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映画『コロンバス』のネタバレあらすじ結末と感想

映画『コロンバス』の概要:地元の図書館で働きながら母親の面倒をみている女性と、建築学者の父親の見舞いのためコロンバスを訪れた男性の交流を描く一作。モダニズム建築が溢れるインディアナ州コロンバスを舞台としている。

映画『コロンバス』の作品情報

コロンバス

製作年:2017年
上映時間:103分
ジャンル:ラブストーリー、ヒューマンドラマ、青春
監督:コゴナダ
キャスト:ジョン・チョー、ヘイリー・ルー・リチャードソン、パーカー・ポージー、ミシェル・フォーブス etc

映画『コロンバス』の登場人物(キャスト)

ジン(ジョン・チョウ)
韓国で英語の出版物を翻訳する仕事をしていたが、父親が病に倒れコロンバスへとやってきた男性。家庭を顧みなかった父親への確執を埋められず、複雑な心境でコロンバスに留まっている。
ケイシー(ヘイリー・ルー・リチャードソン)
幼い時からコロンバスで暮らしている女性。覚醒剤に溺れていた母親のために建築物について学びたいという夢を諦めている。ジンと知り合い、相容れない価値観を共有していく。
ゲイブ(ローリー・カルキン)
ケイシーの友人。大学に通い修士号を取得している。難しい論文を読解しては、ケイシーの働く図書館に来て話をしている青年。
エレノア(パーカー・ポージー)
ジンの父親の秘書。若いころからジンを知っているため、父子間の確執もよく理解している存在。建築物が好きで、ケイシーによく似ている。

映画『コロンバス』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)

映画『コロンバス』のストーリー(あらすじ)を結末・ラストまでわかりやすく簡単に解説しています。この先、ネタバレを含んでいるためご注意ください。

映画『コロンバス』のあらすじ【起】

教会で教授を探し回る女性秘書・エレノア。その教授は講演ツアーのためコロンバスを訪れていた。小雨の降る中、傘もささずに景色を眺めていた教授は、エレノアが電話をして目を離している隙に倒れてしまった。

地元の図書館で働くケイシー。コロンバスに溢れる現代建築(モダニズム建築)のガイドになるために空き時間を見つけては勉強に励んでいた。常勤の図書館司書になりたいと考えていたケイシーだが、修士号を取得していないと難しいと知り現実にぶつかっていた。

図書館の片隅で胡坐をかいて本を読む友人・ゲイブを誘い、気晴らしに映画を見たいと思っていたケイシー。しかしその夜ゲイブは予定があると断られてしまう。ケイシーは建物を眺めながら、ひとり夜を明かすのだった。

編集の仕事をしているジンは教授である父親が倒れたと知り、韓国・ソウルからコロンバスへと駆けつけた。エレノアは涙ながらに後悔を語り、シカゴへ戻らなければならない旨をジンに告げる。1年間父親とは音信不通だったジンは、埋められないわだかまりを抱えながらコロンバスに留まることとなる。

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映画『コロンバス』のあらすじ【承】

母親と二人暮らしのケイシーは家事も全て担っていた。料理が薄味だと文句を言われながらも、母親の面倒をみる使命感に駆られている。ある日、ゲイブの持論を聞いていたケイシーはアムステルダムから帰省したエマと図書館で再会する。

明るい表情のエマと話し息が詰まったケイシーは図書館の庭の隅で煙草を吸っていると、ジンに話しかけられた。実はジンの父親の講演会に参加する予定だったケイシー。すぐにジンの存在に気づき、聞きづらそうに父親の様態を尋ねた。「地元は好きか?」と尋ね返すジン。ケイシーに図書館の中を案内してもらったジンは「身近過ぎて何も感じなくなる」と意味深な言葉を言い残すのだった。

母親を職場の工場に送り届けたケイシーは履歴書を持って報道局を訪ねた。帰り道に偶然ジンを見かけ、ケイシーは声をかける。ジンは建築物に興味はないと知っていたが、ケイシーはコロンバスの建築物を案内した。知識を披露するケイシーに対して、ジンは地元を愛する理由を知りたいと興味を持ちはじめる。観光地を巡る中、ジンも父親の書斎で見つけた本で得た知識を話した。ケイシーはメモを取りながら、多くを語らないジンに興味を持ち始めた。

映画『コロンバス』のあらすじ【転】

ジンと過ごした時間に満たされていたケイシーは、ゲイブの誘いも断っていた。その日、母親が仕事から戻らなかった。心配するケイシーだが、母親の仕事仲間から「娘を休ませたいと言っている」と聞かされそのままジンに会いに行く。3番目に好きな建築物を見せたいと言いケイシーはジンを誘い出した。

この建物に夢中になった経緯を話したケイシーは、その流れで身の上話をすることにもなった。15.6歳の頃、恋人と別れたショックから覚醒剤に手を出した母親が何日も帰ってこなかったことを始め「母親が生きる気力を取り戻すまでは…」と内に秘めた苦悩をケイシーは涙を浮かべながら話す。

勉強熱心なケイシーは有名な建築家から誘いを受けたこともあるが、母親のためにコロンバスを離れられない使命感に駆られ断念していた。建築物のことで頭がいっぱいのケイシーとエレノアの存在を重ね合わせたジンは、その後も一緒に出掛けるようになる。

ジンは父親から愛情を与えられたことがない悲しみに追われていた。親の臨終に立ち会うのが美徳とされる韓国の習慣に準じているだけだと話すジンは、父親の容態が回復することは望んでいないとケイシーに明かした。話題を変えるようにジンはケイシーに大学に行くことを勧めるが、代わりがいない環境に嘆き「親の死を望む人にはわからない」と突き返されてしまった。

映画『コロンバス』の結末・ラスト(ネタバレ)

気分が晴れないジンは、エレノアと父親の見舞いに行った夜、長年の想いを明かしてしまった。エレノアに拒絶されたジンが部屋を出ると、ケイシーが待っていたのだった。

数日間帰宅しない母親の行方を突き止めに来たケイシーだが、ジンをパーティーに誘う。しかしケイシーが向かったのは高校の前である。二人は夜学校に忍び込み非現実的な時間を過ごすのだった。

父親が合併症を起こしたとエレノアから連絡を受け病院へ向かったジン。危篤状態が続くうちは韓国にも戻られず、苛立つジンに対してエレノアは「回復を望むべき」と諭した。エレノアはジンの葛藤を理解しそっと抱きしめるのだった。

ジンとエレノアの口利きにより、ケイシーは町を出て大学に通う機会を得た。母親と離れる決意を固めたケイシー。二人で過ごす最後の夜、母親と一緒のベッドで寝るのだった。ケイシーを送り届けるジンとエレノア。互いに感謝を伝え、ケイシーはジンと別れを交わす。ジンは父親の回復を待つために、ホテルを借りてコロンバスに留まる決意を固めていたのだった。

映画『コロンバス』の感想・評価・レビュー

建築物が主役と言っても過言ではない一作である。物言わずすっとたたずみ、街の住人たちを見守っているような存在感。舞台となった「コロンバス」に足を運んでみたくなる造りの作品。ドキュメンタリー作品を手掛けてきたココナダ監督の長編一作目はフェチズムにも近い映像美で溢れている。親との関係性が真逆の二人の会話ながら、とても優しく互いに適度な距離感を保っているのが印象的であった。(MIHOシネマ編集部)

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