好感度の高い、日本とも何かと馴染み深い俳優であるマッツ・ミケルセン。そんな彼が新たに主演を務める作品。本作ではなんと、マッツ・ミケルセンが宙を舞う。
映画『アナザーラウンド』の作品情報
- タイトル
- アナザーラウンド
- 原題
- Druk
- 製作年
- 2020年
- 日本公開日
- 2021年9月3日(火)
- 上映時間
- 115分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
コメディ - 監督
- トマス・ビンターベア
- 脚本
- トマス・ビンターベア
トビアス・リンホルム - 製作
- シーセ・グラウム・ヨルゲンセン
- 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- マッツ・ミケルセン
トマス・ボー・ラーセン
マグナス・ミラン
ラース・ラン
マリア・ボネビー
スーセ・ウォルド - 製作国
- デンマーク
- 配給
- クロックワークス
映画『アナザーラウンド』の作品概要
北欧の宝と呼ばれる実力派俳優マッツ・ミケルセン。その人気は今や北欧だけには留まらず、日本を含めた世界全体でマッツ・ミケルセンは愛され続けている。本作は、そんな彼の新たな一面を拝めるファン待望の作品。なんといっても、踊るマッツ・ミケルセンが見られる。熱心なファンであれば彼が元ダンサーだったということは知っているだろうが、最近彼を知ったという人には新鮮に映るに違いない。過去に大ヒット作を生んだこともあるマッツ・ミケルセンとトマス・ビンターベアの再タッグに注目。
映画『アナザーラウンド』の予告動画
映画『アナザーラウンド』の登場人物(キャスト)
- マーティン(マッツ・ミケルセン)
- 高校教師。冴えない中年男性で、生徒からもバカにされがち。さらに、家族との仲も冷え切っている。
- トミー(トマス・ボー・ラーセン)
- マーティンの友人。マーティン同様冴えない男性で、昔の彼女に未練を持っている。
- ニコライ(マグナス・ミラン)
- マーティンの同僚。妻とはうまくいかず、息子のおねしょに頭を抱えている。
- ピーター(ラース・ランゼ)
- マーティンの同僚。マーティンと共に実験を行うことになるが、酔うと脱ぐという癖がある。
映画『アナザーラウンド』のあらすじ(ネタバレなし)
高校で教鞭を執るマーティン。彼と3人の同僚の冴えない4人は、とある理論を耳にする。それは、体内のアルコール濃度を常に一定に保っていると、集中力が上がり想像力も豊かになるというもの。そして、彼らは何とその理論を実証してみることにしたのだった。朝から酒を煽り、アルコールの入った状態で講義に臨むというとんでもない暴挙に出た4人。すると、信じられないことが起きる。本当に仕事の効率が上がり、生徒との仲も良好になったのだ。理論は本当だったと喜び、実験を継続することにした4人。しかし、徐々に歯止めが効かなくなっていく。そして、アルコールの恐ろしい面が彼らに牙を剥く。
映画『アナザーラウンド』の感想・評価
踊るマッツ・ミケルセン
北欧の至宝とも呼ばれている大人気俳優、マッツ・ミケルセン。スタイル抜群の彼が元モデルであることは有名だが、元ダンサーという経歴があることは、案外知られていないのではないだろうか。本作では、そんなマッツの今となっては貴重なダンスシーンが存分に楽しめる。酒に酔った主人公が、ご機嫌に街の人々と共にダンスに身を任せるというシーン。183cmという大柄な身体が、軽々と宙を舞うシーンはまさに圧巻。マッツの身体能力の高さを伺わせるシーンである。また、踊っている最中のマッツの表情は必見。酒による開放感と、音楽と一体になっている恍惚の表情は観客の心を間違いなく掴むことだろう。
アルコールの力
アルコールを飲む人なら誰しも、アルコールで苦い思いをしたことがあるのではないだろうか。その失敗の程度は人によるだろうが、アルコールはいつもの自分とは少し違う自分にしてしまう。勿論、アルコールは絶対悪というわけではない。友人らとの飲み会は盛り上がるだろうし、人と人とを繋げるキッカケにもなったりする。本作の主人公は、アルコールが集中力や想像力を向上させるという効果を持つと聞き、それを実験することになる。当初は全てが好転、冴えない中年男性だった主人公が幸せを見出していく。しかし、幸せはそううまくは続かない。アルコールの恐ろしい部分も徐々に顔を出してきて…?お酒を嗜む人には刺さる作品。
娘に捧げる作品
本作の監督を務めたトマス・ビンターベア。過去にカンヌ国際映画祭でも賞を獲得した名監督である。そんなトマス監督には、とても悲しい出来事があった。彼の娘イーダが、撮影開始直後に交通事故で亡くなったのだ。そもそも本作は、娘から聞いた話からインスピレーションを受けて作られている。愛娘を失うという大きすぎる喪失を経験し、彼は本作の脚本を大幅に書き換えた。内容を、より人生を肯定的に受け止められるように描きなおしたトマス監督。それはまるで自分に言い聞かせるようなメッセージ。本作は、今は亡き娘に捧げるために作られた、トマス監督の想いがこもった感動作。
映画『アナザーラウンド』の公開前に見ておきたい映画
ワールズ・エンド 酔っぱらいが世界を救う!
