北欧から届く、2人の少女が紡ぐハートフルストーリーが、2018年11月に公開。3週連続1位を獲得した本国の大ヒット映画『オンネリとアンネリのおうち』の第2弾が、出演者・制作陣ともに揃って再びスクリーンにやって来る。
映画『オンネリとアンネリのふゆ』の作品情報
- タイトル
- オンネリとアンネリのふゆ
- 原題
- Onnelin ja Annelin talvi
- 製作年
- 2015年
- 日本公開日
- 2018年11月24日(土)
- 上映時間
- 81分
- ジャンル
- ヒューマンドラマ
- 監督
- サーラ・カンテル
- 脚本
- サーラ・カンテル
サミ・ケスキ=バハラ - 製作
- テーア・フーテア
サリ・レンピアイネン - 製作総指揮
- 不明
- キャスト
- アーバ・メリカント
リリャ・レフト
エイヤ・アフボ
ヤッコ・サアリルアマ
ヨハンナ・アフ・シュルテン
エリナ・クニヒティラ
キティ・コッコネン - 製作国
- フィンランド
- 配給
- アットエンタテインメント
映画『オンネリとアンネリのふゆ』の作品概要
『ムーミン』や『ロッタちゃんのはじめてのおつかい』などで知られる北欧フィンランド。そこで、現在も長くに渡って愛されている1960年代に発表された、マリヤッタ・クレンニエミ著の児童書『オンネリとアンネリ』シリーズ第2弾が、スクリーンに登場する。監督は前作『オンネリとアンネリとおうち』でもメガホンを取ったサーラ・カンテルが担当し、アーバ・メリカントとリリャ・レフトのコンビが再び無垢な少女を演じる。
映画『オンネリとアンネリのふゆ』の予告動画
映画『オンネリとアンネリのふゆ』の登場人物(キャスト)
- オンネリ(アーバ・メリカント)
- 黒髪の少女。9人兄弟の真ん中に生まれ、上とも下とも仲良くできないので家ではいつも1人。
- アンネリ(リリャ・レフト)
- 金髪の少女。両親が離婚したことで、両親の家を行ったり来たりしながら生活している。両親には既に新しい恋人がいるため、家ではあまり居場所がない。
- バラの木夫人(エイヤ・アフボ)
- オンネリとアンネリの近所に住んでいる姉妹の親戚の白髪の貴婦人。だが、その正体は魔法が使えるおばあさん。オンネリの家族に家をプレゼントした。
映画『オンネリとアンネリのふゆ』のあらすじ(ネタバレなし)
深い真っ白の雪が降るフィンランドでは、クリスマスまで残すところあと数日を迎えていた。ある日、バラの木夫人から買ったお家でいつものように過ごしていた2人の少女、オンネリとアンネリは、バラの木夫人を訪ねてはるばるやって来た小人族の家族に出会う。
小人族は、お家を無くし悪い人間たちに追われているのだと、バラの木夫人に助けを求めてやって来たのだった。しかし、生憎とバラの木夫人は居所が分からず、2人は小人たちを匿うことに決める。そして、自分たちのドールハウスに、素敵な小さな来訪者を招き入れるのだった。
しかし、始めは上手くいっていた生活は直に陰りを見せ、近所で小人族がオンネリとアンネリの元にいることに気付いてしまう人がいた。2人は、バラの木夫人が戻ってくるまで、小人族を守り抜くことができるのでしょうか。
映画『オンネリとアンネリのふゆ』の感想・評価
愛らしい北欧からの贈り物
日本では北欧インテリやや、北欧デザインのおうちや、北欧のファッションなどがとても人気で、多くの人たちが北欧諸国に魅力を感じています。
だからでしょうか、そこで生まれる物語は、どこか温かみがあって、物語の中で生活しているすべての人たちや生き物たちも輝きに溢れています。大人になってもファンが多い『ムーミン』や『ロッタちゃんのはじめてのおつかい』なども、北欧から発表された作品です。
これだけ長く愛されている児童書も、そうそうたくさんある物ではありません。どの物語にも、北欧らしいのんびりとした雰囲気と、笑顔と自由が溢れ、強い絆が随所に見えます。
オンネリとアンネリの年代であれば、とっても仲の良いお友達が1人、居てもおかしくありません。いつも一緒に行動し、どこへ行くにも常に一緒で、学校も食事も寝るのだって、一緒。まるで姉妹のようなそんな存在が、きっと読者の女性にもいたことでしょう。
