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映画『九月の恋と出会うまで』のあらすじ・感想・評判・口コミ(ネタバレなし)

書店員が選んだ「もう一度読みたい文庫」恋愛部門1位を獲得した、松尾由美原作の同名恋愛小説『九月の恋と出会うまで』が、高橋一生と川口春奈のW主演で実写映画化。監督は『猫なんかよんでもこない。』、『私に××しなさい!』などを手掛けた山本透。

映画『九月の恋と出会うまで』の作品情報

九月の恋と出会うまで

タイトル
九月の恋と出会うまで
原題
なし
製作年
2019年
日本公開日
2019年3月1日(金)
上映時間
105分
ジャンル
ラブストーリー
監督
山本透
脚本
草野翔吾
山田麻以
山本透
製作
今村司
戸塚源久
瀬井哲也
池田宏之
谷和男
山本浩
田中祐介
吉川英作
中西一雄
佐竹一美
製作総指揮
伊藤響
キャスト
高橋一生
川口春奈
浜野謙太
中村優子
川栄李奈
古舘佑太郎
ミッキー・カーチス
製作国
日本
配給
ワーナー・ブラザース映画

映画『九月の恋と出会うまで』の作品概要

SFやミステリーを得意とする作家・松尾由美が綴る、渾身のラブストーリー『九月の恋と出会うまで』が、高橋一生と川口春奈のW主演にて実写映画化される。ただのラブストーリーではなく、ミステリー要素もふんだんに込められた松尾由美らしい物語は、何度でも読みたくなる魅惑の物語。『永遠の0』や『曇天に笑う』などの有名映画の助監督を務め、『猫なんかよんでもこない。』などの監督としても知られる山本透が、美しい物語に仕立て上げる。

映画『九月の恋と出会うまで』の予告動画

映画『九月の恋と出会うまで』の登場人物(キャスト)

平野進(高橋一生)
とあるマンションで1人暮らしをしている、作家志望の独身男。隣に越してきた北村志織にある相談を受ける。
北村志織(川口春奈)
不思議なマンションに引っ越してきた女性で、引っ越してきて早々部屋で不思議な声を聴く。

映画『九月の恋と出会うまで』のあらすじ(ネタバレなし)

北村志織は、新しい生活を想像して胸を躍らせながら扉を開ける。1人暮らしをするために引っ越してきた新しいマンションは、今日から志織の家になる場所であった。

しかし、マンションに引っ越して来て早々、志織は不思議な体験をすることになる。ある日、志織の耳に聞こえてきた不思議な声。部屋には自分しかおらず、テレビの音が漏れているような様子もない。

「こちらは一年後の未来です。あなたに危険が迫っている」

名乗るわけでもなく、誰かは志織にそう語りかける。声の主は、1年後志織が強盗殺人事件に巻き込まれるのを助けるために、時空を超えて声だけ届けたのだと言う。全く信用のならない奇妙な話だが、放っておくのも気分が悪い。

そうだとしても、誰がこんな話を信じてくれるだろうか。志織の脳裏に、たった1人だけ話しても良さそうな人物が思い浮かぶ。その人物は、志織の部屋の隣に住んでいる小説家志望の平野だった。常識では測れない事象を、平野に恐る恐る話す志織だったが、平野は思いのほか親身になって相談に乗ってくれた。しかし、この話の中には志織の存在を脅かすある問題が孕んでいた。

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映画『九月の恋と出会うまで』のネタバレあらすじ結末と感想
映画『九月の恋と出会うまで』のネタバレあらすじと感想。ストーリーを結末まで起承転結で分かりやすく簡単に解説しています。映画ライターや読者による映画感想も数多く掲載。

映画『九月の恋と出会うまで』の感想・評価

SFミステリー作家の描く、「ラブストーリー」

松尾由美作の「ラブストーリー」だと聞いて、ファンは首を傾げるかもしれない。SFミステリーを得意としている松尾由美の描くラブストーリーとは、いかほどの物かと。しかし、本を開いてみればなるほどと納得せずにはいられない、松尾由美独特の世界が広がっている。

ただの隣人同士のラブストーリーではなく、時空や時間を超えて届く不思議な声や、人々の繋がり。こうした一癖も二癖もある要素が、松尾由美の描く物語には相応しい。そして、そんなSFチックな内容も、高橋一生と川口春奈が演じることによって、とても素朴で純粋で、愛しくなる。

普段から、ラブストーリーを読まない層も松尾由美の描くラブストーリーだから読めたとの感想を述べる人も多い。単純な話で終わらせない松尾由美の世界観に、高橋一生と川口春奈の世界が相まって、この上なくドキドキするエンターテインメントが誕生する。

37歳の高橋一生が挑戦する、大人のラブストーリー

独身で小説家希望の37歳男性と言ったら、世間的には少し近寄りがたい存在ではないだろうか。夢を追うのは悪くないし、最近では家庭を持たない人が段々と増えて、自分の人生の在り方について多様な考え方や価値観が出てきている。

それでも、何となく独身37歳の夢追い男性が自分の近くにいると、驚き、距離を持ってしまいそうである。しかし、川口春奈演じる北村志織は、自身が住むマンションで起きた不思議な出来事を、この不思議な男性に相談している。2人はこれまで出会ったこともない赤の他人だったにも関わらず。

そうしなければ物語が進まないのはもちろんだが、なぜ志織が切羽詰まっているとは言え隣人の不思議な男性に相談するに至ったのかは、とても気になるところである。そして、それがきっかけで恋愛に発展していくというのも、事実は小説より奇なりではないだろうか。

