フランスを代表する監督であるオリビエ・アサイヤスが2018年にメガホンを取ったのが本作。これまたフランスを代表する女優であるジュリエット・ビノシュらを主役に据え、大人の恋愛を見事に描き出す。
映画『冬時間のパリ』の作品情報
- タイトル
- 冬時間のパリ
- 原題
- Doubles vies
- 製作年
- 2018年
- 日本公開日
- 2019年12月20日(金)
- 上映時間
- 107分
- ジャンル
- ラブストーリー
- 監督
- オリビエ・アサイヤス
- 脚本
- オリビエ・アサイヤス
- 製作
- シャルル・ジリベール
- 製作総指揮
- シルビー・バルト
- キャスト
- ギョーム・カネ
ジュリエット・ビノシュ
ヴァンサン・マケーニュ
ノラ・ハムザウェイ
クリスタ・テレパ
スカル・グレゴリー
ロラン・ポワトルノー
シグリッド・ブアジズ - 製作国
- フランス
- 配給
- トランスフォーマー
映画『冬時間のパリ』の作品概要
『夏時間の庭』や『パーソナル・ショッパー』などで知られるフランスを代表する監督、オリビエ・アサイヤスが2018年、新作に着手。今回テーマに描いたのは、大人の恋愛。世界的に有名なフランス出身の実力派キャスト陣を揃え、揺れ動く大人の心模様を見事に描き出している。メインの登場人物の殆どが浮気をしているというまさかの展開。冬のパリですれ違う四人の男女の関係性の行方はいかに。
映画『冬時間のパリ』の予告動画
映画『冬時間のパリ』の登場人物(キャスト)
- セレナ(ジュリエット・ビノシュ)
- 第一線で活躍している女優で、アランの妻。実は、裏で6年にも渡って作家のレオナールと不倫関係にある。
- アラン(ギョーム・カネ)
- 敏腕編集者として活躍していたが、電子書籍の台頭に頭を抱えている。
- ロール(クリスタ・テレ)
- アランの浮気相手。アラン以外にも愛人がいるという恐るべき女性。
- レオナール(ヴァンサン・マケーニュ)
- セレナの浮気相手。小説家で、自身の恋愛経験を元に作品を書くことが多い。
映画『冬時間のパリ』のあらすじ(ネタバレなし)
技術が発展し、次々と機械化が進む社会。その流れは、書籍界隈においても例外ではなかった。これまで敏腕編集として活躍してきたアランだったが、押し寄せる電子書籍ブームの流れに、なんとかついていこうと必死になっていた。そんな中、彼の元に友人であり作家であるレオナーが、不倫を題材にした新作を持ち込んでくる。そして、その作品の評価を巡って、彼と彼の妻であるセレナの意見が真っ向から別れるのだった。それ以外にも、二人の仲は最近あまり上手くはいっていなかった。実は、それぞれが不倫をしているなど、夫婦仲は完全に冷めきっていたのだった。冬のパリで、すれ違う二人の関係。果たして、二人の向かう先にはどんな結末が待っているのか。
映画『冬時間のパリ』の感想・評価
大人のラブストーリー
本作を一言でまとめるならば、大人のラブストーリー。勿論、互いが不倫をしているなどの泥沼的な展開ではあるのだが、それでも登場人物達がいい大人ということもあり、ただただ感情に振り回されているだけではない。そもそも主人公であるセレナとアランは、長年連れ添った夫婦関係。互いの行動に逐一トキメキを感じる時期はとうに過ぎ去っているのだ。公式HPにも書かれている『時の流れとともに変わりゆくもの、変わらないもの』というキャッチコピーは、既に生活が安定してしばらく経つ人にこそ、刺さる台詞ではないだろうか。恋のトキメキを感じつつも、ゆったりと家族で見ることができる作品。あまり少女漫画の実写版などが得意ではないと言う人も、本作は楽しめるかもしれない。
複雑に絡み合った恋愛関係の行く末
熱く燃え上がった恋愛が冷め、ついつい他の人との関係に手を出してしまう。そんな、不倫をテーマに扱った恋愛作品は数多くあれど、本作ではなんと、メインキャラ全員が浮気をしているという衝撃の設定。夫婦関係はほとんど破綻寸前なのだからもうどうしようもない。この泥沼を、果たしてどのようにして解決するのか。それぞれが新しい相手と新しい生活を歩み始めるのか、それとも関係性に決着をつけて、元の相手との幸せを再び取り戻すのか。様々な決着の仕方が考えられるが、主人公達が幸せになれるような結末を迎えられることを一緒に祈ろう。
映画『冬時間のパリ』の公開前に見ておきたい映画
ラブ・アクチュアリー
