映画『ロシアン・スナイパー』の概要:第二次世界大戦中、旧ソ連軍に実在し多くのナチを殺害した女性スナイパー、リュドミラ・パヴリチェンコの人生を描いた作品。監督はカメラマンでもあるセルゲイ・モクリッキー。主演はユリア・ぺレシルド。
映画『ロシアン・スナイパー』 作品情報
- 製作年:2015年
- 上映時間:123分
- ジャンル:歴史、戦争、ヒューマンドラマ
- 監督:セルゲイ・モクリツキー
- キャスト:ユリア・ペレシルド、ジョーン・ブラッカム、エフゲニー・ツィガノフ、ヴィタリー・リネツキー etc
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映画『ロシアン・スナイパー』 評価
- 点数:85点/100点
- オススメ度:★★★★☆
- ストーリー:★★★☆☆
- キャスト起用:★★★★☆
- 映像技術:★★★★★
- 演出:★★★★☆
- 設定:★★★☆☆
[miho21]
映画『ロシアン・スナイパー』 あらすじネタバレ(ストーリー解説)
映画『ロシアン・スナイパー』のあらすじを紹介します。※ネタバレ含む
映画『ロシアン・スナイパー』 あらすじ【起・承】
1942年。
アメリカ国際学生会議で、ロシアの女性スナイパー、リュドミラ・パヴリチェンコ少尉が注目された。
“死の女”と呼ばれるリュダは、ルーズベルト大統領夫人に気に入られて、ホワイトハウス滞在を許可される。
1937年。
英語教師の母、軍人の父の元で男勝りな性格に育ったリュダは、友人との賭けで素晴らしい射撃の腕を見せた。
それが軍の目に留まり、主席を取るほど優秀な成績だったリュダは半年間の射撃訓練を行うことに。
友人ソーニャから、医者をしている兄ボリスを紹介されたリュダだったが、ソーニャの家の食事に招かれた日に戦争が始まった。
戦争反対派のボリスは引き止めたが、リュダは戦争に向かう。
オデッサでの活躍を評価されたリュダの元に、友人マーシャと、彼女の恋人でパイロットのグリシャが配属されてくる。
しかしリュダは、何人殺せたかをゲームのように楽しむようになっていた。
そんな彼女を咎め、導こうとする上官マカールに恋をするリュダ。
爆撃によって命を落としかけたリュダは、マカールによって助け出され、軍医として赴任していたボリスから治療を受ける。
ボリスはリュダへの恋心を捨ててはおらず、狙撃を楽しむだけだったリュダは、ボリスとマカールの2人から想いを寄せられる状況に。
映画『ロシアン・スナイパー』 結末・ラスト(ネタバレ)
1942年アメリカ。
ホワイトハウスで、ルーズベルト大統領夫人から演説のコツを教えてもらい、笑顔を見せるようになったリュダ。
しかし彼女は、戦争でのPTSDに悩まされ続けていた。
1941年、セヴァストポリ司令部。
怪我が治ったリュダは、戦線復帰の許可が下りる。
しかしマカールの死を知らされたリュダは、敵をいたぶりながら狙撃を楽しむようになっていく。
それをやめるよう忠告する上官レオニードとリュダだけの特殊任務が続く中、2人の間には恋愛感情が芽生え、やがて結ばれる。
マーシャとグリシャは結婚を誓い合うが、グリシャが戦死したと連絡が入ってマーシャは自暴自棄に。
リュダもショックを受け、レオニードとの子供を欲しがるようになる。
その後、敵の仕掛けた爆弾からリュダを守ってレオニードは命を落とした。
心の傷も怪我も治らないうちに、ソビエト軍のシンボルとなるようリュダは強要される。
ボリスは自分の許可書をリュダに譲り、愛し続けた彼女を戦線から逃がすが、自分は敵の手に落ちる寸前のセバストポリに残った。
1942年、アメリカ。
リュダの背中にある無数の傷と体験を聞いたルーズベルト夫人は涙を流し、2人は友人となった。
そして1957年、夫を亡くしたルーズベルト夫人は、モスクワで暮らすリュダと彼女の息子を訪ねようとしていた。
映画『ロシアン・スナイパー』 感想・評価・レビュー(ネタバレ)
映画『ロシアン・スナイパー』について、感想・レビュー・解説・考察です。※ネタバレ含む
女性版「アメリカンスナイパー」
第二次世界大戦中、旧ソ連軍にいた実在の女性スナイパー、リュドミラ・パヴリチェンコの人生を描いた作品。
ルーズベルト大統領夫人が、大切な友人リュドミラ・パヴリチェンコの過去を“あなたたちに”紹介するという始まりなのは、印象的で見ている側を引き込む。
しかしアメリカのホワイトハウスでの出来事、旧ソ連での戦争中の出来事と、時代が何度も飛ぶのでストーリーに集中できない。
またその度に、ルーズベルト大統領夫人の思わせぶりな心の声が続き、同じパターンの連続で飽きてしまう。
「タイタニック」で使われた手法でもあるため、真新しさもない。
実在した女性スナイパーの物語ということで、クリント・イーストウッド監督の「アメリカンスナイパー」と似た内容、タイトルも似ているが、強気な女性視点と戦地での恋愛などが盛り込まれているのが独創的。
スナイパーとして敵をいたぶって殺害するなど、軍人に多く見られる感情の欠落の他に、上官との恋愛に夢中になったり、軍医に一方的に恋愛感情を向けられるといった優秀な女性軍人ならではのストーリーは引き込まれる。
ラストのリュダの演説や、大統領夫人との交流の中で女性らしさを見せていく姿は好感が持てる。
リアリティのある戦争シーンの数々
リアルな戦争の光景や、効果音を使いすぎず緊張感を出す演出は秀逸。
男性も女性も関係なく戦場にかり出されるという戦争の恐ろしさ、いつ誰が死んでもおかしくないという現実を理解した瞬間のリュダの困惑も、うまく演出している。
数人並んだ敵を一気に撃ったり、戦車を銃で爆破させるという行動で、凄腕スナイパーらしさを出している。
しかし嫌がるリュダをシンボルに仕立てる様子は、「ハンガーゲーム」のカットニスそっくりで、つまらなさを感じてしまう。
映画『ロシアン・スナイパー』 まとめ
実際にあった戦争、実在の人物を描いた作品で、珍しい女性の凄腕スナイパー、リュドミラ・パヴリチェンコの戦場での苦悩や喜びを描いた作品。
戦争の恐ろしさやスナイパーとなったリュダのPTSDなど、戦争映画のポイントを押さえつつも、女性ならではの恋愛感情や愛する人の子供を欲しがるという気持ちを描いている。
感情だけでなく、戦争シーンもリアルで残酷に描かれている。
120分以上の長い映画で、リュダが戦争に向かうまで30分近くかかるのだが、印象的な作品ではある。
みんなの感想・レビュー
ロシア映画には、以前の「ソ連」映画とは違う視点が新鮮に感じる。
「ソ連」映画もロシア映画も、戦場表現の「リアル」さはハリウッド映画とは比較にならないほど高いと思う。
普通に考えて、戦場で「俺が殺した」「お前に射たれた」を特定できる環境は、ほぼ無いと思える。
題名失念…スターリングラードでの独露スナイパー対決映画を見た時の「自分が殺した相手が見える」のセリフが忘れられない。スナイパーを題材にしたなら、この部分は省いてはいけない。
BSで放送されたらHDDに録画して、鑑賞しよう。
面白そうな戦争映画と感じました。