映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』の概要:ゾンビが蔓延した世界で、唯一の家族になった妹を探す兄、そして実験を受けた妹に芽生えた特殊能力を描いたB級ゾンビ映画。原題は「WYRMWOOD:ROAD OF THE DEAD」。
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』 作品情報
- 製作年:2014年
- 上映時間:98分
- ジャンル:ホラー、アクション
- 監督:キア・ローチ=ターナー
- キャスト:ジェイ・ギャラガー、ビアンカ・ブレイディ、レオン・バーチル、キース・アギウス etc
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』 評価
- 点数:75点/100点
- オススメ度:★★★☆☆
- ストーリー:★★★★☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★☆☆
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★★☆
[miho21]
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』 あらすじ【起・承】
バリーは妻アニーと娘ミーガンと暮らしていたが、妹からの電話で逃げるように言われ、自宅にゾンビが侵入しているとわかり車で逃げ出した。
町はゾンビであふれかえっていた。
やがてミーガンとアニーもゾンビになり、バリーは家族を殺すことになってしまう。
通りかかった男性と共に、妹がいるブラブラを目指すが、途中で車が故障。
銃声が聞こえて周囲を歩き回っていると、ゾンビと間違えられて撃たれ、男性の頭が吹っ飛ぶ。
暢気な黒人のベニーは、兄弟3人で狩りにやってきた。
朝になると弟トニーはゾンビになっていて、慌てて逃げ出した末に生きている人間をゾンビと間違えて殺してしまった。
バリーとベニーは行動を共にし、周囲に何かないかと探っていると、車庫に隠れたフランクとケルを見つけかくまってもらうことに。
そこで2人から、ガソリンが突然燃えなくなったと教えられ、そのせいで車も動かせないと言われる。
しかしゾンビの血や息が燃えることが判明し、2人が身近に置いていたネヴィルと呼ばれるゾンビを燃料タンクに変えて、車の試運転をする。
途中でケルもゾンビに噛まれ、彼も燃料にしてバリー、フランク、ベニーは武装してブラブラへ向かう。
車で移動していたバリーたちだったが、夜になるとゾンビの燃料が使えなくなると判明。
車の中で一晩やり過ごそうとするがフランクがゾンビに噛まれ、仕方なく彼を殺すことになる。
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』 結末・ラスト(ネタバレ)
バリーの妹ブルックは、友人と3人でブラブラにある工房にいたが、友人チャーリーとシェリーがゾンビになった。
兄に逃げるよう電話をした後、隠れていたブルックは武装した2人組に助けられるが、彼らはブルックをさらう。
目覚めたブルックは拘束されており、同じように拘束されたゾンビの血をマッドサイエンティストによって注射されてしまう。
何度も血液を注射されるうちに、ブルックにはゾンビを操る能力が芽生えた。
フランクとケルの遺体を埋葬したバリーとベニーは軍と遭遇し、A型Rh-の人間だけは噛まれない限りゾンビにならないと教えられる。
怪しさを覚えつつ、2人は軍に案内されてブラブラへ。
能力を使ってマッドサイエンティストから逃れたブルックと合流したバリー。
軍のトラックを引き離し、お互いの状況を教えあう。
しかしベニーは撃たれ、ブルックも体調が悪い。
軍に捕まり、ブルックを呼び出すよう脅されるバリーとベニー。
ベニーは自らゾンビに噛まれて軍に抵抗するが、倒されてしまった。
ゾンビを操って2人を救出しようとしたブルックも命を落とす。
バリーは一人残った軍メンバーと殴り合いの勝負をして、ゾンビの血が燃えると知らないのを逆手にとって火傷を負わせ、ゾンビがとどめを刺した。
ブルックは、能力を持ったままゾンビとして蘇ったのだ。
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
設定がしっかりしているB級ホラー
近年増加傾向にある、人気作のタイトルにそっくりな邦題を付けて客数を伸ばそうという意図が見え隠れするB級ホラー。
しかし本作は一味違い、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」そっくりの武装をして、輸血袋ならぬ燃料ゾンビを抱えて車を走らせるという設定。
どう見ても「マッドマックス」ソックリの武装をしているが、あくまでもゾンビに噛まれないためのもの。
一方では吹き替え版のバリーのセリフに「ゾンビマーックス!」という叫び声があり、面白さを誘う。
バリーたちがゾンビ化しない理由を血液型にしたり、昼のゾンビはガスを放出していて動きが遅いが、夜はそれが無いので動きが速いと上手い設定をつけていて、矛盾点が少ないのには好感が持てる。
アップテンポで面白いストーリー
アップテンポな展開にすぐに引き込まれるストーリー。
かなり早い段階でゾンビだらけの世界になり、バリーが妻と娘を失うが、悲しみもきちんと描いている。
ことごとく自殺に失敗したバリーが、前向きになるのも早い。
ケルが燃料になるシーンはコミカルに描かれているが、フランクとケルを埋葬した後の悲しみもきちんと描かれていて、手抜き感は無い。
音楽をかけて謎のダンスを披露する、マッドサイエンティストの奇行や気の弱さは笑いどころだが、やっている実験の恐ろしさも表現されている。
これまでになかった全く新しいゾンビヒロイン、ブルックの姿も格好いい。
低予算にしてはクオリティの高いゾンビ
ゾンビが襲ってくるシーンを工夫して使いまわしたり、森の中と道路と同じ小屋を使いまわしているものの、アップテンポなストーリーのおかげで気にならない。
ゾンビのクオリティは意外に高く、動きが雑な個体がいるものの、割としっかり描かれている。
突然頭を撃たれて倒れる男性にも驚かされ、残酷描写もクオリティは低いが、しっかりとした演出が効果的になっている。
こういう人気作品のタイトルを引用した作品って大体がB級のくだらない作品なのですが、今作はタイトルに負けないしっかりとした設定と作り込まれたシナリオで想像以上に面白い作品でした。
『マッド・マックス 怒りのデスロード』を見た事がある方はこれってウォーボーイの…?とかイモータン・ジョーじゃん…!などと感じるシーンが多々あると思います。ゾンビに噛まれないための武装ですが、マッド・マックスが大好き私としては、ゾンビ映画でこれが見られるのかと少し嬉しくなりました。(女性 30代)
映画『ゾンビマックス! 怒りのデス・ゾンビ』 まとめ
字幕版にはない面白い言葉使いが、吹き替え版には多用されていて、特にベニーのセリフの数々は笑いを誘う。
吹き替え版のみに使われている、気合を入れたバリーの「ゾンビマーックス!」という掛け声も面白い。
ブルックの首を切り落とすために、なぜか日本刀を持ち出して「日本刀で候」という言うのも、とにかく面白すぎる。
タイトル詐欺と呼ばれるような、原題とは全く違う邦題をつける事で客層を増やすような作品ではなく、オマージュ作品の一環として見ることができる。
これまで見たことがないゾンビを操るゾンビヒロイン、ブルックの姿はクール。
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