1人ぼっち同士だったからこそ、意気投合し、自分たちの新しい居場所を探す。そして、2人だけの小さなお家で2人だけの生活を送る。昔、そんな生活に憧れたものです。
日本人の大好きな北欧インテリアが、スクリーンの中で輝きを放つ
本屋さんに行けば、「憧れの北欧風インテリア」や「北欧風インテリアに暮らす」など、北欧をモチーフとしたインテリア雑誌が後を絶ちません。また、人気の雑貨ショップでも北欧の生活をイメージして作られた家具や、インテリア雑貨が所狭しと並んでいます。
雑誌を読み、自分で雑貨を集め、自室を北欧風にアレンジしている人も多いでしょう。パステルカラーが目に優しく、たとえ赤ちゃんが触ってもケガをすることのない優しさに溢れたデザインの雑貨が、北欧インテリアの魅力です。
公式サイトで公開されている予告ムービーや、ギャラリーを見れば、日本人が想像している北欧インテリアそのものが溢れています。そして、更に時期がクリスマスと言うこともあり、真っ白の雪がアクセントとなっています。しかし、余りにもインテリアとマッチングして、きらきらと輝いているクリスマスツリーは、もし時期でなかったとしても違和感を感じさせないことでしょう。
オンネリとアンネリの双子のようなお揃いの衣装もとても愛らしく、見ているだけで思わず笑顔になってしまいます。
北欧の児童書には、魔法使いだけでなく小人も登場する
元々は、小中学生向けに書かれた児童書の『オンネリとアンネリ』ですが、お話の中には子供たちの想像を掻き立てる「魔法」が随所に登場します。魔法は、子供たちのインスピレーションを刺激する上で、とても有効的な手法です。
『オンネリとアンネリ』では、魔法を使うのは魔法使いのおばあさんやおばさんたちですが、2人の少女も、まるで魔法を自在に操れるかのように、周りの人たちを笑顔にしてくれます。そして今回登場する新しい魔法のような要素は、「小人」のお客さま。
『ムーミン』を彷彿とさせる雰囲気の小人家族は、オンネリとアンネリのドールハウスに招かれます。シルバニアファミリーの人間版と言ったところでしょう。しかし、これが女の子にしたらとても楽しくて仕方のない設定です。
小さい頃に買ってもらったお人形のおうち、現実では使う人のいない架空のお家に、素敵な住人がやって来たのです。一時とはいえ、初めて訪ねてきたお客様との物語は、寒い冬なのに心が温まります。
映画『オンネリとアンネリのふゆ』の公開前に見ておきたい映画
オンネリとアンネリとおうち
『オンネリとアンネリのふゆ』の第1弾作品。フィンランドでは204年に製作され、日本では2018年6月に公開されました。お家に居場所のない9人兄弟の真ん中生まれのオンネリと、両親の離婚がきっかけで父と母の家を行ったり来たりする少女アンネリ。
居場所のないもの同士が集まり、仲良く暮らす毎日で、ある日封筒を拾います。そして、魔法が使えるバラの木夫人から2人だけのお家を買い、バラの木夫人の親戚が住む姉妹のご近所さんとなったオンネリとアンネリ。
真夏のフィンランドを舞台に、ちょっとおませな2人が堂々の独立宣言をし、2人だけの生活をスタートさせる。そして、北欧の魅力溢れるインテリアに囲まれて、毎日一緒に何をするにでも一緒に生活する仲良しぶりは、自分のドールハウスに住んでいる妖精たちのよう。
本国フィンランドでも3週連続1位を獲得したほどの話題作は、第2弾公開前にチェックしておくべき映画である。
詳細 オンネリとアンネリとおうち
星の見える家で
『オンネリとアンネリ』シリーズの監督・脚本を手掛けるサーラ・カンテルの監督作品。フィンランドのアカデミー賞であるユッシ賞にノミネートされ、2010年のフィンランドを代表する監督に選出されている。
舞台は、第2次世界大戦最中。夫が出兵してしまい、周囲に取り残された妻サイマ。娘は一緒に田舎暮らしをするかと思いきや、スウェーデンで仕事を見つけて旅立ってしまい、更に孤立してしまう。そこへ、負傷した元兵士がサイマの農場を手伝いに訪れ、やがてその負傷兵と仲良くなっていく。
『オンネリとアンネリ』シリーズで制作を共にした、撮影担当のマリタ・ヘルフォルスも、この映画でサーラ・カンテル監督とタッグを組んでいる。2人は『星の見える家で』で初めて共作し、『オンネリとアンネリのふゆ』で3作品目を迎えた。
