映画『心霊ドクターと消された記憶』の概要:娘を亡くして心に傷を負った精神分析医ピーターが、記憶の底に封印していた列車脱線事故と、被害者の幽霊たちに向かい合う姿を描いた。主演は「戦場のピアニスト」で一躍有名になったエイドリアン・ブロディ。
映画『心霊ドクターと消された記憶』の作品情報
上映時間:90分
ジャンル:ホラー、ミステリー
監督:マイケル・ペトローニ
キャスト:エイドリアン・ブロディ、サム・ニール、ジョージ・シェヴソフ、ロビン・マクリーヴィー etc
映画『心霊ドクターと消された記憶』の登場人物(キャスト)
- ピーター・バウアー(大人:エイドリアン・ブロディ / 少年時代:ジェシー・ハイド)
- 精神分析医。目を離した隙に、娘イヴィーが交通事故で命を落としてしまった。線路を走る電車のオモチャに気を取られて、目を離してしまった事は覚えていない。過去に列車脱線事故の原因を作っていて、そのせいでイヴィーは死んだと思うようになる。列車脱線事故の被害者たちに憑りつかれてしまう。
- キャロル(ジェニー・ベアード)
- ピーターの妻。イヴィーを亡くし、心を病んでしまった。
- イヴィー(エマ・オファレル)
- ピーターとキャロルの一人娘。交通事故で他界した。
- エリザベス・ヴァレンタイン(クロエ・ベイリス)
- ピーターの前に現れた不思議な少女。列車脱線事故の被害者とされているが、彼女だけ死因がわかっていなかった。
- ダンカン(サム・ニール)
- ピーターの恩師。ピーターに患者を回している。ピーターに憑りついた幽霊だが、助言を与えることも多い。
- バーバラ・ヘニング(ロビン・マクリーヴィー)
- 警察官。列車脱線事故の被害者エリカの娘。母からはベニーと呼ばれていた。
- ウィリアム・バウアー(ジョージ・シェヴソフ)
- ピーターの父。元警察官で、10年前に妻を亡くした。今は酒浸りの生活。ガレージに籠もり、家族を遠ざけていた。
映画『心霊ドクターと消された記憶』のネタバレあらすじ(ストーリー解説)
映画『心霊ドクターと消された記憶』のあらすじ【起】
ピーターとキャロル夫婦は、愛娘イヴィーを交通事故で亡くした。
ピーターが何かに気を取られた瞬間、イヴィーは事故に遭った。
しかしピーターは気を取られたものが何なのか、思い出せなかった。
別の町に引っ越し、昔助手をしていたダンカンから患者を回してもらい、精神分析医として働くようになったピーター。
一方で、ダンカンのカウンセリングを受けていた。
妻キャロルはイヴィーを失ったことで、心が壊れかけていた。
ある日、ピーターの元に人形を抱えた少女、エリザベス・ヴァレンタインがやってくる。
親の付き添いも無く、話すこともできないエリザベス。
エリザベスは「12787」とメモ帳に書くと、あっという間に帰ってしまった。
翌日、鍵を閉めたはずの診察室に現れたエリザベス。
突然苦しみ出したエリザベスは倒れ、人形だけを残して姿を消した。
ダンカンにエリザベスの事を相談するピーター。
診察室に常備してあるボイスレコーダーには、エリザベスの声は記録されていなかった。
映画『心霊ドクターと消された記憶』のあらすじ【承】
エリザベスが忘れた人形は、イーヴィーの遺品のひとつではないかと疑われる。
そしてエリザベスのイニシャルが、イーヴィー(E・V)だと指摘し、ピーターの妄想ではないかと語る。
電車の中で眠り込んでしまったピーターは、患者のエリカと遭遇する。
彼女は幽霊のようになり、忽然と姿を消した。
その後、ピーターの患者たちは全員7月12日に亡くなっているとわかる。
エリザベスが残した数字は、1987年7月12日を指していた。
ダンカンに話を聞くが、彼は忽然と姿を消してしまう。
独自に調査を始めたピーターは、キャロルを残して故郷フォルス・クリークに戻る。
警官を退職し、酒浸りの父ウィリアムの住む実家に数日間滞在することになった。