本作では、長年連れ添った夫婦の関係性が拗れ、それぞれが違う相手と不倫をしてしまっているという泥沼状況にある。同様の関係性にあるカップルが出演するのが本作。本作では様々な登場人物達が送る恋模様を描いた作品で、カップルも何組か登場する。その中で、今は亡き名優アラン・リックマンと、今も最前線で活躍するエマ・トンプソンという大物カップルが、冷えた夫婦関係の末浮気に走ってしまうという設定。その他にもコリン・ファースやヒュー・グラント、ビル・ナイといった超豪華俳優陣を集めた作品で、クリスマス映画やラブストーリー映画として必ずおすすめに食い込んでくるほどの名作。様々な愛の形を描いた傑作で、この映画を見終わった後、あなたは必ず恋をしたくなる。
詳細 ラブ・アクチュアリー
真実
本作の主人公の一人であり、アランの妻でありながらレオナールと不倫をしているセレナを演じるのは、フランスが誇る名女優、ジュリエット・ビノシュ。そんな彼女が近年出演し、日本国内で最も話題となったのは本作ではないだろうか。本作を監督したのは、日本人監督として史上4度目となるパルム・ドールを受賞した是枝裕和。本作も、『世界三大映画祭の全ての女優賞を受賞した』という輝かしい経歴を持つ彼女の演技がなければ決して完成しなかったと言っても過言ではない。物語は、フランスの大女優であるファビエンヌが、自らの自伝本を出版するところから始まる。そのお祝いをするため、彼女の家族がパリで一堂に会することになる。しかし、その肝心の本がキッカケとなり、これまで秘められてきた家族の秘密が明るみに出てしまうのだった。
詳細 真実
ホリデイ
冬の季節に起こる、大人の恋愛を描いた物語として最新作と共通している作品。コメディ俳優のジャック・ブラックや、現在は女優業を引退したキャメロン・ディアスなど、大物キャストが勢揃いした豪華な一本。ロンドンのとある新聞社で働くアイリスは、会社のクリスマスパーティで衝撃的なニュースを知る。なんと、彼女の恋人の筈のジャスパーが、他の同僚と婚約したのだった。一方、ロサンゼルスで暮らすアマンダも、恋人の浮気が発覚し別れを迎えていた。失意に沈むアマンダが見つけたのが、ホームエクスチェンジのサイト。そして、アマンダとアイリスは、運命的に家を交換することになるのだった。二人の目的は、恋人を失った悲しみを振り払い楽しく生きること。しかし、それぞれの新天地で、それぞれに新しい恋が待ち受けていたのだった。
詳細 ホリデイ
映画『冬時間のパリ』の評判・口コミ・レビュー
“冬時間のパリ”
あの映画の名台詞や移ろう時代と芸術への問答も説教臭くなくストレートに飛び込んでくるのは真実だから?恋慕を抱く相手と言葉と沈黙があるだけで何気ない日々はいつの間にか物語になってゆく。名優達の共演はダンディで艶やか、フランス映画素晴らしき!#1日1本オススメ映画 pic.twitter.com/sMTY4pANb7— Moeka Izumi (@moeluvxxx) 2019年12月21日
『冬時間のパリ』
ジュリエット・ビノシュ主演新作は、書籍編集者と女優、売れない作家と政治家秘書の二組の夫妻による恋愛群像コメディ。裏で抜き差しならない相互不倫を進行させ、表ではデジタル社会の文芸を論じ合う四人の真摯さ自体が可笑しい。オリヴィエ・アサイヤスの洗練された軽妙さ活きる。 pic.twitter.com/0YfRKAcafU— pherim⚓ (@pherim) 2019年12月15日
「冬時間のパリ」ほぼ全編会話するカットだけが紡がれていく異様にミニマルなプロット。その何気ない会話の中から登場人物達の内面や過去をじっくりと表出させていく。時折訪れる沈黙の瞬間が生々しい緊張感を与え、見る者を飽きさせない。アサイヤスの卓越した演出と語り口が冴え渡る一作。 pic.twitter.com/xRuCZbSQGD
— 朝田 (@yoshihiko_asada) 2019年12月20日
映画『冬時間のパリ』のまとめ
フランスといえば、オシャレというイメージを持っている人が多いのではないだろうか。ファッションや町並みなど、日本とは違う文化が日本人の心を掴んでいるのだ。そんなフランスでは、恋愛までもがオシャレ。登場人物の殆どが浮気をしているという泥沼的展開にも関わらず、どこかオシャレな雰囲気が漂っているのだから見事の一言である。そんなオシャレな作風に、フランスを代表する監督、俳優陣が勢揃いしている。まさに、フランスが自信を持って発表するフランスらしい映画。是非、スクリーンで楽しもう。
みんなの感想・レビュー
フランス映画ってこんなもんだったかな。セリフが多く、2回も落ちそうになった。どこが冬のパリなんですか。ストーリー展開も面白くなく、駄作としか言いようがない。