りの手から逃れ、路地をさまよっていた。

路地で出会ったホームレスの男に拾われたが、すぐに闘犬専門のブローカーに買われてしまう。

愛情深く育てられた犬ハーゲンは、闘犬場に身を落とされ、過酷な調教に耐えてゆく。
そして、野犬としての本能がついに目覚めた!

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映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 結末・ラスト(ネタバレ)

犬のハーゲンは、次第に狂暴化していった。やがて、保護施設で傷ついた犬たちを集めて、軍隊のような群れを率いてゆくのだった。

犬たちは、ハーゲンをリーダー犬として結束し、これまで人間によって虐げられた恨みを晴らすべく、殺人を実行してゆく。

まず、ハーゲンを闘犬専門のブローカーに売ったホームレスや、劣悪な保護施設で暴力を振るった者などを次々に襲って殺した。

一方、リリは父と向き合い、“子供扱いしていた・・”と反省する父と和解した。
犬も子供もうるさいのは当たり前で、どちらが偉いというわけでもないのだ。
淡い恋も経験したリリは少しずつ、大人へと成長してゆく。

250匹の群れを率いて、ハーゲンが町に現れたことを知ったリリは、ようやくハーゲンと再会した。最初は、リリもハーゲンも緊張していたが、リリがトランペットを吹き始めると犬たちは穏やかな表情を浮かべ、伏せの姿勢を取るのだった。

無言でいても、リリとハーゲンは分かり合えるのだった。こうして、犬たちの反乱は終わった。

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

犬好きには辛い!社会批判をパニック・ホラーで魅せた異色作

この作品を観るまで、ヒッチコックの「」が1番怖いパニック・ホラーだと思っていましたが、「ホワイトゴッド 少女と犬の狂詩曲」にあっさりと抜かれてしまいました。

私は、犬好きなので、犬が人間に復讐するために狂暴化するなんてストーリーに耐えられません!

なんといっても、250匹の犬がブタベストの路上を疾走してゆく様は、圧巻です!この映像がCGなしで撮られていることに驚きます。

ただ、犬たちを見ながら、バッタがイナゴへ変化していく光景と重ねていました。そう、犬のハーゲンが闘犬場で調教され、狂暴化してゆく過程です!

例えば、犬たちに掛けられる税金は命の保証のようなもので、それがない犬たちは貧困という最下層に落とされる運命。まるで、日々の生活に四苦八苦する私達の姿に似ています。

貧困や虐待など社会問題が描かれている点は評価しますが、犬たちが軍隊のように統率され、人間を襲ってゆくシーンを観るのはとても辛い。

ただ、ヒロインの女の子がかわいくて、ラストシーンではまるで「風の谷のナウシカ」を観ている気分になりました。

題名の「ホワイトゴッド」から、宗教的イメージも感じられます。犬のスペルを逆にすれば、神ですから。ただ怖いだけでなく、多くのイメージと重ねることで、より作品が深まってゆくのではないでしょうか。

なぜか観るとハマってしまう!動物映画

「ホワイトゴッド 少女と犬の狂詩曲」では、人間よりも犬が主役でした。本当は犬ってかわいい!動物に癒されるという作品を紹介します。

1作目は、ユアン・マクレガー主演の「人生はビギナーズ」(10)。
ユアン・マクレガー演じる、ちょっとイケてない38才独身男性を優しく包んでくれる犬に注目です!

この犬は、ジャック・ラッセル・テリアのコスモが演じています。人間と対等にお話できるという能力を持つ犬という役柄で、人生に悩む全ての人におすすめです。

次に、猫と音楽家の組み合わせにキュンとなる作品が、「インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌」(13)です。売れない音楽家ルーイン・ディビスと共に行動するのが、ユリシーズというトラ猫。人生にも猫にも翻弄される、ツイテない主人公の1週間が描かれています。

犬や猫単体よりも、人間との相性がいい作品を選びました。やはり、どんな時でも動物を大切にしたい!

映画『ホワイト・ゴッド 少女と犬の狂詩曲』 まとめ

犬と人間の関係は、紀元前のエジプト時代にも遡ると言う。犬が人間に反旗を翻して反乱を起こす本作を観て、東欧ハンガリーが舞台だったせいか、地球ではない別の惑星の話を観ているような錯覚さえ覚えます。

見どころは、暴走した犬たちがブタベストの町を駆けてゆくシーンだと多くの人が言うだろう。しかし、あえてラストシーンの、犬と少女リリの対話を挙げたい。

社会問題を解決する糸口は、なにより人との対話だと思うからです。
また、犬の虐待シーンなどが多く、観ることが辛いが、パニック・ホラー史に残る映画になるだろう。

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