昔馴染みバリーに会い、1987年の事件の罪を警察に告白するつもりだと話す。
だがバリーは、一生秘密にするという約束を破るのかと怒り出す。
1987年7月12日。
当時14歳だったピーターとバリーは、線路に自転車を置いたまま、車でいちゃつくカップルを盗み見ようとした。
そして列車の脱線事故が起こった。
映画『心霊ドクターと消された記憶』のあらすじ【転】
エリザベスやエリカをはじめとする患者たちは、その列車事故の犠牲者だった。
ピーターは警察署で罪を告白するが、バリーの事だけは話さなかった。
担当した警察官バーバラは、エリカの娘だった。
そして、ウィリアムに憧れて警察官になった女性だった。
大きな罪には問われないと言われ安心するピーター。
だが、エリザベスやダンカンの幽霊に襲われ、2台の自転車だけで列車は脱線するのか、と問われる。
そして、イヴィーが死んだ時に気を取られていたものを思い出せ、と迫る。
その後、線路のそばにある小屋で、自殺しているバリーを見つけてしまうピーター。
警察に通報し、列車事故の時にバリーも一緒だったとバーバラに打ち明ける。
列車事故の新聞記事を改めて見たピーターは、行方不明の少女エリザベスに関する記事を見つける。
そして、エリザベス・ヴァレンタインは、列車事故で死んだのではないと思い出す。
車から逃げ出して、線路へ走り去る姿をピーターは目撃していたのだった。
映画『心霊ドクターと消された記憶』の結末・ラスト(ネタバレ)
バーバラにすべてを打ち明け、真実を見つけるのを手伝ってほしいと頼むピーター。
エリカのことを話し、ベニーと呼ばれていただろうと告げるが、バーバラはピーターを追い出す。
しかしバリーが自殺した小屋から、エリザベスのものと思われる遺留品が発見される。
資料を調べなおしたバーバラは、脱線事故を担当していたウィリアムが、通れないはずの踏切を渡った先にいたという矛盾を見つける。
そしてウィリアムを問いただす。
その頃ピーターは線路近くにいた。
エリザベスの幽霊に導かれ、父がエリザベスを強姦して殺害した後、列車事故現場に紛れ込ませたという記憶を取り戻す。
ウィリアムに気絶させられたバーバラは、パトカーのトランクに閉じ込められた。
そこにピーターが戻ってくるが、ピーターも気絶させられる。
ピーターとバーバラを連れ、パトカーを運転するウィリアム。
エリザベスの幽霊によって線路に閉じ込められ、ウィリアムは命を落とした。
パトカーから転げ落ちたピーターは、バーバラの命を救った。
そして、エリザベスやイヴィーは去っていった。
映画『心霊ドクターと消された記憶』の感想・評価・レビュー
愛娘を亡くした精神分析医ピーターのもとに、自分にしか見えない幽霊の患者が訪れる。調べるとその患者たちは、全員が過去のある事件で亡くなった子どもたちだった。
謎を解明するためにピーターは事故現場へ向かう。ホラーとサスペンスを融合した疾走感のある内容となっている。
人の記憶とは意外にも曖昧で、脳内で勝手に捏造されているものだ。
ラストでは思いもよらぬ真実が明かされる。
しかし何故記憶がなくなったのか、その辺りの描写が端折られていて物足りなく感じてしまった。(女性 20代)
ミステリーのようなホラーのような不思議な雰囲気の作品でした。エイドリアン・ブロディが出演しているだけで作品の世界観に悲しみや優しさが増す気がします。ストーリー的にも彼が持つ独特の雰囲気にすごくマッチしているので、記憶を無くして幽霊が見えるという設定にも違和感がありませんでした。
ラストに驚きの展開が待っているので、ミステリー要素が強めですが、少し怖いシーンもあるので、ホラー映画が苦手な方は注意してください。(女性 30代)
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