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映画『吉原炎上』あらすじネタバレ結末と感想

映画『吉原炎上』の概要:1987年公開の東映映画で、様々な理由で吉原に入ることになった女性達の野心や恋愛感情、悲しみ至るまでを描いたヒューマン群像劇。花魁になるまでを演じたヒロイン役の名取裕子の体当たりの演技が話題になった。

映画『吉原炎上』 作品情報

吉原炎上

  • 製作年:1987年
  • 上映時間:133分
  • ジャンル:ヒューマンドラマ
  • 監督:五社英雄
  • キャスト:名取裕子、二宮さよ子、藤真利子、西川峰子 etc

映画『吉原炎上』 評価

  • 点数:80点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★★★
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★★☆

映画『吉原炎上』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『吉原炎上』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『吉原炎上』 あらすじ【起・承】

18歳の久乃(名取裕子)は、吉原の中梅楼に遊女として売られることになった。
吉原は浅草にあり、吉原遊郭と呼ばれるほどの有名な歓楽街であった。
そこでは6年間もの間、借金を背負った女性や家族に売られたものが春を売る。
そうして金を返していくというシステムである。
久乃は花魁の中で1番人気がある、御職の九重という遊女にお目通りする。
そして彼女に下に付き雑用を始め、遊女のことを学んでいった。

月日が経ち、久乃は若潮という源氏名で遊女デビューすることになった。
しかし若潮は恐怖から初めての客から逃げてしまう。
このことで久乃は、九重から遊女の振る舞いを手取り足取り学ばされる。
九重には通ってくる若い学生がいたが、彼を置いて遊郭をさる決心をする。
九重は残りの借金を返済。
遊女の誰にも挨拶もせず去って行くのだった。

1年後。
九重の代わりに御職になったのが里だった。
この頃若潮にもひいきにしてくれる男性が現れる。
それは信輔という財閥の跡取りだった。
彼のおかげで若潮は確実に遊女として名を挙げている。

里には本気で一緒になりたい男がいた。
しかしこの男に裏切られた里は心中騒ぎを起こす。
そして吉原を散々巻き込んだあげく、最後は自殺するのだった。

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映画『吉原炎上』 結末・ラスト(ネタバレ)

里の死から1年後。
若潮は遊郭内で美しく人気のある遊女に成長した。
気持ちの中でも自分が遊女として華やかでありたいと、次第に花魁道中復活の夢を見始める。
この頃御職だった小花が病死してしまい、ついに若潮は御職となった。
花魁となった若潮は紫という名前になる。

1年が経ち、信輔は紫の身請け人となりたいと願い出る。
そのために2000円を紫に渡し、借金を返させた上で妻にしたいと言うのだ。
紫は信輔を愛していた。
しかし信輔は紫のところに通いながらも1度も抱かなかった。
このことを気にしていた紫は、自分を娼婦として愛してくれてはいなかったと断る。
しかし1度あげた金だからと引っ込めない信輔に、その金で花魁道中をさせて欲しいと頼む。
この願いに身も心も娼婦になってしまったと残念がる信輔だったが、その願いを叶えてやることに。
こうして紫の花魁道中は実現した。
吉原では憧れの的であった。

その後紫の元に通った実業家・坪坂という男に身請けされ、広島で結婚生活を送ることになった紫。
しかし吉原を去るその日、吉原は大火災となる。
信輔もその火災の中にいた。
坪坂を残し吉原に走って戻る紫は、ただ呆然と立ち尽くし吉原中が燃える火災を見ていた。

映画『吉原炎上』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『吉原炎上』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

昭和を代表する衝撃的作品

技術や大胆性が認められた現代でも中々ここまでは表現できない。
そんな衝撃的なシーンや、演出が多い作品である。

物語は浅草にある吉原の遊郭での話。
これだけでも中々見ごたえのある舞台だが、何人かの遊女の人生にスポットを当てて群像劇的に見せているところがドラマを盛り上げている。
しかし他のもっと酷い話を想像しているとそうでもなく、借金を返せばきちんと遊郭を出られるし、無理に暴力を振るわれたりはしない。
遊女としての誇りを持った女性達の話であるので、遊女であることを可哀想に思うような視点の話でないのは素晴らしい。

ホラー映画ばりの人間の本性の恐怖

幽霊やバケモノだけが怖いわけではない。
本当に恐いのは生きている人間なのだ。
嫉妬や見栄、欲や裏切りなど具体的な人の本性をあからさまに描いている。

吉原という独特の場所で足枷を付けられた女たちががむしゃらに生きる様は何よりリアルでホラー映画のようだ。
特に自殺騒ぎを起こした吉里は、男に裏切られ間違って人を殺してその場で自分も死ぬ。
このときの表情は恐ろしく、とんでもないものを見せられた気分である。

名取裕子の濡れ場

今では土曜日の二時間ドラマの女王の名取裕子が演じた濡れ場シーンはショックでさえあった。
吉原であるから男性とのシーンは覚悟していたのだが、何とか花魁の女性である。
しかもこのシーンが必要以上に長く困りものだ。

本作品は1人で鑑賞するのをオススメしたい。
このシーンでファンを獲得したかったのか。
いるようでいらないシーンである。

映画『吉原炎上』 まとめ

本作品は昭和の名作の1つである。
CGも映像技術も無い中で、脚本と演出、俳優陣の演技だけで仕上げた本当の意味で実力派が作ったすさまじい作品と言っても良い。

名取裕子の体当たりの濡れ場シーンは衝撃で、現在の彼女の活躍しか知らない世代の我々にはこんな時代もあったのかと思うだけである。
しかし今見ても彼女の演技力は優れていて、ハードな内容ではあるものの作品としての完成度は高い。
もう1度は見たくないが見て良かった映画である。

この記事の編集者
影山みほ

当サイト『MIHOシネマ』の編集長。累計10,000本以上の映画を見てきた映画愛好家です。多数のメディア掲載実績やテレビ局の映画番組とのタイアップ実績があります。平素より映画監督、俳優、映画配給会社、映画宣伝会社などとお取引をさせていただいており、映画情報の発信および映画作品・映画イベント等の紹介やPRをさせていただいております。当サイトの他に映画メディア『シネマヴィスタ』の編集長も兼任しています。

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みんなの感想・レビュー

  1. 匿名 より:

    名取裕子が昔の女優として扱われる時代になったんですね。