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映画『夜がまた来る』のネタバレあらすじ結末と感想

この記事では、映画『夜がまた来る』のあらすじをネタバレありの起承転結で解説しています。また、累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『夜がまた来る』を見た人におすすめの映画5選も紹介しています。

この記事でわかること
  • 『夜がまた来る』の結末までのストーリー
  • 『夜がまた来る』を見た感想・レビュー
  • 『夜がまた来る』を見た人におすすめの映画5選

映画『夜がまた来る』の作品情報

夜がまた来る

製作年:1994年
上映時間:108分
ジャンル:アクション、ラブストーリー、ヒューマンドラマ
監督:石井隆
キャスト:夏川結衣、根津甚八、寺田農、椎名桔平 etc

映画『夜がまた来る』の登場人物(キャスト)

土屋名美(夏川結衣)
未亡人。警察官だった夫の土屋満が潜入捜査の際に殺され、復讐を誓い池島組に近づく。途中、出会った池島組の村木と恋に落ちる。復讐のためなら身体を売るほど意志が強いが、すぐに自殺未遂をする弱さも持っている。
村木哲郎(根津甚八)
池島組の組員。満よりも先に先に潜入捜査をしている警察官。名美の存在を知り、何度も助けるうちに恋に落ちる。自らの身を守るため、止むを得ず満を殺す。名美に殺される。クールで男気のある男。
池島政信(寺田農)
池島組の会長。薬とセックスが好きで、名美の正体を知らずに娼婦として関係を持つ。最終的に村木に殺される。ピンチのときに命乞いをするなど、女々しい部分がある。
柴田一哉(椎名桔平)
池島組の組員。池島を慕う若い青年。村木とは意見が合わずに衝突することもある。
土屋満(永島敏行)
名美の夫で潜入捜査官。潜入中に殉職する。

映画『夜がまた来る』のネタバレあらすじ(起承転結)

映画『夜がまた来る』のストーリーをネタバレありの起承転結で解説しています。この先、結末までのネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『夜がまた来る』のあらすじ【起】

土屋名美と土屋満が部屋で別れを惜しんでいる。満は麻薬Gメンとして池島組に潜入捜査へと向かうことになっていた。行かないで欲しいという名美を、満は強く抱きしめる。そして二人は激しく求め合う。

満は何者かに銃殺されてしまう。満の遺体は横浜港で発見される。しかし、殉職どころか汚職を疑われた満は退職金すら貰えないでいた。

満の葬儀の日、名美の自宅に池島組の組員達が押し入ってくる。組員は、盗まれたシャブを探しに来たのだ。部屋を荒らした挙句、組員達は名美をレイプして去って行く。あまりの屈辱に、名美は自らの手首を切って自殺を図る。

一命を取りとめた名美は、病院のベッドの上で目を覚ます。世間からのバッシングを受けながらも、満を殺したのが池島組の人間だと疑わない名美は復讐を誓う。

ある駐車場で、池島組の組長である池島政信を待ち伏せする名美。名美が包丁を片手に襲いかかろうとした瞬間、池島組の村木哲郎という男が止めに入る。すると別の場所から、見知らぬ男が池島に向かって発砲する。池島組の組員たちがどうにかその男を始末する。村木は名美に、これ以上池島には近づくなと忠告して組員達と共に去って行く。

映画『夜がまた来る』のあらすじ【承】

池島を殺すことに失敗した名美は、入水自殺を図る。しかし、そこへ再び村木が現れて助ける。今度池島の前に姿を現したら素性をバラすと捨て台詞を吐き、村木は去って行く。

ミツルという源氏名でホステスになった名美は、客とホステスという立場で池島に再会する。その場には村木の姿もあった。村木は再び名美に注意をする。しかし酔いつぶれた名美は、そのまま池島の部屋へと向かう。

名美と共に薬とセックスを楽しんだ池田。さらには手下の柴田という男にまで、名美とセックスするよう命令する。その夜、池島が寝ている隙に逃げ出そうとした名美を、柴田が止めに入る。そして、池島の情婦になるよう言われる。

ある夜、池島と一緒に寝ていた名美は突然ナイフを取り出して池島を襲う。池島を刺した名美だったが、殺すことには失敗してしまった。異変に気付いた柴田が池島を助け、今度は名美が捕まってしまう。名美を警察のスパイではないかと疑う柴田は、名美を拷問する。

映画『夜がまた来る』のあらすじ【転】

柴田が名美を拷問しているとき、村木と池田が現れる。村木は裏工作をして名美の素性を隠し、村木を陥れようとする。しかし、それに失敗した村木は指を切り落とすことになってしまう。その根性を見た池島は、名美を殺さずにどこかに売り飛ばせと柴田に命令する。

名美は場末のスナックに売られてしまった。名美は、薬とセックスに溺れる悲惨な生活を送っていた。そこへ村木がやってくる。村木は名美に、一緒に逃げようと言う。しかし、薬に溺れた名美は村木の言うことを聞かず、シャブをくれと叫んで暴れるだけだった。

