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映画『20センチュリー・ウーマン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『20センチュリー・ウーマン』の概要:「人生は巨大で計り知れない」。だがそれゆえに美しい。激動の20世紀を生きる15歳のジェイミーは周囲の人間と関わる中で成長していく。激動の20世紀アメリカを舞台に、互いを通じて人生を再定義しようとする親子のヒューマンドラマ。

映画『20センチュリー・ウーマン』の作品情報

20センチュリー・ウーマン

製作年:2016年
上映時間:119分
ジャンル:ヒューマンドラマ、歴史、音楽
監督:マイク・ミルズ
キャスト:アネット・ベニング、エル・ファニング、グレタ・ガーウィグ、ルーカス・ジェイド・ズマン etc

映画『20センチュリー・ウーマン』の登場人物(キャスト)

ドロシア(アネット・ベニング)
ジェイミーの母でシングルマザー。息子の子育てに悩む一方、シェアハウスのみんなをまとめる懐の広さがある。型にはまらない性格であるものの、自分が時代についていけていないことを悩む。タバコが手放せない。
ジェイミー(ルーカス・ジェイド・ズマン)
思春期真っ只中のスケボー少年。15歳。周りの女性たちと関わっていく中でフェミニズムに関心を持つようになる。母親の心配を鬱陶しく感じており、悪さをすることも。ジュリーのことを愛しているがなかなか伝えられない。
ジュリー(エル・ファニング)
ジェイミーの幼なじみの女の子。母が再婚したため、新しい家族と暮らしているが折り合いが悪く、シェアハウスに入り浸っている。性の目覚めが早く、ジェイミーに女性の性について話すことも多いが、ジェイミーとは友人以上恋人未満を貫いている。
アビー(グレタ・ガーウィグ)
パンクロックが大好きで写真家を目指すジェイミーの姉的存在。破天荒でパワフルだが傷つきやすい一面も。ジェイミーに女性の扱い方を教えるなど、彼のフェミニズムに対する関心を助長している。
ウィリアム(ビリー・クラダップ)
家や車の修理を仕事にしている中年男性。ジェイミーの周りにいる唯一の男性で父親代わりを期待されるが、物づくりに夢中。過去の出来事から劣等感を抱いており、女性に対してこだわりがない。趣味は陶器づくり。

映画『20センチュリー・ウーマン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『20センチュリー・ウーマン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『20センチュリー・ウーマン』のあらすじ【起】

1979年、シングルマザーのドロシアと息子のジェイミーは、南カリフォルニアのサンタバーバラでシェアハウスを営んでいた。そこで写真家を目指すアビーと家や車の修理を生業にするウィリアムと共に暮らしており、ジェイミーの幼なじみのジュリーも家に入り浸っていた。

ドロシアは型にはまらない性格で、息子にも自由に暮らして欲しいと考えている。世界恐慌の時代に生まれ戦争を経験した後、仕事で出会った男性と結婚し息子を授かるが離婚。タバコが大好きで、毎朝ジェイミーと株価をチェックすることを習慣にしている。

また、彼女はウィリアムにジェイミーの父親代わりになって欲しいと考えていたが、ジェイミーは彼を退屈な人間だと関心を示さない。

アビーは子宮頸ガンを患っており病院に通っており、パンクロックを愛している。

ジュリーは、家庭環境の悩みを話すグループセラピーに参加しているが、新しい家族と折り合いが悪く、男友達とのセックスにしか興味がなかった。彼女は夜にこっそりジェイミーの部屋に忍び込んでは、悩みや相談事をするがジェイミーとはセックスをしないと決めていた。

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映画『20センチュリー・ウーマン』のあらすじ【承】

ある日、ジェイミーは友達と失神ゲームをしている内に意識が戻らなくなった。たまたま居合わせたジュリーの知らせによって病院に運ばれるが、命に別状はなかった。

息子を心配したドロシアは、年長者でありジェイミーの友人でもあるアビーとジュリーに彼を守るようお願いする。母親役は嫌だと反発するも、二人は渋々受け入れるのだった。

それを知ったジェイミーは余計なお世話だと反発し、友達とパンクロックのライブに出かける。夜遊びをして帰りが遅くなると、ドロシアはさらに心配を募らせていく。

そんな中、アビーとウィリアムは共通の趣味から距離が縮まり、一夜を共にしようとするがウィリアムが断った。

帰宅したジェイミーに、ジュリーは男友達とのセックスで妊娠してしまったかもしれないと告げる。ジェイミーは優しく彼女に寄り添い、母に対する感情や家族、愛やセックスなどに関して互いの本音を話すのだった。

翌朝ドロシアは夜遊びに関して、あえてジェイミーに問い詰めようとはせず、女性に寄り添える男性になるよう伝える。

映画『20センチュリー・ウーマン』のあらすじ【転】

アビーは子宮頸ガンの詳しい検査の結果を聞くために病院に向かう。ジェイミーは家で待つよう言われていたが、アビーに付き添う。病院で医者から、悪性ではないものの、手術の後遺症で子供を産むのは難しいと告げられる。家に帰ると、ドロシアはショックを受けたアビーを慰め、絆を深めていくのだった。