最新作同様、酔っ払いを主人公に描いた作品。『ショーン・オブ・ザ・デッド』などで知られるニック・フロストとサイモン・ペグのゴールデンコンビが送る3作目。酔っ払いがただ出てくる作品というわけではなく、最新作同様に主人公達が進んで酔っ払っているという点が興味深い点。最新作の主人公は実験のため、本作の主人公は青春時代にやり残したことのため、自ら酒に身を任せる。普段はブロンドのサイモン・ペグが髪を黒く染めており、いつもとは違った雰囲気も楽しめる。20年ぶりに再会した仲間達は、一晩に12軒のパブではしごするという、学生時代にできなかった偉業を成し遂げようとするが……?
偽りなき者
最新作でタッグを組んだマッツ・ミケルセンとトマス・ビンターベア監督。実は、この2人がタッグを組むのは今回が初めてではない。2012年に製作された本作でも、2人は素晴らしい作品を残している。ミケルセンはこれで第65回カンヌ国際映画祭で男優賞を獲得しており、まさにミケルセンが世界にその名を驚かせるキッカケとなった作品ともいえる。幼い息子2人と穏やかに暮らす男性ルーカス。ルーカスはクララという女性から好意を向けられていたが、ルーカスは相手にしなかった。すると、クララは腹いせに、ルーカスから性的虐待を受けたと嘘をついたのだ。全く根拠のない嘘ではあったが、ルーカスは一斉に人々から悪意に満ちた視線を向けられることになる。
詳細 偽りなき者
スウィング・キッズ(1993)
ハリウッドの俳優は、非常に多才であることが多い。最新作の主演であるマッツ・ミケルセンも元ダンサーという経歴があり、演技のみならずダンスも必須。同じく実力派俳優でありながらダンスに長けている人物がクリスチャン・ベール。実は彼が元々はバレエ学校に通っていたということを知っている人は、中々多くはないのではないだろうか。そんな彼が19歳の時に出演し、その類い稀なる才能を存分に発揮しているのが本作。本作で彼は、長いダンスシーンを見事に演じ切っている。今ではあまり彼のダンスシーンは見られなくなっているため、非常に貴重な作品といえる。まだ初々しいクリスチャン・ベールの可愛らしい姿にも注目。
詳細 スウィング・キッズ(1993)
映画『アナザーラウンド』の評判・口コミ・レビュー
『#アナザーラウンド』新作映画128本目
酒の酸いも甘いも映す中年男たちの加速と再出発。
血中アルコール濃度0.05%でパフォーマンスを高める実験。同僚教師たちで実行し事態は思わぬ方向へ。
彼らのコミカルなやり取りに終始爆笑を誘われ、悲哀の人生に涙する。
ラストのマッツが最高! #EDDIE映画2021 pic.twitter.com/nMVH4mKcWf— EDDIE@KingsFan👑 (@eddie2yuji) September 5, 2021
『アナザーラウンド』
ほろ酔い人生逆転劇。千鳥足でも前へと進み、冴えない今に祝杯を挙げろ。苦くて芳醇な”生”への賛美歌、酔い覚めの後に漂う哀愁が心に残る。
未来ある若者達との対比、大人が持つ夢と青春の切なさがより一層際立つ。華麗なマッツの舞いと映画的カタルシスが心地よい大大大傑作。 pic.twitter.com/lLVEloJhrG
— なまたまご (@Ace_r_kaede) September 5, 2021
『#アナザーラウンド』
幸福の0.05%を求めて、酒に溺れ、酒に諭され、また酒に溺れる人生の縮図。愉快なのにどこか切ない。お洒落なのに堕落的。その絶妙な振り幅で揺さぶり、心酔わせてくれるほろ苦いイケオジユーモア。コクと旨味が尽きない北欧の至宝の酩酊乱舞に何度でも乾杯! #見マッツ #感想 pic.twitter.com/hd7flSXnCM— wild-bird_3:00 (@war_ker02) September 4, 2021
アナザーラウンド 鑑賞🎬
“アルコール血中濃度0.05%を保つ事で活力が増す”と言う説を実行する中年男4人。
友情、コミカルも交えながらも中年男の哀愁も感じさせる展開。酒に呑まれた事のある男にはグサッときます。俺この映画めちゃくちゃ好き‼️
スゲェ良かった‼️何がどうなろうと人生は最高だ! pic.twitter.com/yCBk7V9mKX
— くまchan. (@kumachan_twt_go) September 5, 2021
『アナザーラウンド』
こんなマッツ見たことない!というくらいにマッツの様々な顔をみることができる。飲む酒の量でほろ酔い加減を演じ分けられるマッツの演技力とビンターベアの演出力の凄み
ただ酒を飲んでどうかを描いた映画ではなく、「生きる」というのを掘り下げて描いている所にホロっとくる pic.twitter.com/gVo0hJ7KIp
— Mint (@Who_is_Rohmer) September 5, 2021
映画『アナザーラウンド』のまとめ
お酒を飲むということは悪いことではない。法律でも認められているし、アルコールを摂取することのメリットは確かに存在する。『飲みニケーション』という言葉も存在するほど、コミュニケーションを円滑化する一つの要因になったりもする。それが良いことかはさておき、アルコールが入った方が良く眠れるという人もいる。本作も、そんなアルコールのメリットに着目した作品。アルコール濃度の血中濃度を0.05%に保つことで、集中力や想像力が上がるという。だからといって、業務中にそれを実践する大胆さはやはり映画ならでは。本作のあらすじだけ聞いて、自分も真似をしようと考えている人は、ぜひ作品を最後まで見てからどうするかを決めて欲しい。
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