村木は名美を自分の部屋に匿い、介抱する。暴れまわって暴言を吐き、薬の禁断症状に苦しむ名美を村木は文句一つ言わずに面倒をみる。

名美の介抱に徐々に疲れていく村木だったが、ようやく名美が正常に戻り始める。部屋を片付け、体を洗いたいと言う名美。力の無くなった名美は、村木に背中を拭いてもらう。触れ合った二人の距離は徐々に縮まっていく。

映画『夜がまた来る』の結末・ラスト(ネタバレ)

名美は村木に、銃の撃ち方を教えて欲しいと頼む。奈美の意志の強さに村木は感服し、奈美に銃の撃ち方を教える。そしてその日、二人は激しく求め合う。

池島が賭博をやっている現場に警察のガサ入れが入る。村木は、池島が屋上に逃げるよう誘導する。一人で屋上に向かった池島の前に、銃を持った名美が現れる。夫の濡れ衣を晴らすために来たと言う名美だが、何も知らないと言う池島。銃を奪った池島が名美に襲いかかる。池島が、満を殺した本当の犯人を言おうとしたとき、村木が現れて池島を撃ち殺す。村木は警察の人間だったのだ。

逃げ出す二人の前に柴田が立ちはだかる。村木は柴田を銃で撃つが、柴田も刀で応戦してくる。壮絶な死闘が繰り広げられる中、村木の落とした銃を拾った名美が柴田を撃とうする。しかし、名美はその銃が満のものだということに気づく。村木は柴田をどうにか殺し、名美のもとへと歩み寄る。

村木は名美に全てを打ち明ける。村木は潜入捜査のために薬をやり、女を抱いた。しかし、それは全て捜査のためだという正義感があった。しかし、ヤクザに染まっていく村木を同じ潜入捜査官である満は看過できないでいた。素性がバレるのを恐れた村木は満を殺したのだ。

名美は全てを聞いたあと、村木を銃で撃つ。名美は、その場で泣き崩れる。

映画『夜がまた来る』の感想・評価・レビュー(ネタバレ)

※以下のレビューは映画『夜がまた来る』(監督:石井隆、主演:かたせ梨乃、1994年公開)のネタバレを含みます。サイコスリラー/官能サスペンス要素がある作品のため、一部センシティブな内容を含みます。

一言で言えば、観終わった後にどっと疲労感がくる映画でした。被害者でありながら加害者の欲望の対象にされる沙苗の苦悩、そして彼女の中に潜む暴力性の目覚めが恐ろしくも美しい。石井隆監督ならではの、湿った空気と哀しみに満ちた映像がたまらなく好きです。決して勧善懲悪では終わらず、暴力と快楽、正義と狂気の境界線が曖昧になる結末も強烈でした。(30代 男性)


かたせ梨乃さんの体当たり演技に脱帽。女性として、この映画をどう受け止めればいいのか悩みましたが、最終的には「生き延びるために自らの性と暴力を受け入れた」沙苗の姿に、ある種の強さを見出しました。映像は美しいけれど内容は残酷。そのギャップが、観る者の精神をえぐります。ラストの銃声はカタルシスというより、無常を感じさせるものでした。(40代 女性)


90年代邦画特有の生々しさと暗さが全面に出ていて、観ていてどんどん不安になる。犯人との歪んだ関係、記憶の曖昧さ、誰も救われないような展開…。でもだからこそ、惹き込まれました。石井隆の映像センスと脚本は唯一無二で、性描写の中にも詩的な美しさを感じるのが不思議。ラストで沙苗が引き金を引く瞬間、すべての哀しみが爆発するようでした。(20代 男性)


復讐ものかと思いきや、どんどん狂気と快楽の渦に巻き込まれていくのが怖かった。沙苗は被害者として登場するけど、最終的には能動的に銃を手にする存在になっていて、その変化にゾクッとしました。決して明確な「悪」がいないのも特徴で、人間の中にある“弱さと強さ”の両方を見せつけられた気がします。画面の美しさと音楽も相まって、不気味で美しい体験でした。(30代 女性)


はっきり言って、普通のサスペンスだと思って観るとかなり衝撃を受けます。性的暴力の描写も多く、人を選ぶ作品ですが、沙苗の覚醒からラストの復讐までの流れは見事。途中の犯人との関係が恐ろしくも妖艶で、倫理的にはアウトなのに目が離せませんでした。石井隆監督の女性像は一貫して“傷を抱えながらも立ち上がる”という点で芯があり、そこが好きです。(20代 男性)


被害者と加害者の境界が曖昧になっていく心理描写がすごい。沙苗が狂っていくのではなく、現実の狂気に順応していく姿がリアルで、逆に怖かった。特にレイプシーンの後の沙苗の視線に、演技以上の説得力があって鳥肌が立ちました。銃を手にしても、そこにヒロイズムがないのもリアル。復讐も希望もない、ただ「夜がまた来る」感覚が深く刺さる映画です。(40代 男性)