病院から帰ってきたジェイミーは、帰り道で買ってきた妊娠検査薬をジェリーに渡す。二人はタバコを吸いながら結果を待っていると、妊娠していないことがわかった。

その夜、アビーはジェイミーの部屋を訪ね、お礼に好きな曲が入ったミックステープをプレゼントし、自分の過去について語り出す。

アビーは地元を出て、ニューヨークのアートスクールに通い写真家への道を進んでいた。しかしある日、ガンが見つかり地元に帰ってくることに。母親との折り合いが悪かったアビーは地元を出てドロシアの元に住むようになったのだった。

翌朝、ジュリーがジェイミーの部屋から出ていくところを発見したドロシアは彼女を問い詰める。だがジェリーは問題の根源はドロシアにあると告げ、彼女の男性に対するイメージが古いことを批判した。

図星を突かれたドロシアは、その日の夜クラブに行くことにした。そこでの音楽やファッションから、時代の流れについていけないことを自覚したドロシアは、ウィリアムやアビーを置いて帰宅する。

アビーはクラブの客と大喧嘩して帰宅すると、ジェイミーに女性との付き合い方を教える。
三人の女性に囲まれて生活していたジェイミーは、次第にフェミニズムに関心を抱くようになるのだった。

自身の男性観に悩むドロシアは、ウィリアムに相談する。
ウィリアムは過去にヒッピーとして生活し、そこで女性に恋をしたが、教養のなさや劣等感からその女性から逃げ出した。それ以降、修理の仕事や趣味の陶器造をする傍ら、孤独を紛らわせるために女性と関係を持ち続けてきたことを告白。

互いの考えを話すことで、二人は友人として距離を縮めていくのだった。

映画『20センチュリー・ウーマン』の結末・ラスト(ネタバレ)

日に日にフェミニズムに目覚めていく息子を心配したドロシアは、アビーにこれ以上知識を与えないよう伝える。

そんなある日、シェアハウスで友人たちを集めてパーティーが開催される。
友人たちが楽しく話している一方、アビーは俯いたままだった。ドロシアはアビーに話しかけるが生理を理由に拒否。大勢の前で性的な言葉を連発するアビーにドロシアは激怒する。しかし、アビーもこれに反発。参加している男子一人ひとりに「生理」と言わせる。ジュリーまで自分の初体験を話し出し、パーティーは収集がつかなくなりそのまま解散に。

その後ジュリーの話を聞いてしまったジェイミーは、もう部屋に来ないよう伝える。彼との関係を壊したくなかったジュリーは、ジェイミーを海にドライブに行こうと誘う。

海に向かい、モーテルに泊まることになった二人。良い雰囲気の中、ジェイミーは気持ちを伝える。しかし、親密すぎるが故にジェイミーとはセックスできないと断られてしまう。

深く傷ついたジェイミーはモーテルを抜け出し、行方不明に。それを知ったドロシアたちは急いでモーテルに向かうが、ジェイミーは既にモーテルに戻っていた。

ドロシアは説教しようとジェイミーを外に連れ出す。するとジェイミーは、ドロシアが自分を育てることにうんざりしているのではないかと尋ねる。ドロシアは、そこで初めてジェイミーに幸せになってもらいたいだけだと伝え、親子の愛を再確認するのだった。

1999年、ドロシアは肺ガンで亡くなる。アビーは結婚し二人の子供を持つ。ジュリーは大学に進み、パリに移り住む。ウィリアムは陶芸家になり、ジェイミーは息子を持つようになる。

最後は、母を振り返るジェイミーが「説明できない母だった」と話し、幕を閉じるのだった。

映画『20センチュリー・ウーマン』の感想・評価・レビュー

この映画は母親と息子が周囲の人間と関わる中で成長していく物語であるが、その中に当時のアメリカの文化や社会背景が織り交ぜてあり、非常に社会派な映画だった。

扱っているテーマは人生や価値観、愛や、セックスなど非常に重いテーマである一方、演出や衣装などでカラフルな色使いがされているため、見終わった後でも不思議とすっきりとした印象を受けた。

今作は題名通り、20世紀を生きる三人の女性たちの価値観が主人公に影響を与えていくが、大人になったジェイミーがどのような男性になったのか、気になるところである。(MIHOシネマ編集部)


本作は、1979年のサンタバーバラを舞台に、思春期の息子とシングルマザーとの親子関係や個性豊かなルームメイトたちを描いた社会派ヒューマンドラマ作品。
5人の登場人物たちの生き方や関わり合い方といった内容は少々複雑に入り組んでいて、理解するには難しい部分もあった。
しかし、静かに淡々と物語が展開していく様相や観終わった後に余韻を残すような雰囲気がとても好みだった。
インテリアやファッション、ヘアスタイル、レトロな色合いなど、隅々にまで年代を感じられる作品。(女性 20代)

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