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映画『禅 ZEN』あらすじネタバレ結末と感想

映画『禅 ZEN』の概要:2009年公開の日本映画。日本の歴史的有名な鎌倉時代の僧・道元の一生を描いた作品で、中村勘太郎が演じたことで話題になった。リアルさにこだわった歴史作品で非常に見やすい仕上がりである。

映画『禅 ZEN』 作品情報

禅 ZEN

  • 製作年:2008年
  • 上映時間:127分
  • ジャンル:歴史、ヒューマンドラマ
  • 監督:高橋伴明
  • キャスト:中村勘太郎、内田有紀、藤原竜也、テイ龍進 etc

映画『禅 ZEN』 評価

  • 点数:75点/100点
  • オススメ度:★★★★☆
  • ストーリー:★★★★☆
  • キャスト起用:★★★☆☆
  • 映像技術:★★★☆☆
  • 演出:★★★☆☆
  • 設定:★★★☆☆

[miho21]

映画『禅 ZEN』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)

映画『禅 ZEN』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む

映画『禅 ZEN』 あらすじ【起・承】

道元(中村勘太郎)は8歳の時、最愛の母を亡くした。
その死に際で母は息子に「生きている世界の中で、争いや病、死の恐怖からの苦しみから抜ける道を探して欲しい」と言う。
元々、道元は死んでから浄土に行くということは意味のないことであり、生きている今浄土を見なければいけないという考え方の少年であった。

24歳の時、道元は自分の本当の師を探し、中国の宋にいた。
かれは寺を訪れては住職に面会、しかし金や欲にくらんだものばかりで幻滅する日々。
諦めかけていたある日、道元は昔死んだ共にそっくりな僧・寂円に出会う。
彼は失意の底にいる道元を自分の師に会わせてくれた。

この住職・如浄禅師との出会いが運命を変えた。
彼の元で修行をした道元は悟りを開き、帰国することにする。
帰国後、道元は建仁寺で師の教えを執筆。
そこで彼の禅の考えに賛同した俊了(高良健吾)、懐装、そして宋で会った寂円などと共に禅を広めて行く考えになる。

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映画『禅 ZEN』 結末・ラスト(ネタバレ)

しかし比叡山の僧たちはこれを許さなかった。
邪教とし、度々圧力をかけてくる。
六波羅探題の波多野は道元の人柄を好み、彼の流派を尊重してくれる貴重な役人である。
度重なる比叡山からの攻撃を見かねて、羽多野は安養院に移らせる。
そこで道元の教えに賛同した多くのものも参加し、興聖寺を建設。
1人、また1人と彼の教えを乞うため、座禅者は増えていった。

この地で道元に救われたものに、おりん(内田有紀)という遊女がいる。
彼女にはまだ乳を飲む赤子がいて、働かない亭主のせいで苦労していた。
そんなある日、子供の体調が悪く道元の元に走ってくる。
結局子供は亡くなるが、道元の教えにより心が救われたおりんはこの日より道元に尊敬の念を抱くようになった。

相も変わらず比叡山の攻撃は続き、酷くなっていった。
そこで波多野はまたもや道元に救いの手をさしのべる。
自分の領地である越前に行かないかということだった。
渋った道元だったが比叡山の僧侶達の焼き討ちに遭い、遂に覚悟を決め越前に向かった。

越前で建設した寺は後の永平寺である。
ここでは道元はさらに禅の教えを厳しく教え、仏門の道を究めた。
そこで波多野から北条時頼が怨霊に苦しめられているから救って欲しいと頼まれる。
そして時頼の元に出向いた道元は、怨霊に苦しめられているのは自分自身であり、煩悩を捨て受け入れるよう話す。

道元は歳をとった。
すでに外は雪景色である。
道元最後の日が近づいていた。
禅を組むため道場へ向かう。
そして禅の途中、静かに逝くのだった。

映画『禅 ZEN』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)

映画『禅 ZEN』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む

演技にはまれない

中村勘太郎を使うということはそういうこと。
演技としては確かに上手いのだが、何せ大袈裟でわざとらしい話し方が多い。
最初の方はそれが新鮮で、中々良いぞと思って見ているのだが中盤からは鼻につき、最後の方はおなかいっぱいですという感じ。
迫力はあるが、くどい気もする。
そんなに道元の正当性を押し付けられても困るといえものである。

中国語の堪能さ

どれだけ練習したのか、見事である。
本場の人から見たら今一なのかもしれないが、留学僧の役柄としては十分であろう。
入宋した頃の道元のひたむきさは、ぐっとくるものがある。
また後ろに広がる広大な土地もまた話を壮大にして良い。

内田有紀の意味

内田有紀演じる、おりんは遊女。
子供が死ぬことで道元の教えをこうようになるのだが、彼女の登場の意味がわからない。
必要性を感じないのだ。

物語後半で彼女を好きになった僧。
彼女が原因で寺を去るのだが、そこくらいである。
もう少し女性を登場させた意味をしっかりつくってほしかった。

もう少し脇役の人生を描いて欲しい

この物語の主人公はもちろん道元である。
だから彼の生涯を詳しく描いてくれればそれで良いのだが、他の人物も良さそうな人がたくさん出ている。
中でも中国からの僧、寂円においては旧知の仲である。
もう少し寂円の人生観や仏門への思いを描くなど、道元を支える人たちにスポットを当てることでより映画としての面白みが増した気がする。


禅に対してなんの知識もない私にとってこの作品は苦行でしかありませんでした。道元が有名な人であることさえ知らなかったので、彼の極端な考え方について行けず序盤で見るのを辞めようかと思ってしまいました。
しかし、最後まで見れば何か得られるものがあると考え見たのですが、なんでも疑ってかかるタイプの私のような人間には人からの「教え」はあまり役に立たないようです。
知識がある人、教えを請いたい人にはおすすめの作品です。(女性 30代)

映画『禅 ZEN』 まとめ

道元というと有名な僧であるが、その人生は中々知らない。
宋に留学していたという事実もここで知った。
だがしかし、美化しすぎのような気もする。
もちろん仏門という道を極めたことは素晴らしいことであり、1つのしんじるみちをとまっとうしたという男らしさもまた良い。

しかしもう少し人間くさい部分を描いても良かったのでは?
するとまたもう少し道元を身近に感じ、日本の歴史と仏教というものに親しみを感じたように思う。

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