女性として観るのは正直つらい作品でした。でも、最後まで見届けてよかったと思います。沙苗の中の女性性と怒りが、あの銃に込められていた気がして。被害者がただ泣き寝入りするのではなく、自分の方法でケリをつけたという意味では、悲しみの中に力強さも感じました。石井隆監督の描く女性は、痛々しいけれど、どこかで共感してしまう部分があります。(30代 女性)


ある意味で、純文学的な映画だと思いました。官能と暴力、記憶と妄想、過去と現在が交差して、終始“本当に起きているのか”曖昧な感覚がある。だからこそ、観終わったあともずっと考えてしまいます。沙苗が自分自身の人生を取り戻すために引き金を引いた、というより、もう戻れないことを理解して撃った——そんな哀しさが残りました。(50代 男性)


石井隆ワールド全開で、ある種“様式美”すら感じました。ネオンの光、雨、夜の静けさ、そして女性の孤独…。どこか幻想的なのに、描いているのはドロドロとした現実。沙苗が最後に見せた微笑みが印象的で、それは勝利でも解放でもなく、ただ「これしかなかった」という絶望の中の笑み。こんな重い映画、そうそう出会えません。(40代 女性)


強烈な映画体験だった。性的描写の多さに警戒したけど、それ以上に“人間の深層”を覗き込むような怖さがあった。沙苗がどんどん変わっていく様子に、恐怖と魅力の両方を感じた。復讐の瞬間、ただの快楽じゃなくて、失ったものすべてに対する怒りが込められているようだった。自分の倫理観を試されるような映画。観る価値は、ある。(20代 男性)

映画『夜がまた来る』を見た人におすすめの映画5選

累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家が、映画『夜がまた来る』を見た人におすすめの映画5選を紹介します。

死んでもいい(1992)

この映画を一言で表すと?

哀しみと官能、そして復讐が渦巻く“愛の地獄絵図”。

どんな話?

男に裏切られた元女性刑事が、復讐のために身も心も壊しながら突き進むサスペンスドラマ。愛憎が交錯し、正義すらも曖昧になるその展開は息を呑むほどスリリング。石井隆監督が描く独特の美学と暗闇が支配する一作。

ここがおすすめ!

石井隆監督が得意とする“壊れた女性”の心理描写が圧巻。中島唱子の熱演と、雨とネオンに彩られた映像美が絶妙にマッチ。倫理を超えた復讐劇に、観る者は道徳の境界線を揺さぶられるはず。

ヌードの夜(1993)

この映画を一言で表すと?

濡れ場の向こうに潜む哀しみと暴力の夜。

どんな話?

場末の探偵が、連続殺人事件の謎と女性たちの過去に巻き込まれていく。エロティックな要素がありながらも、物語は次第に人間の孤独と暴力性をあぶり出す方向へと進んでいく。ダークで幻想的なハードボイルド作品。

ここがおすすめ!

本作も石井隆監督作品で、独特の映像詩が魅力。高橋克典の硬派な演技と、女性たちの悲しい運命が交差する構図は、まさに“石井ワールド”の真骨頂。薄暗い光と静寂が生む緊張感が堪らない。

復讐するは我にあり(1979)

この映画を一言で表すと?

人間の本性と欲望が露わになる犯罪ドラマの金字塔。

どんな話?

実在の連続殺人犯・西口彰をモデルに、犯罪に手を染めながらも逃げ続ける男の姿を通して、日本社会の偽善や狂気を浮き彫りにする。倫理と正義が崩壊していく様は、まさに戦慄。

ここがおすすめ!

緒形拳の鬼気迫る演技と、今村昌平監督の冷徹な演出が見どころ。加害者の狂気に焦点を当てることで、“人間とは何か”という根源的な問いを突きつけてくる衝撃作。観終わった後の余韻は強烈。

冷たい熱帯魚(2010)

この映画を一言で表すと?

日常から地獄へ。園子温が描く狂気のスリラー。

どんな話?

小さな熱帯魚店を営む男が、カリスマ的な同業者と関わったことで凄惨な殺人事件に巻き込まれていく。日常がゆっくりと壊れていく過程が恐ろしく、暴力描写も容赦がない。実際の事件をモチーフにした問題作。

ここがおすすめ!

園子温監督のダークな感性が全開。でんでんの狂気じみた演技は鳥肌もの。性と暴力、支配と服従というテーマが、『夜がまた来る』の持つ世界観と強く共鳴する1本。

ゆれる(2006)

この映画を一言で表すと?

兄弟愛と罪意識が織り成す静かな心理劇。

どんな話?

東京でカメラマンとして成功した弟が帰郷し、地元で起こった女性の死をきっかけに、兄との間にあった確執と過去の感情が浮き彫りになっていく。誰が嘘をつき、誰が本当のことを語っているのか分からない緊張感が続く。

ここがおすすめ!

奥行きのある人間描写と静謐な映像美が際立つ西川美和監督の代表作。明確な答えを出さない構成が、人間の“揺れる心”を的確に描く。『夜がまた来る』のような内面の葛藤を描いた作品が好きな方には特におすすめ。

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この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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