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映画『4TEEN フォーティーン』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『4TEEN フォーティーン』の概要:原作は石田衣良による連作短編小説。当作品は第129回直木賞受賞作作品である。東京・月島を舞台に、14歳の少年たちが傷つき合いながら成長する過程を追う。WOWOW制作にて実写化された。

映画『4TEEN フォーティーン』の作品情報

4TEEN フォーティーン

製作年:2004年
上映時間:113分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:廣木隆一
キャスト:角田紳太朗、若葉竜也、落合扶樹、柄本時生 etc

映画『4TEEN フォーティーン』の登場人物(キャスト)

テツロー(角田紳太朗)
長身の優等生。近所に登校拒否のルミナが住んでいる。よくプリントや宿題を届けており、顔は合わせずに交流を深めていた。
ダイ(柄本時生)
口達者でお調子者。父親がアルコール依存症で家庭に少し問題を抱えている。ある事件を境に、不良の道に走り始め3人を避けるようになる。
ナオト(落合扶樹)
ウェルナー症候群(早老症)を患う少年。検査入院を繰り返しながらも、明るく振る舞っている。
ジュン(若葉竜也)
もんじゃ焼き屋の息子。4人の中で一番頭の回転が速く、一目置かれている。ダイのために一肌脱ごうと頭脳戦で不良グループと闘う。

映画『4TEEN フォーティーン』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『4TEEN フォーティーン』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『4TEEN フォーティーン』のあらすじ【起】

「交通費は痛手」だと言うダイは、テツロー、ジュンと合流し自転車で月島から渋谷まで駆け抜けた。目的はナオトの誕生日プレゼントを探すという名目のナンパである。バラバラに別れた3人は、たどたどしく声をかけ続ける。しかし、耳を傾けてくれる女性はいなかった。この小さな冒険の提案者であるダイは、真っ先に諦めようとした。そこへ入院中のナオトから連絡があり、「エロ本が欲しい」と希望を知るのだった。

何か特別なものを送りたいと言うダイ。希望通りのエロ本ではなく少しだけ「大人になる」体験をプレゼントする計画を思いつく。プロの女性に依頼しようと風俗店の前であたふたしている3人は、高校生に絡まれてしまった。偶然通りかかったリカに助けてもらった3人は、最後の望みをかけて事情を説明するのだった。

ナオトの見舞いに行った3人はリカを置いて病室を出た。ベッドの下に携帯を仕込み、二人のやり取りを盗み聞きするつもりである。早速「こと」を済ませようとするリカ。しかしナオトは薬の副作用で機能しないことをカミングアウトするのだった。リカの胸を借りてすすり泣くナオトの声を聞いた3人。リカもナオトの秘密を守り、3人にはナオトが「男」になったと伝えるのだった。

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映画『4TEEN フォーティーン』のあらすじ【承】

テツローは休みがちな同級生・ルミナと家が近い。そのため学級通信を届ける役目を請け負っていた。引きこもっているルミナとはしばらく顔を合わせていないが、気になる存在ではある。いつも通り家を訪ねたある日、家の前に着くとルミナから連絡があった。家に上げてくれたものの、姿を見せようとしないルミナにテツローは困惑する一方である。

ドア越しに電話で話すテツローとルミナ。自分の容姿に自信が無く、異常なダイエットをしているというルミナを励まそうとするが、その言葉は届かなかった。ジュンの家でもんじゃ焼きを食べながら、テツローは乙女心を理解できないとダイ・ナオトに話すのだった。

毎年恒例の花火大会の下見に行った4人。お気に入りの隠れ場所に座り込む車いすの男性の姿を見かけた。死のあっけなさについて語る男性を、「きっとラッキーがある」と闇雲に励ますダイ。亡くなった妻との思い出が詰まった海に連れ出してあげることにする。綺麗な夕日を眺めた4人はそのまま夜を迎え、花火大会を楽しんだ。

映画『4TEEN フォーティーン』のあらすじ【転】

頑固な男性を置いて帰路に就こうとしたが、ナオトは一人男性の元に戻った。その男性の名前は赤坂カズマだった。死を怖がるナオトに赤坂は、最期は好きな場所がいいと伝えるのだった。この出会いを「ラッキーだった」と言い残し赤坂は眠りについた。

ナオトが再び入院することになった。退院祝いはジュンの家で、盛大なもんじゃパーティーである。秘密を打ち明け合う4人。アルコール依存症の父親を持つダイは、中学を卒業したらすぐに働き、いつか青年海外協力隊に行きたいというものだった。

ある日、事件が起きた。ダイの父親が自宅の前で嘔吐物を詰まらせ亡くなったのだ。容疑者となったダイ。面会ができないため、手紙を警察に届けたが返事はなかった。少年院に入らずに済んだダイだったが、保釈後は人が変わったようによそよそしく振る舞うのである。

気まずさが嫌なテツローは弟の話を聞くことにした。その頃、ダイは学校の不良グループとつるむようになった。ダイを助けようと交渉に行った3人だが、その代わりに一人10万用意するようせがまれてしまう。

映画『4TEEN フォーティーン』の結末・ラスト(ネタバレ)

ダイが父親から暴力を受けていたのを知っていたが助けることができなかった3人。しっかりと向かい合おうとダイを探し回った。

ダイの家には、新しい自転車が届いていた。父親が亡くなる前にダイの願いを叶えようと用意していたのである。亡くなる前日、久しぶりにシラフだった父親といろんな話をしたというダイ。その時に欲しいものを伝えていたのである。亡くなった日、酔った父親はいつも通りダイと弟を殴ったという。漏らしながら眠った父親に呆れかえり父親を追い出したというダイは、罪の意識から3人を避けていたのだった。

4人はジュンの家でもんじゃ焼きを食べ、不良グループの元へ向かった。コテンパンにやられた4人だが、清々しい余韻に浸っていた。以前に話した秘密は嘘だったと告白したダイ。自分も父親のように暴力を振るうようになるのではないかと、自分が怖いというのが本心だった。その話を聞いたテツローだが、「4人が離れ離れになるのが怖い」という本音をこの時も打ち明けられなかった。

テツローと心を交わし合ったルミナは一歩外に出た。4人は余計な言葉を掛けず、「行きますか」と一緒に学校へ向かうのだった。

映画『4TEEN フォーティーン』の感想・評価・レビュー

少年たちの微かな成長を見た。今や名前と顔が合致する人が多いだろう俳優陣の初々しい表情を堪能できる一作である。テーマとしては「思春期」よりも「変化」が重視されている。女子を意識する年齢であるが、男同士の絆がまず最優先であり感情の変化が実に繊細に描かれていた。柔らかな質感と、穏やかな音楽で構成される物語に、嫌悪感や社会の歪みは必要ない。すっとした気分になりたいときには見てみて欲しい。(MIHOシネマ編集部)

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