詳細 星の見える家で
ムーミン谷とウィンターワンダーランド
北欧を代表するキャラクター、ムーミンの2017年の最新映画。ムーミンの物語史上、初めての冬の物語。ムーミン一家と一緒に住んでいるミーやスニフたちと飾り付けした大きなもみの木は、立派なクリスマスツリーとなっている。
たくさんのプレゼントと、たくさんの輝くろうそくに囲まれた素敵な一夜。“クリスマス”の存在を知らないムーミンたちが、不思議な冬の魔法に掛けられて、最高のクリスマスを過ごす。
『オンネリとアンネリのふゆ』と同じく、北欧のクリスマスをテーマにした映画は、昔からのムーミンファンはもちろん、小さな子供も見て楽しめるパペット・アニメーション映画。柔らかな生地素材で作られたぬいぐるみのムーミンキャラクターたちが、のんびりとした会話を繰り広げながらクリスマスを楽しんでいる姿は、とても微笑ましくクリスマスの魅力を存分に伝えてくれる。
ムーミンの最新映画が公開されるとなり、当時は全国各地でムーミンのパペット・アニメーション展が開催されるなど、話題沸騰となった。それだけ多くの人たちから愛され続け、誰もが心待ちにしているのが感じられる作品である。
映画『オンネリとアンネリのふゆ』の評判・口コミ・レビュー
「アンネリとオンネリのふゆ」を見てきた!
今作も美術がかわいい♡
フィンランドで人気のあるクレンニエミ・マリヤッタの児童文学が原作で福音館書店から日本語訳も出てるよ。
コラボドリンクのホットチョコレートも美味しかった! pic.twitter.com/XZXHPeTRXL— せりな🍋 (@serina221b) 2018年11月24日
オンネリとアンネリのふゆ観てきました。
とっても可愛かったです!
おうちの時も思ったけど、女の子の憧れが詰まってます。
初日だったので木村正裕さんのトークショーがありました。
いくつになってもクリスマスはワクワクします。 pic.twitter.com/fsBFY01gAd— 大福 (@3ple86rika) 2018年11月24日
オンネリとアンネリのふゆ、映画館でなくてもいい物語かもしれないけど、かわいい音とか奇妙な音はぜひ映画館の立体音響で不思議に響くのを楽しんでほしいかなぁ。。あと色彩も映画館ならでは。やっぱりスクリーンの上での鮮やかさが目に楽しいんだよね。いろんな魔法がかかるしね。
— ヴェノちこさん🦐🦀🐇 (@hogehoge_moon) 2018年11月24日
オンネリとアンネリのふゆ鑑賞🎥
良すぎて途中泣きそうになった、、みんな優しくてかわいい世界。80分でサクッと終わるのもいい。前作観てなくても楽しめると思うので、北欧のかわいさに癒されたい人ぜひ!
せっかくだしファンシーな飲み物をと思ってチョコレートドリンク買ったらポストカードくれたよ pic.twitter.com/VKa9sDLK7g— きゃべつ太郎 (@tunakorokkedayo) 2018年11月24日
『オンネリとアンネリのふゆ』は一足早いステキなクリスマス映画。前作以上に色鮮やかで優しく冬が舞台なのに温かい。観終わった後もトークゲストにフィンランド大使館の木村さんが登壇してとても興味深い話を聞けた。作品の魅力を200%語ってくれて色々な仕掛けに感心、また観たくなってしまう。 pic.twitter.com/to2FiW9vnL
— alpha23d (@alpha23d) 2018年11月24日
映画『オンネリとアンネリのふゆ』のまとめ
2018年6月に監督のサーラ・カンテル氏が来日し、日本の映画記者のインタビューに答えている。インタビューでは、フィンランドの女の子たちがどれだけ好奇心旺盛で、勇敢で、友達思いなのかを語ってくれた。まさに、映画に出てくるオンネリとアンネリそのものである。また、映画の世界観もサーラ・カンテル氏が憧れていた原作そのものの世界観の再現に努め、光輝く少女の物語が誕生したとのこと。溢れんばかりの笑顔でスクリーンを彩ってくれる2人の少女に、物語の誕生を祝いたい。
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