独身37歳男性のラブストーリーは、こうした不思議な出来事がなくても波乱の予感がしないでもない。高橋一生は、果たしてどのような37歳独身男性を演じ、川口春奈演じる志織に手を差し伸べるのだろうか。

タイムパラドックスを回避せよ

SF小説やSF漫画、SF映画でもよく語られる「タイムパラドックス」は、今回の作品でもとても重要な役割を持つ。タイムパラドックスは、過去を変えたことで未来の因果律に矛盾が生じることを言う。

今作の志織の場合で言えば、一年後の誰かは志織を助けたくて未来から過去へ連絡を取る。この時点で、未来では志織の命が亡くなっている。しかし、誰かの声により志織が未来を知ったことで助かったとすると、誰かは志織を助ける必要がなくなり、過去へ連絡を取ることをしなくなる。

このタイムパラドックスが回避できなければ、志織は因果律を守るために死ななければならない。高橋一生演じる平野は、志織から話を聞いたときこの矛盾に気付いてしまう。志織を助けたいが、志織を助けてしまうと未来が変わってタイムパラドックスが生じる。志織を助けるためのタイムパラドックス回避は不可避なのだ。

恋愛映画であるが、SF映画と同じような時間旅行の矛盾を解き明かす大きな謎が隠された、見応えのある内容である。

映画『九月の恋と出会うまで』の公開前に見ておきたい映画

映画『九月の恋と出会うまで』の公開前に見ておきたい映画をピックアップして解説しています。映画『九月の恋と出会うまで』をより楽しむために、事前に見ておくことをおすすめします。

探検隊の栄光

『永遠のゼロ』や、『曇天に笑う』などで助監督を務め、自身も多くの映画監督作品を残している山本透監督。『探検隊の栄光』は、2015年に藤原竜也主演で制作された、未確認生物開拓コメディ・ドラマ映画。

UMAを探し求めて、売れない俳優杉崎(藤原竜也)が、新しい自分を売り出すために番組制作者たちと一緒に探検に出かける。山本透監督はこの映画で脚本も務め、究極にくだらないコメディ映画が誕生した。

何も考えずに見ることができ、心地の良い無駄加減が面白さを呼ぶ映画である。出演者には、藤原竜也の他にユースケ・サンタマリアや、小澤征悦、佐野ひなこ、田中要次とテレビでよく見る顔ぶれが並ぶ。彼らもまた、この映画で重要な「くだらなさ」を全力で楽しみ、全力で挑んでいる。

『九月の恋と出会うまで』が、ミステリアスで真剣なラブストーリーならば、この映画はどこまでもふざけていてどこまでもくだらない映画に仕上がっている。山本透監督の、引き出しの多さが伺える、そんな映画である。

詳細 探検隊の栄光

耳をすませば

子供時代から芸能活動・俳優活動をしていた高橋一生が、まだうら若き青年だった頃の代表作である。宮崎駿監督の、スタジオジブリ制作青春アニメ映画『耳をすませば』。この映画で高橋一生は、主人公・月島雫に恋心を寄せる、一途だがひねくれものの青年・天沢聖司の声を担当している。

高橋がその後役者としてブレイクするには、長い時間が必要だったが、現在人気俳優の1人となり、テレビで見ない日はない程引っ張りだこになった高橋の原点とも言える映画である。初々しさと切なさと、未来への希望に満ちた無垢な青年を、体当たりで演じ切った高橋の声を、何度も見ているかもしれないがぜひもう一度思い出しながら、鑑賞して欲しい。

きっと、今回37歳の大人のラブストーリーを演じるにあたって『耳をすませば』の天沢聖司が、高橋一生のバイブルとなっているはずである。

詳細 耳をすませば

好きっていいなよ。

『九月の恋と出会うまで』で、ヒロインの北村志織を演じる川口春奈が主演の青春ラブストーリー映画。原作・葉月かなえの人気少女漫画『好きっていいなよ。』の実写映画化に当たり、福士蒼汰とのW主演で挑んだ。

16歳の主人公橘めい(川口春奈)が、誤って学校一のイケメン・大和(福士蒼汰)にけがをさせてしまう。だが、それがきっかけで大和に気に入られ、友人も恋人もいなかった橘めいの学園生活が一変する。

福士蒼汰の板にはまったイケメン学生ぶりもさることながら、川口春奈の人間関係作りが下手な女子高生役も、見ていてキュンと心を締め付けられる。大和に振り回され、ぎこちなくも心を開いていくめいは、同年代からも支持を受け、大人女性からは応援したくなるようなかわいらしさを演出した。

『九月の恋と出会うまで』で、大人のラブストーリーを演じている川口春奈とはまた違う、初恋の甘さ・苦さ・難しさ・楽しさ、全てが詰まったような、そんな映画である。

詳細 好きっていいなよ。

映画『九月の恋と出会うまで』の評判・口コミ・レビュー

映画『九月の恋と出会うまで』のまとめ

『耳をすませば』で、青春映画の声優を担当して以降、今作の『九月の恋と出会うまで』で平野を演じるまで高橋一生は恋愛映画に出演したことがなく、今作が実質初主演となる。あまり感情を表立たせる役のイメージのない高橋が、映画内で志織を助けるために葛藤し、号泣する姿は、ファン必見である。一方の川口春奈も、これまで様々な青春ラブストーリー映画に出演してきたが、これまでとは違う大人恋愛映画に意気込みを見せている。2人の映画に込める情熱で、感動は必至のようだ。

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